やはり俺の将来設計は完璧過ぎる。   作:U.G.N

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 第18話です

 どうぞ



実は一色いろはが1番大人

 はーい。よい子のみんなー、八幡お兄さんですよー。今俺は魔王城の前にいます。うーん、今まで何度も開けてきたこの扉はこんなにも重かっただろうか?昼の由比ヶ浜、怖かったなー。ていうか、魔王城に乗り込むのにパーティーメンバー0とか無理ゲすぎる。戸塚かめぐり先輩の笑顔があれば何度でも生き返ることができるというのに。戸塚には頑張ってこいと見捨てられ、めぐり先輩にはメールで『なら、先に図書室に行って待ってるね』と癒された。癒されちゃうのかよ。

 

 仕方がない、行くか。

 

 俺は溜め息をつきながら、部室のドアを開けた。

 

「あ、遅いですよー、先輩」

 

「お、おう」

 

 あれ、何か思ってたより普通だな。

 

 俺は一応警戒しながらも、最近座っていなかった自分の席に座る。

 

「それで?話ってのは?」

 

「まぁ待ちなさい。まずは紅茶を淹れるわ」

 

「……さんきゅ」

 

 ゆきのんが優しい、だと?やはり何かがおかしい。由比ヶ浜は携帯も見ずに、ずっとニコニコしてるし。一色は……、まぁいつも通りだな。

 

「どうぞ」

 

「あ、ああ」

 

 そっと一口。あ、いつも通りだ。うまい。

 

「では、早速本題に入らせてもらうわ。先週の土曜日、何をしていたか聞かせてもらってもいいかしら?」

 

「めぐり先輩とデートしていたが?」

 

「…………やけに素直ね」

 

「どうせ一色に聞いたんだろ?あの日一色とも会ったからな。嘘をついたり、誤魔化したりする必要性が感じられないだけだ」

 

 こいつらは俺の夢のことも知ってるわけだし、わざわざ隠す必要もない。

 

「それにしても、貴方が女性をデートに誘うなんて、そんな甲斐性があるとは思わなかったわ」

 

「まぁ、俺から誘ったわけじゃないけどな」

 

 俺の言葉に雪ノ下と一色がピクリと肩を動かす。てか、由比ヶ浜がさっきから全く動かないんだけど。表情筋が固まってやがる。生きてんのか?

 

「え?まさか、城廻先輩から先輩をデートに誘ったんですか?」

 

「ああ。どうやらめぐり先輩は感動する答辞が書きたいらしくてな、参考に今感動するって云われている映画を一緒に観に行こうよって言われたんだよ」

 

「マジですか。城廻先輩も意外と積極的ですね」

 

 一色が何かブツブツと言っているが、流石の俺でも聞こえないくらいの声だった。

 

「それは果たしてデートと言うのかしら?」

 

「「は?」」

 

 雪ノ下の一言に俺と一色の声が被る。

 

「いやいや、雪ノ下先輩。これは明らかにデーt……痛アァァっ!!」

 

 何かを言おうとした一色の頬をいきなり雪ノ下がパチーンとビンタした。

 

「お、おいおい。いきなり何やってんだよ。大丈夫か一色?」

 

「い、痛いですよぉ」

 

 涙目で自分の頬を擦る一色。

 

「ごめんなさい。蚊がいたわ」

 

 一応真冬なんだけどな。

 

「それよりも、貴方の先程の説明からすると、それはデートとは言わないのではないのかしら?」

 

「どういう意味だ?」

 

「だってさー、ヒッキーさっき言ってたじゃん。答辞の参考にするために映画を観に行ったんでしょ?ならそれはデートじゃなくて、取材だよ」

 

 む、そう言われてみるとそんな気がしてきたな。デートと思っていたのは俺だけで、めぐり先輩はただ取材してただけなのかもしれない。ていうか、由比ヶ浜生きてたんだな。

 

「それで?その後は?」

 

「ん?ああ。映画観た後はフードコートで昼飯食って、あ、そういやそこでお前の姉ちゃんに会ったな」

 

「そこはどうでもいいわ。興味がないから」

 

「お、おう。そうか」

 

 いい加減仲直りしようよ君たちは。

 

「一色さんの情報によると、その後2人手を繋いで逃げていったと聞いたのだけれど?」

 

「あ!そうそう。何であのとき逃げたんですかー?」

 

「あ?そりゃ雪ノ下さんに捕まった後にさらにお前と話すなんて疲れるからに決まってんだろ」

 

「何ですかそれー!」

 

「なるほど。納得したわ」

 

「雪ノ下先輩まで何で納得するんですかー!!」

 

 一色が雪ノ下に怒っている。何かこいつら、いつの間にか仲良くなってんな。

 

「あ、そういや前に一色と行ったカフェ、役に立ったわ。そこは感謝してる」

 

「え?ああ。あそこに行ったんですか。そうでしょそうでしょ、女の子ならあそこは喜ぶはずですから」

 

 一色がうんうんと頷きながら、薄い胸を張っている。

 

「あー、そこで一応女のお前らに聞きたいことがあるんだけどよ」

 

「「「一応?」」」

 

「立派な女性の貴女方に聞きたいことがあるのですが」

 

「何かしら?聞いてあげるわ」

 

「そのカフェに入る前に、以前一色にここを教えてもらったんですよって言ったら、めぐり先輩の機嫌が急に悪くなっちまったんだよ。まぁ注文したのを食べたら治ったから大丈夫だとは思うんだが、理由わかるか?」

 

「は?いやいや、そんなの決まってるじゃないですか。嫉t……痛いぃっ!!!!」

 

 またも雪ノ下がパッチーンと一色の頬を叩く。さっきより痛そう。

 

「お、おい。雪ノ下?」

 

「ごめんなさい。蚊がいたわ。5匹ほど」

 

 めっちゃいるな。一応真冬なんだけど。

 

「……それは難しいわね。もしかしたら急ではないのかもしれないわね」

 

「というと?」

 

「ヒッキー。それよりも前に何かなかった?もしかしたら無意識に城廻先輩を困らせてたとかあるかもよ?」

 

 久しぶりに由比ヶ浜が喋る。しかし、無意識にか。

 

「心当たりがないわけではないな」

 

「言ってみなさい」

 

「ああ。実は……」

 

 俺がポップコーンを奢ったお返しとして昼飯を奢ると言ってきためぐり先輩を断り、代わりに名前呼びをしてもらうということで解決したことを3人に話した。

 

「ああ。だからさっきから先輩も、城廻先輩のこと名前呼びだったんですね」

 

「なるほど。それね」

 

「うん。それだね」

 

「む。やはりか」

 

「へ?いやいや、先輩。絶対関係ないでs……いたいっ!!!!!!」

 

 またも雪ノ下が一色の頬をビンタする。もう一色の右頬は真っ赤である。

 

「おそらく、そこまで親しいわけでもない貴方のことを名前で呼ぶのに抵抗があったのよ。現にお店に入ったとき名字呼びに戻されたのでしょう?それが何よりの証拠よ」

 

 ぐっ、やはりそうだったのか。

 

「もしかしたら、ヒッキーが城廻先輩のことを名前呼びするのも、嫌かもしれないよ?だっていきなりしたんでしょ?」

 

「う、だが、それは全然いいって」

 

「城廻先輩は優しいから断れなかったんだよ」

 

 うぅ。もしそうなら、俺はめぐり先輩に嫌われてしまったのかもしれない。それだけは嫌だ!

 

「お、俺、謝ってくる」

 

「それがいいわね」

 

「早く行った方がいいよ」

 

「おう。2人ともさんきゅな」

 

 俺はそのまま走って奉仕部を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方奉仕部では

 

「お2人とも、性格悪すぎます」

 

「「だって比企谷君(ヒッキー)が!!」」

 

 2人はとてつもなく後悔していた。

 

 




 
 いろはすだけ妙に冷静で大人でしたw
 ゆきのんとゆいゆいもヤキモチ妬いてるだけなんです!どうか嫌いにならないでやってください!w
 次回は久しぶりにめぐりんが出てきます。
 お楽しみに。

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