プロローグです。どうぞ。
小鳥のさえずりが聴こえてくる。新しい朝だ。
寝起きの体をベッドから起こし、眠気を逸らす為、顔を洗いにいく。面倒臭いがいつまでもぐーたらしてるわけにはいかない。
紅魔館の廊下は相変わらず広い。地下での生活をつい最近までしていた私にとっては逆にもう少し狭い方がきっと落ち着くだろう。
「あら?フランおはよう。早いのね」
前方からやって来たのは私の姉、レミリア・スカーレットだ。彼女は紅魔館の主でもあると同時に私の自慢のお姉様だ。
「お姉様。おはよう...そういうお姉様も早いね」
吸血鬼が朝に起きるのは大分可笑しいと思うだろう。しかしこの館には人間も住んでいる為皆そちらを優先して起床就寝の時間を逆転させたのだ。みんながいると家族ってこういうものなんだなって改めて実感させられるよ。
お姉様と軽い挨拶を交わした後、洗面所で丁寧に顔を洗い、歯を磨き規則正しい朝のマナーをクリアしていく。やっぱりしっかりした女の子になりたいしね。
「ふぅ...!だいぶ眠気もとれてきたかな」
眠気やだるさがなくなった頃、突然何もない空間から現れたメイド。咲夜に呼ばれ、ご飯の時間なので来てくださいと言われたので食卓へと向かう。いつみても彼女の能力は羨ましいなと思う。"時間を操る程度の能力"は反則級すぎるよ。一応人間なのに戦闘で使われたら吸血鬼の視角でも一瞬見失うもん。...まぁ私が言えたことでもないけど。それに加え咲夜が作る料理は本当に美味しい。どんな食材を使わせても全て美味しく作れるんだから天才だと思う。私も一回彼女の指導の下、料理をしてみたけど..月とすっぽんとはこのことか。
閑話休題。
朝食を食べた後、日課の読書をするため図書館に来ていた。読める本は少ないが大抵はパチュリーが教えてくれるから難しくてもある程度理解できる。それに分かるとこういうのは面白くて結構楽しいのだ。パチュリーはこの図書館で四六時中本しか読んでいない。たまに寝ているときもみたことあるけど体を休ませないのが心配だ。喘息持ちだし..。
そして、今日読もうとおもっていたのはこれ!
『龍と継人』
うん、完全に子供向けな本だね。題名から察するにその龍と人がなにかするのだろうけど、どういう展開になるのだろう。まぁあまり期待はしないでおこうかな。
「ぁれ??..この本開けない」
力一杯本を開けようとしても全く開かないのだ。それに良くみるとカバーのところに鍵穴がついていた。きっとこれのせいで開かないのだろう。
「パチュリーみて。この本鍵がかかってるの!」
「ん...?本当だわ...というかこれ私が所有している本ではないわ。どこから持ってきたの?」
「え....?あの一番右の本棚からとってきたよ。パチュリーのじゃないの?」
すると、何故か難しそうな顔をする彼女。
「....気持ちが悪い。」
一瞬言っている意味がわからなかったけど、危険な本を見付けてしまったのか。
「なんか恐いから捨てよ!」
私が提案すると
「....そうね。こんなものに興味はないわ」
賛成してくれた。私は少し興味はあるけど、危険なものである以上持ってるわけにはいかない。すぐ捨てることにした。
しかし
グバァァッ!
「え?」
「ッ!!フラン!!」
捨てようと投げ捨てた本がいきなり空中に浮き出し、開かないはずの本のページが開いたと思うと次の瞬間、倍にでかくなったその本に食べられていた。
「日符!ロイヤルフレア!!」
パチュリーが魔法を全力で放つもその本には効かず、私はそのまま本の中へと吸収されていった。