魔法科高校の劣等生 -another family-   作:まな板の上の処刑人

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ハーメルンで初めて書きます

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追憶編
追憶編1


四葉達也(よつばたつや)四葉深雪(よつばみゆき)の弟である四葉那音(よつばなおと)は窓を眺めながら一人退屈していた。

 

(まだ着かないのかなー・・)

 

そう思っていると、着陸のアナウンスが聞こえはじめ、シートベルトに目を向けしっかり装着されているか確認し、着陸するのを待った。

キュキュッと音が鳴り、減速し始めてしばらくすると止まった。

周りにあった手荷物をまとめ、母親である四葉深夜(よつばみや)と深雪の後に続いて飛行機を降りていった。

下に降りると達也が深雪達のスーツケースを運ぼうとしていた。深雪が心配そうに見ていたが、深夜が構わないよう告げて車に向かった。

 

「まったく・・。いつ話すことだが。」

 

達也は四葉真夜(よつばまや)が計画し、深夜が実行した「人造魔法師実験」によって「強い感情を司る部分」を消された。

その代わりとして、「人工魔法演算領域」を埋め込まれた成功例となった。その後はガーディアンとして扱われ、まるで兄妹とは思えなかった。

その状況を見るに耐えられなかった那音は決意を固めて真夜と深夜に達也の感情を一部復元出来ないか交渉しにいった。おそらくこの話は難航するだろうと考えていたが、驚いたことに答えはイエスだった。その理由を問いただすと、二人ともさすがにやり過ぎていたと考えていたらしく、いつ戻そうか悩んでいた。そこに那音の提案が挙がったのは願ってもない話だったため、快く引き受けたのだった。その後、達也を交えて実行日を決め、復元させた。終わり際に真夜と深夜が謝罪したが、達也は許し、さらにはそのおかげで深雪と仲良くなれたと感謝したのだ。

その姿に二人とも達也を抱き寄せ涙を流していた。このことは執事の葉山忠敬(はやまただのり)と深夜のガーディアンである桜井穂波(さくらいほなみ)にしか話していない。深夜と真夜は、達也と那音に感謝しきれない程の恩があり、他の人の前では今まで通りの扱いだが、いなくなった途端に過保護になるのは息子二人の密かな悩みであった。

 

「さてと・・早く追いかけますか。」

 

那音は静かに呟き、あとを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

深夜達四葉家一行が新しい別荘に着いた後、那音は部屋で休んでいた。

 

「あつー・・。溶けちゃうよー・・。」

 

「だからあれ程つけてみてはと・・。」

 

だらしない彼の姿に穂波は控えめに指摘した。

元々暑さに弱いので、夏場になるとかなりへばってしまう。

此処、沖縄では毎夏猛暑をふるっており、暑がりな那音には過酷な状況ではあった。ただ、部屋にはクーラーが付いており、起動させれば良いだけの話だが、那音が無駄に意地を張ってつけようとはしなかった。

そこに、ドアの扉が叩かれる音がした。

 

「那音様、入っても宜しいですか?」

 

「あぁ・・。達兄か、いいよー。」

 

どうやら達也が訪ねてきたようだ。

 

「どしたのー?」

 

「これから海に出るのだが、一緒に行かないか?」

 

「えぇ・・。こんな炎天下に行くの嫌だよー。」

 

「そうか・・分かった。桜井さん、操縦の方頼めますか?」

 

「ええ、大丈夫ですよ。深夜様にお願いしてきますね。」

 

「楽しんできてねー・・。」

 

穂波が達也の方に向かい、扉を閉めようとしたとき、達也がある言葉を残した。

 

「ちなみにこの誘いは深雪からだ。さて、今日は氷の彫刻が1つ出来るかな・・。」

 

「さあてと!外に出る準備しなきゃ!」

 

那音はその言葉の意味を理解し、体中に冷や汗を出しながら達也の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

那音が玄関に着くと、すぐに外に行けるよう深雪達が待っていた。

 

「あ!来ましたね、那音!」

 

「ごめんね深雪姉、待たせちゃって。」

 

「それじゃ集まったことですし行きましょうか。」

 

穂波が全員いるか確認し、那音達を率いていった。

 

海に出るために那音達は、浜辺の近くにあるヨットハーバーに向かっていた。

そこから少し沖にある地域では海の透明度が高く世界的に絶景と謳われ、各地の富豪がクルーザーを停泊しており、四葉もその一人である。

やがてヨットハーバーに着き、自分達のクルーザーを探して乗り込み、目的の場所へと動かした。少し経って、穂波から到着したとの報をうけ、那音達がデッキに出ると絶景が広がっていた。

 

「うわあ、綺麗ですね!」

 

深雪がその景色に見入っていると、

 

「深雪、くれぐれも海に落ちないようにな。」

 

「そうですね。落ちてしまったら達也さんが叱られちゃいますからね。」

 

と、からかいの声が聞こえた。それに深雪がすぐさま応えた。

 

「もう、そんな事はしませんよ!」

 

「ふふ、すみません。」

 

そんな会話をしている中、那音が海の一点を集中して見ていた。いや、正確には魔法を展開して(・・・・・・・)見ていたと言うべきだろう。

知覚魔法『神々の眼』(ディーヴス・アイ)。使用者を中心とした指定した範囲に特殊な魔法式を放ち、それに当たった物質がどこに存在するか頭の中で透視することができる魔法。達也の『精霊の眼』(エレメンタル・サイト)と性能がほぼ一緒である。

 

「兄さん、魚雷が一本接近してる。」

 

「ああ、分かってる。」

 

すでに達也も『精霊の眼』(エレメンタル・サイト)を展開して認識しており、『分解』を行っていた。

『分解』され浮上してきた魚雷の一部を那音は手に取り、どこで製造されたか解析していた。やがて、元が判明すると顔をしかめて達也と穂波に小さく囁いた。

 

(製造場所は大亜連合。もしかすると・・。)

 

(そうか・・。)

 

それを聞いた達也はしばらく考え込んだ。穂波は驚きの色を示したが、すぐさま表情を戻した。

その後、那音はすぐに戻らせるよう穂波に頼み、帰路についた。一つの不安を抱いて・・。

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