「チェルシー!?」
「そんな…、またマモレナカッタ……」
もくもくと上がる煙が収まった後の惨状を想像し、一夏と鈴は力なく膝をつく。
そんな二人に、ミ=ゴは照準を合わせて再び撃とうとする。
「あー、あっぶな!」
「…無茶は、重々承知の筈」
だが、煙の中から聞こえてきた声に二人はハッと顔を上げる。
「…それと油断大敵。…敵はまだいる」
「お任せあれ!」
〈ドリル・ON〉
〈ブレストキャノン!〉
煙が晴れるとそこには、放送室の前に背中に鋭い刃のような翼をつけて飛行する体の随所にカプセルのようなものがついた銀色のISが、左腕にスペースシャトルのような模様の盾を装着した宇宙飛行士のような全身装甲の白いISの右腕を掴んで飛んでいた。
「…簪、今!!」
「ご苦労、折紙!!」
銀色のISが胸部にキャノン砲を武装すると、ミ=ゴに目掛けて右足にドリルを装着した白いISを投げた。
〈シールド!ドリル!リミットブレイク!〉
「ライダァードリルキィイック!!」
ミ=ゴは迎撃するために光線を撃つが、左腕のシールドが白いISの身を守るために巨大化したため弾かれる。
〈セルバースト!〉
「…ブレストキャノンシュート!」
白いISがミ=ゴの体を貫くと同時に、銀色のISが放った紅い閃光が砲台に命中し、爆発した。
「一夏!大丈夫!?」
「…久しぶり、鈴」
謎のISが量子化されると、そこにいたのは一年四組の簪と折紙だった。
「スマン、簪に折紙。助かった」
「
「初めまして。私は四組代表の更識簪。鈴さんのことは折紙から聞いてるわ」
「…一夏、肩貸そうか。…そして、大人の階段を一緒に登ろう?」
「いらん。こっちくんな!」
その後、エレン達が事後処理をするために戻って来て、一夏達生徒組はコッソリと非難した生徒達に紛れ込んで何も知らないフリをする。
放送室の方は暴れる箒を、チェルシーが気絶させることで大人しくさせ、合流したセシリア達はけが人を保健室へ運んだ。
一夏達が倒したショゴスやミ=ゴは、エレンや令音達が密かに回収し、試合に乱入しれきた謎のISは、救援に入ったエレンによって跡形もなく破壊されたこととなった。
―――〈フラクシナス〉のとある一室
「―――と、いうことが今回の顛末よ。下っ端とはいえ、あの邪神どもが差し向けてきたのは間違いないわ。……」
報告し終わった琴里が視線を移した先には、人影がなく代わりに石板のような物が鎮座していた。
その石板には、鮮血のように紅いアンティークな時計盤が描かれていた。
「ハア。聞いてる?あんたがそうなってから、もう半年近く経つわね。〈這い寄る混沌〉の時間を全て喰うなんて無茶をするなんてね。いつまで、寝てるつもりなのよ」
静かに、石板に語りかける琴里。いつの間にか、拳をにぎって力を込めていた。
「っと、いけない。いい?早く起きないと、お兄ちゃんは貰っちゃうぞ!」
暗い表情から笑みを浮かべ、空元気を思わせる明るい声で宣告すると、琴里は踵を返す。
「また来るわ。じゃあね、
琴里が去り、人気が無くなった密室の中、微かに音が響く。
―――カチッ…
それは、石板に描かれた時計の針がほんの少しだけ、進んだ音だった。