曜「…………。」
タッ クルッ パパッ サッ
曜「…………。」
タッタッ サッ スゥ タンッタンッ
果南「うん。流石だね。」
花丸「凄いずら……。」
善子「私たちとはダンスのキレが違うわね。」
花丸「マルたちには何が足りないのかな?」
曜「そうだね。ここはもう少し回転を速くすると、次のステップがやりやすいかも。」
花丸「おお〜。」
ズキンッ
果南「1.2.3.4!鞠莉、少し速い。」
鞠莉「OK」
果南「梨子ちゃん、もっと大きく。」
梨子「はいっ!」
曜「……。」
ズキッズキッ
ルビィ「ここは……?」
曜「あ、もう少し位置を上につければ可愛いんじゃないかな?」
ルビィ「な、なるほどぉ……。」
曜「まだまだ作業は残ってるから、手分けして頑張ろうね。」
ルビィ「はいっ!」
ズキズキ……
曜「ただいまー。」
曜ママ「おかえりなさい。今日は遅かったわね。」
曜「ああ……。今日は衣装作りもしてたから。」
曜ママ「夕ご飯はもう作ってあるから、荷物を置いたら下に来なさい。」
曜「はーい。」
パタン
曜「…………。」
トン
曜「……っ。」
ドサッ
曜「うあぅ、ああぐっ……」ズキズキ
飛び込みでケガをしてから、3日が経った。でも私の左腕は良くなるどころか悪くなっている。
曜「いた……い……。いたいよぉ……」
でも、みんなに知られたら、スクールアイドルの活動も止められちゃう。
それはみんなにも迷惑をかけてしまうし、ラブライブに送り出してくれた先輩の気持ちも踏みにじってしまう。
曜「うぅ……なんとか、バレないように……」
外でも、もちろん家の中でも、私は誰にも腕のケガのことを言っていない。
そんな私が唯一、我慢を解ける場所が私の部屋の中だった。
曜「ハァ……ハァ…………」
曜ママ「曜?早く降りてらっしゃい。」
曜「っ。はーい!!」
予選が終わるまでの我慢。
予選まで頑張れば、少し休憩できる……はず。
その次の日
果南「1.2.3.4 5.6.7.8」
果南ちゃんのリズムに合わせながら、全体練習をしていた時だった。
果南「ルビィちゃんは動きをはっきりと!」
ルビィ「はいっ!」
果南「マルちゃんは少し遅れて来てるよ!」
花丸「はいっ!
……っととっ!?」ズルっ
ドンッ!!
ルビィ「ピ、ピギッ!?」グラッ
花丸「ルビィちゃん!?」
曜「!?」
花丸ちゃんがバランスを崩して、ルビィちゃんにぶつかった。ルビィちゃんは花丸ちゃんに押された格好になり、体が宙に浮いてしまっている。
そこまでなら、軽い転倒で済みそうだったけど
……今回のは状況が違かった。
ルビィちゃんはバランスを崩して、足やお尻よりも先に手を地面につこうとしていた。
このままだと、ルビィちゃんはケガをしてしまう。
誰かがルビィちゃんを受け止める必要があった。
そのルビィちゃんが倒れた先には
私しかいなかった。
曜「ルビィちゃん!」ガシッ
私は右腕でルビィちゃんを抱いて、お尻から着地した。
ドサッ
ルビィ「ピギッ!」
ダイヤ「ルビィ!!」
善子「ルビィ!大丈夫!?」
花丸「ルビィちゃん!ごめんね!大丈夫ずら!?」
ルビィ「う、うん……。
曜ちゃんが受け止めてくれたから、ルビィは全然痛くなかったよ?」
千歌「よかったね!」
花丸「曜ちゃん、ルビィちゃんを助けてくれてありがとう……ず……ら……」
やってしまった。
直感的にそう感じた。
曜「……ぁう……っく!」ギュッ
千歌「曜ちゃんっ!!」
私はルビィちゃんを支えるために、左腕もついてしまった。
鞠莉「曜!!」
梨子「曜ちゃん!?」
善子「曜さん!?」
切れるような痛みが私の腕を襲い、思わず我慢できずに左腕を抱えて、呻き声を上げてしまった。
果南「曜!大丈夫!?」
曜「あ、あはは……ちょっと大げさだったね〜。」ズキズキ
ダイヤ「大げさって……。咄嗟にあんなに痛がるような仕草なんてできるわけないでしょう!?」
曜「いや〜。反射的にというか……。身構えちゃったら、ああなっちゃったんですよ。」
花丸「ご、ごめんなさい!
マルが転んじゃったから、ルビィちゃんと曜ちゃんにも……」
今にも泣きそうな顔をしながら、花丸ちゃんは私を見て謝っていた。
曜「大丈夫!花丸ちゃんが転んじゃったところって、昨日私がアドバイスしたところでしょ?」
花丸「う、うん……。」
曜「ちゃんと頑張ってる子に怒ったりなんかしないよ。」
そう言いながら、私は花丸ちゃんの頭を撫でた。
千歌「曜ちゃんは本当に大丈夫なの?」
曜「大丈夫、大丈夫。
ほら時間も勿体無いし、練習続けよう?」
ダイヤ「無理は……していませんね?」
曜「してない、してない!」
果南「……なら、今のところからもう一度やり直そうか。」
みんなに心配をかけないように、私は笑顔で
曜「よし、頑張ろうねっ!」
と声を出した。
ズキ……ズキ……