GATE もう一つの帝国 作:コッコ
ヴォーリアバニーの国を救ったレオンは女王テューレと謁見していた。
「レオン様。此度での援軍に一族を代表して感謝します」
「いや、自分は身勝手な帝国から盟友を守っただけです。しかしこれからは帝国の動きを監視しなければならないでしょう・・・」
「大きな戦が始まると?」
テューレの言葉にレオンは頷く。両国の溝はこの5年で更に悪化している。お互いにこの様に小競り合いをする様に互いの同盟国を攻めては滅ぼすようになる。未だに動きは見られないが近いうちにも戦争は起こると予想されていた。
「(このまま何事も無ければ良いのだがな・・・)」
~帝国 帝都ウラ・ビアンカ~
ゾルザルがヴォーリアバニーの国を攻めた日から数日が経って元老院に戦果が届く。それはロイス帝国の援軍到来でゾルザル率いる帝国軍はほぼ壊滅的被害を受けて敗北したという内容だった。
「敵の将はまるで亜神の如く武勇を振るい兵士を手に持った槍で突き刺したり吹き飛ばしりしました。顔は見えませんでしたが漆黒の鎧兜で紅のマントを羽織る姿を私は見て黒い死神が目の前に現れた様でした・・・」
「うむ・・・してその将の名は何と言った?」
「・・・それが分かりません」
報告をする兵士にモルトは将の名前を聞くが分からないと応えられる。モルトは思考を回して考える。
「(ロイス帝国にそれほどの名将がおるならどうして噂にならんのだ。もしや其奴は初陣だったのか・・・)」
モルトは考えるのを止める。今考えてもその将の存在は確認できはしないと考え今は本格的にロイス帝国を潰す算段を立てようとした。
「(もしロイス帝国を滅ぼせた暁には其奴を勧誘してみるか・・・)」
後日、元老院でロイス帝国との戦争を開始する事を可決された。帝国国内で大幅な軍備が進められ近いうちに宣戦布告が成される手筈となった。
~ロイス帝国 レオンの執務室~
レオンは戦いの後に国に帰って自分に回された仕事をこなしていた。羽ペンを使い次々とサインしていくと扉がノックされる。
「レオン様失礼します。」
扉を開けて入ってきたのは大量の書類を持ったルーレだった。ルーレはレオンが使っている机にその大量の書類を置く。
「また回されたのか・・・」
「致し方ありませんよ。レオン様はこの国を将来的に皇帝陛下から後を御継ぎになる皇太子に任命されたのですから」
レオンはあの後に後継ぎに命じられ皇太子となった。他に男の皇位継承者がいなかった事もあり実際の所、あまり権力と言う物に興味が無いと言うレオン自信も渋々だが了承する。
「だからと言って俺に仕事を回して過ぎていないか?我が国の臣下の職務怠慢を発見したくないぞ」
「まぁ、良いじゃないですか。こんなに仕事を回されるのは頼られ信頼がある証ですよ」
ルーレが苦笑いでレオンに言う。レオンは渋々回された仕事をやり始める。