ひだまりスケッチ&無敵鋼人ダイターン3withクレヨンしんちゃん(凍結)   作:越後屋大輔

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本家での乃莉のセリフ好きなんですが、この中だと誰が言っても似合わなくて(゚゚;)。仕方なく乃莉本人をモブ出演させました


おさると美術館だゾ②(完結)

 「現代美術には難解なモノも多いね」白い人形のオブジェを眺めて呟く万丈、手足が不思議な曲がり方をしている。

 「タイトルは[白き覚醒]ですって」補足する沙英、宮子は

 「みさえさんならならなんとタイトルをつけますか?」

 「そうね…『骨折』とか?」

 「「「確かに…」」」~キョロキョロしているジョージ、何かを探してるみたい~

 「アハーッヒャッハァ」~木の枝、そんなの拾ってどうするんでしょう?彫刻の台に登ると腕に押し当ててます~

 「ジョージぃ!降りて来ーい」

 「ホヒャ?」

 「いいか?ホントに骨折している訳じゃない、アレも歴としたアート作品なんだ。分かるか?」

 「ハァーハッフォッ」ジョージは頷いて理解した意を示す。

 「ヤレヤレ、おさるらしいですな」と言いつつ裸婦像を嬉しそうに眺めるしんのすけとひろしを幸太が引きずって離れさせる、そんな2人にジョージがため息を吐く。

 「おさるに呆れられてんじゃない!」みさえのグリグリを食らう父子、ひまわりはいつの間にかこの喧騒から逃げ出して万丈にまとわりついていたところを抵抗も空しく幸太に引き剥がされる。

 「辞めんか、ひま」

 「やっやあよぉ~(イヤ、放して!イケメンの万丈さんと一緒にいたいのよ)」

 

 次に一行が表面を滑らかに磨かれた空き缶のようなオブジェである。

 「今度はみんなでタイトルを当てて見ないか?」

 「直立とか?」沙英。

 「ん~幹?」ヒロ。

 「宇宙からのメッセージ」宮子。

 「自然の中の無機物」ゆの。

 「さて、正解は?」タイトルを見ようと立て札を探していると修学旅行で来ていたのか中学生くらいの女子の一団がこのオブジェを観賞していた、同じ事を考えていたらしくその内の1人が

 「映り込む世界なんてどやろな?」見つかった立て札には

 『金属素材の円柱』とあった。

 「そのまんまじゃねーか!つーかタイトルじゃなくて状態だろうが。犬小屋の表札に『イヌ』って書くか?!ようはそういう事だろ!」ハァハァ、息を切らしながら突っ込む幸太。

 「製作に怒りを込めるってのは聞いた事あるけど…」

 「作品自体に怒る人は初めて見たわね…」

 「幸太君、落ち着こうよ」

 「僕もこのタイトルは頂けないね、後で作者に改題するように伝えておくか」

 「さっきの女の子の意見を採用したいと思いますが皆さん如何でしょうかぁ?」

 「「「異議な~し!」」」

 

 続いて屋内展示を見る為美術館に入った一行、各自で絵画を見て回る。ゆのは密林を描いた絵の前で

 「美術館特有の空気に変わった、このおごそかな雰囲気って好きだな」浸っていると

 「フォフォフォホホホ、ハーワーッ」

 「ジョージ、館内では静かにしないと」

 「絵の外までジャングル…」おごそかさが一気に吹っ飛んだ。

 一方沙英とヒロは

 「ねえ。同じ美術の世界にいるって事はさあ、ウチの高校からこんな風に未来に残る人が出るかもしれないよね」

 「ん~?他人事みたいにいうけどぉ、沙英がそうなる可能性だってあるのよ」

 「えぇ?あぁ、うん。そっか、そうだよ…ね。ヒロも、だよ」

 「フフ、そうね。みんなにあるのよね」周辺はすっかり2人だけの世界となっていて流石にジョージも割り込めなかった。

 

 展示を全て見終わった一行は昼食を摂ってからどの作品が一番好きだったか?という話で盛り上がっていた。

 「一番は決められないですね、ただ帰ったら何か作りたい衝動にかられますね」

 「やっぱり芸術を志す若者ね、私なんかには遠い世界だもの」自虐的な発言をしながら割り箸の袋で折り紙をしているみさえに

 「それも作品ですよ、美術って身近なモノなんですよ。みさえ先生」沙英にそう言われて顔を赤くするみさえだったが

 「イヤぁ、それほどでもぉ」

 「アンタが褒められたんじゃないの」結局いつも通りのしんのすけとみさえだった。

 ゆのが全員の食べ終えた皿を不安定に積み始めた。

 「作品タイトル『思春期』!なーんて」

 「ゆのちゃん、とりあえず元に戻そう。壊したら美術どころじゃないからな」ひろしに諌められ慌てて片付けるゆのであった。

 

 この後、ジョージとしんのすけが館内で一騒動起こすがそれが却って功をなし、美術館には世界中から観光客が訪れる事になったが詳細はご想像にお任せする。

 

 

 

 




ジョージとしんのすけはなにしでかしたんでしょうね(笑)。

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