インフィニット・ア・ライブ   作:雪風冬人 弐式

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一足遅れましたが、デート・ア・ライブのゲームの発売記念!
早速プレイしました。どのキャラも可愛かったですが、凛祢、テメーはダメだ。BAD多すぎ。

以上、愚痴でした。




第四話「代表 ~calculation~」

―――二年前

 

「ヴ、ゲホッゲホッ!!あー、死ぬかと思った」

「死ぬかと思った、じゃないわよ!!人間のクセに、なんて無茶をするのよ!」

「同意。先程の行為は褒められたものではありません」

 

 宵闇の帷に覆われた人気の無い砂浜に、一人の男と双子らしき二人の女が海の中から揚がってきた。

 

「だから言ったろ。お前らを救うって」

「だからって、命張るまでもないじゃない」

「不可解。他人のためになど、理解できません」

 

 立っていることもままならない様子で、三人とも砂浜に転がる。

 

「人間ってのは、時には論理を越えた行動をするもんなんだよ。それと、口調が戻ってるぞ。って、ひゃめんひゃ」

「う、うっさいわよ!ひゃにするのひょ」

「む。耶倶矢だけずるいです」

 

 一夏と耶倶矢がお互いに頬を引っ張りあっていると、夕弦が拗ねて頬を膨らませる。

 

「で、どうだ?俺は信じるに足る人間だったか?」

 

一夏の言葉を聞いた途端、夕弦と耶倶矢は真剣な表情になる。

 

「ねえ、夕弦」

「応答。どうしました、耶倶矢?」

「私さ、あんたのこと、嫌いじゃないわね」

「同意。私も嫌いではありません」

「だからさ。消えたら」

「消えたら、目覚めが」

「「悪くなる」」

 

 一夏は何も話さず、ただ静かに二人を見守る。

 

「なあんだ。結局、私達って同じだったじゃない」

「否定。私の方が一夏のことを把握してます」

「それなら私の方が悩殺ぼでぃで、メロメロにできるんだから!」

「フッ。愚かです」

「なにをー」

 

 口論が始まるが、しばらくすると二人の間で無言が続く。

 

「私さ、消えたくない理由ができちゃったよ」

「同意。私もです。ですから提案。この勝負、長期戦を希望します」

「そうね。決着が着くまで続行だね」

 

 二人はクスクスと笑う。

 

「「というわけで、一夏!!」」

「お、おう」

 

 突然話を振られ、若干驚きながら答える。

 

「ククク。喜ぶがいい。貴様の提案を、本来なら歯牙にもかけぬが、今回だけ特別に受けてやろう」

「信用。貴方に我ら八舞、〈テンペスト〉の運命を賭けます」

「サンキューな、二人共」

 

 一夏は緊張から解放された、ホッとしたような表情になる。

 

「で、如何にして我らを救うのだ?」

「催促。なるべく早くやった方がいいかと」

「そ、それはだな……」

 

 一夏は、二人を救う方法が自分とキスすることであることを言い出せず、アタフタする。

 二人から懐疑の視線が強まり、今までの努力が水の泡になってしまう、と焦る。

 

「えっと、少し準備が必要なんだ。だから、一旦狂三達がいるホテルに戻ろう」

 

 考えに考え抜いた末に導き出した行動は、戦略的撤退であった。

 人はそれを、問題の先伸ばし、あるいは、ヘタレとも言う。

 

「それならば仕方あるまい。下僕の意見も尊重しなければな」

「宣誓。狂三殿にも謝らなければ」

「さて、行くぞ」

 

 一夏は立ち上がると、二人に手を差し伸べる。

 それを見た夕弦と耶倶矢はアイコンタクトを交わし、何かを決心したように頷く。

 

「その、一夏。少し、眼を閉じてくれないかな」

「何でだ?」

「謝礼。受け取ってもらいたいものがあります」

「何だか知らんが、分かったよ」

 

 夕弦と耶倶矢の真剣な表情に圧され、一夏は眼を閉じる。

 

「いい!?見るんじゃないわよ!」

「忠告。大人しくしてて下さい」

「全く。分かったよ。ッ!?」

 

 両頬に手を添えられたと知覚した瞬間、唇に何やら柔らかいものが二つ押し付けられた感触に、一夏は絶句する。

 

「私達のファーストキスよ。ククク。我が下僕には、身に余る光栄であろう?って、あれ?」

「宣告。狂三殿にも負けません。ん?」

 

 二人の突然のキスに困惑しながらも、眼を開けた一夏が見たのは、夕弦と耶倶矢の服が光の粒子となって消えていく最中であった。

 

「「キ…」」

「あ、なんかデジャブが」

 

 諦めたような悟りを開いたような顔になり、もはや覚悟を決めた一夏。

 

「「キャァァァアアア!!」」

「またスタンガn、ヴヴヴ!!」

 

 どこか理不尽さを感じながら、一夏は八舞姉妹がどこからか取り出したスタンガンを首筋に突き付けられて気絶した。

 

「ど、どうしよう!?キスだけじゃなくて裸まで見られるなんて!?赤ちゃんできちゃうよ!……デュフフ」

「冷静沈着。こういう時はまず深呼吸です。ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。……グフフ」

 

 言葉とは裏腹に、二人は頬を紅く染めながらも、ニヘラ、としまりない表情で体をクネらせている。

 

「オオーイ!いっちー!それに、ゆづっちにかぐっちぃー!無事ッスかぁー!?」

 

 唐突に、沖合いから体にロボットのような機械、ISをまとった少女が飛んできた。

 

「あ……」

「「………………」」

 

 だが、探していた一夏達の、余程の唐変木でもない限り想像できる、すなわち、アレをシたような状況に、少女と、少女が絶対誤解すると確信する八舞姉妹との間で無言が続く。

 

「ず」

「「ず?」」

「ズルいッス!二人だけ美味しい展開とは!!あたしも交ざるッス!!」

 

 少女の言葉に二人は、両目をパチクリ瞬く。

 

「エエ――――――!?」

「予想ガイdeath」

 

 夜空には少女達の喧騒を楽しむかの如く、三日月が浮かんでいた。

 

 

 

第四話「代表 ~calculation~」

 

 

 

「さて、授業を始める前にこのクラスの代表を決めたいと思う」

 

 教壇に立った千冬の、今思い出しました、といった感じの物言いにエレンと一夏はこっそりため息を吐く。

 

「自他推薦は問わん。誰かいないか?」

 

 千冬が教室を見渡すと、途端に多くの生徒が手を挙げる。

 

「ハイ!織斑くんがいいと思います!」

「私はウェストコットくんを推薦します!」

「いいえ、織斑くんよ!」

「ウェストコットくんに決まってるわ!」

「織×ウェスktkr!!」

「せっかくの男子だもの。持ち上げなくて如何するの!?」

 

 全体的に男子を押すムードになる中、一夏は千夏をチラリと見ると、千夏は予想通り!とでも思っているのかゲスい顔(一夏視点)をしていた。

 もうあいつ、そのうち死神のノートでも拾って自滅するんじゃないかな、と密かに復讐心が萎えた一夏であった。

 

「誰か、他にいないのか?」

「織斑教諭、質問が」

 

 他に立候補者がおらず、クラス代表が一夏か千夏のどちらかに決まりそうな雰囲気の中、エレンが挙手をした。

 

「どうした?」

「他薦された者に拒否権は?あと、あそこで居眠りをしている生徒が」

「拒否権はない。報告ご苦労」

 

 エレンから知らされた居眠りをする、金髪で一部ドリルのようなカールがかかっている生徒に、千冬はツカツカと歩み寄る。

 

「起きろ!」

 

スパアアァァァン!!

 

「…ん?あらあら、私としたことが」

「ば、馬鹿な」

「アンビリーバボー」

 

 説明しよう!

 先程の流れを簡単にすると、千冬、出席簿を振り上げる→金髪、銃を取り出す→金髪、出席簿を撃墜→金髪、目を覚ます→生徒、金髪の態度から無意識の所業だと推測される→生徒、吃驚!←今ここ、である。

 

「失礼。我が家訓には、シエスタを邪魔する輩は何人たりとも許すまじ、とありますの。どなたですの?私のシエスタを邪魔したお方は?」

 

 ジャキッ、と両手にいつの間にか取り出して白と黒に輝く大型銃を持っていた。

 前屈みになっているため前髪で顔が隠れ、余計に生徒達の恐怖心を煽っていた。

 

「落ち着いてください、セシリア嬢」

「ハッ!エレンさん!?ウェイ!!一夏様も!?いつの間にいらしゃったのですか!?あ、今お茶をお持ちいたしますわ。チェルシー!」

「お嬢様、いい加減お目覚めください」

「クペッ?」

 

 突如、天井から舞い降りた一人のメイド服の少女、『チェルシー・ブランケット』が、彼女の主人たる雇い主の『セシリア・オルコット』の首を360°回した。ように見えた。

 

「はれ?私は一体何を?」

「それでは、一夏様。後はお願いいたします」

 

 セシリアを正気に戻したチェルシーは、再び天井裏に戻るかと思いきや、普通に教室のドアから出て行った。

 

「オホン!えー、皆様方にお見苦しいところお見せして申し訳ございませんわ。で、今は何をしていますの?」

「厚かましいのは相変わらずだな。実はかくかくしかじかだよ」

「なるほど。うまうままるまるですの。理解致しましたわ」

 

 セシリアはフサア、と優雅に髪をかき上げ、お嬢様オーラを放つ。

 が、先程の態度を知っている者達に取ってみれば、胡散臭さ抜群である。

 

「では、そのクラス代表に私も立候補させていただきます」

「よろしいので?」

 

 エレンが生徒を慮ってというよりも、社交辞令のような声音でセシリアに問う。

 

「もちろんですわ。ぽっと出の実力不明瞭な方に任せるのでは、このクラスのお先は真っ暗ですもの。それに、常に頂点を目指すのも淑女の嗜みですわ」

(((((ギクッ!?)))))

 

 セシリアの正論に、クラスのほとんどが視線をあらぬ方角へ彷徨わせる。

 

「よし。では、一週間後にクラス代表の決定戦を行う。場所は第三アリーナだ」

 

 千冬の鶴の一声により、千夏、一夏、セシリアはクラス代表の座を賭けて戦うこととなった。

 

「……見ていろ紛い物。お前の醜態を公衆の面前に晒してやる」

「……やっべー。超かったりぃんですけど」

「……一夏様。私の力がどれ程通用するか、試させていただきますわ」

 

 かくして、三者三様の思惑を抱え、決闘の刻は迫る。

 




本編が短い?
気のせいだよ。……多分きっとメイビー
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