「おばちゃーん、シャーペンの芯をおくれ」
「はいよ、108円ね」
「どもー」
「すみません、このメロンパン下さい」
「はいよ。同じく108円ね」
購買でシャー芯を買っていると、隣で一人の女生徒がメロンパンを買っていた。
「あれ?ラフィ?」
「あ、蒼空さん。どーもー」
白羽=ラフィエル=エインズワース。
この子もまた、ガヴと同じ天使で、ガヴの同級生でもある。
「昼までまだ時間あるけど、腹でも減ったのか?」
「これですか?違いますよ。これはサターニャさんへの献上の品です」
「サターニャへの?」
知り合いだったのか?
てか、献上ってなんだ?
「まぁ、サターニャに用があるなら一緒に来るか?サターニャ、うちのクラスだし」
「本当ですか?では、ご一緒します」
献上ってのが良く意味が分からないが、俺はラフィを連れて教室へと戻った。
「違うわよ!今日は変な奴に嵌められたのよ!」
教室に着くと、サターニャがガヴとヴィーネの傍で騒いでいた。
何事かと思う前に、ラフィはそそくさにサターニャの隣に移動する。
「私の事ですか?」
「……な!?なんでアンタが此処に!?」
「俺が連れて来たんだよ」
サターニャにそう言いながら、俺も近づく。
「蒼空、お前、ラフィエルと知り合いだったのか?」
「ああ。言ってなかったが?」
「ガヴちゃん、こんにちは。相変わらずやさぐれ可愛いですね」
そう言ってラフィはガヴを抱きしめる。
「胸押し付けんな」
「じゃあ、乗せちゃいます」
「殺す……」
ラフィがガヴを愛でてる。
「えっと蒼空、この人は誰なの?」
「白羽=ラフィエル=エインズワース。ガヴの天使学校での同級生だよ」
「てことは、天使!?」
ラフィが天使であると知ると、サターニャは驚き出す。
「優しそうな人ね」
「全然優しくないわよ!こんなのを放置してるとか、天界は何してるのよ!!」
どうやらラフィの被害に遭ったようだ。
ラフィは見た目美少女で優しそうに見えるのだが、実はトラブルや揉め事を傍から見て楽しむサディストだ。
俺も偶にだが弄られることがある。
「あの、ラフィエルさん」
「あ、そう言えば――――」
そんな中、ヴィーネはラフィに話掛けようと声を掛けるが、その前にラフィはメロンパンを取り出す。
「こんな物を買ってきまして」
「あ!それは!?」
「サターニャさんに献上したいのですが」
「え!?て、天使にしては殊勝な心掛けじゃない!貰って上げるわ!」
「本当ですか!?では――――――」
すると、ラフィは机に座り上履きを脱ぎ、足をサターニャに向ける。
サターニャはいつの間にか正座してる。
「跪いて、犬の様に足を舐めたらお渡しします」
「………え!?何言ってんの?」
「だって得意ではないですか。犬の真似」
「得意じゃないわー!」
ドSっぷりを発揮するラフィにヴィーネは固まっていた。
そんなヴィーネにガヴが話掛ける。
「話掛けないの?」
「……ちょっと、考えさせて」
「まぁ、悪い奴じゃないからさ………」