ドゥーチェ異世界にて戦うようです 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「さて、我々は革命による新政府ができた訳だが・・・少々文句があるもの達が居るらしいな。・・・南部国境線が突破された。」
ザワザワ
大国は秋津洲皇国以外全て独立保証を獲得していた(アンチョビの神外交)ため、昔の共和国の革命や連邦の赤化革命のような外部からの介入は起こらないと楽観視していた旧臨時政府の主要メンバーだった者達は衝撃だったが、アンチョビ以下側近や革命によって国内に帰ってきて政府に参加した者達は当たり前のように受け取っていた。
「アテネ(ギリシャ)が信用できるとでも?まぁこの背後を燻らせてきたがな。」
アテネ・ブルリアという小国2ヵ国の背後の大国・・・もう残りカスのように弱っていたメフメット帝国で親ダキア(親共和国、親合衆国派)を武装蜂起させ、アテネに武装難民を送り込んで全力でこちらにこれないようにもしていた。
「なに、少女の将軍とアントネスク大佐がやってくれるだろう。」
「戦車の威力・・・とくとご覧あれ。全車両発進。」
ケイの戦車乗りとしての経験はこの時代の3世代くらい先まで出来上がっており、アンチョビが拾って栄養失調状態が改善してからは、現実可能なスペックまで性能を抑え、拡張性があるよう設計した戦車を紙に書き、会社内で部品を密かに作らせ、組み立て、秘密裏に訓練させていた。
まぁ、現状では歩兵の支援にしか使えないが、私が前世で扱ってきた大馬力エンジン・・・は材料と技術不足でできそうにないが、試作エンジンは安定して100馬力が出せ、今の時代では破格のエンジンが量産に移りつつある。
「早くシャーマンにしてもらいけど贅沢は言えないもんね。」
そもそも戦車の実戦運用なんて世界で初めてであり、鉄の怪物が突入してくるだけで敵の兵は士気崩壊を起こして逃げ出してしまい、そこをアントネスク大佐が率いる歩兵が追撃し、背後には第一航空連隊が機関銃で掃射、僅か数分で進行してきた軍は殲滅された。
「・・・捕虜が取れたら最高だったんだがな。」
敵部隊の消滅報告を受けたアンチョビは即座にアテネ・ブルリア両国に講和を打電、仲介者は連合王国に依頼した。
「まぁ、アテネは破産しない程度に毟り取るがな。」
賠償金、格安の鉱物資源というやさしめの条件で講和が結ばれた。
「ここら辺が落としどころでしょう。」
プーハー
「連合王国としては戦略上重要なアテネがダキアに取られることだけを阻止するように言われていたから楽だったがな。」
「チャーブル、東欧は任せろ。共和国の連中は連邦を信用できてないが、なかなか面白い男がいたからそいつに国取りをさせようと思う。」
「連邦は帝国の後に必ず潰さなくてはいけない相手だ。」
「連邦はなにもしなくても自壊するぞ。食料不足でね。」
「ちなみにだがダキアの来年度の食料生産量はどれぐらいになるんだ?」
「改革して混乱すると思うから落ち込むだろうな。まぁ再来年には今の2.5倍にするつもりだがな。」
「期待してるぞ。」