GATE もう一つの帝国   作:コッコ

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密談

ピニャに連れられたレオンは部屋に入りピニャがソファに座るのを待つ。ピニャがソファに座ったのを見計らって自分も座ると本題を出す。

 

「話とは何だ?」

 

「お前はあの自衛隊の力を見たか?」

 

「・・・あぁ、見た。俺は自衛隊を敵に回っていなくて良かったと心底思ったよ。イタリカは落とせなかったがな」

 

レオンは自衛隊の力を見た事を言うとピニャはうつ向く。無理はなかった。自衛隊の力は想像の遥か先に行き今の自分達では絶対に勝てないのだ。

 

「ピニャ。俺は今回はお前を見逃す・・・が、一度だけだ。次の戦場では容赦はしない」

 

「待ってくれ!別に妾達に味方に着いてくれとは言わん。ただ・・・私はこのまま帝国が日本との戦争を止めるか止めるべきか分からなくなってしまったのだ・・・」

 

「・・・それはお前が決めろ。お前が正しいと思う道ならそれを行けば良いし行かなくても良い。その道はお前が決めて進むんだから俺がどうこう言えはしない」

 

レオンはピニャに諭す様に話すと立ち上がって窓から外を見る。自衛隊の乗り物が空を飛んで去ろうとしておりそれをイタリカの住民が手を振って見送る。その光景を見て自衛隊がイタリカを明け渡す様に迫ればイタリカは手に入ったと考える。

 

「(自衛隊、伊丹・・・何故、あの時あの男はイタリカ開城を迫らずにあの安価な条件のみに限ったのだ)」

 

レオンは未だに自衛隊の条件が信じられないと思っていると後ろから抱きつかれた。レオンは見てみるとそこにはピニャが涙を流しながらレオンの背中に顔を埋める。

 

「レオン・・・妾を一人にしないでくれ・・・・頼む・・・・・・」

 

「ピニャ・・・」

 

レオンは抱き締め返したいが堪える。流石に敵国の皇女であるピニャと関係的になるのは流石にまずいとレオンはそっとピニャの腕を外す。それに男勝りなピニャの思考を考えると絶対に恋愛的な物ではなく自衛隊に怯えているだけだと考える。

 

「そろそろ戻る。ではまた・・・」

 

「レオン!」

 

レオンはピニャの止めようとする声を聞かずに廊下に出る。レオンは野営地に戻る為に足を進める。レオンはピニャに抱きつかれた感触を思い出して頬を少し赤く染める。

 

「(まったく・・・誤解を生むような事をして・・・・・・)」

 

レオンは悪態をつきながら野営地を目指してフォマル邸を出て街を進む。戦いで疲れた住民が地面に腰掛けたりして休んでいる。その住民から警戒、憎悪、奇異の視線を感じるが気にもせずに進む。

 

「これが戦、か・・・血に塗られた争いにいったい何が生まれるのだろうか・・・・・・」

 

レオンは街を出て野営地に戻るのであった。


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