というのは半分くらい嘘で、今回はすごく難産でした。
脳内で満足できる描写が出来ず、何週間も書いては消してを繰り返したものです。
正直もっと練れたんではとか思わんでもなかったですが、先を書きたくなったので投稿しちゃえと言って次第です。
生暖かい目でよろしくお願いします。
「む……」
フードを被り、濃ゆいサングラスをした男。彼の名はレックス。伝説のLBXプレイヤーと謳われる人物だ。彼が路地裏を歩いていると、視線の高さに純白のLBXが突如として現れた。すぐさま警戒態勢を取り、『G・レックス』で対応できるようにポケットの中でCCMを握る。
しかしLBXは何をするでもなくその場で停止した。
数秒の間隔、動くべきかとレックスが脳内で逃げる算段をつけているとようやく白いLBXが行動を開始した。
『やあ、檜山君。いや、レックスと呼んだほうがいいかな?』
「宇崎———悠介か。なんの用だ」
少しノイズの混ざった声。そこからレックスはシーカーで仲間である男の兄であると認識する。何用だと、こちらに暇はないのだと。態度で伝える。それに苦笑したのかわずかに笑うかのような声がLBXから漏れる。
『そう邪険にしないでくれ、こちらとしても君に接触するのはかなり無理をしているんだ。手短に行こう』
「ならさっさとしろ。後の予定がつっかえている」
『君のはそもそものスケジュールが無理のあるものだと思うがね』
「放っておけ、で結局何をしに来た」
無駄話が過ぎるとレックスはLBX越しの相手に先をせかす。
『ああ、先日の話だが、うちの研究員の一人が外部からのハッキングを防いだ』
「イノベーターか?」
『私も最初はそう思った。だが調べを進めると、明らかに別の証拠が見つかった』
「別?」
イノベーターではない、ならばワールドセイバーかとレックスは思考し、何でもかんでもワールドセイバーのせいにしようとするのはいけないと中断する。なにせ、この世に蔓延る邪悪は奴ら以外にも山のようにいる。いずれ奴らにはふさわしい末路を与えてやると憎悪から頭が熱を持つ。
レックスは目を瞑って思考を中断、相手の情報を頭に入れる為にクリアにする。1秒にも満たない間に、己の中の激情を握りつぶす。慣れたものだと心の中で溜息をついた。
『ああ、ハッキングを仕掛けてきたのはバーチャルLBXだったのだ』
「バーチャルのLBXだと?」
そこからレックスが思い至るはLBXのデータ化。そのような技術、まだ完成はされていない。筈だが、世界には山野淳一郎のような天才はいるものだ。もしかすれば完成はともかく雛形程度の技術を個人で持っている存在がいるやもしれない。故にあり得ないと断じることができなかった。
「発信源は?」
『判明している……というより、そのバーチャルLBXが我々のサーバーをインフィニティネットを通してハッキング、そこにデータを保存していった。そしてその情報を信じるのであれば、彼は我々に対して救援を求めているようなのだ』
「彼……バーチャルLBXによるハッキング。まさか……」
そんな技術を生み出せるのはあの山野淳一郎に準る技術を持った存在なのだが、同時にハッキングもできる存在となるとたった1人だけレックスは心当たりが存在していた。
しかし、ほぼ都市伝説レベルの人物のため信じられないという感情が先行する。
白いLBXはその心当たりを肯定する。
『そう、発信源はアキハバラ。彼は来訪者の安全を引き換えにこちらに協力しても構わないと伝えてきたのだ』
「来訪者……だと?」
『ああ、しかし私は表立っては動けない。そして不肖の弟の組織は——』
「内通者がいる……か」
『確定ではないが、可能性は極めて高い。これはTO社にも言える』
外にも内にも敵だらけかと、世の中の世知辛さにレックスは溜息を吐く。
「つまり俺しかいないわけだ。それで? 保護した後はこちらで勝手に匿えばいいか?」
『ああ。だがこちらでも用意する準備もある。そちらでやり易い方を選んでくれ』
「了解した。何とかしよう」
白いLBXから詳細のデータを受け取る。マップに反映されたそれらを確認して、問題がないと判断した。
『頼む。何か必要なものがあればこちらで準備しよう。ウチの秘書は優秀でね。影山に悟らせない程度だが、支援させよう』
「ならば脚を用意してくれ。こちらで管理できるのをな」
移動手段の手配を頼んだレックス。それ以上言うことはないとそのまま踵を返して白いLBXと別れる。
尚、彼は本来の予定をすっかり忘れており、後に神谷コウと合流した際しこたま叱られたのは余談である。
○○
三機に分身した仙道の操る『ジョーカー』を相手に『アキレス・リュカリオン』は逆手に持ったランスで対応を続ける。
「ちぃ、対応が早い」
「あまりにぬるいぞ、慣れてきた。この様では魔術師ではなくピエロと名乗ったほうが正しいだろうよ」
「なんだと! よりにもよって道化と呼ぶか!? この俺を!」
的確に『ジョーカー』の攻撃を防ぐ俺に悪態をつく仙道。彼の思考を鈍らせるために攻撃を弾くとともに煽りを与えれば、想像以上の効果を発揮した。怒りで思考を鈍らせてくれるのは助かる。しかし、エンジェルスターで戦ったあいつとコウの屋敷から出る前に簡単な稽古してもらったレックスの強さが本当に別次元なのだと思い知らされる。これに関しては比較対象が悪いんだけど。
俺の仙道が使う分身への対策は至って単純なもの。相手が三体に増えるなら対応速度を三倍にしてやればいい。つまり沙希師匠直伝にして俗にいう脳筋戦法だ。先の強者二人との経験があった故に出来た芸当だもあるし、結構性に合っているのでおそらく俺は脳筋だな。と無駄な思考をしつつ、相手の動きを感じ続ける。
「必殺ファンクション!」
『Attack Function/我王キャノン!』
と、郷田が取り巻きのふたり(のLBX)をミンチにしたようだ。自分のことながらこいつによく勝てたなと『我王キャノン』の威力に戦慄する。
「待たせたなバン!」
「いや、丁度いいくらいだ」
「ちぃ、役立たずどもめっ」
仙道が倒された仲間に悪態をつきつつも攻撃の手を緩めていないのは賞賛すべきか。攻撃を弾きつつ、仙道の卓越した操作技術に心の中で舌を巻く。先ほどは慣れたと煽ったが、いまだ俺は反撃に転じれていなかった。怒りで動きが単調になるかもと期待をしていたのだが、相手は常に動きを打ち寄せる波のように変化を与えてくる。それを『アキレス・リュカリオン』の運動性のおかげで対処できている。
郷田の『ハカイオー』は本来の物語では一度仙道に破壊され、敗北を喫している。これは『ハカイオー』の運動性が低かったのと分身が初見であったからと考えている。
事実、郷田は二回目のバトルにおいて仙道へ対し、勝利を収めているのだ。
「戦いじゃ、わからん殺しを押し付けられれば勝ちだからな……」
「あ? なんか言ったか、バン」
「郷田、試したいことがある。失敗したら頼む」
「なんだ? 何するってんだ。まぁ任せな!」
こちらもわからん殺しをしてやるって話だ。それに今なら失敗しても後詰めの郷田がいる。ならば、後は実行するのみ……
「行くぞアキレス! スキャニン―――」
背筋が粟立つ。システム準備から駆動へ一気に駆け上がる瞬間、悍ましい気配を感じとる。いつから隠れていたのか、むしろ最初からかもしれないとギンジの言葉を思い出す。
ギンジは『この一件は一中の連中が発端ではない』と。そして彼を邪魔した仮面黒スーツの奴らのことも脳裏によぎる。
「誰だっ!」
「なんだ?」
「いきなり何をっ―――!?」
相手は認識されたことを察知してバトルフィールドに降り立った。爬虫類のような鋭さを覚えさせるフェイス、一見羽のような刃を備えた背部ユニットに恐竜のようなボディ。まるでワイバーンのごときそのシルエットに強烈な見覚えがあった。
「キラードロイド……だと!?」
未来において俺たちに立ちはだかるはずの対LBX用兵器。それが今この瞬間に現れた。その衝撃の大きさたるや、頭が痛くなりそうだ。
しかし、よく見れば細部が以前戦ったグルゼオンもどきと同系統の技術が見え隠れしている。つまり、こいつを作った相手は。
「ワールドセイバーか……!」
「こいつは一体!?」
「LBX……なのか?」
LBXをはるかに超える巨体は呼吸をするように周囲の空気を吸い込み、次の瞬間緑の光とともに炸裂した。
「ぐぅ!?」
あまりの眩しさに思わず目を庇ってしまい、気づけば緑に波打つの半球体状の壁に閉じ込められていた。確かKフィールドだったか。未来で開発されるDエッグの機能とほぼ同じで相手を閉じ込めるものだったはず。つまりこれで逃げられなくなった。出るにはキラードロイドを倒さなくてはならない。
「厄介かっ」
「バン! こいつは!?」
「恐らく俺達と仙道達を戦わせようとしていた奴らのだ!」
キラードロイド《ワイバーン》実物はこんなにも悍ましいものとは。竦む思考に喝を入れ、仙道へ依頼をする。
「おい仙道! 一旦休戦を申し込む!」
「なに!? ふざけるなよ、なんでお前らと!」
「お互いこんな訳の分からない状況でやられたくはないだろう!」
「来るぞ!」
郷田の怒鳴り声に、慌てて仙道からキラードロイドへ注目を移す。
キラードロイドは前足の射撃武装の乱射を敢行しており、回避をしつつ直撃弾はメイスで弾く。
それだけでメイスの一部が欠けて、その威力を物語る。
「何度も受けられんか! っ散れ!」
「「!!」」
キラードロイドが刃翼を前に向け突撃形態を取っているのを察知できたので、その場から飛び退る。何とか乱射を凌いだ二人も俺の必死な声に素直に従ってくれて、それぞれでキラードロイドの攻撃範囲から逃れようとする。
キラードロイドの狙いは俺のようで、回転し地面を抉りながら『アキレス・リュカリオン』に向けて突進してくる。しかも無理やりではあるが軌道修正をしながらなので、逃げても逃げても攻撃範囲から逃れることができないでいた。
「―――『V』モード!」
『ADVANCED・V!!』
直撃がよけられないと悟った俺は巻き込まれる寸前に、手札の一つ、特殊モードを切る事を決断させられた。折角、もう一つの切り札を使う副産物として完全制御できるようにしてもらった切り札の一つを早々に消費せざる負えなかった状況に、舌打ちしたい気持ちでいっぱいになった。
「必殺ファンクション!」
『Attack Function/ライトニングランス!』
特殊モード発動による必殺ファンクション即時解放。放たれた光の槍―――いや撃ち出すという意味では鑓とか鎗と称した方がいいか……がキラードロイドの突撃に真っ向から激突し、僅かな拮抗ののち突破された。
しかし拮抗を保った一瞬を糧に、回転する進撃から『アキレス・リュカリオン』は離脱した。
躱されたと認識したキラードロイドが脚部と剣翼を地面に突き立て制動を行う。その静止の瞬間『ジョーカー』が無防備な相手の頭にサイズを叩きつける。鈍い音を立てるサイズ。だが衝撃までは受け止められなかったか、キラードロイドは僅かな怯みを見せた。
「仙道!」
「勘違いするな! 手を組んだ方が効率的だからだ!」
「へっ! それで十分だろうよぉッ!」
続けて郷田の『ハカイオー』がキラードロイドの頭を顎下から打ち上げた。さすがにブロウラーフレームの一撃はダメージにはなったのか。さらなる怯みを生み出した。
「今だ! 必殺ファンクション!」
『Attack Function/ライトニングランス!』
特殊モード、
一射目すら超える速度とエネルギーを伴った閃光は目標へ吸い込まれるように激突する。
完璧な動作で正しく放ち、エネルギーも特殊モード分も上乗せされ、会心の一撃を確信する。
激突、そして爆発。あまりの威力にフィールド外の俺たちにまで爆風が届いた。
そして端的に言ってしまえば、会心の一撃はキラードロイドに僅かな傷を与えるに留まったのだった。しかしそれでもその一撃でその場の皆が理解する。
「やはり胸の部分が脆い!」
比較的ではあるが。狙いは決まった。
返礼とばかりに煙幕を穿ちながら放たれる弾丸。乱射され、層を成すように弾幕となる。対して俺は周囲の瓦礫を飛ばし、弾道が微かに逸れることで生まれた僅かな安全地帯に機体を滑り込ませて回避する。が次は躱せない。
「郷田ァ!」
「応! 必殺技ファンクションっ!!」
『Attack Function/我王キャノン!』
このメンツで唯一遠距離武装を持つ『ハカイオー』。照射として使用した『ハカイオー』のキャノンが敵の弾幕を蒸発させ、風穴をあける。そのままキラードロイドの少し手前に着弾。そこから薙ぐように破壊の煙を撒き散らしながら、キラードロイドに直撃する。
『Pipipopi』
機械的な嘶き。煙の中から現れたのは汚れただけのキラードロイド。ダメージらしきものは見当たらない。
「無傷かよ!」
「装甲が硬いんだ! 胸のコアを狙うしかない!」
「ならばっ!」
仙道の『ジョーカー』が動く。先の我王砲の爆煙に紛れ、接近に成功していた。
どうやら考えることは同じようだと俺も『アキレス・リュカリオン』を続かせた。
既に三機に分かれていた『ジョーカー』が
『キラードロイド』の反応を上回れたのは仙道の腕前もあるが、俺の知っているものと違い、AIを使っていない。そもそも動き方が人間じみている。というかこれ手動操作だ。
というか、なぜ『キラードロイド』なのだ。一年先だろうに。たった一年だが、それでもこの世代は技術の進歩が恐ろしいほど速いというのに。
そんな理不尽への怒りを込めて、仙道の動きへ合わせる。
胸部コア、先程《ライトニングランス》を当てた傷に1ミリのズレもなく三連続で打ち据えた『ジョーカー』サイズは僅かながらのダメージと亀裂を与えた。
そこへ一白置いて、飛来した『アキレス・リュカリオン』が取り付く。メイスが突き立てられ、内臓パイルバンカーを2回打ち込んだ。流石に刺さりはしなかったが、さらに広がる亀裂。もう一方の腕に持つランスで追加と言わんばかりに抉ってやる。
流石にそこまでされてはキラードロイドも黙ってはいない。周囲のLBX達を振り払い、同時にバックステップからの刃翼の叩きつけ、狙いは特殊モードの時間切れを起こした俺の『アキレス・リュカリオン』だ。
振り払われ、体勢を崩した『アキレス・リュカリオン』ではその一撃は避けきれない。
しかし、俺は1人ではない。
「させっかよぉ! 必殺ファンクション!」
『Attack Function/パワースラッシュ!』
郷田の『ハカイオー』が駆けつけ、本来は飛ぶ斬撃として放つ《パワーエッジ》を破岩刃に集束させたまま刃翼を迎撃した。
相打ち気味にお互いが弾かれ合い、重量の差から『ハカイオー』が吹き飛ばされていた。が、吹き飛ばされた割には『ハカイオー』のダメージは少なかった。いやダメージを逃す為、余計に吹き飛ばされたのか。
「助かった!」
「良いってことよ!」
先ほどから郷田は防御役として俺たちのサポートに回ってくれている。というのもこの中で最も頑丈なのが『ハカイオー』だからだ。郷田もそれを理解し、即興で対応してくれていたのだ。
しかし衝撃を逃がしたとはいえかなりのダメージとなったようで『ハカイオー』にリペアアイテムを使わせる郷田。彼を尻目に仙道と僅かに目を合わせる。
「やれるか?」
「
短く質問され、こちらも短く返答する。キラードロイドとのにらみ合いが続く。何故相手は動かないのか、理由は単純、時間はキラードロイド側の味方だからだ。
なぜなら必殺ファンクションの連発や高機動を保ち続けていたこともあり、既に全員のバッテリーがレッドゾーンに突入していた。
これ以上戦いが長引けば長引くほど不利だとこの場の全員が理解しているし、むしろここまで拮抗していたのが奇跡の様なものだった。故に先程作ったコアの亀裂に賭ける他ないと。経験から弾き出し、仙道も察していた様だ。
だから作戦を二人に伝える。危険な、しかしもっとも可能性の高い作戦を。
それを聞いた仙道は視線を敵から外さずに、俺に問いかける。
「なるほどな、確かに可能性は高いは高いが、それは比較的という枕言葉が付くだろう?」
「しかし、これ以外はほぼ無理だろう。俺が攻撃を受け続ければ……」
「だがよぉ、この中アレをブチ抜ける貫通力があるのはバン、お前だぜ? お前が攻撃に回ったほうが可能性が上がるはずだ」
郷田の指摘はもっともだった。槍の必殺ファンクションは武器の性質上貫通力が高いのがほとんどだ。そしてコアを破壊するためには面の破壊よりも点の貫通のほうが重要に思えた。けれどこれを譲るのは心情的にいやだった。
「……提案したのは俺だ、なら危険な役割は俺が引き受けるのが筋だろうよ」
「そんな甘いことをこの期に及んで抜かすんじゃねえ! その役割はオレがやる。オレの『ハカイオー』がこの中じゃあ一番堅ぇのはさっきまでのを見てわかってるはずだ」
「だがっ」
「ごちゃごちゃ抜かすな、時間がない。それで二中の番長、やれるのか?」
「当然! 逆にぶっ壊してやるよ、何せオレは―――」
「地獄の破壊神だからか? は、バカらしい」
「んだと!?」
郷田が仙道に食って掛かる。が仙道はそんなのに取り合うことなく。いや、むしろこのピンチに燃える漢としていい笑いで続けた。
「だが自分でも意外なんだが……嫌いじゃないらしい。そんなバカはな」
「!」
「任せるぞ、郷田」
「ははっ、足を引っ張んじゃねえぞ。仙道!」
「――――」
俺の意思むなしくふたりは覚悟を決めてしまった。いやそうじゃない、そうじゃないんだ。むしろ俺がヘタレだったんだ。危険だからと遠ざけ、引き受けようとした事が郷田と仙道への、二大番長への侮辱だったのだ。つくづく自分の愚かさに嫌気がさすが、一度息を吐き思考をリセットする。
「郷田」
「あん?」
「任せた」
「へっ、応よ!」
バッテリー切れ間近なのでCゲージが溜まりにくくなってもいた。高かったのだが……仕方ない。『アキレス・リュカリオン』にチャンスリチャージというアイテムを使わせ、Ⅽゲージを増幅させる。
合計で必殺ファンクション一回分のCゲージ。大切に使わねばと気合を入れ直す。
立て直したキラードロイドに対して仙道がタイミングを計り、俺たちに号令をかける。
「行くぞ!」
「ああ、合わせる!」
「恥かくんじゃねえぞ!」
郷田の発破で膠着から動き出す。三機の『ジョーカー』が惑わす様にキラードロイドに走る。その動きはまるで幻を見ているかの様に揺らいで見える。
それに距離感を惑わされたのか、キラードロイドは迎撃とした刃翼を空振りとした。
地面にたたきつけられる刃翼。砂埃をかき分け二機の『ジョーカー』は一気に展開する。キラードロイドも対応せんと動くも。
「オオオラァッ!!」
正面からの『ハカイオー』の突進がその動きを封じる。先ほどと同じように顔を打ち上げられ、コアが無防備になることを防ぐためか。突進を刃翼で迎撃する。
『ハカイオー』の破岩刃はキラードロイドの刃翼と正面からぶつかり合い、持つ腕ごと破壊される。
「必殺ファンクション!」
『Attack Function/デスサイズハリケーン!』
『ハカイオー』の腕を犠牲にした時間稼ぎの間に展開していた『ジョーカー』二機が同時に必殺ファンクションの黒い竜巻を発生させ、キラードロイドを両面から削りとる。
キラードロイドは竜巻に拘束されながら、尻尾で発動し終わり無防備となった『ジョーカー』達を一撃で破壊する。
「やっぱ分身じゃねえじゃねえか!」
「ふ、今更か。バカの相手は疲れるな」
なんて会話しながら二人は不敵に笑い、己のLBXをキラードロイドに走らせる。
竜巻に削られるキラードロイドはせめての抵抗か、定まらない照準のまま腕部の銃を撃つ。
直撃弾は少ないが、なかったわけではなかった。しかし竜巻が消えるまでという僅かな決着を果たさねばならぬ故に、避けるという選択すらできない。
だから『
一撃目、腕が弾けた。
二撃目、横腹が抉りとられた。
三撃目、頭部の半分が消し飛んだ。
「仙道ォッ!!!!」
「よくやったぁっ!」
最後の一撃で胴体を撃ち抜かれ爆散する『ハカイオー』
しかしそれでも、仙道に繋げた。意地を貫き通したのだ。
だからこそ仙道も残っていた余力すべてをキラードロイドに叩きつける。
「必殺ファンクション!」
『Attack Function/スイングハンマー!』
必殺ファンクションを利用した変則的なかち上げ。それがキラードロイドの頭にクリーンヒットし、サイズの破壊と引き換えにコアへの道を開いた。
ああ、やってくれると信じていた。信じて溜め続けていたとも。
「行けェッ!!!!」
「果てなく征け―――アキレス・リュカリオンっ!!」
『Attack Function/グングニル!』
無理やり届かせた
「オオオオオオオオオアアアアアアアッ!!!!!!!!!」
そして人狼騎士はついに破壊の翼竜を打ち滅ぼした。
初期量産型キラードロイド《プロト・ワイバーン》を撃破。
こちらの被害
『アキレス・リュカリオン』必殺ファンクションによる右腕自己崩壊。
『ジョーカー』三機中二機破壊。
『ハカイオー』完全破壊
なお、中ボス戦でしかない模様。
あと来訪者というのは既にどこかで名前が出てたりします。