ダイヤ『曜さんは素直になった分、今とても精神的に弱っているのよ。』
ルビィ『弱ってる……』
ダイヤ『今まで我慢していたのに、このタイミングで泣いたのはそういう理由ね。』
ルビィ『じゃあ、やっぱりこのままじゃダメだよ……』
ダイヤ『そうね。それにこのままでは大変なことになるわ。』
ルビィ『大変な、こと?』
ダイヤ『考えたくもないけど…。今の曜さんならやりかねない。』
ルビィ『…何を?』
ダイヤ『もしそうなったら、きっとAqoursは崩れてしまう。』
ルビィ『じゃあ、お姉ちゃんの考えてる通りになったら…』
ダイヤ『……Aqoursは解散になるかもしれない。』
そんなこと、絶対にさせないずら。
元はと言えばマルが悪いんだ。マルがなんとかしないと。
曜ちゃんがしそうなことってなに?
また無理をしてダンスをする?
そんなことはしないって約束してたよね?
衣装作りに没頭とか?
それでAqoursが解散なんかしないずら……
もっと……もっと衝撃の強いこと……
解散ってことは……
喧嘩とか?
曜ちゃんが誰かと……
リンリンリンリン
突然、家の黒電話が音を立てました。
花丸「も、もしもし!国木田ですが。」
ダイヤ『花丸さんですか?』
花丸「はい!花丸です。」
ダイヤ『今は大丈夫ですか?』
花丸「うん。まだ電話してても大丈夫だよ。」
ダイヤ『それなら良かった。』
マルが覗いてたこと、バレちゃったのかな……?
ダイヤ『突然ですがあなたに質問をします。
あなたの姉は誰ですか?』
え?
花丸「お、オラにはお姉ちゃんはいないずら!」
ダイヤさんはなにを……
ダイヤ『ぶっぶー、ですわ。』
花丸「えぇ……」
ダイヤ『正解は、果南さん、鞠莉さん、そして私ですわ。』
三年生のみんな?
ダイヤ『回りくどい言い方をしましたが、要はもっと私たちに頼ってほしいと言いたいのです。』
花丸「ダイヤさん……」
ダイヤ『盗み聞きをするのではなく、正々堂々と話を聞き、思ってることを口にするべきだと思いますわ。』
やっぱりバレバレ…
ダイヤ『曜さんを助けたいのでしょう?』
花丸「それは当たり前ずら!」
ダイヤ『であれば、私たちがやるべきことは協力ですわよ。』
花丸「協力?」
ダイヤ『お互いに思っていること、感じていること、知っていること。それぞれを共有する必要があると思いませんか?』
花丸「うん。」
ダイヤ『曜さんに何かしてあげたいと思うのなら、しっかりとした計画性が必要になります。』
ダイヤさんはやっぱり物事の整理ができてる。それに比べてマルは……
ダイヤ『とにかく、みんなで曜さんについて一度話し合う必要があると思いませんか?』
花丸「そうだね。でも練習中は曜さんもいるし、曜さんにとっては聞きたくない話もあるかもしれないから話せないずら。」
ダイヤ『一日だけOFFを設けますか?』
花丸「そうしたらみんなで話せるね。」
ダイヤ『であれば、鞠莉さんや果南さんにも話しておきます。』
花丸「了解ずら。」
ダイヤ『それではあまり夜更かししてはいけませんから。切りますわね。』
花丸「ダイヤさん、おやすみなさい。」
ダイヤ『おやすみなさいませ。』
ダイヤさんからの電話が切れると、マルの心には霧が深く立ち込めていた。
花丸「もう寝よう……」
曜ちゃんのことについて具体的に何かしてあげられなかったことと、マル自身が役に立ってないことに焦りを感じる。
リンリンリン
花丸「く、国木田です!」
ダイヤ『度々電話をかけてすみません。』
花丸「ダイヤさん。」
ダイヤ『急遽明日話し合うことになりましたわ。』
花丸「明日?確かに突然な話ずら。」
ダイヤ『鞠莉さんにはなしたところ、早急に行うべきと判断しました。』
花丸「そ、そうだね。マルは全然構わないよ。」
ダイヤ『それでは、また明日。』
花丸「また明日。」
すぐにでも話さないといけない。
ダイヤさんたちがそう判断したのなら、曜ちゃんの問題はかなり大きいよね。
花丸「ちっとも解決なんてしてない……」
曜『花丸ちゃんが転ばなければ……怪我しないで済んだのに!』
最近、悪夢のような夢しか見れない。曜ちゃんの怒りで歪んだ顔が浮かんでは消えて、また浮かんでは……
だから本当は寝たくなんかないよ。
でも、寝ないと余計みんなに迷惑をかけることになるかもしれないから、マルは寝ることにします。
どうか今日の夢は笑顔の曜ちゃんが見れますように……