鈴たちが千夏と箒を相手にしていた頃、一夏はISの整備室にいた。
「…一夏、ちょっと押さえてて」
「了解」
〈クレーンアーム!〉
バースに変身した折紙は、一夏が支えている整備用のドックからはみ出て倒れそうな打鉄にクレーンアームを巻き付ける。
「オーライ。こっちよ~」
「…了解した」
〈キャタピラレッグ!ショベルアーム!〉
整備科の生徒の誘導を受けながら、折紙は打鉄を担いで移動させる。
「いやー、一夏くん達が偶々来てくれて助かりました」
「いいですよ、山田先生。それよりも、あの打鉄、無理やり退けたような感じだったんですが、何があったんです?」
「それが、例の彼が『僕は自分でISを整備すらから、邪魔だから退けろ。できないなら、僕が退けておいてあげるよ』と言って聞かなくて。さっき、調子を確かめるとか言って出て行ったばかりなんですよ」
「断れなかったんですか?」
「IS委員会から、彼のやりたいことは全て最優先にしろ、って通知が来てまして。織斑先生も規則だから仕方ない、の一点張りで」
「おまけに、篠ノ之さんも小判鮫みたいに付いて回ってきて、事あるごとに真剣を振り回すし、姉」
「お疲れ様です」
「道理で、先生に訴えても何も対策してくれなかったんですね」
折紙と一夏にISの運搬を頼んだ真耶の話を聞き、一夏たちはため息をつく。
「先生、大変です!第二アリーナで、例の彼とモッピーが生身の人を攻撃していまし!!」
「また始末書がガガガガガガガガガガガガガガガガガ…!!」
「山田先生が死んだ!?」
「この人でなし!」
生徒からの報告を聞いた瞬間、真耶は白目を剥いて気絶した。
「折紙、行くぞ」
「…うん。…いつでもバッチこい」
「スカートを上げるな!そっちじゃねえ!!暴動を止めに行くんだよ」
「…残念」
倒れた真耶を近くにいた生徒に任せ、令音に連絡した一夏は、何を勘違いしたのかスカートをたくし上げようとする折紙を宥めながら、アリーナに向かう。
―――一夏達が整備室を出た頃のアリーナ。
「生身の人間を攻撃するなんて、どういうつもりアル!?」
「騙そうたって、そうはいかないぞ!ちゃんと、シールドエネルギーの残量が表示されてるんだからな!」
「事実無根を信じ込むとは」
「見事に思考誘導されてますわねぇ」
上段から下ろされる『雪片弐型』を、鈴は刀身に刃先を滑らせることで回避する。
地面に刺さった『雪片弐型』を踏み台にして、ラウラが跳躍して千夏の顔を狙うが、咄嗟に顔を反らすことで避ける。
しかし、ラウラに追撃しようとするが、両腕の間接部に衝撃が走る。
見ると、青白く発光する矢が突き刺さっていた。
「
「カハッ」
千夏が驚愕している隙を逃さず、鈴は腹部に拳を撃ち込んでアリーナの端まで千夏を飛ばす。
「千夏ぁ!?おのれ、許さんぞ!!」
「私のダチに手ぇ出したんだ。お前が文句を言う筋はねぇよ!」
「悪は滅びるのだ~」
激昂して動きが単調になった箒の顔面に本音が手裏剣を投げつけ、それを回避したところを簪が槍の穂先を膝裏に突くことで体勢を崩した。
その隙に簪は、一度目を閉じた。
そして、箒をそれを隙と判断して斬りかかろうとした時。
「トイズ!」
力強い叫びと共に、簪は両目を開けて箒を睨みつける。
すると、箒の体は弾かれたように後ろに吹き飛ばされる。
「おのれ!面妖な力に頼るなど、それでも日本人か!?」
「太平洋戦争、平安時代、様々な時代、場所で日本は面妖な力に頼ってたけど?」
「クッ!こうなれば、仕方ない。アレを見ろ!!」
箒が指した先、そこの光景を見て、思わず簪の動きが止まる。
「かんちゃん、何を……ッ!?」
「なんてことを!?」
「貴様!?」
「何をしているのか分かってるアルカ!?」
他の四人も、箒が何をしているのか悟り、激昂する。
しかし、軽蔑の視線も侮蔑の言葉も物ともせず、箒はただただ純粋に囁く。
「私は悪くない。悪いのは、貴様らだ。いあいあ!!」
アリーナに駆け付けた一夏と折紙、そしてエレンが見たのは……。
「う…ぐ」
「ゲホゲホッ!」
「ちく…しょ…」
「卑怯者め……」
「ヌヌヌヌ!」
箒に首をつかまれて宙に浮く鈴、千夏に蹴り飛ばされて転がるラウラ、アリーナの地面に倒れ伏すセシリアと簪、本音の姿だった。
「とうとう来たか、諸悪の根源」
「お前のせいでこうなったんだぞ」
一夏の存在に気付いた箒と千夏は、鈴たちを嬲る手を止めて一夏を見ながらケタケタ哂う。
「…………」
「どうした!?黙ってたら何も分からないぞ!出来損ないが!!」
沈黙したまま、千夏たちの方へ歩き出した一夏に苛立った千夏が怒鳴る。
それでもなお、一夏は黙したまま歩みを止めず、右手に持った白いUSBメモリを掲げる。
「……変身」
<エターナル!>
腰に巻かれたドライバーにメモリを装填し、倒す。
<エターナル!>
電子音声と共に、一夏はクラス代表戦で変身した白を基調とした紅い炎のエンブレムが刻まれたアーマーを装着する。
だがそれも一瞬で、全身に群青の炎が揺らめくとエンブレムの炎は紅から青へと変わり、闇を彷彿とさせる漆黒のマントが羽織られる。
「さあ、死神の
握った拳から突き出した親指を下に向け、一夏は静かに、それでいて怒りがこめられた声音で宣言した。
多分、次回は早くて一か月後辺りになりそう。亀更新で申し訳ない。
バトライドⅡやデトアのゲームやったり、最近、閃の軌跡もやり始めたのが原因かも。
鎧武も先の展開にwktkしつつ、映画もコウガネがさらっと重要なキャラの臭いがするから見に行きたいけど、ゴジラやトランスフォーマーも見たいからお金が足りない!と悶々とする日々です。