インフィニット・ア・ライブ   作:雪風冬人 弐式

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 鎧武とゴジラを見てきて、テンションフォルテッシモになったので割と早く書きあげれました。
 最近は、トランスフォーマーの公開を楽しみ過ごす日々です。


第十九話「闇 ~egoism~」

「姿が変わった!?だが、あれを見ろ!」

 

一歩一歩近づくエターナルの発する圧力に圧されて、無意識の内に後退してしまう箒だったが、鈴たちにも効いた光景を一夏に見させる。

一夏が視線を移した先、アリーナの観客席の一画にはカッターナイフや包丁といった刃物を持ったニヤニヤと卑しい笑みを浮かべた複数の生徒が、一夏が見知った人物を取り囲んでいた。

 

「ダメ!逃げて一夏くん!!」

「私たちのせいで……」

「ごめんなさい。ごめんなさい」

 

それは、同じ一組のクラスメイトである相川清香や谷本癒子、夜竹さゆかなどであった。

 

「お前、同じクラスメイトだろ!人質にするなんて、正気か!?」

「当たり前だ!私は、篠ノ之束の妹だぞ!!あんな有象無象より、私の方が世界にとっては必要な人間なんだ!!いあいあ!!」

「そうだ!僕は選ばれた人間なんだ!!お前らと付き合ってるだけでも、有り難く思えよ!!」

 

箒と千夏の言葉を聞いた一夏は、静かに懐からZが描かれたメモリを取り出す。

 

〈ゾーン!〉

 

「動くな!動くと殺すぞ!!」

 

箒が警告するが、一夏はそれを無視して腰のスロットルに装填する。

 

〈ゾーン!マキシマムドライブ!〉

 

ゾーンメモリのマキシマムを発動させると、観客席にいた清香たちの姿が消えてエレンと折紙の背後に現れた。

 

「…エレン、任せた」

「いいでしょう。その代わり、完璧に勝ちなさい」

「…もちろん。変身!」

 

一夏が助けた清香たちの護衛をエレンに任せ、折紙はドライバーにサソリの模様が彫られたメダルを装填すると、バースに変身して一夏の隣に並ぶ。

 

「…一夏、モップは任せて」

「応。気をつけろよ」

 

互いに拳を合わせると、一夏は千夏へ、折紙は箒へと駆け出す。

 

 

 

 

 

 

ーーー同時刻、アリーナ観客席

 

 

 

 

 

 

『なぜ人質がいなくなった!!』

「知らないわよ!」

「そうよ!瞬間移動なんて対処できないわよ!」

『黙れ!前金を渡してるのだから、相応の働きをしろッ!!チィ!!』

 

 先程まで清香たちを取り囲んでいた三人の生徒たちは、指示を出したクライアントに無線越しにヒステリックに喚く。

 そして、唐突に途切れた無線を床に叩き付けた。

 

「チッ!どうするのよ?」

「どうもこうもないわよ。貰える物は貰ったから逃げるわよ」

「そうよ。いくら篠ノ之博士の妹だとしても、アレとの付き合いはもうこりごりよ」

「へえー。で、何を貰ったの?」

「それは、ISに決まって…る!?」

 

 自分たちは、知らぬ存ぜぬで逃避しようとした時、彼女らは会話に乱入してきた人物に気付き、言葉を失う。

 

「その話、詳しく聞かせてもらえますか?」

「もちろん、取調室でね」

 

 そこにいたのは、朱色の槍を構える楯無と、鋼糸であやとりをしている虚であった。

 どちらも、妹という肉親が傷つけられたからか目に見える程殺気立っていた。

 

「クッ!?こうなったら!」

 

 誤魔化しは不可能と判断した彼女らは、逃走のためにある物を取り出す。

 それは、マツボックリが描かれた錠前、機械のハチ、カニの紋様が刻まれたデッキケースといった楯無たちにはよく見掛ける物であった。

 

「束博士謹製のISの力を思い知らせてあげるわ」

「ついでに生徒会長の座もいただくわ!!」

「覚悟しなさい!」

 

〈ソイヤッ!マツボックリ・アームズ!一撃・in the shadow!〉

〈HENSHIN!〉

 

 三人は、黒影、ザビー、シザースと、表向きはDEM社が開発したISとされている仮面(マスクド)ライダーに変身する。

 それに対し、楯無はサメとクジラ、オオカミウオが刻まれた三枚のメダルを、虚はメロンの錠前を取り出す。

 

「戦うなら、命乞いはしないでちょうだい。時間の無駄よ。変身!」

「撃っていいのは、撃たれる覚悟ある人だけですよ。変身!」

 

〈サメ!クジラ!オオカミウオ!〉

〈ソイヤッ!メロン・アームズ!天・下・御・免!〉

 

 楯無はポセイドン、虚は斬月へと変身する。

 そして、観客席でも戦いが……

 

「キャアアアアア!?」

「何これ!?取れない!!」

「イヤダ!死にたくない!!」

 

 始まらなかった。

 なぜなら、彼女らが纏った鎧の隙間から蔦や苔のような植物が生え、彼女らの体を覆い尽くす。

 楯無と虚は、予想していなかった異常事態が起きた驚愕から僅かながら動きが止まってしまう。

 その数瞬の間に、ベルトと胸部のアーマーだけを残して、彼女らの姿が消えた。

 

 カラン、カランカラン……

 

 ベルトとアーマーが地面に落ちた音だけが、静寂に支配された観客席の中で響いた。

 

「チクショウ!」

「一発殴りたかったのですが」

「え、そっち!?マモレナカッタ、とかじゃないの!?」

「それよりもお嬢様、気づきましたか?」

「もちろんよ。更識の当主ナメんなよ。退散したようだけど、誰かいて見てたわね」

「あ、琴里さん。そちらの反応はどうでした?見つかった?おい、行くぞダメ無!」

「無視しないで!って、これじゃ私が従者みたいじゃない!?」

「今頃気づいたんですか?だからダメ無なんですよ」

「すでに傀儡当主に成り下がっていた、だと!?」

 

 なんだかんだ言いつつも、感じた気配を辿って二人はアリーナの観客席を離れるのだった。

 

 

 

 

 

 

〈サイクロン!〉〈ファング!〉〈ヒート!〉〈ルナ!〉〈メタル!〉〈ロケット!〉〈スカル!〉〈ヴァイオレンス!〉〈ウェザー!〉〈エクストリーム!〉〈ゾーン!〉

 

「ファングストライザー!」

 

〈マキシマムドライブ!〉

 

「お前は、レアモノじゃなかったか……」

 

 同じ頃、アリーナでは一夏は右足の顕現させた牙で空間ごと近づいてきた千夏を切り裂く。

 

〈ショベルアーム!〉

 

「お前がッ!」

 

〈ドリルアーム!〉

 

「泣くまでッ!」

 

〈セルバースト!〉〈セルバースト!〉〈セルバースト!〉〈セルバースト!〉〈セルバースト!〉

 

「抉るのを止めないッ!!」

 

 一方、折紙はショベルアームで箒の体をガッシリとつかむとドリルアームを何度も何度も殴りつける。

やがて、千夏と箒はシールドエネルギーがなくなったためISの展開が解除される。

 

「そんなバカな!?」

「認めん!認めんぞぉぉぉぉおおおお!!」

 

 信じられないといった表情で絶叫する二人。

 そんな千夏の脳裏に、突如として謎の声が響く。

 

―――力が欲しいか?

 

「ああ、寄越せ!僕に最強の力を!!」

 

―――よかろう。汝に最強の力を授けよう!イヒ!イヒイヒイヒイヒイヒ!!

 

 一夏たちが虚空に向かって突然叫びだした千夏の動作に一瞬驚いた隙に、千夏の腰にベルトが現れた。

 

「これが、僕の最強の力だぁぁああああ!!変身!!」

 

〈open up!〉

 

 千夏がバックルをスライドさせると、中央にトランプのクローバーの模様が現れ、等身大のクローバーの模様が腹にある蜘蛛が描かれた青白いゲートが出現した。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 ゲートを潜ろうと千夏は走り出す。

 

「ばげらっ!?」

 

 そして、弾かれて無様に地面を転がった。

 

「「「「「……えぇー」」」」」




 ちなみに、鎧武はカムロの戦闘シーンがなかったこと、ゴジラはあまり街を壊さなかったこととゴジラ誕生の設定が変わってたのが残念だったなー、というのが映画見た感想です。
 ま、でも鎧武はフェンシンムの文明が滅びた原因が分かるし、ゴジラは初登場シーンでの咆哮で鳥肌立つほど迫力あるのでオススメですね。
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