申し訳ございません。
ウーロン退治を明日決行することになった私達は旅先で通りかかったこの村で休息を取っていた。
今まで妖怪ウーロンが悪事を働いてきたことに関して村人の1人が最初は穏やかに話してくれていたが、やはり相当酷い事をされてきたのだろうか、強く村人達は憤怒していた。
村人はただただ、娘達の帰りを待ち望んでいたのだった。
ヤムチャ『安心してください!必ずお助けします!!』
とても現盗賊とは思えない発言だけれど、ヤムチャさんは元々根が優しい人なのだろう。とても頼り概がある。
ブルマ『流石ですわ♪キャーイケメン』
ブルマさんはそんなヤムチャさんに相変わらずデレデレである。
村人『本当にありがとう…こんな勇敢な旅人さんが来なければ私達は途方にくれていました…。少々話が長くなってしまいましたね。今日はここでゆっくりとお休みください。』
その言葉だけ残し、村人は部屋から退室した。
その後、誰1人として緊張感などなく皆でトランプゲーム等の遊戯をしたりして寛いでいた。
―お泊まり会ってこういう事を言うのかな?―
私は内心、初めてのお泊まり会チックな事をして楽しんでしまっていた。
―いけないいけない!ちゃんと緊張感とか責任感を持って、村を助けなくちゃ!―
「私先に寝ますね!」
ブルマ『えー?フランちゃん真面目ねー』
「そ、そうですか?」
ヤムチャ『そ、そうだぜ!ずっと旅して疲れたし今日は楽しもうじゃないか!(一緒に居たいだけだけど)』
プーアル『ヤムチャ様本音もれてます』
本当に良いのだろうか…私は深く考えたが、たまにはこんな日もあって良いのではないかと考え直した。
「わかりました!♪今日は楽しみたいです!!」
ブルマ『それでこそフランちゃん!!』
今日は自分に甘える日。そう決め、残りの数時間を仲間達と共に楽しんだ。
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『くそ………なんなんだ彼奴らはっ』
夜更け。ウーロンは1人ぶつぶつと影口を叩いていた。
―きっとあの旅人は村を守るために再び俺に歯向かうであろう―
それを思ったウーロンは作戦を立てようとする。
が、
『やべぇよぉ~彼奴らめっちゃ強そうな感じだったしなぁ…脅しでいけるのかなぁ』
これ程弱々しい敵キャラがいるのだろうか。
しかし作戦がまともに立つこともなく5時間が経過。
いよいよ、非情にも朝日が昇って来る。
『もうどうにでもなれ…』
題して作戦は ヤケクソ らしかった。
ウーロンの酷く重たい足は歩き出した。村の方角に近づく度に彼の足は小石を砕くようにズシズシと鈍い音を立て続けている。
―あぁやべぇ…なんでこんなことになるんだよ…―
しかし、こうなった以上やるしかないと決めたウーロンはらしくもなく走った。
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私は察知していた。ウーロンが動き出したことに。
彼のエネルギーが小さすぎて感じにくいが、この村へと着々に向かってきている。
迎え撃つか、否。“今の私“は残酷な事をしたくないという感情がある。昔とは違う。
―話し合いで解決しよう―
これが頭に思い浮かんだ。
これならば私一人でも解決できる。旅路で疲れてる皆を無理矢理起こすこともない。
「行ってみようかな」
私はウーロンのエネルギーを感じる場所へと移動した。
―いたいた!―
村から少し離れたところにウーロンは隠れるように立っていた。
―どうしようか。気軽に「どーもーウーロンさーん」とか声をかけてみる?
いやいやいや…それじゃあなんか馴れ馴れしいし…
ここは堂々と真っ直ぐ行ってみよう!―
私は若干早歩きでウーロンへと迫る。
―さぁーウーロンでておいで―
フランのその怪しげな雰囲気に気付いたウーロン。
酷く怯えた。
まるでこれから自分を食べる為、狩りをする獣のような眼をする人間の娘に彼は恐怖を抱いていた。
ウーロン『(な、なんだ!?!?なぜあんな早歩きで此方へ来るんだ!?いや頼む、少しでいいから恐い顔するのやめてくれぇぇぇぇ!)』
そんな彼の心中を知らずに、フランは迫る。
それから暫くしてウーロンは見事にフランによって確保された。話し合いをする以前に彼はフランの威圧感に負け失神してしまっていた。
取っ捕まえて、村にウーロンを退治したことを告げ、フランは無事に村を救えたのであった。
ブルマにはそのあと1人で敵地に向かったことをこっぴどく叱られたが、ドラゴンボールを無事に獲得出来たブルマはすぐに許してくれた。
しかし、肝心のウーロンはと言うと。
村人『貴様…よくも儂の娘を!!処刑だ!!!』
ウーロン『ひぃぃっ…!娘さんはお返しします!!ていうかもう懲り懲りです!早く連れ戻してやってください!』
などとウーロンは理由が分からない事を言う。
「ウーロン、一体どういうことなの?」
どうやらウーロンの話によると、村人の娘は自分の城をまるで彼女達の所有物かのように使用していたそうなのだ。
誘拐犯であるウーロンに対してはまるで飯使い。
下に見られ、早くこの生活を一刻も早く脱したいそうだったが、今のこの状況も悪くないと思ってしまっていたらしい。
村人『悪人の言うことなど信じられん。直接この目で確かめようじゃないか。』
して、現地へ行くと
娘A『はぁ~い♪ウーロンおかえりー。約束してた服買ってきてくれた~?』
娘B『あらーお父さんじゃない。私ねーここから離れたくないのー。だってこんなに住みやすくて満喫できるんですもの。』
ウーロンの証言は本当だったようだ。
村人達は自分の娘の変わりように驚愕、唖然していた。
ウーロン『…本当にすみませんでした。もうこんなこと2度としません。』
ブルマ『そうそう!ドラゴンボールも頂いたことだし、こいつが悪さしないようにフランちゃんがこいつを見張るってのはどう?』
ウーロン『げっ!?こ、この娘がッ!?』
「(なんでそんな怯えるの…!?)」
村人『おぉ!それは助かります!なんと気心がきく旅人さんなんだ!ありがとう…ありがとう!』
ブルマは村人に両手を握られ感謝の言葉を満面の笑みで受けとる。満更でもない様だ。
ウーロン『チッ…なんだかめんどくせぇなぁ…』
ヤムチャ『さぁ、そろそろ次のドラゴンボール集めに行くぞ』
ブルマ『そうね!じゃあねみんな!』
村人達『本当にありがとう!!この御恩は忘れません!』
―村が助かって良かった…。ウーロンが着いてくることになったけど、一件落着ね―
少女『赤色のお姉ちゃん!!これ!』
と、白い服の少女が私になにかを手渡してきた。
「あ、ありがとう!これは?」
少女『お守り!なんかピンチにあったらそれ握りしめてね。うちの村救ってくれてありがと!』
そのお守りは白色で真ん中に赤文字で"博麗"と書いてあった。
―ハクレイ…?どこかで聞いたことが―
「あの、これどこで…」
少女に呼び掛けたが、既にそこにはいなかった。
「……大切にするね。ありがとう」
一礼をした。
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ドラゴンボールが5つ集まり、残るは2つ。
もうすぐで自らの願望や夢が叶う事に皆浸たっていた頃
目的地に到達した。場所は燃え盛る山。
一歩でも踏み出してみれば、身体ごと焼けるような危険な山々が広がっている。
―なんて暑い!!―
次なる目的地はフライパン山と呼ばれる摩訶不思議な場所だった。