この素晴らしい百合に祝福を!   作:青戸礼二

2 / 3
2話:この可愛らしい魔法少女に接吻を!

 

「えーっ、そんなこと、していいんですかあーっ?」

 

めぐみんの声が、屋敷の一室に響く。そこでパーティ会議が開かれている。

 

 

幽霊退治して以来、今この屋敷はカズマのものだ。ふだんから、パーティメンバーといっしょに住んでいる。そのメンバーはカズマとめぐみんのほか、女神アクアがいる。

 

アクアは、そもそもカズマがこの世界に来るときに、いっしょに連れてきた。彼女は女神というだけあって、ステータスのポテンシャルは高い。しかし日常では、借金返済に必要な金を酒代に使ってしまうなど、駄女神らしいポンコツぶりを発揮している。

 

パーティにはこのほか、聖騎士(クルセイダー)ダクネスもいる。ただし今は、お見合いのため、一時的にここを離れ、実家に戻っている。

 

この臨時会議室には、カズマとアクア、めぐみんとゆんゆんの組が、テーブルで向かい合って座っている。カズマは冒険者風の服、アクアは僧侶風の服を着ていた。

 

 

「魔法使いなら、もうわたしがいるじゃないですかあーっ!」

 

さて、会議の議題は、ゆんゆんをパーティに入れるかどうか。これに、めぐみんは猛烈に反対していた。もし実現すれば、実質的にゆんゆんとの同棲生活になることが、目に見えているからだ。彼女に一日中つきまとわれてはかなわない。しかし、カズマが反論する。

 

「いやあだって、めぐみんは一日一発しか、魔法が撃てないじゃないかあー!」

「うんうん、そうね」

「そのせいで、カエルごときに苦戦するし、ダンジョン攻略クエストが難しくて、借金返済にも支障をきたしてるんだぞおー!」

「うんうん、そうね」

「だから、バランスよく魔法を覚えた、ゆんゆんをパーティに入れた方が安定するだろおー! 銃と大砲のようなもので、ふたりは強さの方向性がぜんぜん違う」

「うんうん、そうね」

 

アクアが相づちを打つ。夫婦のような息の合い方だ。なぜアクアも賛成するのか? ゆんゆんから贈られた高級酒が、彼女の足下に置いてあったからだ。それに、ゆんゆんの魔法でクエストをこなせば、一本どころではなくもっと酒が飲めるだろう。

 

 

「だって、ゆんゆんにセクハラされちゃって、お嫁に行けなくなっちゃう~」

 

めぐみんが声をあげる。と、その隣から彼女に抱きついている、ゆんゆんも負けじと発言した。

 

「いや、大丈夫です! めぐみんの処女は私が守りますから!」

「じゃあ、下手な男に引っかかるより、安心じゃないかあー」

「ちょ、なんですかー、その謎理論!」

「レズが嫌いな男はいません!」

「カズマさん、そんな無茶なー!」

 

グッジョブと親指を立てるカズマ。半泣きで抱きついてくる、ゆんゆんの顔をグイグイ押すめぐみん。一方、アクアとゆんゆんはニコニコしている。茶番の空気だ。

 

「じゃあお前ら、決を取るぞー」

「「賛成」」

「反対!」

「はい、二対一で決定」

「そんなあぁ~(泣)」

 

こうして、ゆんゆんはカズマのパーティに加入した。

 

 

その流れで、ゆんゆんはいっしょにカズマの屋敷にも住むことになった。このときにもめぐみんは反対していたが、今度は三対一で押し切られてしまう。

 

いっしょに屋敷に住めば、日課で爆裂魔法を撃つめぐみんを自分が連れて行く、とゆんゆんが提案した。これは、とくにカズマに対して説得力があった。

 

「ゆんゆんが連れて行ってくれるなら、オレは楽だからなあ」

「いやいや、動けないわたしがゆんゆんに、毎回いやらしい~ことされちゃいますぅ~」

「じゃあオレになら、いやらしい~ことされていいの?」

「ええーっ何ですか、その返し!? 意味分かんないんですけどぉ~」

 

 

一日中そんな会議をしていて日が暮れて。風呂に入る時間になったので、めぐみんは風呂に入りに来た。まず、脱衣所で魔女の衣装を脱ぐ。彼女は脱ぎながら、今日の話を思いだす。

 

めぐみんは、カズマの自分への態度が分からなくなった。カズマは自分のことが好きなのか? それとも、アクアかダクネスが好きなのか?

 

考えてるうちにめぐみんは、自分のカズマへの態度も分からなくなってきた。もしかりに、カズマが自分のことを好きで、だからゆんゆんと引き離すとしたら、それを受け入れるだろうか?

 

さらにゆんゆんは、ゆんゆんへの態度すら分からなくなってくる。もちろん、同性愛ではなかったが、憎めない娘だとは以前から思ってきた。好意を寄せるゆんゆんを、どこか本気で嫌がれないところがある。

 

 

めぐみんは脱ぎ終わって裸になったので、浴室に入った。そして、身体を洗おうとすると――。

 

「ガラガラッ」

「!?」

 

急に浴室の扉が開いて、背後からだれか入ってきた。

 

「めぐみん!」

「ゆんゆん!」

「背中流してあげるよ!」

「いやあーっ!」

「私たち女同士だし、別にいいでしょ」

「いやいや、ゆんゆんはわたしの身体目当てでしょ!」

「身体目当てじゃないわ」

「えっ……?」

「めぐみんが本当に好きなの! 本当は前からちょっと……」

「えっ、えっ……?」

 

 

あらためてゆんゆんに直球で迫られて、めぐみんはカアーッと赤面してしまう。一方でゆんゆんは、サクサクと洗う準備を進める。そして、石鹸で泡立てた手でめぐみんの身体をなでる。

 

「(ヌルヌル)」

「ひあっ、ちょっ、だめっ」

「今日もヌルヌルプレイで、感じさせてあ・げ・る♪」

「いや~ん……」

 

ゆんゆんは手の泡を自分の胸に付ける。自分の乳房を揉むようにして、泡まみれにしていく。そして、めぐみんの背中に両胸を押しつける。

 

「ゆんゆん、あ、当たってるよぉ」

「当ててんのよ」

 

めぐみんもゆんゆんも年頃の娘なので、水を弾くピチピチの肌をしている。美肌の上で泡の花が咲き乱れる。ゆんゆんは花を摘むようにその泡で遊ぶ。めぐみんは顔を赤らめ、目をつぶって、震えて耐えている。

 

「(ペロリ)」

「ひぁっ!」

 

とつぜん、めぐみんは奇声を上げて目を開く。ゆんゆんに耳を舐められた。たまらず、身体が熱くなってしまう。このまま身を任せていては、おかしくなってしまう。いや、いっそ、おかしくなってしまってもいいかも……?

 

 

「ガラガラッ」

「「!!」」

「ちょっと、めぐみん、長湯じゃないの~?」

 

服を着たままアクアが浴室に入ってきた。しかし、泡まみれのふたりの姿を見ると、目を丸くする。

 

「あ~、お邪魔でしたかあ~」

 

作り笑いを浮かべ、スーッと去っていくアクア。

 

「ちょ、アクア、助けてよ~」

 

めぐみんの声は届かない。

 

 

次の日、カズマの屋敷に来訪者が来た。出迎えるカズマとアクア。

 

「「……あなた、だれ?」」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。