インフィニット・ア・ライブ   作:雪風冬人 弐式

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最初に言っておく。私は特撮が好きだ。
仮面ライダーが好きだ。特にディケイドが好みだ。賛否両論があるが、オールライダーになれるというチート武装。最高じゃないか。スーパー戦隊が好きだ。特にゴーカイジャーが好みだ。歴代の先輩方の出演という、これほどファン心がくすぐられるものはない。ウルトラマンが好きだ。特にメビウスが好みだ。仲間と共に成長していく姿に感動した。ゴジラが好きだ。特に東京SOSが好みだ。モスラの操演技術の素晴らしさ、最後の機龍のメッセージ、思わず泣いてしまった。牙狼が好きだ。深夜ドラマとは思えぬ豪華な演出や俳優。目を見張るものばかりではないか。
何が言いたいかと言うと、本編読めばわかります。


第七話「空中艦 ~fraxinas~」

「おにぃーちゃーん!!」

「ハッハッハッ。可愛いなー、琴里は。だから、飛び付かないでくれ。俺の耐久値と、君のお兄さんと神無月さんからの呪詛でSAN値がなくなりそうなんだ」

 

 自室に戻った一夏は荷解きを終わらせると、折紙から受け取った通信機で〈フラクシナス〉と連絡を取り、直接伝えたいことがあると言われ、簪達と一緒に転送させてもらったのだった。

 すると、この〈フラクシナス〉の艦長である『五河琴里』の熱烈な歓迎が待っていたのだった。

 ただし、ここにはいないのに勘で琴里がイチャついてると察知する琴里の兄、『五河士道』と、副艦長の『神無月恭平』のシスコンと変態紳士の二人による、呪詛もおまけで。

 

「それで、伝えたいこととは何ですか?」

「ちょっと待ってね。篝火さーん!」

 

 琴里が艦長席のボタンを押すと、前方の大画面に一人の女性が映った。

 

『やー、メンゴメンゴ。ダーリン用に用意してたコアが盗まれちゃった。テヘペロッ☆』

 

 白衣の下に『かがりび』と書かれたスク水を着る、『篝火ヒカルノ』の言葉に一夏達は苦虫を噛んだような顔になる。

ちなみに、一夏へのダーリン発言はいつものことなので、スルーされている。

 

「すると、クラス代表戦は訓練機になるわけか」

『んにゃ、それはこっちで開発した試作機を使ってくれない?あの兎さんの妨害があるかもしれないから』

「結局、ISなら干渉を受けるのは大差ないんじゃない?」

 

 ヒカルノの提案に、一夏達は怪訝な表情を向ける。

 

『それはノープロブレムさ!ISの技術を元に、夢とロマンと憧れを原動力にして開発した機体だよ』

「へー、どんなの?」

『こんなん』

 

 ヒカルノがなにやら操作すると、画面に機体の全体像と説明が映った。

 

「こ、これは!?」

 

 簪が興奮のあまり鼻息を荒くし、他の面子はまさかの機体に驚愕する。

 その機体とは、頭部は狼を模しており、腹部には紋章が刻まれ、機械というよりも鎧の印象を抱く、神々しい輝きを放っていた。

 

「……魔戒騎士!!」

「これ、作っちゃって大丈夫なの?」

『大丈夫だ。問題ない。半世紀以上前の特撮番組だしさ。今の女尊男卑の時代じゃ、表に出ないしね』

 

 もはや暴走の一歩手前の簪を余所に、一夏達が版権やら著作権を気にするが、ヒカルノはカラカラ笑う。

 

「そうね。簪さんの機体も似たようなものだけど、代表候補生だから問題ないのかしら?」

 

 琴里の言葉に、一同は、そういえば、と納得する。

 

「ヒ、ヒカルノさん!これ、烈火炎装は!?魔道馬は!?心滅獣心は!?」

『おおう。落ち着け、簪ちゃん。全部再現したから』

「ん?ってことは、99.9秒しか戦えないんじゃ?」

 

 魔戒騎士の設定を思い出し、嫌な予感を覚えた一夏は、ヒカルノに尋ねる。

 

『そうだよー。時間過ぎたら、理性失って若干大きくなってパワーアップして、エネルギー切れるまで暴れるね。ちなみに、人体の構造上不可能な動きもするから、命の保証はないよ』

「おいこらテメェ。何てもんを寄越す気じゃい!?」

「え、使わないの?」

「一回だけとはいえ、そんなリスキーことをしたくな……」

 

 断ろうとした一夏の言葉に、簪がショボンと落ち込み、その背後にいた本音の表情がいつに増して笑顔になっていた。

 本能的に危機を察した一夏は、言葉を途切らせる。

 助けを求め辺りを見渡すが、全員に視線を逸らされた一夏は決意する。

 

「ヒカルノさん。ありがたく、使わせていただきます」

『りょーかい。大丈夫、骨になっても愛してるから』

「その愛はクーリングオフさせていただきます」

『ちえー。ま、専用機の方は、代表戦までに大まかな設計はしておくから。詳しい話は、DEMの技術部門の変態共から聞いといて』

「お前もその変態の一員だがな」

『うわ、非道くない?あ、そうそう。運搬は例の彼女に任せてあるから』

 

 一夏に罵倒されるが、ヒカルノは気にした様子もなくカラカラ笑う。

 

「そう。どう、彼女は?」

『正直、目を疑ったけど人間、変われば変わるもんだね。彼女となら、いい酒を呑めそうだよ』

「そうよねー。義理とはいえ、子供がいたのは驚いたわ」

「その子もいっちーを狙ってたしね~。親子丼は近いかな~」

「何ですかそのハーレム!うらやまけしからん!!」

「うっさい、神無月」

「あぁ~!?か、艦長、ホモォだけは!!ホモォだけは!!」

 

 半年程前にとある事情からDEMの一員となった女性を思い浮かべ、談笑する琴里達に水を差した神無月は、哀れ、筋肉隆々なガチムチ系なおっさん達にどこかへ連行されてしまった。

 

『そんじゃ、私はまだ仕事あるから、アデュー』

 

 連行される神無月をカラカラ見送りながら、ヒカルノが映っていた画面はブラックアウトする。

 

「それじゃ、用事も済んだし、帰る?〈フラクシナス〉はこのまま、IS学園の上空に待機しているから何かあったら連絡してね」

「そうだな。いつまでもいないと、怪しまれるかもしれないし。ところで、琴里は学校はどうするのさ?」

「大丈夫。大学だから、もう単位はとってあるわよ。それじゃ、頑張ってね、お兄ちゃん」

「おう。お兄ちゃん、ちょっくら頑張ってくるよ」

 

 琴里との去り際の会話を済ませ、一夏達はIS学園へと転送された。

 

「それじゃ、また明日」

「まったね~」

 

 簪と本音を見送り、いざ自室に入ろうとした一夏はある事実に気付く。

 

「おい、折紙。お前は何で戻らない」

「…え?夫婦だから、同室は当たり前」

 

 可愛らしく、コテンと首を傾げる折紙だが、一夏は米神を押さえて唸る。

 

「んな事実はねえよ。とっと部屋に戻れ。日下部さんに報告するぞ」

「…それは困る」

 

 DEMの社員から、オカン、とあだ名を付けられ、折紙の上司でもある人物の名前を出され、折紙は素直に引き下がる。

 折紙が立ち去り、自室に入ると一夏はため息を吐く。

 

「ようやく、一日が終わりか。長かったな」

「そうねー。一日の筈が、27日も過ぎたような長さだったわね」

「メメメタァ。……おい待て。なんでさも当然のように、お前がそこにいる!?」

 

 一人部屋の筈なのに、いつの間にか侵入して寛いでいる人物、更識楯無に一夏は怒鳴る。

 

「やぁねぇ。同じ部屋の方が、君を殺れる確率は上がるでしょ?ちなみに、生徒会長権限で、ねじ込んだわ」

「おい、何してくれんじゃ。そんなに俺から安息の地を奪いたいのか?約束の地へ逝かせたくないのか?理想郷を作らせたくないのか?ユートピアも千年王国もアガルタもシャングリ・ラも俺を見放すと言うのか?よろしい、ならば戦争(クリーク)だ」

「応とも。その首、置いて行ってもらおうか」

 

 一発触発の空気の中、楯無は片足を浮かせて、右腕を挙げて左手を胸の前に固定して、シェー、とでも叫びそうな構えをし、相対する一夏は同じく片足を浮かせて両腕を挙げて両肘を曲げて、荒らぶっているような鷹を彷彿とさせる構えをする。

 

「こいつらときたらー。もう私、キレていいですよね?」

 

 いつの間にか、開けられたドアから虚が、青筋をピクピク浮かばせながら鋼糸で二人を簀巻きにする。

 

「ちょ、虚ちゃんヤメテ!洒落になんないから!!」

「俺、これが終わったら京都に行こう」

「天誅!!」

「「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」」

 

 その日、IS学園の一画で突如と響き渡った悲鳴は、後のIS学園七不思議の一つとして語られることになったとか、ならなかったとか。

 




つまるところ、特撮が好きだから、ISは特撮系の機体になるということです。
一夏が一角獣に乗るのを期待してた方、ごめんなさい。
私は、OOかAGEしか見たことありませんので、名前と外見を知っている程度です。
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