GATE もう一つの帝国   作:コッコ

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初陣

ピニャ達との出会いから5年後、漆黒の鎧兜を身に付け紅のマントを纏う顔の見えない騎士が馬上で槍を持って軍勢を率いて前進していた。その人物はこの5年で成長したレオンであった。そこに同じく成長したルーレがレオンの元にやって来る。

 

「レオン様。もうすぐヴォーリアバニーの国です」

 

「そうか。ヴォーリアバニーの国は既に帝国軍の攻撃を受けている筈だ。急ぐぞ」

 

ルーレの知らせを聞いてレオンは急ぐ。何故、この様な事になっているのかと言うと同盟国のヴォーリアバニーの国が帝国に攻撃を受けた知らせがロイス帝国に届きレオンの初陣も兼ねて援軍を出したのだ。

 

「(持ちこたえてくれているのだと良いが・・・)」

 

ロイス帝国軍がヴォーリアバニーの国に入ると荒れ果てた大地が広がっていた。そこかしこに帝国兵の死体の姿もあったが多くあったのは服を引きちぎられ犯された後のヴォーリアバニーの死体だった。

 

「酷いですね・・・」

 

ルーレは顔を強張らせながら言う。レオンは辺りを見渡しながら帝国軍の影を探す。

 

「帝国軍はどこだ・・・」

 

レオンは少し先に進むと土煙が見えた。そこから怒号が聞こえる事からそこで戦いが起こっているとレオンは推測し槍を掲げる。

 

「援軍は間に合った!我らの目的は同盟国のヴォーリアバニー達を救う事にあり敵を逃しても気にする事はない。ただ、敵を追い払え。全軍進め!!!」

 

レオンは馬を走らせるとロイス帝国軍が一斉に馬を走り歩兵も走る。

 

「くッ!このままでは・・・」

 

土煙の発生源ではレオンの推測通り戦闘が起こっていた。戦況は帝国軍が数で優勢でヴォーリアバニーは精鋭だが軍は少なかった。徐々に追い詰められヴォーリアバニーの女王であるテューレは決断を迫られていた。

 

「(もはや自身の肉体を差し出して・・・)」

 

「テューレ様に伝令!」

 

テューレが帝国軍に降服をしようとしていた時に伝令が入る。

 

「援軍です。ロイス帝国の援軍二万が到着し目前まで来ているとの事!」

 

「ロイス帝国が!・・・だとしたらこの戦いは、勝てる!全軍に伝えなさい。この戦いは勝てる・・・だから持ちこたえよと伝えなさい!」

 

「はっ!」

 

レオンは馬を走らせる。土煙が近づいてくるにつれて怒号が大きなる。そして、遂に帝国軍とぶつかった。

 

「な、何だ!」

 

「あの旗は・・・ロイス帝国!ロイス帝国軍の襲撃だ!!!」

 

帝国軍は予期せぬ軍勢に混乱して統率を失う。レオンはその機を逃さず逃げようとする帝国兵に槍で突き刺す。

 

「ぐはぁッ!」

 

「敵は混乱している!全軍掛かれ!!!」

 

「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」

 

ロイス帝国軍は次々と剣や槍、ランスに、弓矢で襲い掛かり帝国軍は更に混乱する。レオンは逃げようとする帝国兵を除いて未だに戦おうとする兵士のみを狙う。レオンは槍を片手に振り回して一人で帝国兵を吹き飛ばしていく。

 

「くそ。ぐわぁッ!」

 

「帝国軍の大将は誰だ!俺と一騎討ちをせよ!」

 

レオンは馬を走らせつつ帝国兵を凪ぎ払い帝国軍の大将を探す。帝国兵はレオンの姿を見て恐れ武器を捨てて逃亡し始める。

 

~ゾルザルside~

 

「何だこれは・・・」

 

俺は絶対に勝てる筈の戦をしていた。圧倒的な戦力でヴォーリアバニーの国を滅ぼしそのヴォーリアバニーの身体を堪能しようと考えていた。だが、突如として傷付いた伝令がやって来たのだ。ロイス帝国軍が現れてと。

 

「おのれ・・・おのれおのれおのれおのれおのれ、おのれ!ロイス帝国軍め・・・俺の計画を滅茶苦茶にしやがって!!!」

 

俺は腹立たしさで叫んだ時にあの言葉を聞いた。

 

「帝国軍の大将は誰だ!俺と一騎討ちをせよ!」

 

~視点終了~

 

レオンは馬を走らせつつ帝国兵を狩っていた。挑んでくる帝国兵や騎士を次々と凪ぎ払い帝国軍の大将を探す。レオンが戦場の奥までやって来ると馬に乗った金髪の偉そうな男が立っていた。

 

「俺が帝国軍の大将で帝国の皇子ゾルザル・エル・カエサルだ!その一騎討ち受けてたとう!」

 

「良いだろう・・・こい。雑魚が」

 

レオンは槍を向けてゾルザルを挑発する。怒ったゾルザルは剣を抜いてレオンに斬り掛かる。レオンは槍であっさりと防ぎゾルザルはそれに更に怒ったのか連続で剣を叩き込むがレオンに全く通じず防がれ続ける。

 

「どうした?その程度でよく大将と名乗れるな。本当は皇子と言うだけのボンボンか?」

 

「黙れ!!!」

 

レオンが更に挑発をするとゾルザルは隙だらけの状態で斬り込む。レオンは槍をしっかりと持ってゾルザルの剣を絡ませて持ち上げる。持ち上げた剣はゾルザルの手から離れて遠くに飛んでいきゾルザルも馬上から落ちる。ゾルザルは立ち上がろうとしたがレオンに槍を突き付けられる。

 

「ひぃッ!」

 

「お前の敗けだ。退けば殺さないでやる・・・どうする?」

 

ゾルザルはレオンの言葉に何回も首を縦に振る。

 

「そうか・・・じゃぁ、早く消えろ」

 

「う、うわぁぁぁぁ!」

 

レオンが槍をゾルザルから遠ざけるとゾルザルは情けない位に逃げ出した。

 

「殿下!」

 

「殿下がお逃げになった・・・た、退却!退却だ!!!」

 

ゾルザルの敗走で帝国軍は逃げ出していき帝国兵が一人もいなくなった。

 

「我々の勝利だ!!!」

 

「「「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」」」

 

レオンの初陣は成功し名を挙げ後に兵士の生き残りからの報告で帝国から恐れられる存在となった。

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