ソロモン王の名を騙った生きた魔術式、人を愛したが故に人類悪となった人王・ゲーティアを降し、人理を救った先輩はこの日、この新たな恋人達が誕生し、チョコのような甘い蜜月を過ごす二月十四日の日に召喚に飢えていた。
召喚の目的はキャスタークラスで、我がカルデアのキャスタークラスと言えば、諸葛孔明のエルメロイ2世さん、玉藻の前さん、メディア・リリィさん、メディアさん、トーマス・エジソンさん、ナーサリー・ライムさん、アイリスフィールさん、賢王ギルガメッシュさん、イリヤスフィールさん、玄奘三蔵さん、ハロウィンのエリザベート・バートリーさん、ジル・ド・レェさん、メフィスト・フェレスさん、クー・フーリンさん、チャールズ・バベッジさん、ヴァン・ホーエンハイム・パラケルススさん、ジェロニモさん、ハンス・クリチャン・アンデルセンさん、ウィリアム・シェイクスピアさん、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトさんと、これ以上ないくらい沢山いらっしゃる中、先輩はまだキャスタークラスのとある方を諦めきれないでいたのです。
それは花の魔術師ではなく。
水着姿のマリー・アントワネットさんでもなく。
パーティー編成できるレオナルド・ダ・ヴィンチちゃんでもなく。
ニトクリスさんでもない。
なら誰か? それは……
「これだけのキャスターを喚んでおいてまだキャスターを求めるとはな。 ま、俺の出撃が減るのは良いことだ」
「まぁ、元々出撃回数はそんなにないんだがね!」
「この我を通算五回も喚んでなお、魔術師を求めるか」
「怒濤の勢いで宝具レベルが上がりましたよねぇ……」
「定期的に来る貴女も貴女ですが……」
「ここのカルデアは私をあまり出さないからゲームが捗る。 平行世界の私に自慢したいくらいだ」
「私、サポートに出てるけど、あまり呼ばれませんよ?」
「当然さ、なにせ我らがマスターは、スキル育成に手が出せるほどの根性がないからね」
「ろくでなしのお前が他人の根性云々を言うとはな。 マスターもお前には言われたくないとか思ってるだろうさ」
「おんやぁ~、キャスターでもないのに、この場に出てくるなんてどうしたんだい? パリ男くん」
「…………本当にやる気かね?」
エジソンさんがマスターに近付き、召喚するかどうかを訪ねる。
この今の状況を招いたエジソンさんが……
「他でもない貴方が言う? いったい何処から喚んだかわからないけど、チョコのお返しにエレナ女史を喚んでクッキーを作る手伝いをさせたあ・な・た・が!!」
「う、うぅむ、まさかマスターがエレナくんをそこまで求めていたとは……ごめんネ!」
そう、今回の召喚の目的はエレナ・ブラヴァツキーさん。
その人なのです。
「あと新年召喚でエレナ女史目的で召喚したのに、そんなに求めてないエルメロイ2世は、最終再臨したらイリヤちゃんと交代だから……スキルマしてやる!!」
「なっ!! それは理不尽だろ!! 新年召喚はあまり召喚されない虹のサーヴァントを喚べる救済召喚だぞ!? 金のサーヴァント目的なら今まで縁を紡いだ縁召喚(ストーリーガチャ)をするべきなのだ!!」
「召喚するならさっさとせよ。 我はこう見えて忙しいのだ。 暗殺者風情のコインチョコを回収するチームに居るのだからな」
「あと500……ロイヤル級を最低でも1回か……まぁ、俺が出るのは最後の鬼の止めだから楽なものか?」
「少しは頑張ってくれよ? その次は僕の番なんだから……まったくレベル1で出撃とかないよ!! コスパかなり余ってるよね!?」
「それを言うなら俺だって出撃したくないわ!! マイルームで読書したい!! 休憩にマイルームに戻ってきた時、劇作家が「おや? 休憩ですかな?」と紅茶を飲みながら読書してるのを見てストレスでどうにかなりそうだったわ!! 今、こうしてるのも時間が惜しい!!」
と、堪え性のない人達が暴れだそうとしてるのを見て、私はマスターにそろそろ召喚をと声を掛けた、、、のに……
「や か ま し い!! 私は今精神を欲で塗り固めてるの!!」
『ア、ハイ』
「…………いや、良くないだろ。 物欲センサーに引っ掛かるぞ?」
「センサーに引っ掛かってもそれを突発する程の物欲でエレナ女史を引き当ててみせる!! いざ!!」
バッと30の聖昌石が私の盾の上で回転を始めた。
果たしてマスターが求めてやまないエレナさんが来るかどうか、未来を見据える千里眼を持ってない私にはわかりません。