うちの父はLBX開発者です   作:東雲兎

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連日投稿です(シレッ


死闘——???

メキョリと嫌な音を立てて半ばからへし折れるメイス。使えなくなったそれをとっさに投げつけて、その隙に距離を取る。

 

性能はアキレスよりも上であるのに加え、技術は拮抗、もしくは相手の方が上。どうしようもなく勝ち目はない。

 

「だからこそ」

 

そう、だからこそ。やめられない。やめるなんて勿体無い。心からそう思った。

 

ランスと盾を構え、プロトグルゼオンを見据える。

 

「Vモード!」

『アドバンスドVモード!』

 

刹那、CCMが変形し、アキレスが黄金に輝く。

 

「Vモード……なるほどあれの試作か」

 

男はフードの中で一層笑みを深めて、サイスを構える。

その間にも、アキレスはプロトグルゼオンに肉薄していた。

 

こちらのランスによる連続突きがサイスで全てそらされた。

それでもなお、攻撃を続ける。

 

アキレスとプロトグルゼオンが激突する中、紫苑がそれを見て、顎に手を当てながらポツリとこぼしはじめた。

 

「プロトグルゼオンの性能は制作費度外視にしたから、従来のLBXをはるかに上回っている。山野博士のLBXは使用者に合わせた機体であるが故にこの機体の性能には及ばない。なのにプロトとつく理由は機体の反応速度と、CCMでの反応速度にズレが生じるからだ。それをなんとかしない限り使い物にならない。なのにあいつはいともたやすく通常のLBXのように扱っている。これはどういう事なのか……」

 

戦闘の最中としてはとても邪魔な長いセリフ。短くまとめてほしいものだ。

 

「さっさと解明しろ。もしくは明確な弱点はないか?」

「弱点としては、使用者が機体の反応速度に最終的についていけなくなるということか。それこそ特別な能力を持っていない限りね。あとはパーツの耐久性に問題があるってところかな。さっきも言ったようにあの機体、反応速度が異常だけど、今の技術じゃ耐久性が追いつかなかったんだよ」

「どっちにしろ相手の不調頼りか……は、やってやるよ」

 

要するに、相手がボロを出すまでの間、戦い抜けばいいだけの話だ。

 

そうして意識を完全にプロトグルゼオンに向けたところで、ふと、プロトグルゼオンの腕が変形しているのに気づいた。

それがなんであるかを認識した途端。俺はアキレスに防御を取らせた。

 

「武器腕……!」

 

直後、雨のように弾丸がアキレスを襲う。盾がどんどんと削れていく。だが、接近できるまで持てばいい。

 

盾を構え突進する。そして、その勢いで槍を放つ。それはサイスに受け止められるも、盾の裏に隠していたものから意識をそらせた。

 

その盾の裏に隠していたものを、プロトグルゼオンのヘッドパーツに突きつける。

 

「!」

発射(フォイヤ)!」

 

片手銃が火を噴き、プロトグルゼオンの片目を破壊した。

 

力任せにサイスに弾き飛ばされるが、滞空時間にも射撃をしてダメージを与えた。

 

「おお、やるじゃないか!」

「いや……」

 

紫苑の言葉に俺は苦虫を噛み潰したような顔をした。そう、これは奥の手だったのだ。本来ならもっと後で確実に敵の脚などの駆動系に当てられるような状況で使うはずだったのに、相手の武器腕のせいで使わざるおえなかった。

 

「……成る程。想像よりも……なかなかどうして……」

「?」

 

何やら相手がブツブツ呟いている。それに耳を傾ける。そして最後にはっきりとこう言った。

 

「えずくじゃないか」

「!!」

 

その須臾の間にアキレスは打ち上げられていた。

 

「アキレス!?」

 

さらに暴虐は続く。ともに巻き上げられた礫を足場に、プロトグルゼオンは立体機動を、全く見えないスピードで開始し、アキレスを嬲り始めた。

 

どんどんとアキレスの純白の装甲に亀裂が入っていく。そして、片目を潰され、左腕を断たれ、胸部はコアスケルトンがほぼ見えるまで壊された。

 

最後に、こちらへ吹き飛ばされ、俺に直撃した。

 

そのあとは視界が二転三転として、何やら固いものに激突して止まった。

 

そうして俺の意識は真っ黒に染まって行った。

 

 

 

○○○

 

 

 

「終わりか」

「なんだあの反応速度……事実上の人類の限界じゃないか」

 

紫苑はその事実を噛み締めて、目の前の男を睨みつける。そしてそいつの片目を見て、何かに気づいた。

 

「ようやくわかった。神経パルスを直接CCMに送り込んでいるのか。本来ならスーツでする筈のそれを通常のCCMでするには、ああ……成る程」

 

目眩がしたように頭を押さえる紫苑。しかしそれを知ったところで意味はない。

 

「お前たちはここで終わり」

 

故にもうすでに手遅れなのだ。

 

絶望的な状況で、紫苑は目の前の男を睨みつけ続ける。

 

そうして最後の時を迎えようとした。

 

その時。

 

「やらせません。それだけは……!」

 

戦場に堕天使が舞い降りた。




プロトグルゼオンは性能はかなり高いけど、今の技術ではパーツが保たずに壊れてしまう。と言った感じです。

山野博士のLBXはどちらかというと使用者に合わせた性能を持ってて、この作品内ではバン達が山野博士の技術に追いついていく感じ。
素材さえ手に入ればプロトグルゼオンよりも性能の良いLBXも作れる……かも?(某オーレギオンを見ながら)
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