#4.5 気にしてたでしょ?
〜曜とルビィが沼津から帰ってきた後〜
ルビィ「ただいまー。」
静かな家に妹の声が響く。
ルビィ「ただいまぁ。お姉ちゃん。」
ダイヤ「おかえりなさい。良い物は買えたの?」
ルビィ「うん!曜ちゃんが連れて行ってくれたお店が可愛い物がいーっぱいだったの!」
ダイヤ「そう。それは楽しかったでしょう。」
ただ買い物に行くとだけしか聞いていないのだけど、まるで遊んで来た後のようにルビィはニコニコしていました。
ダイヤ「さあ、今日も疲れただろうから、早くお風呂に入ってきなさい。」
ルビィ「わかった。そうするね。」
ダイヤ「それと、夏休みの宿題…
もちろん終わったわよね?」
ルビィ「……。が、が…」
が?
ルビィ「がんばるびぃ!」
ダイヤ「………。」
一人の姉として、妹がこうも頼りないと心苦しいばかりだわ…。
prrrr prrrr
こんな時間に電話はかけてくるなと、何回言ったらあの人はわかってくれるのかしら…
ダイヤ「もしもし。一体何の用ですか?」
鞠莉『Oh!? ダイヤがなぜか、Very angry!!』
ダイヤ「心当たりがありませんの!?」
鞠莉さんにはずっと振り回され続けている。
ダイヤ「私の機嫌が悪いのは、大事なことではないでしょう?」
鞠莉『もうっ。つれないわね〜。』
ダイヤ「…あなたのテンションについて行く身にもなってください。」
鞠莉『OK、OK。そろそろダイヤが可哀想だから話をするわね。』
ダイヤ「ありがとうございます。」
鞠莉『千歌と曜についてだけど、ダイヤはどう思う?』
千歌さんと曜さん?
ダイヤ「それは…。幼馴染だということもあって、仲が良いという印象ですが。」
鞠莉『そうよね。』
今の質問の意図は何?今の私の答えを聞くだけが目的ではないわよね?
ダイヤ「鞠莉さんが言いたいことは何ですか?」
鞠莉『そうね…。ダイヤと果南は昔から仲が良かったじゃない?』
ダイヤ「まあ、同級生でしたから、一緒にいることが多かったことが大きいですわね。」
鞠莉『そこに私がやってきた。』
ダイヤ「覚えてますわ。果南さんも私もあなたにとても興味がありました。最初に会った時は、後ろをつけるようなことをして、我ながら無礼でしたわね。」
鞠莉『そんなことないわよ。私としては注目されることもWelcome!』
ダイヤ「元々のあなたはそんなキャラではなかった気がするのですが?」
鞠莉『まあ、その話はもういいわ。
それで果南と私がすぐ仲良くなって、ダイヤは私のことどう思った?』
何を考えているのか、まったく読めない……
ダイヤ「果南さんも楽しそうにしていましたし、私としても友達が増えて嬉しかったですわ。」
鞠莉『……そう言ってくれて、嬉しいわ。』
こんなことを聞くなんて、鞠莉さんらしくない…
ダイヤ「なにか心配になることでもあるのですか?」
私の質問から数秒の空白が生まれる。
鞠莉『もし、私がここにやって来たのが小学生ではなく高校生だったとしたら、ダイヤのさっきの答えは変わる?』
ダイヤ「……。」
鞠莉さんが高校生になってから転校してきたら…。
ダイヤ「私には……想像ができませんわ。」
これが私の正直な感想。
だって、ずっと一緒だったのだから。
ただ、これだけは言えるかもしれない。
ダイヤ「ただ、こうして気を置いて電話することはなかった気がします。」
鞠莉『……。そうよね。』
鞠莉さんの声色が変わった。ショックを与えてしまった?
ダイヤ「何か私に対して不安があるのですか?」
鞠莉『No problem!!
私を心配してくれるなんて、ダイヤは優しいのね。』
ダイヤ「ただ私は気になっただけですわ!」
鞠莉『ん〜。ダイヤのおこりんぼさん!』
ダイヤ「怒ってなんていませんわ!?」
鞠莉『It's joke♪』
まったく……。この人はコロコロと猫のように態度が変わって……
鞠莉『そういえば』
ダイヤ「なんですか?」
鞠莉『この前、曜のことを気にしてたでしょ?』
……見られていたのね。
ダイヤ「ええ。」
鞠莉『それじゃあ曜のこと、お願いね。』
ダイヤ「え?」
鞠莉『Aqoursのためにも、あの子のためにも。』
曜さんに何かあったとでも……?
鞠莉『ま、あまり深刻には考えないで。リラーックス、リラーックス♪』
ダイヤ「不安を煽っているのはあなたじゃないですか……」
鞠莉『ちょっと気にしてあげてねってだけよ。』
ダイヤ「わかりましたわ。曜さんのこと、少し気にしながら動きますわね。」
鞠莉『ありがとう、ダイヤ。
それじゃ、また明日会いましょ。Chao♪』
そうして、鞠莉さんからの電話は切れた。
ダイヤ「まったく。色々勝手な人で困るわ……。」
でも、鞠莉さんはただの自由人ではない。ああ見えて、ちゃんと彼女なりの考え方があるというか、策略家というか……
ダイヤ「私は鞠莉さんを随分と信頼しているのね。」
とりあえず言われた通り、曜さんが無理をしていないか、私なりに見ていましょう。