「やるじゃないか、カズマ……ニートだった、分際で……」
「うる、っせぇ……ぼこすか、すきに、なぐりやがって……!」
「はいはい、動かないの。馬鹿ねぇ、広場で殴り合いの喧嘩なんて子供じゃないんだから」
俺たちは今、ギルドの中でアクアの回復魔法を受けながら悪態を吐き合っている。
俺もカズマも顔だけでなく体中に打撲痕もあったが、さすがはアークプリーストと言うべきか、瞬く間に傷が癒えていった。
まさか、ここまでカズマが根性を見せてくるとは思わなかった。
こいつもこいつで、負けず嫌いなところがあるのかもしれない。
「それにしても、なんでまた殴り合いなんてしたんですか? ……はっ! まさか、伝説に聞く男の
「いや、違うから」
めぐみんの
そもそもの原因はカズマがクリスのパンツを《窃盗》した後、狂喜乱舞といった様相で振り回していたのがいけないのだ。
スキルの効果はランダムなので致し方ない部分もあるかもしれないが、ああいう反応を見せられれば頭に血も昇る。
それがまったく知らない赤の他人ならあそこまで激昂することもない。
だが、相手はクリスだ。大事な友人なのだ。
「そこの子の様子を見るに、カズマさんがクズマさんかゲスマさんになったんでしょ?」
「ああ、そうだな。クリスはカズマにパンツを剥がされ、それを見たダイナが殴りかかったのが事の顛末だ。結果として、ダイナがクリスのパンツを勝ち取り、カズマの手によって贈呈される瞬間は二人の友情を感じられずにはいられなかったぞ」
「おい、何口走ってんだお前は! それだと俺がクリスのパンツ欲しさにカズマを襲ったみたいじゃないかよ!」
ダクネスの語弊がある言葉に、アクアやめぐみんだけでなく周囲に居た女性冒険者からの視線が冷たいものへと変わっていく。
違う、誤解だ。誤解なのだ。確かに奪い返そうとはしたが! それは個人的な理由ではない!!
「そうなの、ダイナ……?」
「違うからな? お前までそれ言いだしたら収集つかなくなるからやめてくれよ?」
落ち込んでいるクリスの問いに、俺はもうこれ以上ややこしくしないでくれと思いながら答える。
いや、まぁ、可愛いの穿いてるなとは思ったけど。眼福だとは思ったけれど。
そこは俺も健全な男だ。否定はしないが、やましい気持ちでアレコレ考えるほどの下衆ではない。
そんなことを考えていると、カズマがぼそっとした声で俺に耳打ちをする。
「……良かったな、おかずが出来て」
ぶち殺すぞヒューマン。
「やめろダイナ! ここはギルドの中だ!」
「ちょっとカズマさん! やめて! ダイナさん怒るとただでさえ怖い顔がもっと怖くなるんだから煽らないで!!」
猛犬もかくやと言う勢いで殴りかかろうとした俺をダクネスが羽交い締めにして止め、何か言ったのだと思ったのだろうアクアがカズマを必死に宥める。
カズマは俺にボコスカ殴られたことに恨みを持っているのか、にやけた顔でどこ吹く風だ。
いいぜ、第二ラウンドがお望みなら今すぐ表出ろやクソニート……! ヴァルハラに送ってやっからよぉ……!!
とは言え、ここは冒険者の集まる天下のギルド内。
もうすぐ夕方になるというのもあって、クエストから帰還した冒険者たちが集まり始めている。
ダクネスに羽交い締めにされた状態で、深呼吸を何度も行って脳に酸素を行き渡らせる。
ちっ、今回は見逃してやろうじゃないか。
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。あたしもダイナが取り返してくれたわけだし、もうなんとも思ってないからさ」
「良いんですか? 普通、そんなことをされれば衛兵に突き出すくらいのことは許されると思うのですが」
「スキルでの勝負を仕掛けたのはあたしだしね。……いや、流石にランダム効果とは言えパンツを剥がされるとは思わなかったけど、いつまでもめそめそしてるわけにもいかないし」
そこで問題の中心人物であるクリスが止めに入ったので、完全に喧嘩出来る気分ではなくなった。
めぐみんは「あなたがそういうなら良いですけど」と言いたげな表情だ。
「スキルでの勝負、ということはカズマは無事にスキルを覚えられたようですね」
続けて、めぐみんが不用意な言葉をカズマに投げ掛ける。
そうすると、カズマが不敵に笑って右腕をめぐみんに向けて伸ばし始めた。
「ふふ、まあ見てろよ? いくぜ、『スティール』!」
直後、カズマの右手に光が集まり何かが《窃盗》される。
幸運のステータスがずば抜けて高いらしいカズマの《窃盗》スキルの成功確率は、それ相応に高いはずだ。
だが、彼の手には目に見えて何かが盗まれたようには見えない。
それはつまり、
「……なんですか? レベル上がってステータスが上がったから、冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか? ……あの、スースーするのでパンツ返してください」
「あ、あれっ!? おかしーな、ランダムで何かを奪い取るってスキルのはずなのに」
カズマはクリスだけに留まらず、めぐみんからパンツを盗んでいた。
「お前、もう女性相手にそのスキル使うな」
「いや、だっておかしいだろ!? こんなはずじゃないだろ! なんでランダムじゃないんだよ!」
ギルド内に、少女のパンツを握り締めたまま抗議の声を叫ぶ男が目の前に居た。
俺の友人だった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆このすば!◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
その後、ダクネスが目を爛々と輝かせてカズマへ熱烈なパーティ入りを申し立てたり。
それをカズマが「いらない」の一言で一蹴してダクネスを悦ばせたり。
ダクネスを説得するために、カズマがアクアと一緒に魔王討伐を行うつもりでいることを言ったり。
それを聞いたダクネスだけでなく、めぐみんまでやる気をヒートアップしたり……アクアが何故か不安の様相を呈したりしていた。
まぁ、魔王討伐云々を天界に帰りたがっているらしいアクアはともかく、カズマが本気にしているとは思えない。
そのアクアも、もっと楽な方法で魔王討伐が出来ないかと腰が引けている。
俺? ああ、もちろんだが魔王討伐なんて直ぐ様やろうなどとは思っていない。
コツコツと研鑽を積み、レベルをあげて仲間を募りゆくゆくはとは考えているが……その間に魔王なんてどうでもよくなるかもしれない。
実際問題、この世界は厳しい。世界観こそファンタジーそのものなのだが、フィクションではないのでリアルな問題が常に付き纏う。
なので、今は現実との戦いで忙しいとしか言いようがないのだ。つーか、未だに馬小屋生活から脱出出来ていないのだから魔王云々なんて寝言は寝て言え状態なのである。
クリスは魔王退治をしようなんて、命知らずだねーとばかりに興味がなさそうにだったし。
さて、そんな俺たちではあるが……現在、アクセルの正門前に陣取っている。
周囲にはギルド関係者や建物内に集まっていた他の冒険者たちも居て、今から集団で戦う直前といった緊張感で空気がピリピリとしていた。
俺もこの世界に来てから一度も感じたことのない、この張り詰めた空気に生唾を飲みこむ。
――緊急クエスト。ギルドから魔法か何かで拡大された音声が、街中に響き渡ったのが始まりだった。
アクアもめぐみんも、クリスもダクネスも嬉々とした表情で他の冒険者に紛れて走り出したため、俺とカズマは状況もわからず取り敢えず着いてきたわけだが。
もうそろそろ説明して欲しいと、カズマが平原の方を眺めながら三人に尋ねる。
「おい、緊急クエストってなんだ? モンスターが街に襲撃してきたのか?」
「言ってなかったけ。キャベツよ、キャベツ」
カズマの問いに、いつの間にか何に使うかもわからない大きな籠を持ったアクアが当たり前のように答える。
俺もカズマもその返答を聞いて、はぁ? と表情を怪訝なものに変えた。
そうしている間にもめぐみんが一歩先に出て杖を構え、ダクネスが俺たちを守るように前に立つ。
「キャベツ!? モンスターの名前じゃなくて!?」
「いや、食べるとシャキシャキとした歯応えのある、あの丸くて緑色の野菜のことだ」
知っとるわ! え、何。それじゃあこの剣呑な空気は冒険者に農家のお手伝いさせる時の空気なの!?
緊急クエストとか大々的なこと言っておきながら、やることは収穫作業なの!!?
「……なぁ、ダイナ。最近まで土木作業をしていた俺が言うのもなんだが」
「言うな、カズマ。俺だってそうだ。わかる、わかるぞ……その気持ちは」
俺たちが求めているものは、ファンタジー然とした冒険や出会いなのだ。
決して、労働者としての喜びなんかを噛み締めるために転生者になったわけではない。
カズマと俺の表情が死に始めている中、アクアが間に立ち険しい表情で口を開く。
「……二人共、油断してると痛い目にあうわよ。この世界のキャベツは、飛ぶわ」
何言ってんだ、この女神は。
俺がそう口に出そうとしたその時、平原の一部が緑の壁が現れた。
それは集団で飛び立つ鳥のように、もしくは大群と化したバッタが跳ねるように、こちらへと向かって来ていた。
俺も、カズマも、目撃したその瞬間……愕然とする。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁああッ!!」
カズマの叫び声が響く中、正門前に集まっていた冒険者が雄叫びをあげて一斉に走り出した。
魔法使いが呪文を使おうと詠唱を始め、弓使いが矢を番えて狙いを定める。
「味が濃縮してきて収穫の時期が近づくと、簡単に食われてたまるかとばかりに。街や草原を疾走する彼らは大陸を渡り海を越え、最後には人知れぬ秘境の奥で誰にも食べられず、ひっそりと息を引き取ると言われているわ。それならば、私達は彼らを一玉でも多く捕まえておいしく食べてあげようって事よ」
アクアの説明を聞いたカズマが、馬小屋に帰って眠りたいと呟く。
しかし、それならそれで何でここまで冒険者たちが躍起になるのだろうか。
キャベツである。相手は野菜なのである。美味しくいただくためだとしても、ここまで真剣になることもないのではないのだろうか。
そんな俺の抱いた疑問を払拭したのは、いつも受付をしてくれているルナさんの声だった。
「皆さん! 今年もキャベツの収穫時期がやってまいりました! 今年のキャベツは出来が良く、一玉の収穫につき一万エリスです! できるだけ多くのキャベツを捕まえ、こちらに収めてください! くれぐれもキャベツに逆襲されて怪我をしない様お願い致します!」
野菜如きが人間様に逆襲するのかよ!
いや、違う。それよりも報酬の方だ。一玉につき一万エリスが貰えるとか、そりゃあどこのボーナスステージだ?
破格ってレベルじゃないぞ!
「おい、カズマ。ちょっと俺も行ってくる」
「待てダイナ! 俺を置いていくつもりか!」
なにを言ってるんだい、カズマ君。
キャベツ一玉につき、一万エリスだ。ジャイアントトードを一匹倒すのと同じ報酬なのだ。
「キャベツ相手ならお前もやりようがあるだろ! ちょっとは頑張ってみろよ!」
「あ、クソ! 調子良いことばっかり言ってんじゃねーぞぉ!」
カズマの言葉を無視して、俺は笑顔を浮かべながらキャベツたちに向かって疾走する。
さぁて、お値段はいかほどか、いかほどか。
なるべく状態良く収穫した方が買い取り値段もあがるだろうと考えた俺は、槍の尻柄を前に出してキャベツたちに躍り掛った。
「そらそらそらァッ!」
突き、薙ぎ、叩き、落とす。
的が小さい分、一個一個を狙うのは難しいが相手は大群だ。
外れたと思っても、目の前には新しい
ならば、がむしゃらに槍を振り回すのみ!
「よっしゃ来いやぁぁああッ!!」
何だかテンションが上がって来ているせいで、声を大にして張り上げる。
これあれだ、ヒャッハーの気分だ。
あと、キャベツ達の耐久度は中々低いらしく当てるだけでポンポンその場に転がり落ちていく。
これなら、俊敏性特化でスキル習得している俺でもギルドに渡して帰ってくる時間に余裕があるとも言えるだろう。
金だ! 金だ! 金だ! 濡れ手に粟とはまさにこのこと!
そんな風にキャベツの収穫を続けていると、次第にキャベツの体当たりのせいで後方に引き下がる冒険者達の姿が増えてきた。
まぁ、キャベツも勢いを乗せて飛んでくるので、当たればもちろん痛い。当たり所が悪ければ、気絶することもあるようだ。
一度回収したキャベツをギルドの受付に持って行こうと踵を返した時、視界の端にキャベツの体当たりを受けまくっているダクネスの姿が映った。
何回もキャベツによる攻撃を受けているらしく、彼女の着ている鎧は剥がされてインナーもところどころ破けるというあられもない姿になっている。
そして、その表情は恍惚としていた。
「あんの、馬鹿……!」
どうせ碌でもないことを考えているのだろうと思うと、頭が痛くなる。
そんな知り合いの趣味嗜好など放っておいてさっさと逃げようと思った時、更にややこしい奴が魔法の詠唱を始めていた。
めぐみんだ。
「ちょ、マジか! ダクネス! ダクネスさん逃げて! めぐみんが爆裂魔法使おうとしてる!」
爆裂魔法をキャベツの群れに叩き込もうとしている姿が見えて、忠告を叫びながら一心不乱に走り出す。
だが、ダクネスはそれが聞こえているのかいないのか、その場を動こうとはしなかった。
というか、表情の恍惚さが加速していたので絶対聞こえてるだろお前!
絶対楽しみだ、とか考えてやがる。俺はもう知らないからな!
「エクスプロージョンッ!!」
その後、ダクネスを爆心地に爆裂魔法が炸裂した。
爆炎が轟々としてあがり、衝撃が吹き荒れ、近くに居た冒険者達の悲鳴が聞こえる。
キャベツ達もその爆風で消し飛んだり地面に転がったりと、相変わらず威力の高さが伺えた。
何でこう、俺の知り合いはこういう奴が多いのだろうか。
キャベツを回収している間は、自分のことに集中しておこう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆このすば!◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「なぜただの、キャベツの野菜炒めがこんなに美味しいんだ。納得いかねぇ、ホント納得いかねぇ……」
キャベツ強襲――というより、収穫祭を終えた俺たちは、全員揃ってギルドで打ち上げを行っていた。
大きめなテーブルを借りていて、その上にはキャベツ料理が大量に振舞われている。
俺はカズマとクリスに挟まれる形で、向かい側にはアクア達三人が座っていた。
「なんでだろうなぁ……。こんな美味いキャベツは始めてだなぁ……」
「今年のキャベツは特に良い感じらしいよ。百年に一度の出来栄えとかなんとか」
フォークとナイフで切り分け、もさもさと草食動物よろしくキャベツを食べながらぼやく俺に、クリスが満面の笑みを浮かべて言う。
何そのヴォジュレなんたらみたいな謳い文句。全然信用ならないんだけど。
目の前では、ダクネスの防御力を讃えたり、めぐみんの爆裂魔法を褒めたり、アクアが裏で行っていたらしい宴会芸スキルでの活躍を労ったりしていた。
アクアが言うには、アークプリーストの作り出す魔法の水はとても清いものらしい。
へぇ、としか言いようがない。
「それにしても、カズマもクリスも凄い活躍だったみたいじゃないか」
前に居る三人娘に倣い、俺も両隣に座る二人を褒めることにした。
「いやぁ、それほどでも。でも、あたしも驚いたなぁ。《潜伏》と《窃盗》をあんなに上手く使いこなすなんて」
「いや、それほどでもないさ。これだってクリスが教えてくれたから使えるようになったものだしな」
照れ顔になる二人に、俺は微笑む。
キャベツの収穫という何とも言えないイベントではあったものの、終わってしまえば楽しかったと思えたからだ。
ボーナスステージだったしな。後日、ギルドからまとめて支払われる報酬に期待したいところである。
「ダイナも凄い張り切ってたじゃないか。籠一杯に入ったキャベツを持って、何度も往復するとはな。普通、キャベツが飛び交う中を擦りぬけるのは難しいんだぞ?」
「カズマが気配遮断による強襲を得意とする暗殺者の如しとするならば、ダイナはその俊足を活かしたいぶし銀な運び屋といったところでしょうか」
「……カズマ、ダイナ。二人には私の名において、【華麗なるキャベツ泥棒】の二つ名を授けてあげるわ」
前二人はともかく、やかましいわ。
「……ああ、どうしてこうなった」
わいわいがやがやと談笑する俺達の中で、カズマが頭を抱えてテーブルに俯く。
お前にとっては緊急事態なのかもしれないが、時既に遅しというやつだ。諦めろ。
なぜカズマが頭を抱えているかと言えば、ダクネスの正式なパーティ入りが決まったからだ。
俺とクリスはそれを祝福した。カズマには恨めしい物を見るような目を向けられたが、個人の意向や歓迎ムードの他二人を止めることなど俺には出来ない。
「まあまあ、良いじゃん。皆さん、どうかダイナとダクネスのことをよろしくね」
「もちろんよ! あなただって、機会があれば私たちと冒険することもあるかもしれないから、その時はよろしくね!」
おい待てクリス、今俺、すげー聞きたくなかった言葉を聞いた気がするんだが……。
そんな風に食事をする手を止め、冷や汗をかいていると俯いていたカズマがこっちを向いてニヤリと笑う。
「いやー、まさかあたし達がダンジョンに行ってる間に、ダイナがそっちに入ってたなんて知らなかったよ! ダクネスも知り合いが居るほうが気が楽だろうし、頼んだよダイナ」
「待て、クリス! そんな話、誰から聞いた!?」
「俺から話といたぜ、ダイナ。現場の時共々、これからもよろしくな」
謀ったな、謀ったなカズマ! 貴様、なんてことをしてくれたんだ!!
「ちょっと寂しいけど、二度と会えないわけじゃないしね。暇があったらまた一緒に冒険もしようじゃないか!」
「そうだな。私とダイナは同じパーティ所属になるのだし、クリスとも暇が合えば一緒に行くのも歓迎だ」
「もしもその時、我が爆裂魔法が必要ならば呼んでください! 必ずや襲い来る者共を葬り去ってくれましょう!」
「ちょっとちょっと、この麗しくも美しいアクア様だって忘れてもらっちゃ困るわ! アークプリーストの力、見せてあげるんだから!」
最早、言い逃れも否定も出来ない空気になってしまった。
四人の女子は今日の出来事と今後について盛り上がり始める。
ああ、もうしょうがない。こうなったなら最後まで付き合ってやろうじゃないか。
こうして、元々入りたがっていたダクネス共々、俺はなし崩し的にカズマ御一行に加わることになった。
あらゆる回復を操るアークプリーストに、最強の魔法を使うアークウィザード。
鉄壁の守りを誇るクルセイダーと、基本職である冒険者に下級職のランサー。
五人に三人が上級職だと言うのに、聞くだけならば良い感じのパーティ構成だと言うのに、これから苦労ばかりが増えるような気がしてならなかった。