残念ながら今回戸部は名前しか出ませんのでw
ではどうぞ
学校を一緒に出た俺たち3人は、同窓会が行われる居酒屋に到着した。
「む。少し遅れてしまったな」
「……彩加が女子たちにチヤホヤされてたから」
「あのとき八幡が助けてくれてればよかったでしょっ」
俺と彩加がそんな言い争いをしながら店に入る。
「あー、先輩おっそーい」
「………いや、何でお前がいるんだよ」
このやりとり懐かしい。
「あっ、ヒッキー。やっはろー!」
「おい由比ヶ浜。高2時代の同窓会って聞いたんだが」
35歳の挨拶とは思えないやっはろーが飛び出す。
「高2のときに仲が良かった人呼んだよ?」
そういうことかよ。てっきり同い年の奴らと平塚先生だけだと思ってた。
「それならめぐりも呼んでやれよ。あいつ仲間外れとかにされるとすげー拗ねるんだよ」
ほんと、以前めぐりが早く寝てしまい、俺と彩加と小町の3人でリビングで飲んでたとき、そのことを次の日知っためぐりは3日間拗ねてた。
「嫌ですよぉ。せっかく集まったのに、惚気るとこなんて見たくないですもん。だから付き合ってたり結婚してる人は片方しか呼んでないんですよ」
よく見ると確かにその通りのようだ。俺や戸塚はもちろん、葉山はいるが陽乃さんはいない。海老名さんはいるが戸部がいない。
いや、陽乃さんはまだしも戸部は呼んでやれよ。一応俺たちと同い年なんだし。
「あなたたち先程から聞いてるけど、少し気になるから言わせてもらうわ。何故皆、結衣さんや先生のことを旧姓で呼んでいるのかしら?それでいいのなら、私も由比ヶ浜さんに戻したいのだけれど」
雪ノ下が奥からこちらに向かってくる。どうやら先程まで三浦と葉山と話していたらしい。雪ノ下と三浦が言い争って、それを葉山が苦笑いしながら仲裁している図がすぐに浮かぶ。
「ええ!?なんで!?そのまま結衣って呼んでよ!ゆきのーん!」
由比ヶ浜が雪ノ下に抱きつく。何歳になっても、結婚して子持ちになってもやはりこいつらの仲は良いらしい。
「まぁ、こっちの方が慣れてるからな。お前は結婚しても雪ノ下のままだが」
そう。葉山は一人っ子のため、陽乃さんは葉山の方に嫁入りをし、雪ノ下の方が婿入りしてもらったのだ。
「それにしても久しぶりね。3年ぶりくらいかしら」
「そうだな。お前とも由比ヶ浜とも、最後に会ったのはお前の娘が生まれたときだからな」
3年前に雪ノ下の子供が生まれ、俺たち家族4人と由比ヶ浜の5人でおめでとうを言いに行ったとき以来である。
「まぁあたしはゆきのんとよく、ご飯とか食べに行くけどね」
「そうね。結衣さんとはよく会ってるわね」
どうやらこの2人は今でもよく会っているらしい。そういえば、たまに小町もこの2人と会ってるって前言ってたな。
そのまま彼女たちは戸塚と平塚先生とともに平塚先生の旦那さんや、子供の話で盛り上がり始めた。
俺はその光景を横目に端の席に座ると一息つく。
すると、俺の横に誰かが座ってくる。おい、せっかく誰とも関わらないように端に座ったのに。
「やあ。久しぶりだね比企谷」
「おお。俺の尊敬する葉山隼人じゃないか」
「……なんだいそれは?」
俺の隣に座った葉山は俺のコップにビールを注ぎながら困惑気味に聞いてくる。
「当たり前だろ。あの人と結婚する奴はどんな奴でも尊敬に値する」
そう言いながら葉山と軽く乾杯する。
「ははは。そうでもないさ。俺が彼女を好きなのには変わりないしね。それに意外と2人っきりでお酒が入ると……っとすまん。メールだ」
気になるところで話が途切れた。2人っきりのとき、酒が入るとあの人はどうなるというんだ?
するとメールを確認した葉山がいきなり周りを見回したり、窓から外を覗いたりと落ち着きがなくなる。
「おい。どうした?」
「え?ああ、いや、なんでもないさ」
「そ、そうか。そんで?2人っきりで酒が入ると陽乃さんはどうなるんだ?」
「い、一体何のことだい?俺にはよくわからないな」
「はぁ?いや、お前が言い出したんだろ?」
結構続きが気になっているのだ。
「酔うと陽乃さんはどうなるんだよ?」
「それより比企谷は最近どうだ?」
何故か強引に話を変えようとする葉山。一体さっきのメールは誰から送られたもので、何と書いてあったのだろうか?何となく理解した俺は恐ろしくなって葉山の話に乗ってやることにした。
「ボチボチだな。そこまで生意気な生徒もいねーし、まぁ、面倒な上司ならあそこにいるんだが」
その目線の先には由比ヶ浜たちに根掘り葉掘り聞かれて少し焦っているアラフィフがいる。
「お前の方こそどうなんだよ?陽乃さんの秘書だっけか?」
「……ああ。かなり大変だよ。彼女は人使いが荒いというか、むしろ人と思ってないまであるな」
おおう、あの葉山が何か俺みたいになってんな。あの人どんだけこいつを酷使してんだよ。
「なるほどな。それで夜には攻守が逆になると」
「……比企谷、お前変わったな」
「そうか?俺は昔からこんなだぞ?」
「そう言われればそうかもしれない」
そう。俺は昔から変わってないと思う。だから何か奥の方から「攻守交代!?まさかのはちはや!?コレはキマシタワー!!」とか言う声も聞こえない。
「あー、何2人で楽しそうに話してるんですかー。わたしも混ぜやがれですよぉ」
さっきよりも大分酔っ払った一色が俺たちに絡んでくる。
「あー、そういや、あとはお前くらいだよな。結婚してないの。まさかお前が第2の平塚先生になるとはな」
「」
俺の言葉に一色が笑顔のまま固まる。
「あ、あああ」
「あ?」
「あんな人と一緒にしないでくださいよ!!わたしだって、職場には結婚を前提に付き合ってくれって言ってくる男が吐いて捨てるほどいるんですよ!」
「そんなこと言ってくれる男を吐いて捨ててやるなよ」
平塚先生と一緒にされたのがよほど腹立たしかったのか、俺たちにの前にドカッと胡座をかいて座ると、俺に向かって指を指してくる。
「いいですか!?わたしはね、年上が好みなんですよ!なのに言い寄ってくるのは何故か年下ばっか!!まぁ別に良い男なら年下でも構わないんですが、昔わたしが好きになった人以上の男じゃないと納得できないんですよ!!」
相当酔ってんなこいつ。
「……お前。葉山以上とか求めてやんなよ」
年下くんたちのハードルが高すぎる。
「葉山先輩?何で葉山先輩なんですか?」
「いや、お前昔葉山が好きだったじゃねーか」
「ああ。あれはただ葉山先輩の彼女っていう箔が欲しかっただけですよぉ」
本人目の前に言い切りやがったよこいつ。ほら、葉山がすごい苦笑いしてんじゃん。しかも言うだけ言って、寝やがった。
「葉山。変わったっていうなら、こいつが1番変わったよ」
「ああ。それに関しては否定しないかな。ただ良い方にだけどね」
「……まあな」
ほんと、こいつは変わった。初めその話を小町から聞いたときは俺も雪ノ下も由比ヶ浜も全く信じられなかった程なのだから。
次回いろはすについてのお話です。
お楽しみに
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