SAO 剣鬼と呼ばれる男   作:烟月

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二〇二二年十一月六日

 

「やっと今日がサービス開始か。期待外れじゃないといいんだが...」

 

今日、世界初のVRMMOというゲームジャンルを冠した《ソードアート・オンライン》の正式サービスが開始される。

そのゲームの舞台は、百にも及ぶ階層を持つ巨大な浮遊城だ。

草原や森、街や村等までが存在するその層を、プレイヤー達は武器一本を頼りに駆け抜ける。

そして、上層への通路を探し、強力な守護モンスターを倒し、ただひたすらにその城の頂上を目指す。

ファンタジー系のMMOではよくある《魔法》という要素を完全に排除し、代わりに《剣技(ソードスキル)》と呼ばれる必殺技のようなものが数えきれない程設定されている。

己の体、己の剣を実際に動かし、戦う。

それにより、フルダイブ環境を最大限に体感させるための配慮であるとも言える。

スキルも戦闘用のみではなく、製造系、日常系等、多岐に渡り存在しておりプレイヤー達は広大なフィールドを冒険するだけではなく、文字通り《生活》することが可能なのである。

 

「ベータテストには参加できなかったからな...。買えたのは僥倖と言うべきか」

 

わずか千人に限定し、募集されたベータテストプレイヤー。

その応募は、十万人近くの人がしたらしい。

かくいう俺もその一人なのだが、流石にそこまで運はよくなかった。

お陰でこのゲームを買うのに随分と苦労したものだ。

 

「っと、もうすぐサービス開始か。準備しないとな」

 

時計の針が、十二時五十分を示していた。

サービス開始は午後一時。

遅れぬように準備を始める。

 

「リンク・スタート」

 

時計の針が午後一時を示す。

と同時に俺は《ソードアート・オンライン》にログインした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

キャラは現実と余り変わらぬようにした。

いちいち設定するのが面倒だったのもあるが、身長が違う場合視点の違い等で操作に支障が出ると思ったからだ。

まぁ、顔は少々弄ったがな。

せっかくのゲームなんだ、少しくらいイケメンになったっていいじゃないか。

キャラクター名は、ルフト。

何語だったか忘れたが、確か《空気》という意味だった筈だ。

空気のように目立たないようプレイしたかったから、って意味ではつけたのは誰にも言うことはないだろう。

キャラの作成も終わり、少々の浮遊感の後、俺はそこに降り立った。

 

 

そして.........

目の前に広がる風景を目にし、絶句した。

一瞬、ここがゲームの中であるということを忘れてしまうほど、その風景は現実味を帯びていた。

 

「......。って感動してる場合じゃない。まずは、武器屋を探さないと」

 

そう言ってると、目の前を一人のプレイヤーが走り去った。

 

「とりあえずついていってみるか」

 

どこに向かっているかは知らないが、あの走っていったプレイヤーに迷いは見えなかった。

恐らく、ベータテスターだろう。

ついていって損はないと思い追いかける。

案の定、追いかけていくと武器屋に辿り着いた。

武器は、使いやすそうな片手直剣を選び、再度走り出したプレイヤーを少し距離をとって追いかける。

もし、このままフィールドに出るようならば、もしかすると《剣技(ソードスキル)》の使い方も分かるかもしれない。

そんな打算的な考えを頭に浮かべながら。

普通に話しかけて聞けばいいんじゃないかという考えも浮かんだが、話しかけるのが面倒だったのでやめた。

 

 

結果、俺は今フィールドに出てモンスターと戦っている。

先程追いかけていた、プレイヤーの所には更に一人、曲刀を使う男が増えていた。

どうやら、曲刀の男にソードスキルのコツを教えているようだ。

遠目から見て、おおよそのやり方は掴んだ。

後は実践練習あるのみだ。

幸いな事に、練習する敵には事欠かなかった。

 

「こうじゃない...。ならこうか?いやこれも違う......」

 

何度も試すが発動しない。

 

「だぁー、もうわかんねえ。どうやれっとんだよ!」

 

なかなか成功せず、苛立ち紛れに剣を振るった。

すると、先程までは発生しなかったシステムアシストが発生し、ソードスキルが発動した。

 

「あ......できた......」

 

苛立ち紛れに振った剣で発動するという馬鹿みたいなことが起きたが、感覚を忘れぬよう、次の敵を探しソードスキルの練習を続けた。

 

 

 

ソードスキルにも慣れ、多くの敵を倒した。

数は数えるのが面倒なので数えてない。

 

「......っと、おらよ!」

 

更に、一匹敵を倒す。

倒して、一度休憩とばかりにその場に座り込む。

 

「まぁ、期待外れって落ちにならなくてよかった。これは、確かに面白い」

 

随分と苦労して購入したゲームだが、その苦労が報われたと言うべきか。

期待以上に面白いゲームだ。

その時だった。

突然、リンゴーン、リンゴーン。

と、鐘のような音が、まるで警報音のように大ボリュームで響き渡る。

 

「...。人がせっかくいい気分だったってのにいったい何......」

 

俺は気分を壊された文句を呟こうとし、途中で口を止めた。

何故なら、俺の体を鮮やかなブルーの光の柱が包み込んだからだ。

 

「いったい、なんだってんだ...」

 

青い膜の向こうでは、先程までいた草原の光景がみるみる薄れていった。

その時、体を包む光が強く脈打ち、俺の視界を奪った。

青の光が薄れ、消えていくのと同時に、風景が再び戻った。

しかし、そこは先程までの草原ではなく、最初にいた街だった。

いや、正確には最初にいた街の中央広場、と言うべきか。

周りには色とりどりの装備、髪色、眉目秀麗の男女の群れ。

恐らく、同じプレイヤー達であろう。

前後左右どこを見回しても人、人、人。

ログインしているプレイヤー全てがここに集まっているかのような光景だった。

 

「いや、ような、ではなく集められたのか...。さっきのがもし全員に起こっていたとするならログインしていた、全プレイヤーが集められたということだ。何故、そんなことを...」

 

こんなことをする目的がわからない。

周りからも困惑の声が多く聞こえる。

一人考えにふけっていると、突如空中に深紅のフード付きローブをまとった巨大な姿が現れた。

その巨大なローブの右袖が動き、ひらりと広げられた袖口から、純白の手袋が覗く。

そのアバターから、低く落ち着いた、よく通る男の声が聞こえた。

 

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

 

意味のわからぬその言葉。

しかし、その言葉を聞いた瞬間俺は何故か、歓喜を感じた。

これはきっと面白くなる。

どことなく、そんな感じがしたからだ。

後に、俺はこの時の感情が誠になるのを知ることになる。

 

そして物語は冒頭へと繋がる。




書けば書くほどに感じる自分の文才のなさ...(笑)
まぁ、ないものはしょうがないのでこのまま頑張っていきます(笑)
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