高坂穂乃果の廃校回避RTA【完結】   作:鍵のすけ

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『第六話』と『第七話』を一瞬で攻略だ!

「第六話だよ! ファイトだよ!」

 

 ここで第六話をおさらいしておこう。

 この回は主に二つのイベントで構成されている。一つ目は各部のPV撮影、そして二つ目はμ'sのリーダー決めである。

 そこで穂乃果は悩むこととなった。PVは白目剥いてカメラの前にいるだけで良い。何ならノー映像、ノー音声の動画を提出するぐらいでちょうどいい。出したという結果が重要なのだ。過程は後からついてくる。

 となれば、重要なのはμ'sのリーダー決めであろう。このリーダー決めというのはにこが色々と皆に勝負を吹っ掛けて、最終的には穂乃果がやっぱりリーダーにふさわしいよねという結論に終わるという流れである。

 つまり、この第六話はもう終了したようなものだろう。

 

「私がリーダーで良いよね~!?」

『異議なーし!』

 

 これでもう第六話終了である。

 にことはリーダー決めをさておいて、唐突に妹と弟の話題で楽しくお話ししたかったのだが、なぜかその話をすると『あんたがリーダーで良いです! 文句ありません!』というありがたい言葉を掛けてくれたのだ。これで特にこの回を終えることに不安はないだろう。

 

 

「ということでこのまま第七話突入だよ!」

 

 

 翌日、穂乃果達は理事長室前へと集結していた。スクールアイドルの甲子園たる『ラブライブ』に出場するためである。ここで重要なのは最初の出だし。

 

「穂乃果ちゃん、お母さんのとこにいきなり行くだなんて……」

「え? 目指さないの? ラブライブ」

「そ、そそそ、それはぜひ……! けどけどけど! やっぱり私達は……」

「大丈夫だよ花陽ちゃん! むしろさっさと行かないとどんどん話をしづらくなっちゃうよ!」

 

 まだ踏み切れない花陽を言い包め、ひとまず生徒会長もいるであろう理事長室の扉をノックすることにした。

 

「コンコンコンコンコンコンコン!! 失礼しまぁぁぁぁぁす!!!」

「うるっさいわねぇ! 何なんですかいきなり!」

 

 鬼の形相で絢瀬絵里生徒会長が出てきたが軽く無視をし、穂乃果は理事長の元まで歩いていく。

 

「理事長! 私達はラブライブに出場します! 認めてください!」

「良いですよー」

「ちょっと待ってください理事長!!」

 

 内心舌打ちしたが、そこは紳士ならぬ淑女高坂穂乃果。穏便に事を済ませるため、あえてにこやかな笑顔を作った。

 

「何ですかー生徒会長? 私は今、理事長とお話しているんですけど~? その辺ちょっとだけ読み取って欲しかったなぁと思います。ファイトだよ?」

「表出ましょうか高坂穂乃果さん」

「ちょ、ちょ! エリちストップ! 高坂さんも煽らないでやって!」

「先輩、上級生ですよ?」

 

 真姫が呆れていた。何だか以前自分が言われたような気がしたのだが、今の状況を見るとどうしても言いたくなってしまったのだ。

 

「ちっ。でも! 理事長から許可貰ったのでもうこっちの勝ちで~す!」

「一々煽らないと気が済まないのかしら……!? 大体あなたは――」

「ごめんなさい! 言い過ぎました。謝りますよ」

「えっ、え、ええ……」

「でもこっちだってタダで許可がもらえる訳ではないんですよ。具体的には期末試験で一人でも赤点出たら出場は認められないんですよ? そこら辺は読み取って欲しいですね。ファイトだよ?」

「高坂穂乃果ぁ!!」

 

 ファイトだよ、という単語に込められた煽る力は一体何なのだろうか。絢瀬絵里は今過去史上最高に“腹が立つ”という感情に支配されたことはない。

 だが、希の無言の肩叩きで何とか感情を取り戻すことは出来た。そうだ、冷静に対応しなければならない。自分は生徒会長なのだ。すべての行動は学校の為に。

 

「……えーと、良いかしら?」

「はい理事長!」

「よく私が言おうとしていたことが分かりましたね……」

「期末試験が近いからそうかなぁ~って!」

「ええ、まあ、そうです。一人でも赤点を出したら出場は認めませんからね」

「分かりました! じゃあ皆行こう! 勉強の時間だよ!」

 

 

 ここからはしばらく穂乃果は積極的に出る場面がない。――つまりイベントスキップが出来るのだ。この物語を見守ってくれている方々には何を言っているか分からないだろうが理解は出来ていると確信し、穂乃果は断腸の思いでスキップを選択する。

 

 

「何だかテストが終わったような気がする! ということで次のイベントを発生させるために理事長室を覗きに行くよ!」

 

 

 スライディングの体勢で廊下を滑る穂乃果の姿を、生徒たちは絶対に目を合わせない。余りにも奇怪なスタイルだったので何だか見たら呪われそうな予感がしたのだ。

 

「音ノ木坂学院は来年より生徒募集を止め、廃校とします」

 

 ようやく第七話終了のゴールテープを切ることが出来た。これで第七話も終了することとなる。

 ここで思い出していただきたいことがある。この物語のタイトルを。『高坂穂乃果の廃校回避RTA』。RTAの部分はさておいて、これは廃校回避までのタイムアタック。

 つまり、次回で最終回なのだ。

 頑張れ高坂穂乃果! 君の音ノ木坂学院最速回避タイムアタックは、ついに終わりを迎える!!




次回最終回!

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