幼女の影に這い寄る紳士はペドフィリア   作:雨英

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最初の部分は幼女戦記のあの独特の語り口じゃありません。いやだって紳士って設定なので。なので2話目以降に乞うご期待……。

あと筆者的にはこれ、普通の人も逃げないようによくあるネット小説風の導入にしたという思惑があったり。

ああ、嘘です、嘘です。
逃げなくても大丈夫ですよ。

さあ、深呼吸しましょう。

息を吸ってー。

吸ってー。

吸ってー。


あ、そうそう。
ツッコミはセルフでお願いします。


ロリコンはタダでは転生しない。オプションに幼女を所望する。

 気がついて目を開けると、そこは知らない天じy……ではないですねどこだここ。

 

 ただ白いとしか形容できない空間が広がっている。夢の中だろうか? もしかすると昇天していたりして。なんなんだこのテンプレ空間。

 

 そして現る白く豊かな髭の老翁。

 

 

「どなたでしょうか?」

 

「創造主だ」

 

 ふむ、ふむ。……冗談キツいですね。というかそこは『神様です』じゃないんですね。まあ、何にせよあれです。この人は───

 

「嘘ですね」

 

 ─────創造主ではない。

 

「!?」

 

「幼女になって出直してきてください」

 

 何と言おうとも幼女ではありませんからね。そこから間違えているのであればキャラ作りであっても同情の余地はありません。

 

「なんなのだ貴様は!!?」

 

「いや、失敬。ちょっとした出来心でして」

 

「すぐバレる嘘を吐くな。こちらは心が読めるのだ。全く読みたくもないものだがな」

 

「醜きものをひけらかしてしまい大変失礼をば致しました。どうか平に、平にご容赦のほどを」

 

 さて、DO☆GE☆ZAしますか。

 

「………はぁ、貴様らの行動は理解に苦しむ」

 

「……どこかお疲れのようですね?」

 

 まぁ、心を読めるというところからしてお察しといいますか。人が言わないでいることを態々読むわけですから、ね。そもそも他人を理解する必要は無く態度(外側)でそう思わせるよう示しておけば良いと思いますけど。

 

「全く……、貴様らはどうしてこうも共感力が……」

 

 あ、本当に心読めるんですね。まさに赤裸々。

 

「いやはや、照れてしまいますな」

 

「本当になんなのだ貴様は。……はあぁぁ、何故疲れてるか。それはな、お前の前に死んだ者がいつものように信仰心の欠片も無い奴だったのだが」

 

「ナ、ナンダッテー」

 

 ああ、やはり私は死んでいたのですね。うーん、意外と呆気ないものですね。

 

「……やはり貴様らは度しがたい」

 

 あ、すみません。

 

「……彼奴はそれに加え営業努力だなんだと創造主の苦労も知らずに口出ししてな」

 

「やはり日曜日はお休みなのですか?」

 

「ただただ増えよって次々死ぬから休む暇などないわ! どいつもこいつも解脱して涅槃に行こうとせなんだしな!」

 

 宗教者であってもやはり人は人。一般人は推して知るべし。お疲れさまです。

 

「……はぁ、あれは人一倍くちが回る奴でな。科学の世界で、男で、戦争を知らず、追い詰められていないから信仰心が芽生えないなどと言いおったのだ」

 

「大きな力に縋るのが人間ですからね。今の時代では科学がそれにあたりましょう。奇跡とかいうあり得ざる理不尽に縋るのは奇跡を信じる者のすることです」

 

 まあ、私は奇跡の存在を信じていますがね。

 

「……何も言うまい。それで、奴の希望通りに魔法のある、信仰心の芽生える世界に送ったのだがな、───」

 

 

 ───今、何と?

 

 魔法のある、信仰心の芽生える世界に送った、ですと?

 

 

 それはつまり何ですか、よく口が回るはずの彼はうっかり喋りすぎてしまい、魔法少女に転生させられ戦争で追い詰められてしまい─ピーーー─な展開に陥るということですか!!?

 

 

 

 

 諸君!!

 

 幼女だ。

 

 幼女が、いる。

 

 前世と全く異なる姿の自分、性差に戸惑い、年の差、体格差に狼狽える幼女、可愛い幼女。

 しかし時は待ってくれない。先行きの不透明な戦争がじわじわと汚らしい笑みで迫ってきていた。

 そんな時代だ。彼女はきっと不安定な世情に震えてふえぇしているだろう。

 そして辛い世に揉まれ儚げな笑みを零し、発育不良で幼女の姿のまま大人になるのだ。

 

 諸君、幼女だ。

 幼女がいるぞ。

 ぷるぷる震えている幼女がいるぞ。

 

 実にそそるではないかッ!!

 

 おっと、失礼。

 

 実にけしからんではないかッ!!!

 

 

 ……他意はございませんよ?

 

 

 

 さて、さて、さて、主様。あなたは大変に変態な事をしてしまいました。ですが、その罪、僭越ながら私が背負わせていただきたく存じます。

 

 

 

「───どうも不安が拭えぬのだ」

 

「主よ、あなたは無謬でございましょう」

 

「……何が言いたい?」

 

「そして全知であり、全能。これは私も既に知るところにございます」

 

「……うむ」

 

 肯定なされましたか。流石は創造主様。畏れ多くて、顔も上げられません。ああ、肩が震えているのは、そう、主様の威厳に当てられ震えが止められないのです。

 

「しかしながら──不敬を承知で申し上げます──主よ、あなたは信仰の何たるかを理解しておりません。信仰とは何か、正しき布教とは何に拠るのものか、そもそも信仰とは何を元に生まれるか。これは畏敬でもなければ勿論利益の追求でもございません。一言で述べさせていただくならば愛にございます」

 

「……そうだな」

 

 ああ、御理解いただけましたか。それは重畳。

 

「そして、主様の語りを聞くに、先の者に与えるべきは信仰心の育まれる環境だけでなく、無償の愛もであると愚考いたしました。迷える子羊である幼児として、穢れなき者である少女として、母性愛の象徴である女性として硝煙薫る戦場に送れば、確かに信仰の芽生えを促すでしょう。さりとて、種が力強く芽吹くには大地のみならず、水も必要にございませんでしょうか」

 

「ふむ」

 

「私の生きていた現代を過ごしている者にとって、超常的なものとは夢、憧れに見るものであって元々は持ちあわせていない物。神秘があろうとなかろうと、科学に守られる日々を過ごしてきた彼らにはその恩恵を真に理解し感謝することは難儀であります」

 

「確かに、な。全く嘆かわしいが……」

 

 世界は悲劇と喜劇、そのどちらかであり、喜劇は見方を変えれば悲劇であります。だというのに悲劇は悲劇でしかありません。

 いえ、見る者が見れば喜劇にもなり得るでしょうが……今はその話は置いておきましょう。

 これらを総括すれば世界は悲劇で満ちており、喜ぶべきはそれに気づかぬ者のいること、嘆くべきはそれが真実であることでありましょう。

 それでも私は、愛を、幸せを知る者のいるこの世界は祝福されるべきものであると………。

 

 ……ああ。

 

 そう、そうであるならば、彼は。

 

「はい……。そして、そうであるならばやはり彼等の世界にあるもので訴えるべきでございます。彼等の心に根付くもので訴えかけることで心を揺り動かす事が出来るのです。先の彼に信仰を目覚めさせるには、彼も嘗ては持っていたであろう人の愛で以て訴えかけるのが良いでしょう」

 

 愛を知らぬ、否、忘れてしまった、彼は………。

 

「人は、生を受けたばかりの赤子は、数日も独りでいると命を落としてしまいます。栄養が足りないのではありません。寒かった、あるいは暑かったのでもありません。ひとえに愛が足りなかったのであります。これはつまり、人が愛を必要とすることの証明になりましょう」

 

 愛を、欠いているのだ。

 愛に、飢えているのだ。

 

 死してなお、主の御前でさえも。

 

「であればこそ………私は。………私は、彼の涸れてしまった愛に、私の愛を注ぎに行きましょう。枯れた大地は、水を無くして生き返れなどしないのです。主様、どうか私を彼の下に御遣わしください。彼はきっと、主様のような超常の存在を受け入れないでしょうから。もし更に願うことを許されるのであれば、私は彼の隣を寄り添って歩めるよう、彼と何ら違いのない人間へと転生させていただきたいです。年の、距離の、境遇の遠さは、そのまま心の隔たりに繋がりますから。彼の氷の心を、愛の温かみで溶かし、開かせるには……相当の長い歳月が必要となります。ですが構いません。たとえ私の一生が長かろうと、瞬く間に終わろうとも、この命の尽きる最期まで離れない事を約束します。それ故に、どうか、彼を、人を思うのなら、どうか………」

 

「…………御主、どうしてそこまで」

 

「…………それは。その、独りの身の寂しさを、虚しさを私は知っているので……。まして、その事に気づけないというのはどれほどの孤独かと思うと………っ。すみませんっ……少し、気持ちが抑えられなくっ、て…………」

 

「よい、無理に聞き出してすまなかったな。御主の話はしかと聞き入れた」

 

「……っ!! あ…ありがとうっ………ござっ……ま、すっ!」

 

「今から向こうに送る。それまでには気も鎮まっておろう」

 

「はぃっ……はいっ………ありがとう、ございます」

 

 意識が暗転する。

 気が遠くなる。この場合は実際に遠くなっているのかもしれない。

 

 いやはや、それにしても……。

 

 

 クフッ……クックックッ。

 クァーッハッハッハッ!

 

 全く、創造主様とやらよ。

 

 

 あんたがチョロすぎて、笑いが治まらないではないか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 パチリと目を開ければ視界を覆う鴉の顔。

 

 

「おぎゃーーーーーーっ!!?」

 

「クェッ!?」

 

 バサッ、バサッバサッ。

 

 奴が去るとそこに広がっていたのは曇天。

 

 

 

 転生先は、捨て子だった。

 

 

「おぎゃーーーーっ! おぎゃーーーーっ!」

(うわぁい曇り空だー! なんか風も吹いてるー!)

 

 二度目の人生で最初に行ったのは、現実逃避である。とはいえ、これは流石に仕方なくはなかろうか。

 最初に見たのが両親の笑顔ではなく、鴉の小憎たらしい顔だったのだ。意味不明である。

 咄嗟に大泣きしたから良かったものの、あのままでは目でもくり抜かれてたかもしれない。

 

「おぎゃーーーーっ! おぎゃーーーーっ!」

 

 ガチャリとドアの開く音。

 

「あら……」

 

 そうして、無事にかは分からないが孤児院に引き取られることになる。

 

「また、ですか……。辛い世の中ですね」

 

 二度目の人生、神を馬鹿にし腐って転生してきたのだが。

 憂いを帯びたシスターの顔は不信心な私にも神聖さを感じさせるものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◇◆

 

 

 

 

 

 シスター……ここではシュヴェスターと言うべきか?に拾われてから数ヶ月経った。

 院内は物が殆どないスッキリとした所であったと言えばおおよそ察していただけると思う。

 

 

 まずは朗報、戦友は無事でした。

 

 

 おっと、シュヴェスターが来たようだ。

 

  「はーい、ロルフ君。ご飯ですよー」

 

 その後のことは記憶にない。

 ないのだよ、諸君。

 

 良いね?

 

 

 

 さて、取るに足らんことは置いておくとして。

 

 諸君には情報の整理も兼ねて、私の言語の習熟に付き合ってもらいたい。

 

 

 コホン、と咳をひとつ。

 

 

 では、まず、なぜ私がこのような目に遭ったのかということについて考えてみたのですが……、始めは、創造主を名乗る稀代の馬鹿に騙していたのを見抜かれたのかと思ったのです。

 しかし、よくよく考えてみますとあの方は神代以来の伝説的馬鹿……失礼、その話ではありませんね、私は、この孤児院に件の転生者がいるからではないかと気付いたのです。

 

 彼……いえ、彼女の提示した条件を見るに彼女が魔法を使え、かつ徴兵される可能性は高いでしょう。

 

 そして私の望みは彼女から心理的、物理的に近距離の位置にいること、そして彼女と長年連れ添う夫婦になることです。

 

 あの愚者が私の望みを叶えてくださったなら、極めて近い場で2人は育っているはずです。そして、私が孤児院にこの年齢にして預けられたということは、孤児院暮らしに転居はないでしょうから、彼女が既にここにいることを示します。

 

 はい、どなたでもこのような簡単なことは最初に思い付きましょう。ですが、如何せんあの方が色々な意味で人智の及ばぬ者でしたので、ええ。

 

 見た目は白髭の翁、中身は歯も生えぬ童。

 さて、これは何でしょう、分かりますか?

 

 答えはあの方です。このなぞなぞ、答えを知らない方には難しかったのではないでしょうか。

 そうですよね、このような方はいないこともないでしょうが、これは特定の概念を答えるものですから、相当お悩みになられたかと思います。

 

 それほどの大物であったと、少しでも分かっていただけたら幸いです。

 

 

 はぁ……、さて、馬鹿の話をしますと馬鹿になりますので、例のあの人についてはここまでです。

 

 

 ここからはもっと有意義な話をしましょう。

 

 とはいえ、あまり多くは語りません。

 内容は主に彼女になった彼についてです。

 

 さて、件の転生者ですが、金髪碧眼な同い年の女児、ターニャさんであると推測しました。

 彼女には聖堂を見つめる、聖堂の前で故意に泣き止む、といった特異な行動が見られました。

 礼拝中に眉をひそめたりする事もあり信心深い訳ではなさそうでしたので、やはり例のあの人に何かしら思うところがあるのでしょうね。

 恐らく、とはつきますが、彼女が転生者で間違いないでしょう。

 

 ちなみに、彼女とは同い年ということで院内では何かと縁がありまして、コテンと横を向き目が合った際に挨拶をしてみましたところ───

 

 

「だぁ!」

 

「……だぁ」

 

 ───とまぁこのような様子でした。

 

 

 後者がターニャさんです。

 

 どうも内気な子であるようですね。

 

 

 そのターニャさんについてなのですが、私の主への望みに彼女と長年連れ添う、とありましたよね。

 ロリコンの私が彼女と長年連れ添うということはつまり、彼女は一生外見が幼いままであると予想される訳です。

 

 ええ、ええ。

 

 私も、この事に思い至った時、体の震えが止まりませんでした。

 

 

 神は、実在したのです。

 

 

 嗚呼、嗚呼、素晴らしき哉!!

 

 確かな奇跡の存在を私は目の当たりにしたのでした。

 

 

 

 しかし、やはり世の中というのは良いことばかりではありません。

 

 私のいる国はライヒと呼ばれており、拡張主義で軍国主義の帝国(ライヒ)です。

 で、そんな我が国は男女問わずの国民皆兵制。

 どうあがいても兵士になります。

 さて、ここまで話さなくても、気付いた方はいることでしょう。

 

 そう、ターニャさんと同じように、私も戦場へと赴かねばならないのです。

 

 とんだ愚行をしてしまいました。

 

 

 しかし、女神に会うことが出来たのです。

 

 

 悔いは欠片もありません。

 

 そもそも、彼女の境遇を思えば、転生先を選べたかも分からなかったのです。

 

 例のあの人に啖呵を切った以上、半端なことをしては地獄に落とされそうですし、退路はありません。

 

 こうなれば腹を括り、ターニャさんに一生ついていきつつ創造主とやらを扱き下ろすしかないですね。

 

 

 

 ……ああ、少し話し過ぎましたね。

 

 私の得た情報はこれで全てです。

 

 

 

 

 ふぁあ……。

 

 

  失礼、しました…疲れで……眠気が…………。

 

 

 

  (……おやすみ…なさ…い)

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◇◆

 

 

 

 

 

 いくら粋がろうとも体はまだ幼児の彼。

 

 名はRolf(ロルフ)Conz(コンツ)、2歳の夏のことであった。






ここまでお読み頂きありがとうございます。

導入なので幼女戦記成分が薄いかと思いますがご容赦ください。
次はきっと頑張るので、とフラグ建てだけしておきます。

ロリコン戦記?

同志などという言葉を用いるコミーのことは記憶にございません。別の方にお問い合わせ下さい。

ただ、一言だけ。

あのような駄作は読まれないようお勧めいたします、ええ。

あれは私の汚点でし……おっと、私は何か言いましたかな?ああ、そうでしたか。良かったです、本当に、良かった。

さて、さて、次回予告をしておきましょうか。

次回
『ターニャちゃんのレイプ目で今日もレーションが美味い』

ドキドキワクワクの学校生活ですよ、皆さん。
楽しみですね。

1年ほどお待ち下さい。

それでは。


◆◇◆◇◆◇◇◆


自分で解説するという羞恥コーナー第1回


あらすじ

貴官が帝国紳士であるかどうかの試験である


転生する前の場面

存在Xの二人称

貴様…好感度低
御主…好感度高

途中の内心での独白

存在Xの口数が減り心を読まれていると想定したため。
存在Xの読心術は任意発動という設定。

主人公の存在Xへの二人称
主よ、主様、あなた、創造主、例のあの人、etc.

気分であったり語順、語呂の良さで変わる。
ターニャ殿の存在Xという呼称は次話から採用予定。


孤児院での説明会?場面?

丁寧語

シスターの話し方を手本にしたため。
最後の『ふあぁ……』で萌えを狙うため。
次話から「であります」口調の予定なので段階を踏もうと思った、というのもある。

あんなに沢山の語彙やら話し方やら身に付くわけないやろ、というツッコミは勘弁願います。
どうしようもなかった。

ターニャちゃんのローテーションな理由
「………だぁ」

面倒だったが、返事しなければ泣くと思ったから。
彼女は泣かれるのはやたら煩くて好きでない。
という感じでオナシャス。

主人公の名前、Rolf・Conz

全世界のロルフさんコンツさんごめんなさい。
組み合わせたらロリコンぽかったから。

大体こんな感じです。
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