ドゥーチェ異世界にて戦うようです 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
絶望的な戦力的不利をものともせず、奇跡の反抗作戦を決行する。
「音響弾発射!!」
「「「発射!!」」」
数十発の音響弾が共和国陣地周辺で破裂する。
その音は超音波となり、普通の人間にはまず聞こえない。
3日目となるこの日は濃霧となっており、上空からの魔導師による観測もできないほどであり、今回の砲撃も散発的な事から牽制であろうと共和国軍は判断し、霧が晴れたら再度攻勢に出るため、部隊が密集していた。
「天は帝国に味方した!!勝利は余のものぞ!!栄光に向かい突撃せよ!!」
「攻勢開始だぜ。」
その攻撃は激しく、写真等の証拠がなかったため、戦闘経緯が近代になっても不明だが、統計で共和国軍死者16万人、捕虜4万人、砲600両と世紀の大敗を決した。
だが、帝国軍も1万人近くの死傷者が出たこと、共和国の後づめにヘタンという中将がおり、防衛陣地を速やかに設置できたことで、崩壊は防ぐことができた。
だが、これより後に共和国軍としての大規模攻勢は不可能となり、アレーヌ攻防戦は帝国の勝利で幕を降ろす。
今回の攻防戦は帝国に皇族としての英雄をもたらした。
皇太子殿下は帝国の英雄という政治的なアドバンテージを獲得し、疑問視された能力面で全体を黙らせる事ができ、攻防戦を共に戦った戦友の士官、下士官、更には兵士は出世のレールに無理矢理でも乗ることとなる。
兵士の中に、戦後の帝国首相ヒットレルもここにいた。
「・・・想像しているより帝国が強いのか、共和国が弱いのか。」
「帝国が強すぎたのでしょう。」
チスクも言うようになったな。
外交の半分以上を任せられるチスクだからか?
「まぁいい。共和国経由で帝国のスクラップが手に入った。解析すれば利益になるだろう。」
「それは良いことですね。アンチョビ様、2つ報告があります。」
「ん?」
「1つは来客です。もう1つは合衆国から。」
「来客を先に。」
キー
「よお、チスク久しぶりだな。アンチョビ様もどうも。」
「なんだお前かチトー。」
「レジスタンス組織はできたぜ。・・・バルカン諸国の大国化運動は夢かも知れねーが俺はそれに全力を投じるぜ。」
「その前に邪魔な帝国には消えてもらわないといけない。・・・チトー、攻勢に最低2年の年月がいる。こちらからの合図は合衆国を焚き付けてから何らかのアクションをする。無茶はするなよ。」
「わかってる。」
レジスタンスの組織は私が世界中で制御している社会主義者達を通じて編成している。
共和国、帝国領占領地域に大半があり、共和国レジスタンス達には万が一帝国に早期に敗北した時の備えとしていたが、使わなければならないかもしれないと、有力者を集めるために根をはる。
「・・・ふぅー。チスク、幹部を集めてくれ。今日は飲む。」