ドゥーチェ異世界にて戦うようです 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
チスクとジョジョ、2人は天才だ。
私に無いものを持っている。
チスクは計算により世界を見る。
ジョジョは音を魂に伝え、それに世界が感動する。
だけど私は思う。
時代が早すぎる。
今は軍が力を持つ時代だから政治家も、音楽家もこの時代には早すぎたんだ。
なぜこんなことを今思うのか・・・ちゃんとした理由がある。
ダキア西部、イルドア(イタリア)王国と常々紛争が絶えないこの地域に帝国が侵攻してきたのだ。
「父上、戦況は?」
「アンチョビか。早かったな。」
実家の屋敷に馬(車欲しいな)で駆けつけると、真っ青な顔をした父上がいた。
戦況は最悪なのだろう。
「西部の貴族4家が当主死亡、2家が降伏だ。幸い公弟様が何とか戦線を食い止めている。」
「敵に魔導師は?」
「ごく少数観測班がいるらしいと聞いている。」
「なら・・・」
「アンチョビ、悪い顔をしているところ悪いが、女に戦場に出すわけにはいかん。町を治めながら中等部首席なだけでも今は十分だ。」
「父上は出るのですか?」
「出るには出るが、逆方面のルーシー大王国の国境ちかくだ。」
なら安心だ。
ルーシー大王国は・・・そろそろ死ぬ。
「話は以上か?」
「はい。ご武運を。」
「ああ。」
「ドゥーチェ、集合が完了しました。」
「よろしい。・・・第1、第2魔導師中隊この銃を渡しておこう。」
戦場に絶対に行く。
ただし私が死ぬわけにはいかないし、仲間達も死なすわけにはいかない。
そこで、狙撃に徹することにした。
現在使用している銃の砲身を長くして、威力を強め、脚を着けた即席狙撃銃だが、私が微調整しながら自力で作った約4倍スコープ(約と付くのは個人で作ったので誤差が酷いのと、魔法の補助効果を得てしてやっと4倍になるように作られている)を使われている
ヤスリやバーナーで1つ1つ調整するの辛かった・・・絶対に機械で量産できるようにしてやる。
「10日以内に1キロ先の獲物を狙い射てるようにしろ。なに、魔導師の魔法の力で対空気抵抗緩和をすれば当たる。自信を持っていけ!!」
「「「は!!」」」
私にこの時代を生きれるか、軍人としての才能が有るか・・・確かめるためには私は人殺しに行く。
7日間の休みを中等部に提出し、魔導宝珠に魔力を込める。
体が浮き上がり、時速60キロのペースで小隊規模で編隊を組んで進んでいく。
「目的地付近、着陸用意!!」
通信魔術を使い各自に命令していく。
着陸後、狙撃ポイントにて待ち伏せをおこなう
可能な限り身を伏せて、地面に体を擦り付けながら・・・
スコープから見た戦場の景色・・・ちぐはぐしているな。
近代戦でありながらそれが戦術と噛み合っていない。
砲撃や銃弾を守る盾が塹壕と自分達の肉体しかない・・・残酷で、生々しい光景だった。
カチ
「司令官らしき人物を狙え。」
私も目標となる人物を探す。
あれは・・・
『見つけちゃったか。まぁ僕には関係ないね。僕は安斎千代美だけの味方だからね。君はどう思うかい?老婆。』
『私は彼女のための前菜でしかなかったのが悔しい・・・とでも言えばいいか?』
『ソウルジェムにしたのは悪いが、君の自我を残すにはこうするしかないのさ。神の慈悲だよ。』
『どう見ても暇潰し・・・いや、年取ると本音がすぐ出るね。』
『まぁいいよ。・・・君から見て安斎千代美はあれを殺せるのかな?』
『彼女自身では殺せないだろうね。』
『だろうね。・・・また語ろう、老婆。』
『神、あなたもね。』
「歩兵の連携密度を上げろ。観測魔導師を1度下げるぞ。」
「よろしいのですか?大佐。」
「あぁ、私の望む戦ではないがな。」
「大佐は戦車という新兵器を欲しているのでしたな。そこまで戦争を変えるのですか?小生には点でわからんのですが。」
「変わるさ。それを見届けたら私も軍人を引退するがな。」
「30歳の小娘と思っていましたがな。」
「何年前の話をしているのだ大尉。さて、仕上げだ。我々も突」
「大佐?」
ドバ
「大佐!!」
「や、やった!!こ、殺した!!」
「大声を出すな。気付かれる。ゆっくり後退するぞ。」
「はい。アンチョビ様。」
あれは・・・西住まほ・・・いや、気のせいだ。
彼女はこんなに簡単に死にはしない。
それよりも次のポイントに移動しなければ。
ライヒ、ダキア進行と呼ばれるこの戦争は謎の狙撃により12名の将官候補が戦死した。
ライヒにとっては誤算であったものの、狙撃してきた部隊と思われる小隊の死体を確認したため鬱憤は下がる。
「5名の死・・・か。」
1小隊が欲張った。
その小隊が一番戦果を上げたのは事実だが、これまで手塩をかけて育てた対価と比べるとあまりに少ない。
「・・・馬鹿者め。」