ドラゴンボール紅   作:赤白隆磨

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孫おじいちゃんありがとう!!ボールを片手に未来へ!

西の都。どの都市よりも発展しており、技術面や生活面には常に"機械"を通す。正に大都会。カプセルコーポレーションという会社が沢山の機器を開発している為、そこは街のシンボルと言っても過言では無いだろう。

 

「酔いそう...やっぱり慣れないわコレ」

 

幻想郷から視た外の世界では"車"という物があったが今現在、私はそれに乗っている。勿論乗るための資格等が必要なので運転してるのは私ではなく運転手さんだ。

バスというらしいけどこんなに多くの人を詰め込んで、ある程度速い速度で走られたら私の場合体調を悪くするだろう。ていうか現在進行形で今なってる。

 

「はやくっ..着かないかなぁ...ぅー」

 

私の体調を見てしまった人はきっと『ここまでして何処に用事があるの』と思うことだろう。

ズバリお答えしましょう!アルバ『着きましたよ850Z(ゼニー)ね』

 

「........はい。ありがとうございました。」

 

『どうもー』

 

 

失敬。大丈夫。話を遮られた程度では落ち込まないから。社会に出たらこれ以上の辛いことは沢山あるし!私はメンタル強いから平気です!

 

話を戻すと、私はこれからアルバイトをしに行くのだ。

これからの生活を見据えて少しでも貯金しておけば後々楽だろうという考えに至ったわけでございます。因みに尻尾の事だけど切り落としました。痛かったです。しょうがないよ。やっぱり人に会うし...

私って有能

 

『おっフランちゃん!今日も早いね!他に新しく入った人はこんなに早く来てくれないよ。本当に助かる』

 

「今日も精一杯がんばります!」

 

この店の店長さんだ。気前が良く、優しい一面がある素敵な人だ。働く理由としては此処が飲食店という点で最近料理をしていた私にとっては丁度良いなと思いアルバイト先は此処にした。まぁ、一番の理由はここの店長さんの人柄が良かったからかな。

 

『じゃあお客さん来たらよろしく頼むよ。』

 

「はい!任せてください」

 

私の役目はお客さんを席に誘導し、注文された品をシェフに伝えるという簡単なお仕事である。後はお水出したり、掃除したりかな。私みたいな人をウェイトレスって言うらしい。

 

「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか」

 

『あ、ウサ.....えと、お子様ランチで...』

 

「畏まりました」

 

大人で随分立派な体型を有していたのに食べる量が少なめのお子様ランチを選ばれた。大人でも童心に帰らねばと思ったのだろうか。謎だ。

 

「お子様ランチ1つお願いします」

 

『了解しました』

 

シェフに伝えると、彼は手先良く洗礼された手付きで具材を包丁で切っていく。あまりの技量に食い入るように見てしまったが今は応対。自分のやるべきことがあるので後にした。後でシェフさんに料理を教えてもらおうかな。

 

おっと、次のお客さんが来たみたいだ。

 

「いらっしゃいませ。3名様で宜しいでしょうか」

 

『あ、ロリ......はい!三人でやんす』

 

『兄貴..いい加減卒業しろ』

 

『俺達までなんか誤解されるだろ』

 

モヒカンの男性が何故かすごく落ち込んでいる。後の二人が訳がわからない事を言っていたがそのせいなのだろうか。

いけないいけない!集中しなきゃ!

 

「どうぞ席にお着きください」

 

『すいませんもう頼むもの決まってるんでいいっすか』

 

「はい。畏まりました。」

 

『グロテスクハンバーグにバイオレンスジュース...』

 

「あ、あのーちょっと待って下さい」

 

私は思わず静止させた。

 

「当店にはそのような品は御座いません。どうかメニューを見てお決めください」

 

『ヱ!?そうなんすか!すいやせん!』

 

「ではお決まり次第御呼び下さい。」

 

何かと手が掛かるお客さんだ...。

忙しいがトラブルもなく手際よく仕事を淡々とこなしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと不味いことが起きちまった。ベッドに寝たきりになってるじぃちゃんだけど、何かものすげぇ具合悪そうにしてるんだ。修行の途中でぶっ倒れててぇへんだ。

 

「じぃちゃん!でぇじょーぶかっ..っ!」

 

『悟空...私の事はいいから修行を続けなさい。』

 

苦しそうにじぃちゃんは修行をしろと語り続ける。けど今は修行よりじぃちゃんの方が大事だ。

 

「オラはじぃちゃんが大事だ!ビョウインってとこに行くぞ!」

 

『此処から歩いてどのくらい時間が掛かると思っている?.....悟空よ。私はもうじき死ぬのかもしれん。だから早くフランちゃんの為にも強くなれ...ぅぐッ』

 

「じぃちゃん!!!」

 

『お前以外に...フランちゃんを守れる奴がおるか。いないじゃろう。』

 

「じぃちゃんがいるじゃねぇか!!オラも強くなりてぇけどじぃちゃんと一緒じゃなきゃ嫌だ!!」

 

するとオラのほっぺに温かい手が触れる。

 

『我が儘を言うでない。何れモノには終わりがくる。人間だってそうじゃ....私がお前達を守れる時間は少ない。』

 

「いやだぁぁぁぁ....っ!!」

 

『だから...悟空よ。お前が私の大切なモノを守ってくれ。それはきっと悟空も大切にしておるものじゃ』

 

「ねーちゃんはぜってぇまもる!!じぃちゃんも!!」

 

『そうか...其を聞いて安心したわい。』

 

「じぃちゃん...?」

 

 

じぃちゃんはそれから息をしなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイトが無事終わりました!八時間があっという間に過ぎたという感覚と達成感が残っている。今日も沢山のお客さんが来たけど皆、個性的な人達が多かった。そのおかげかお仕事しててとても楽しかった。

 

「さっ帰ったらいっぱい作らなきゃね!」

 

買い物袋片手に家まで帰る私は自分を過ぎ去っていく主婦のようだ。

 

『ねぇーーちゃぁーん!!!』

 

突然前から猛スピードで駆けてくる弟の姿が見えた。家から西の都まで走ってきたの!?

しかし何やら様子が可笑しい。弱々しい走り方だ。

 

「悟空...!」

 

私は直ぐ様駆け寄る。距離が近付く度、弟の顔が鮮明に見えてくる。

 

『ねーちゃんっっ!...じぃちゃんがぁぁ!』

 

彼の顔を見て悪い予感がした。泣きじゃくる悟空を抱き締めながら彼に語りかける。

 

「どうしたの」

 

すると、片手にボールの様な物を見せながら悟空は泣き叫んだ。

 

『じぃちゃんがぁっしんじまったぁぁっ』

 

「...う、うそ...嘘よね?」

 

『じぃちゃんが大切なもんを守れって...

でもオラまもれなかった!!!』

 

彼の顔には悔しさ悲しさ虚しさ、沢山の感情が浮かんでいた。私も以前体験したあの苦痛。それを今、彼は感じているのだろうか。

...私はまた意思を授かることしかできないのか。

 

「悟空っ!悟空はちゃんと守ってた!!

おじいちゃんのことぜんぶっ!!!」

 

『だったら今じぃちゃんは生きてるはずだぁ!

オラの力が足りなかったんだっ!』

 

「生きてるよッ!ずっと..これからもっ...

貴方の体に!!」

 

『オラのカラダに?...』

 

私は自分の胸を叩いて見せた。

 

「おじいちゃんが教えてくれた力。伝えてくれた意思。幸せにしてくれた思い出!ぜんぶ..ぜーーんぶ!私達の中で生き続けるの!」

 

『...ねーちゃん』

 

「悟空....。一緒に歩いていこう..。そして見付けていくの..!私達の幸せを...」

 

『ぐずっ....オラもっ...オラもそうするッ...!!』

 

街灯もない真っ暗な田舎道の真ん中で、震えてる少年のちいさな体を抱きしめた。いまの悟空に私の酷い泣き顔を見せるのは嫌だと思った...それにこうしたかった..。

 

「ありがとう...おじいちゃん..」

 

蛙が鳴き河音が響く真っ暗な夜、月光で照らされた4つの星が写りこんでる球は明るく輝いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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