どうぞ
「さて」
「比企谷君の相談とやらに」
「……乗ってやる」
「いやー、流石皆集まるの早いねー!」
「何でこうなった……」
俺は変態先輩と鳳凰院先ぱ「ギロッ」栞先輩に連れられて製菓研の部室に来ている。
そして部室に入ってみたら1番目と2番目の先輩、あんマコこと杏奈先輩とマコ先輩がいた。
「だーかーらー、私たちが協力してあげるって」
変態先輩が俺の肩をポンポンと叩きながらそんなことを言う。
「ミカに聞いたよ。今朝めぐりに無視されてへこんでるんだって?」
「うーん。めぐりが無視するなんて、あんまり信じられないんだけどな」
「……聞こえなかったというのは?」
「いや、あれは完璧に無視してたね」
くっ、最後のやつ滅茶苦茶腹立つ……!
「何か心当たりないの?」
「昨日のめぐりからは無視するなんて考えられないけど」
「……ていうか、昨日比企谷の家に行くっていってなかった?」
「つまり、貴様! 昨日めぐりに何かしたな!? 無理矢理襲ったんじゃないだろうな!? その時のめぐりんどんな顔だった!? 痛い痛い!! ごめんなさい! いや、ありがとうございます!!」
まったく、このままでは俺の握力がどんどん鍛えられていくではないか。
「まぁ、確かに家には来ましたね」
昨日はめぐり先輩と一緒に帰って、そのまま俺の家に来て夕飯を作ってもらった。
「てか、比企谷君って実家暮らし?」
「いえ? 独り暮らしですけど」
杏奈先輩の質問に答える。すると4人が小さく集まってヒソヒソ話し始めた。
(やっぱりそこで何かしたとしか思えないよね)
(えー、めぐりが何かしたならまだしも、比企谷君が何かしたとは思えないんだけど)
(……あいつヘタレっぽいしね)
(いやいや、比企谷君はなかなか良いよ。結構苛めっ子だよ!)
いや聞こえてるんですけど……。あと最後のやつはお前のときだけだっての。
(つまり私は比企谷君の特別だってことだね!)
心の声で地の文に返事しないでもらえますかね。
「えっと昨日家で何をしたかって教えてもらえるのかな? あ、いや、無理ならいいんだよ? 何か手がかりがないかって思っただけだよ?」
「は、はぁ」
「ぷぷー! マコってば、むっつりなんだからぁー! 痛い痛い!! 爪の白いところギューってしないで! でもありがとうございます!」
あー、あれって痛いよな。
「別にいつも通りのことしかしてないですけどね。夕飯作ってもらって、その後はベッドで」
「ベッド!!!????」
うおっ。変態が飛び付いてきた!
「あー、そういえば昨日は珍しくめぐり先輩、すげぇ甘えてきましたね」
「確かに、昨日めぐりそんなようなこと言ってたけど……」
「え、友達のそんな話聞かされるの!?」
「……やっぱりめぐりは大胆」
「それで!? それで!?」
「えっと、まずは一緒に洗い物終わらせて、めぐり先輩がお茶を淹れてくれるっていうんで先にベッドに座ってたら、お茶を淹れためぐり先輩が俺の隣に座ってきて」
「ふむふむ!」
変態が何故かメモ帳を広げているんだが……。
「またいつものかなって思ったんでめぐり先輩の方に倒れこもうとしたんですけど」
「た、倒れこむ……。ていうか、いつものことなんだ……」
杏奈先輩が顔を紅くしながら何か呟いている。
「いつもならそのまま受け入れてくれるんですけど、昨日は何故か止められたんですよ」
「いつもは受け入れてるんだめぐり……。何か聞いてるだけで恥ずかしいね」
マコ先輩が両手を頬にあて、イヤイヤと首を振っている。
「それで逆にめぐり先輩が俺の方に倒れこんできたんですよ」
「……流石めぐり。本当に甘えたなんて、言ったことはちゃんとやり遂げる女。そこに痺れる憧れる」
鳳凰院……、栞先輩がよくわからないことを言う。
「まぁ、だから昨日は俺がしてあげたんですよ」
「「「「キャアーーー!!!」」」」
「耳かきを」
「「「「知ってたよコノヤロー!!」」」」
な、何だ!? 先輩たちがいきなり殴ってきたんだが。変態先輩にいたってはメモ帳を顔面に投げつけてきた。
「これは私たちがいけないのか?」
「いや、そんなことはないと思う。セクハラで訴えれば勝てるはず……!」
「……あの長々とした倒置法は絶対確信犯」
「くそっ! くそっ!! 期待させるだけさせやがって! 許さんぞ、比企谷八幡!」
いったい何のことだろうなぁ。
「はぁ、それで? その後は?」
「いや、耳かきの後はめぐり先輩は帰りましたよ。遅くなるといけないんで」
「あー、じゃあわかんないね。耳かきのやり方が悪かったんじゃないの?」
あっれー? 杏奈先輩とマコ先輩が投げやりになってる気がする。
「……帰るときのめぐりの様子は?」
「別に普通でしたけど」
「じゃあわかんない! お手上げ! もう諦めな!」
どうやら先ほどの俺の話し方に先輩たちはご立腹のようだ。
「そんなこと言わずに、ここまで聞いたなら一緒に考えてくださいよ」
俺の言葉に4人は1つため息をつくと、再び聞く姿勢になってくれる。
「じゃあ何か会話とかは?」
「どんな会話したか覚えてる?」
「……ていうか思い出せ」
「何かいいのをプリーズ」
会話、会話……。
「うーん。ああ、そういえば耳かきの最中に」
『ねぇ八幡くん。これからわたしのことはめぐりって呼んでくれないかな?』
『……? いつも呼んでますけど?』
『めぐり先輩じゃなくて、めぐりって……』
『あー、まぁはい。めぐり先輩がそうして欲しいなら』
『本当に!?』
『うおっ。耳かきしてるんだから危ないですよ』
『ごめんごめん。ふふっ。じゃあそうやって呼んでくれなかったら無視しちゃうんだから』
『はいはい』
「あ」
「はい解散ー」
「お疲れ様でしたー」
「……くだらない」
「私もめぐりんに耳かきしたいなぁ。いや、してもらう方がいいのか? ぐっ、迷う!」
いや、何かほんとすんませんでした。
ホントくだらない理由でした
次回仲直り?しますんで。
感想、評価、お待ちしております