うちの父はLBX開発者です   作:東雲兎

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仕事で死んでます。更新頻度は早くありませんが何卒よろしくお願いします。
あと誤字修正についてありがとうございます〜。時間がなくて少しずつしか確認できず中々反映できてませんが、助かっております。


海道邸へ

 

「というわけなんだが」

 

 ひとり、同年代がlbxの談義をしている最中を抜け出してレックスの元へと向かったバン。招待状のデータを見せながら今後の作戦会議をしていた。

 

 

「行く気か、お前は」

 

 

 呆れた様な顔でこちらを見下ろすレックスに、バンは肩をすくめる。いかんせん、自身にとっても未知なのだが、断るよりも乗ったほうがいいと直感的に感じていたのだ。

 

 

「迷ってはいるがチャンスではあるなとも考えてる」

 

「……しかしな。危険が過ぎるだろう」

 

「いざという場合はレックスが助けてくれ」

 

「無茶を言うもんだな。オレを共犯にしたいと言うくせに」

 

「それはそれ。頼れるなら頼るべきだ」

 

 

 いけしゃあしゃあと曰うバン相手に、ため息を吐くレックス。最近、あまりにも気安過ぎないかと軽くパンの頭をこづく。

 

 痛かったのか少し恨めしそうに見上げるバンに対して話を続けようとする。

 

 

「全く……で? これはあったのか?」

 

「いや、未知だ。オレの責任かもしれないが」

 

「なるほどな、それでオレに共有してきた訳か」

 

 

 ようやく、宇崎の前にこちらに話をして来た理由へ得心がいく。何せ理解できるのはこの場においてはレックスのみであるからだ。

 

 

「それで条件はなんと?」

 

「特にないな。そのせいでコレが灰原ユウヤの独断なのか、それとも海道の指示なのか。全くわからない」

 

「……お前、それは天然か?」

 

「なにがだ?」

 

「いや、いい」

 

 

 サングラスをあげて目元を揉むレックスへ首を傾げ、バンは疑問符でいっぱいになりながらも、伝えたい事を共有する。

 

 

「? とりあえずメンバーとしてカズとアミを連れて行きたいんだが」

 

「二人か。とりあえずアミについては今こちらで保護している。明日には戻すとしよう。他は?」

 

「ミカにはレックスと一緒にいてもらおうと思ってるが大丈夫か?」

 

「ふむ、わかった。だが詳しくは」

 

「わかってる。明日以降に詰めて行こう」

 

「では今日はもう帰れ。明日は学校なのだろう?」

 

 

 だから今日は家に帰って、ちゃんと日常の生活を送れと檜山蓮(1人の大人)として、山野バン(こども)に命令を下した。

 

 

「だが」

 

「学生のうちは通っておけ。でなければ何か企んでますと言っている様なものでもあるからな」

 

「……わかった。カズとアミにもそこで話す事にする」

 

「そうしろ、では明日ブルーキャッツでな」

 

「了解」

 

 

 渋々ではあるが納得して、帰路に着くために同年代の面々の元へと向かうバン。その背中を檜山蓮はじっと見えなくなるまで見つめるのだった。

 

 


 

 

 

 

 ズル休みした(エンジェルスター襲撃)後、一応毎日登校している中学校。そこでバンはアミ達と話をしようと早くに登校し、彼女達が来るのを待っていた。

 

 だが先にやってきたのは。

 

 

「……」

 

「……」

 

 

 噂の戦闘機登校をせずに普通に来た海堂ジンだった。

 朝早過ぎたからか、教室で2人っきりとなっている状況で、沈黙が続く。

 沈黙に耐えきれず、バンは『アキレス・リュカリオン』を取り出した。一応修繕が終わり、リュウの手伝いもあってナイトフレームのカブトを元に元々のアキレスに近い様式に改造を施した腕が取り付けてある。この時間を利用してその調整を行っておこうと思い至ったのだ。

 

 

「ほぅ、その腕、サイバーランス社製のLBXの腕か?」

 

「……よくわかったな。『カブト』を元に改造したものだ」

 

 

 先ほどまで目を瞑って瞑想の様に机に座っていた海堂ジンがいきなり、こちらに話しかけてきていた。なんだったらいつのまにか近くまで来ていた。

 

 バンがびっくりしたのを誤魔化しながら返答すると、納得した様に頷く。

 

 

「僅かにだがサイバーランス社が作る特徴が残っている。だがそこからよくこの形に仕上げたものだ」

 

「リュウ……クラスにいる友人のおかげだ。あいつはこういうのは得意だからな。頼んだんだ」

 

 

 『カブト』はサイバーランス社の商品であり、ムシャの後継機として発売されたものだった。

 

「なるほど、僕としてもサイバーランス社ならばもしかしたら僕の操作に応えられるLBXを作ってくれるかもしれないと検討をつけていたところだ」

 

「ほぅ、この前のエンペラーM2でも物足りないのか?」

 

「ああ、前回も僕の操作に追いつかなくなっていた」

 

「確かにな」

 

 

 脳裏によぎる『エンペラーM2』の操作の遅延。確かにと納得したバンは、自身の特殊モードを思い出す。自分の思うままに動かせるLBXの強さを実感しているが故に理解を示した。

 

 

「って、ちょっと! 話がズレてるよ!」

 

 

 お互いに共感を得てゆるくなった空気感。そこへ何故かユウヤが教室に突っ込んできた。

 

 

「ジン! 自分から話すって言ってたよね!? なんでLBX談義になってるのさ!?」

 

「すまない、つい」

 

「んもー! ごめんね山野バン君、騒がしくして。昨日の招待状確認してくれた?」

 

 

 なんとなくショボンとした様な感じのジンを横に追いやり、バンへと話し相手を変えてくるユウヤ。

 

 

「ああ、確かまだ日にちはあったろう?」

 

「うん、ただメールだけじゃと思ってね。はいコレ、正式な招待状。入り口の警備員に見せてくれれば通してくれるよ。あ、複製はできない様になってるから」

 

 

 ユウヤに促されてジンが差し出されたのは装飾の入った白い封筒。目で開けて良いかを確認して、ユウヤの頷きを以て開封した。中身を覗き見てから懐に仕舞い込む。

 

 

「わかった、受け取ろう。友人二人を連れて行ってもいいか?」

 

「いいよ。人数の制限はしてないからね。二人ってのはあの3人のうちの?」

 

「いや、別の友人だ。今日、同行を申し込もうとしていたんだ」

 

「そっか、楽しみにしてるよ」

 

 

 それじゃ、と挨拶もそこそこに自身のクラスへと戻っていくユウヤ。楽しみ、というのはどういう意味でなのだろうかと。なんとなく恐怖を抱いていた。

 というのもバンはゲボ吐かされたので(とんでもない言いがかり)苦手意識みたいなのが残っている……という言い訳をバンは内心しているのが、嫌いではないけれど、なんとなく頭の上がらない気がしてるだけなのだが。

 

 それをどうやらジンの方も感じているらしく、目線が合うとどちらからともなく頷き合うのだった。

 

 

 

 

 

◎海道邸◎

 

 

 

 

 招待状をもらってから数日後、指定の日付にやって来たのはとんでもなくデカい家というか屋敷というか、形容し難いもはや要塞とも呼べる海堂邸。カズが見上げて、引き気味にため息をついた。

 

 

「うわ、でっけぇ……まるで悪の要塞みてぇだ……」

 

「流石に失礼よ。いやまあ、イノベーターのボスの本拠地みたいなものだから間違いじゃないのかしら……?」

 

 

 ここに住んでるであろうクラスメイトのジンに対して失礼だと思いつつ、一応何回も襲って来てる奴らのボスではあるので、どうしたものかと結構悩みどころらしい。

 

 

「ほら、行くぞ。前衛はもちろんカズがいく」

 

「え、俺っ!?」

 

「盾役頑張ってねカズ」

 

 

 バンからの指名でぐるんと自分を指さしながら振り返るカズは、肩を叩いて無責任な応援をするアミに、無理無理無理とばかりに手を振る。

 

 

「ウッソだろ!? 俺スナイパーなんだけど!?」

 

「冗談だ。ほら警備員が変な奴を見る様な目でこっち見てる」

 

「実際変よ。カズが騒ぐから」

 

「おう、お前ら最近俺をおちょくり過ぎじゃねぇか? 堪忍袋の尾が切れるぞ? 特にアミ」

 

 

 おーん? と上体を横に、下から見上げる様に覗き込んで威圧するカズ。しかしアミは淡々と切り返す。

 

 

「上等よ、返り討ちにするわ」

 

「……やめときます」

 

「か、カズ……」

 

「やめろバン、マジの方の憐れむ目をしないでくれ。オレとしては戯れてるだけのつもりだから」

 

 

 ガチ目の同情に待ったをかけるカズ。実際本人的にはそのつもりなのだろうが、アミの威圧感があまりにも真に迫っていたのだ。

 

 

「私は本気よ」

 

「さて、戯れもここまでにして、行くぞ」

 

「私は本気よ」

 

「ははは、じゃいこうぜバン!」

 

「私はマジよ」

 

 

 ついに言い換え始めたアミを相手に、そそくさとバンとカズは警備員の方へと逃げ出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 広い廊下を真っ直ぐに進む。案内人こと海堂ユウヤを先頭に雑談がわりにその場のメンバーで会話を弾ませていた。

 

 

「それで、2人は最近どこに行ってたんだ?」

 

「んー、ワールドセイバーに襲われてたのよ。レックスが匿ってくれてね」

 

「オレは潜入の練習〜、四天王ズと一緒にいた」

 

「マジか。俺はアングラビシダスで優勝して来た。アルテミスに行ってくる」

 

 

 あらかじめブルーキャッツで作戦会議を行なっており、取り決めをしていたぼやかした会話内容で、何も伝わらない。新しい情報を渡さない様にしておいたものだが、それでもユウヤとの会話の起点としては十分であった。

 

 

「今この場でそういう話するの? それ普通来る前にするやつじゃない?」

 

「許せユウヤ。あと、彼女が海堂ユウヤだ。戦闘機登校ジンの姉だ」

 

「おう、オレ、青島カズヤ。カズって呼ばれてる」

 

「私は川村アミ。よろしくね」

 

「あ、うんよろしく。なんか気が抜けるし、弟の扱いがもはや珍獣みたいになってない? あの子真面目にやってるだけだから」

 

「フォローになってないんじゃないかそれ。普段から甘やかしてないか?」

 

 

 そ、そんなことないし……。とユウヤは顔を背ける。そこらへんから本来の物語よりも天然さが出てるのはきっとユウヤとかに甘やかされて来たからなのだと半ば確信を得たバン。

 

 そんなこんなで進んでいると、前方より1人の男が歩いて来た。その男は下卑た顔つきで頭頂部が薄くなっている。

 

 何やらビジネス鞄を携えて、まるで一仕事終えたかの様な姿でバン達の行く先から来た道へと進んでくる。その姿にバンは見覚えがあった。

 

 

「……やぁ、山野バンくん。久しぶりだね。私のことは覚えているかな?」

 

「……お久しぶりです、神谷会長」

 

 

 バンと神谷重工会長の神谷籐五郎との、本当に久方ぶりで、因縁とはいえぬが、色々と因果な再会であった。

 

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