カズとアミは原作通り、遠距離型と一撃離脱のチューニングを施し、俺とミカは互いにかばい合いながら戦闘する事に決めた。
そして、戦いの幕は上がった。
「果てなく征け、アキレス」
「クノイチ!出陣!」
「ウォーリアー投下!」
「行って、アマゾネス」
「行け!ハカイオー!」
最初に攻勢に出たのはクノイチだった。
「行くわよ!」
「な」
いきなりの事で面食らった郷田のハカイオーは初撃をまともに受けた。
そして、それを追いかけようとするハカイオーにウォーリアーが銃撃で牽制する。そして俺とミカはその隙を縫って接近した。
「うざってぇ!」
俺はアキレスのパワーを信じてハカイオーの一撃に真正面から対抗する。
シールドにハカイオーの斬撃が叩きつけられるが、なんとか踏みとどまらせることに成功した。
「な、ハカイオーの一撃を止めた⁉︎」
「なんてパワーなの⁉︎」
驚きの声が敵味方問わずに上がるが、これは予定調和というものだ。
「ミカ!」
「わかってる」
アキレスの作った隙間からミカのアマゾネスが攻撃を加える。その一撃自体はアーマーフレームが軽いので、微々たるものだが、ハカイオーのアーマーフレームに傷を与えた。
「なろ!」
郷田はハカイオーで更に攻撃を加えてくるが、それも全て盾で防ぐ。
「どうしたァッ!防ぐだけか!」
「……」
煽られても俺は相手にせずに郷田の攻撃を見続ける。
そして、少しずつ、本当に少しずつだが、ハカイオーの攻撃がアキレスに当たらなくなっていく。
「まさかテメェ、俺の攻撃を見切ったてのか!?」
「……目は悪いからな、感覚で読むしかないんだよ」
事実だ。俺は目が悪い。だからこそ、攻撃をきちんと読まなければ戦うことすらままならない。
「くそが、うざってぇ!!」
一度離れようとするハカイオー。だが、今距離を取るわけにはいかない。距離をとれば我王
……そうすれば、誰かのLBXがやられる。今の俺には他のメンバーをかばうだけの余裕はない。ならば出来うる限り接近戦を仕掛け、相手に我王砲を撃たせない様にするのだ。
しかし、
「下がれバン!」
「!」
そんな思惑を知らぬカズの援護射撃。それの巻き添えを喰らわない様に下がらざるをえなかった。
「は、距離をとったな」
「しまっ!」
その瞬間を逃さずに、ハカイオーはその砲撃を解き放つ。
「我王
「ちぃ!ライトニングランス!」
『アタックファンクション・我王
『アタックファンクション・ライトニングランス』
それぞれのCCMから音声が出る。それは必殺ファンクションというものの前置きだった。
互いの必殺ファンクションが衝突し、あたりがその余波で出来た土煙に包まれる。
「しまった!」
「何も見えねえ」
落ち着け……原作では狙うは俺のはずだ。周囲の警戒をしておけば、犠牲は出ないはず……
だが、そんな俺の思いを嘲笑うかのように世界は変化する。
「はっ!もらったァッ!!」
「な」
ハカイオーが狙ったのは、俺のアキレスではなく。ミカのアマゾネスだった。
「ミカ、避けろ!」
それを庇ったのはウォーリアーだった。
そして、そして、そして……原作と同じように……俺たちの目の前で、カズのウォーリアーは破壊された。
「その目に刻め」
この時、俺の心は折れた。原作に抗うという心が。
◆
「……とどめだ」
カズがやられた後、まるで詰め将棋のように攻め立てていくバン。そして遂に、ハカイオーに致命的な一撃を加えることに成功した。
ブレイクオーバーするハカイオー。
「馬鹿な……ハカイオーが……」
「……俺たちの勝ちだ」
ほぼ一人勝ちのような状態の戦いだったというのに、バンは俺たちのといった。
「俺の負けだ。約束通り、それはお前のもんだ」
「……そうか、ありがたく貰い受けよう」
互いにLBXをバトルフィールドから取り出す。
「縁があったら、また会おうぜ」
そして、郷田は後ろの穴から部屋を出て行った。しかしバンは無表情で、アキレスを見つめる。
バンはカズに向き直り、頭を下げた。
「……すまない」
そこにどれだけの思いが詰まっているなんて、私にはわからなかった。
「……気にすんな、って言っても。お前には伝わんねぇよな」
「……俺の責任だ。どんな罰でも受けよう」
「待って、それは私が、受けるべき。カズのウォーリアーがやられたのは、私を庇ったから」
「……これは俺が自分から受けた勝負だ。お前らが責任を感じるようなことはないさ」
そう言いながら、カズはその場を後にした。それにバンはとても辛そうな顔をしていた。
彼は何かを隠している。
それを含めて、バンは全て自分で抱え込もうとする。なのに、私たちにはそれを助けるすべがない。
そう、私、川村アミには何もできなかったのだ。
今回だけ、他のメンバーの視点を少し入れました。不評ならすぐに消します。