昼休み、俺はAX-00をカズに見せていた。昨日見たのだが、もう一度見たいのだそうだ。山野バンの母親が俺にLBXをする事を許可してくれた事をカズもまたアミやミカと同じく自分の事のように喜んでくれた。
「良かったなバン!今度俺のウォーリアーとバトルしようぜ!」
「……ああ。だがその前に、やらなきゃいけない事がある。郷田からアキレスを取り返さなければ」
郷田というワードにカズが明らかに反応する。当然だろう。相手はこの中学の番長なのだから。
「郷田って……相手が悪すぎる。あいつは地獄の破壊神何て呼ばれてる化け物だぞ?それでも行くってのかよ」
「……ああ。アキレスは取り返さなければならない」
「たく、しゃあねぇな……俺も付き合ってやるよ」
……あれぇ?原作じゃカズは止める筈なのだけど。いや、どうしてこうなった?
そんな俺の思いを露知らず、アミは喜んで、ミカもニヤリと笑った。
「じゃあ放課後から体育館裏のスラムに行こう。準備ができたら呼んでくれ」
「わかったわ。じゃあまた後でね!」
「迎えに行く」
だからなんでそんなにみんな積極的なんですか?そんなに郷田に会いたいんですか?
正直俺は胃が痛い。ここが初めての正念場だ。原作ではかろうじて勝てたけど、今の俺は山野バンのフリをした偽物だ。そんなやつに同じ事が出来るのだろうか?
答えは、わからない。だ。
俺は山野バンではないが故に大きな失敗をしかねない。だから俺は常に細心の注意を払っているつもりだ。
まるでそれは常に綱渡りをしているようなものだった。
一度でも気を緩めれば奈落に真っ逆さま。だからこそ原作の間、ずっと気を引き締めなければならない。しかもそれは人に相談できない。
それがきつい。
○
放課後、俺たちはスラムに来ていた。そこには原作ではいなかったミカも来ていた。
……あるぇ?
ミカさんや、何故ここに?
「……ミカ、用事はどうした?」
「ふたりの会合、見逃すわけにはいかない」
……そーですか。
そうして俺たちはスラムに足を踏み入れる。
少し進んでいくと、そこにはふたりの人影があった。
片方はのっぺりとした大男。
片方は背が俺よりも小さい少女。
片方の少女が威嚇するように嗤う。
「ここはあんた達みたいな優等生が来るとこじゃないんだよねぇ」
「おとなしく教室で予習でもしてるでごわす」
それでも帰らない俺たちにさらに笑みを深めた少女は続ける。
「ここがどこだかわかってんの?」
「ああ、知ってるさ。それでも来た。郷田ハンゾウを探しにな」
あくまで無機質に、受け答えをする。ここでボロを出したらみんなに不審がられる。
アミは俺の言葉を継ぐように、声を張り上げる。
「郷田ってやつ、泥棒なのよ!」
そうして睨み合いが始まる。それを打ち破ったのは、気味の悪い笑い声だった。
「ヒッヒッヒ、リコ、テツオ。こいつらだぜ。郷田君を嗅ぎ回ってるってやつは」
「は、こいつらか」
立ち上がったリコと呼ばれた少女とテツオと呼ばれた男に立ち塞がれる。
「郷田君に何の用かは知らねぇが、不幸な目にあいたくなけりゃ、とっとと帰んな」
「……お前らが郷田の仲間か」
「はっ、ちょっと違うかな」
「郷田君は同志でごわす」
「んじゃ、この辺で自己紹介と行っちゃう?」
「行くでごわす!」
「やんのかよアレ」
そいつらはLBXを取り出してポーズを決め始める。
「クイーンのリコ!」
「ナズーのテツオ!」
「マッドドッグのギンジ!」
「四天王!郷田三人衆!」
「「見参!!」」
ミカがヤンヤヤンヤと手を叩き、他のメンバーがその名乗りに引いた。
「だからヤダったんだよ!」
とりあえずギンジに近づいてポンと肩を叩く。
「……苦労してるんだな」
「わ、わかってくれんのか……」
「……なんとなくな。今度何か奢ろう」
「す、すまねぇな……」
「そこ!変な友情育まない!ここに入ったやつがどうなるか、思い知らせてやるわ!Dキューブ、展開!」
とりあえず定位置に戻ってDキューブの戦場を見据える。
「ジャングル……か。アミ、ミカ。やるぞ。カズは全体の指示を頼む」
「「「了解!」」」
それぞれがそれぞれの役割を担い、こうして戦闘が始まった。
サラッと読める程度にしてるんですが、もっと文字量増やしたほうがいいですかね?
あと、TSってどうなんだろうか?