ドラゴンボール紅   作:赤白隆磨

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彼女は何者? 新しい幕開けの予感!

二人が亀仙人の修行を受けて3ヶ月ちょっと。

相変わらずあのドデカイ亀の甲羅を身に付け、いつもの如く修行を受けている途中の出来事であった。

 

『ちょっとー!?誰かいないのー!?』

 

カメハウスのドアを激しくノックし、大きな声で叫ぶ迷惑極まりない人が訪ねてきた。

 

「は、は~い?どちら様でしょうか?」

 

私が素早く玄関のドアを開けると、そこにはピンクの服を身に纏った一見都会人の様な女性が立っていた。それも不機嫌そうに。

 

『ちょっと聞きたいことがあるんだけれど…』

 

「は、はい。なんでしょうか。」

 

すると女性は手で何やらジェスチャーしてきた。

 

『こーんな感じの~オレンジ色の球見たことない?中に星が入ってるんだけど』

 

「…」

 

なぜこの人があの球の事を知っているか不思議でならなかった。確かにここにある。あるのだが…あれは孫おじいちゃんの形見だ。絶対に渡すわけにはいかない。

申し訳ないがここは知らないふりをしよう。

 

「ぅーん、そんな球は見覚えない…」

 

『嘘おっしゃい!!!』

 

ぅわ!?びっくりした!!なにこの人?めっちゃ恐いんだけど…。

 

「へ、へ!?」

 

『ちゃんとね!あるのはわかってるのよ!これで!!』

 

女性のポケットから何やら小さな機械が出てきた。

 

「…方位磁針…?」

 

『違うわよ。これはね、ドラゴンボールっていう球を見付けてくれる機械なのよ!ほら、私のバックにも球入ってるでしょ?』

 

茶色のバックの中には光輝くオレンジの球が入っていた。

 

「ドラゴンボール……」

 

『そう!アンタには内緒だけど、私にとってとーーっても大事な物なの!』

 

「は、はぁ」

 

『寄越しなさい!!』

 

こうも無理矢理感があると渡したくないものである。しかもおじいちゃんの形見…おいそれと渡すわけにはいかない。この女性は危ない人かもしれないし。

 

「断ります。嫌です。」

 

『ぐぬぬ…融通の効かない子ね!』

 

「なっ!!貴女だっていきなりそんな険相で人に頼むのはどうかと思いますよ!」

 

 

暫くの沈黙

 

 

『…………はぁ…そうね悪かったわ。んで、何でそんなに渡したくないの?』

 

まさか向こうから謝ってきてくれるとは思ってもなかった。ここは素直に話すべきなのか…。

 

「……形見なんです」

 

『…え』

 

「私の…おじいちゃんの」

 

それを話した途端、予想外とも言える顔付きでその女性は後悔を露にした。

 

『まさか…そんな大切な物だったなんて思わなかったわ…。』

 

「…これは勘ですが、この球には用途があるんですね?」

 

『!!…そうよ、だから集めてるわ。ここには二個あるから…』

 

「二個?…え、そんな筈ないです!私が持ってるのは一個です。」

 

『何の騒ぎかの?』

 

すると修行をしていた彼らが帰ってきていた。

 

『ねーちゃんただいまー!』

 

『フランさん、ただいま戻りました。』

 

「お、おかえりなさい3人とも…(苦笑) ちょっと訪ねて来てくださった方がいまして…何やらオレンジ色のボールを探しているようなんです。」

 

『オレンジ色の球とはこれのことかの?』

 

亀仙人さんは自分が首にかけていた首飾りをとり、見せてくれた。

 

『ああぁ!!これよ!!これだわ~!』

 

『そ、そんなに珍しかったかの?』

 

「亀仙人さん、これって何処で見付けたんですか?」

 

『えっとのぉ…どこだったけなぁ~』

 

『確か山奥で見つけだしたのでは?』

 

『か、亀がシャベッターーー!?!?』

 

「(然り気無く初登場…)」

 

『そうだったかの…』

 

『ねぇ~お祖父様~?』

 

すると、分かりやすい程の色気を醸し出しながら亀仙人を堕ちさせようとする女性。

 

『な、なんじゃ?』

 

『ちょーっとだけ、そのボール私にくださらな~い?何でもしてあげるんだけどな~♪』

 

―おい、エロジジィ!!わかってるよね?―

 

『な、なんでも?』

 

「…………」

 

『なーんだ!亀仙人のじっちゃんもオラのじっちゃんの形見とそっくりなのもってんのか!』

 

『武天老師様、どうするので?』

 

暫く亀仙人は考えた…ことも無くすぐに決断を口にしてしまう。

 

『よかろう!そのかわり!な ん で も言うこと聞いてもらうぞい グフフ』

 

『わぁ~ありがとぉ♪これで三個目ね!』

 

すると徐にポケットからさっきのレーダーを取り出し、スイッチを押す。何かが表示されているようだ。

 

『東に一個…北に三個っと…』

 

「あの、私はまだ渡すとは言っていませんよ」

 

『わかっているわ!だから、私とついてきてもらうわ。そこのチビッ子二人と貴女。』

 

『えぇえ"!?オレも!?お、俺は武天老師様から修行をつけてもらっているので嫌です!』

 

『はぁぁ、わかったわ。じゃ、そこの頭ボサボサ君と金髪ちゃんでいいわ。』

 

『なんだかよくわかんねぇけど、要するにそのナントカボールっちゅうのを探せば良いんだろ?なら少し待ってくれ!オラも修行中なんだ!』

 

すると、女性はイライラしてきたのか地団駄を踏んだ。

 

『あぁ~!もういいわよ!金髪ちゃん!少しの間だけ貴女だけでも手伝って!お願い~』

 

「フランです。…勝手に形見を持っていかれるのも悟空達の修行の妨げにもなるのは嫌なので、しょうがないですがついていきますよ。」

 

『金髪…じゃなかった!フランちゃんはやっぱり良い人!そうと決まれば行きましょ!』

 

「…その前に、貴女のお名前を聞かせてもらえますか。」

 

すると彼女は胸に手を当てどや顔で応えた。

 

『私の名前はブルマ!よろしくね!』

 

 

その顔を見る限りとても早くには集められそうにはない、長い旅になりそうな予感がした。

 

 

 

 

 

 

 

『あのぉ、儂の願いは?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




暫く英気を養っていました。

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