向日葵に憧れた海   作:縞野 いちご

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#2 新しい気持ちで

次の日、梨子ちゃんはコンクールの準備のために、東京へと行ってしまった。私たちは梨子ちゃんを駅まで見送った後、部室で予備予選のライブについてどうするか話し合っていた。

 

 

ダイヤ「特訓ですわ!!」

 

千歌「またぁ?」

 

ルビィ「お姉ちゃん、張り切ってる……」

 

善子「なんだか、とてつもなく嫌な予感がするんだけど……」

 

鞠莉「ダイヤがこうなると、私には止められませーん。」

 

花丸「できれば、無理のない特訓がいいずら……」

 

ダイヤ「もちろん厳しめにいきますわよ!」

 

千歌「ふ、ふぇ〜。勘弁して……」

 

果南「この前の練習はかなり疲れたね。」

 

正直なところ、この前の夏合宿の練習メニューは、こなせるかこなせないかギリギリなところだった。

 

ダイヤ「本日は、これをみなさんにやっていただきますわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「それで、なんでプール掃除をしてるのぉっ!?」

 

ダイヤ「ヌメヌメになった床を磨くことは、体力を使うことなのですわ。」

 

善子「そんなこと言われなくてもわかるわよ。」

 

ダイヤ「さらに踏ん張る力、転ばないための体幹、身体のあらゆる筋力を効率的につけることのできる、まさにスクールアイドルにうってつけの練習ですわ!!」

 

 

鞠莉「建前はそうだけど、本当は業者への申し込みを忘れただけでしょ?」

 

ダイヤ「なっ!」

 

鞠莉「も〜。ダイヤのおバさん♪」

 

ダイヤ「だから、一文字少ないですわっ!」

 

 

 

 

ルビィ「うぅ。床がヌメヌメするよぅ……」

 

花丸「あっ、ああっ!ルビィちゃん!ぶつかっちゃう!」

 

 

向こうでは、ルビィちゃんと花丸ちゃんがぶつかって転んでいた。

 

 

 

ダイヤ「第一、理事長のあなたはプール掃除をしてくれる業者の手配をしてくれたんですか!?」

 

鞠莉「私は言ったわよ?プール掃除は業者に頼まないといけないから、生徒会の申請をよろしくねって。」

 

 

 

 

善子「生徒会長と理事長がこんな感じで本当に大丈夫なの?」

 

果南「私もそう思う……。」

 

 

 

各メンバーでそれぞれ思うところもあるみたいだけど…

 

 

ダイヤ「まずはファンを増やすことよりも学校を良くしていこうという気概をですね……」

 

曜「そうだよ!!」

 

 

千歌「……。」

 

 

曜「プール掃除といえばデッキブラシ!デッキブラシといえば甲板磨き!となれば、やはりこの格好しかないとみましたぁっ!」

 

 

やっぱりプール掃除は、船乗りになった気分になるな〜!

 

 

ダイヤ「な、な、なんですか!?その格好は!?」

 

曜「え?船乗りのためのセーラーふ……」

 

 

ダイヤ「そんなことわかっておりますわっ!!なぜまともに誰一人、プール掃除ができないんですか!?」

 

曜「大丈夫!プール掃除への熱は、決して冷めているわけではないのであります!」

 

と言った瞬間

 

 

曜「うわわわっ!?わぁっ!?」

 

ズテン

 

 

滑って尻餅をついてしまった。

 

 

ダイヤ「あーもうっ!!私がしっかりと手本をお見せしますから、皆さんもちゃんとやってください!!」

 

 

千歌「あははは……!」

 

 

苦笑いをしていた千歌ちゃんと目が合う。私を見た千歌ちゃんは、にっこりと微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤ「ほら見なさい!

やってやれないことはないのですわ!」

 

「「「え〜っ!?」」」

 

高らかにダイヤちゃんが叫ぶ。あれから頑張ってみんなでプール掃除をして、プールはすっかり綺麗になった。

 

 

善子「ま、まあ…達成感はあるわね。」

 

ルビィ「綺麗になったね。」

 

花丸「ピッカピカずらぁ〜」

 

 

 

 

みんな、ダイヤさんの言葉には絶句していたけど、達成感があるように見える。実際、私も清々しい気持ちになったし、プールにはいつもお世話になってる分、何か恩返しができた気がした。

 

 

 

果南「そうだ!せっかくだし、ここでダンスの練習しない?」

 

千歌「いいね!」

 

鞠莉「果南、ファニーなアイディアだわ!」

 

 

 

そうして、みんな新曲のフォーメーションについて、練習を始めようとした時だった。

 

 

千歌「……ふあ?

 

あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南「そっか。梨子ちゃんがいないんだったね。」

 

千歌「梨子ちゃんがいないから、このままの形でやると……」

 

ダイヤ「ちょっと見栄えが悪いかもしれませんわね。」

 

 

梨子ちゃんは元々千歌ちゃんとダブルセンターで歌っていたから、梨子ちゃんが居なくなると、もう片方に穴ができる形になってしまう。

 

 

花丸「変えるずら?」

 

果南「それか、梨子ちゃんの代役を立てるか。」

 

鞠莉「代役っていってもねえ。」

 

 

それはそうだと思う。今回のフォーメーションは、千歌ちゃんと梨子ちゃん以外はそこまで特殊な動きは無かったから、ちゃんと千歌ちゃんと息が合う人を代役に当てれば今までの形を崩さずにできる。

 

でも、その人には相当な負担がかかってしまう。

 

 

果南「……あっ。」

 

そう言って、果南ちゃんは私を見た。

 

ルビィ「あ……。」

 

善子「ん?」

 

 

曜「ん?…え?」

 

千歌「うんっ!」

 

 

ど、どういうこと!?

 

 

曜「わ、私!?」

 

 

花丸「確かに、曜ちゃんは千歌ちゃんとずっと仲が良かったし、ダンスも上手だから上手くいきそうずら!」

 

ルビィ「曜ちゃんだったら、センターに立っても緊張しなさそうだし!」

 

果南「どうかな?」

 

 

曜「ちょ、ちょっと待って!」

 

代役って話になるかもとは思っていたけど、まさか私が指名を受けるなんて……

 

ダイヤ「そうですわ。これは本人の意見なしに決められる話ではないですわよ。」

 

鞠莉「うぅ〜。ダイヤのおケチ。」

 

ダイヤ「なんですって!?」

 

果南「まあまあ。で、どうなの?やれそう?無理には頼めないから、曜の意見も聞きたいのだけど。」

 

 

確か千歌ちゃんと2人で歌うパートがあったよね…?

 

千歌ちゃんと2人で……

 

 

曜「私よりも適任な人はいるんじゃないのかな…?」

 

結局、私は遠慮しようと思って、他の子に聞いてみた。

 

ダイヤ「……まあ、普通はそう考えますわよね。」

 

善子「でも、曜さん以上の適任なんているの?」

 

ルビィ「私は曜ちゃんがやってくれるなら、それが一番だと思う……けど……」

 

 

とっさに遠慮してしまったけど、こんな機会はもう無いのかもしれない

 

 

千歌「私は曜ちゃんがいいと思う!」

 

曜「……千歌ちゃん。」

 

千歌「やろうっ!曜ちゃん!」

 

千歌ちゃんがやろうって言ってくれてるのに、断ったらかわいそうだよね?

 

曜「……うん。わかった。やってみるよ!」

 

 

千歌ちゃんと2人で歌うのかぁ

 

 

私の中で、ライブに対する気持ちが少し変わった気がした。

 

 

 

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