ドゥーチェ異世界にて戦うようです   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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航空倶楽部

ダキアでは現在航空魔導師が絶滅危惧種並みに少ない。

 

特権階級の本当に一握りしかいないのである。

 

今更ながらであるが、私は両親を貴族でも中くらいだと思っていた。

 

フットワーク軽いし、選民意識低いし・・・。

 

現在15歳・・・遅れながらの初舞踏会に参加し、そこで気がついた。

 

・・・辺境伯・・・つまり、公王国・・・王の血が流れてない中で一番高い地位にいた。

 

そうでなければ日本でいう関西の半分程の大きさの土地を治めているのはおかしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「父上、領内の発展方針をお聞きしたいのですがよろしいですか?」

 

夜遅くにアンチョビが私に話してきた。

 

女性がこんな時間まで起きていることに感心はしないが、アンチョビのことだ、なにか思い付いたのだろう。

 

「アンチョビの会社からもたらされる石油の利益で富み始めた。この富みで城の改築を使用と思っている。」

 

「その改築を少し待ってくれませんか?」

 

「なぜだね?」

 

「トゥルチャにダキアの第2の心臓を作ろうと思いまして。」

 

「トゥルチャ・・・1万人の小さな町にか?」

 

「はい。」

 

現状父が治めるワインの町フォクシャニに私の基盤があるが、地理的にここでは工場群を建てるのは厳しい。

 

なのでトゥルチャという場所に眼をつけた。

 

ダキア版中京工業地帯を作ろうと思ったからだ。

 

海が近いため輸出製品を造りやすく、平地が多くあるため工場も建てやすい。

 

寂れた造船所と港がある場所が近いため活気づけば人が集まりやすい等の高立地であると私は確信している。

 

「ならやってみなさい。・・・あとそろそろ結婚を視野に入れておけ。遅くなったら国に関わる。」

 

「・・・わかりました父上。」

 

イオン・アントネスク元帥を探そう。

 

彼なら戦車に関心を持ち、ハンガリーで元帥までのしあがった人物だから・・・優秀であり、近代的思考を持っているだろう。

 

 

 

 

 

「ダキアは大王国(ロシア)とライヒ帝国、イスラーム圏の拡大を狙うメフメット帝国の様々な意味合いで防波堤となります!!しかし、現状では土塁にもなりません!!どうかあなたの会社の力を借りたい。勿論対価はしっかりと払わせてもらいます。」

 

土下座外交の如く海外の様々な会社に融資、誘致の誘いを行った。

 

技術が有りそうなところにはどこへでも飛んだ。

 

最初は15の少女として軽く見られたが、悪魔じみた交渉術や、具体的な返済方針、数ヵ国同時に競りのようにした新しい誘致の方法等々・・・這いずり回った結果、日本の八幡製鉄所(この世界では秋津島皇国という国の製鉄所)を設計したHGG社から安く大規模製鉄所の誘致に成功し、ライヒのダキア利権拡大を恐れた連合王国、共和国はそれぞれ鉄道会社ロンディニウム・アンド・ノース・イースタン鉄道が港からモレニまでの新規鉄道利権を落札、新規紡績と製紙工場を共和国政府が落札した。

 

莫大な資金がかかるが、様々な利権、空手形、融資等々など・・・で25年計算で返済できるようにした。

 

それを間近で見ていたチスクは改めてアンチョビを化け物だと思うと同時に役に立ちたいと共和国語、連合王国語を勉強した。後に外交の魔術師と呼ばれ、世界戦略をも動かしていくニコラエ・チスク外務大臣の誕生だった。

 

 

 

 

 

 

 

「トゥルチャを治めている貴族様の所に行けば飯が食えるそうだ。」

 

「わしも聞いた。」

 

トゥルチャの都市改造をおこなっているとそんな噂話がダキア全体に広がり始めた。

 

私の思った通りだ。

 

農民は今年の不作で飢えている。

 

飢えているのなら食料を輸入して渡せばいい。

 

大切な労働力だ。

 

絶対に無駄な死などさせるものか。

 

アンチョビは今年の不作を知らなかったが、農民反乱が起こることは知っていた。

 

だから大規模な登用を生み出す企業群に誘致させたとも言える。

 

ただ、都市を1つと会社を動かしていくなかで思った。

 

ダキア人上層部の組織運営能力の低さを・・・。

 

トゥルチャの前貴族はこれらの問題を棚上げ、先送りを繰り返し、トゥルチャ経済停滞を巻き起こしていた。

 

この停滞をライヒから連れてきて、ダキアで数年過ごした銀行員達を市の組織にねじ込むと物流が流れ始めた。

 

そこで初めて前貴族が棚上げをしていた理由を知る。

 

「教育が足りてない・・・。」

 

そう私は痛感せざるをえなくなった。

 

この問題は父親だけでなく、その分野の専門家達を海外から呼び、議論を重ねた。

 

結論は無理と不可能。

 

国の憲法(王令)により愚民政策が採用されているため、一部を除きダメであり、法律を破れば改易、降格の可能性すらあった。

 

法律を変えるのは骨が折れる・・・変える?・・・いや、穴はないのか?

 

次に私は法律の穴、それを探した。

 

法律の穴は見方をを変えればすぐに見つかった。

 

「私兵だ。」

 

辺境伯となれば約2万5000の兵を戦に駆り出す義務がある。

 

それすなわち軍であり、軍は教育を施すことが許されている。

 

ただ、大半が農民で、一時的な徴兵に答えているだけなので、実際の常備兵が何名いるか把握できていない。

 

父親がそうなのだから住民の大半でなければこちらがいくらか私兵を持ってもバレない。

 

この私兵を後の教員とすれば・・・いける。

 

 

 

 

 

 

すぐに私は行動に移した。

 

郊外に兵舎(小学校の校舎)を作らせ、町の中央部や人通りが多い場所に看板を建てた。

 

《兵士求む

検査だけ 1食1回限り 適性あり1日3食 他の職紹介する》

 

とにかく簡潔に、誰にでもわかるようにした。

 

理由として字が読めない者が大半の元農民の子供達(出稼ぎ)の人を狙っていたからだ。

 

困窮した農民の兵は強い。

 

私がいた日本の武田信玄率いる武田軍等が良い例だし、農民は村で家族関係が完結する。

 

反乱を起こす中心になりやすく、都市部の影響で士気が上下する労働者出身の兵に比べれば何百倍も扱いやすい。

 

看板だけではなく、自費を削って私は安いパンを買い込み、それを餌に街頭演説を行った。

 

サクラを周りに仕込ませ、木で作られた台から雄弁を私は振るう。

 

ダージリンや杏が見たら爆笑するだろうな。

 

「困窮した民の諸君!!私には君らを助ける力がある!!まずは私の話に耳を傾けて欲しい!!」

 

パンを食べている間に聞き終わり、頭に入るような分かりやすく、それでいてインパクトのある言葉を言う。

 

初日はパン目当てだったが、次第についでに演説を聞こうとする人が集まってくる。

 

最後まで演説を聞いてくれたらパンをもう1つ渡すようにする。

 

こうしていると兵舎に人が来るようになる。

 

魔導適性を強制的に受けさせ、次に身体検査これらが終わるとどちらも適性無しは公共事業の労働者として送る。

 

魔導適性D以上ありが22名、180センチ以上の若い男性は140名か・・・一期としては十分だ。

 

「諸君!!よくここに来てくれた!!私は歓迎する!!」

 

~1時間後~

 

「君達は未来の軍隊の中核となっていくだろう!!そのためには・・・」

 

ハナシナガイネ

 

ソウダネ

 

~2時間後~

 

「そもそも私兵の歴史は紀元前まで遡る・・・」

 

アシガツカレタ

 

プルプル

 

~3時間後~

 

「ダキア人とその他の民族では意識の違いがある、とても優れたとは言い難いが時勢を読む力が・・・」

 

オナカスイタ

 

ソウダネ

 

~4時間後~

 

「共和国は国民と言う単位で完結するが、ダキアは村単位で完結してしまう!!なぜか・・・」

 

カエリタイ

 

カエリタイ

 

ウゥ

 

「ドゥーチェに付いてこい!!このドゥーチェが導いてやる!!」

 

ドゥーチェ?

 

ドゥーチェ?

 

「そうだ。ドゥーチェだ!!」

 

ドゥーチェ‼

 

ドゥーチェドゥーチェドゥーチェ‼

 

まぁこんなものだろう。

 

その日はそれだけで終わったが、次の日からは小学校の授業を始めた。

 

私がいた頃の小学校は昔にしてみれば中等科の軍事教育であると調べているうちにわかった。

 

例えばだ、食事の前に手洗い、うがいは衛生という意識を芽生えさせるために必要だし、机に長時間座るは、長時間の行動に耐える忍耐力を養う目的があったりした。

 

ちなみに先生は各国の退役軍人(手足に怪我をして日常生活が困難な若い軍人)を集め、教師をしてもらった。

 

カリキュラムは私が纏めあげたが・・・なぜか彼らは感心していたが・・・なんだったんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

『どうだい?一区切りついた頃かな?』

 

キュゥべえか。

 

・・・神様も暇なのかな?

 

『そのキュゥべえ言いづらいならQBでいいよ。・・・そうだね~、暇と言えば暇になるね。これでも僕は偉いからね。頼れる部下に任せていたんだよ。』

 

いた?

 

なんで過去形?

 

『この世界を管理している者・・・管理者がポカをした。信仰心を無理矢理集めようとね。宝珠は管理者の欲望から生まれた物だ。この宝珠・・・それは有ってはいけないものだ。』

 

私は普通に使ってるけど?

 

『人が使う分には問題はない。管理者が産み出したことに問題があるんだよ。』

 

ふ~ん。

 

『あ、そうだ。安斎千代美、君に良い情報をあげよう。管理者はこの宝珠を最大限利用して信仰心を集める舞台を整え始めた。更にキーマンを異界から呼び寄せようとしている。賢い君ならわかるよね?』

 

大戦のタイムリミットか。

 

『そう。だけどその前になにかが起こるだろう。頑張れとしか言えないけど・・・いや、1つ助けることができるや。』

 

なに?

 

『君が持っているソウルジェムは抵抗となり、くっ付ける性質を持っている。』

 

抵抗と接続・・・まるで電気だね。

 

『恐らく管理者も電気をベースにしているね。さぁこれがヒントだよ。時間だからまたね。』

 

また。

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