MA-RIONETTE   作:Stupido

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プロローグ初お目見えです(b・ω・)b初投稿、初作品となります。こういうところに投稿すること自体初めてで拙い文章ですが精一杯頑張ります


プロローグ

 

 魔法技師の朝は早い。

 日の出より少し早く、緩慢な動きでベッドから転げ落ちる。明かりの点いていない部屋で、何度か呻きながら床から起き上がると、転げ落ちた際に一緒に引っ張った薄い麻性の布団をベッドに戻して畳む。きちんと畳めているかどうかはわからない。

 寝ぼけ眼のなか手探りでドアを探し当てて、開ける。廊下中に停滞する冷たい空気に身を震わせて、奥へと進む。窓の施錠を確認しながら、庭の井戸へ向かうと先客がいた。

 

 「ナァ〜ォ」

 

 「おおー...シロおはようなぁ」

 

 全身真っ白な毛で覆われた、猫のような見た目の生き物。しかしよく見ると尻尾は二又に分かれており、背中には小さな鳥類の翼のようなものまで伺うことが出来た。この猫(?)、最近うちに住み着いているのだが特に害があるわけでもなければ、ご近所からもシロという愛称で親しまれているようなので好きにやらせている。この時間には起きているようで、朝は大体井戸の前で俺が井戸水を汲むのを待っている。

 井戸のすぐ側に置いてある片手持ちサイズの木桶を幾つか取ってくる時に、ついでにシロ用の木製の浅いボウルを用意してきた。

 

 「ナァー」

 

 「はいはい、ちょっと待ってな...うーさむ...」

 

 井戸と言っても、汲み上げ方はポンプ方式だ。何処かで見た事のあるような青銅色の汲み上げポンプを力いっぱい動かして、水を汲む。シロ用のボウルに水を入れると嬉しそうに飲み始める。それを横目で眺めながら水を汲み続けること10分ほどでようやく朝に必要な水の量を汲むことが出来た。ざっと木桶8個分くらいを、順に必要なところへ起きに行こうとする。シロが水を飲み終わったのか足元に擦り寄ってくるので少し動きづらい。でも邪険にする理由もないので、取り敢えず好きにさせておくことにした。

 

 10数分ほどで木桶を置き終わった。シロは何故か俺の頭の上で器用に丸まっている。最初の頃は慣れずに落とさないよう慎重に歩いていたが、何度か繰り返し乗られていると段々多少不安定でも全く落ちない安定性があることがわかってきてから、特に気にすることもなくなった。まだ日の出までは少し時間がある。そろそろ技師の仕事の準備をしなければいけないので、シロを頭から下ろす。不満そうに「ナァオ」と鳴くシロに「すまん、仕事場は危ないからな」と諭す。と、こっちの言っていることがわかるかのように一瞬の見つめあいのあとどこかへ歩いて行ってしまった。不思議な猫(?)だなぁ...

 

 井戸のある庭から居間を抜けて、正面の小通りに面した部屋が仕事場だ。雑多に物が散らばっており、いつも使っている道具がすぐに取れるように、部屋と居間をつなぐ出入口手前横にある定位置の椅子から取りやすいところにはあるが、傍から見れば汚いだけである。入ってすぐ右にある魔法炉に火入れを行う。火入れと言っても本当に火を入れるわけではなく、傍においてあるマナ石とよばれる魔力が篭った宝石を、炉の下部についてある凹部に嵌め込むだけ。これにより魔力が供給されて魔法炉本来の『鍛錬』の用意が整う。

 さっそくマナ石を嵌め込んで、淡い緑の光に包まれた仕事場の明かりを灯すために丁度マナ石と同じところに置いてある照明発生の魔道具を使う。懐中電灯のような見た目をしたそれのスイッチをぐいっと入れると、ライトの部分から光が膨らんで球状になり空中へと浮遊する。

 

 うーん、と間延びした声をだして伸びをしながら、仕事場正面の天蓋を上げると、僅かに明るくなり始めた街々が暗闇から浮かび上がっているところだった。徐々に人の姿が増えていく頃だろう。天蓋を引き、仕事場の端へ置いたところで声が掛かる。

 

 「あ、あの!」

 

 「ん?」

 

 見たところ駆け出しの冒険者といったところか。首都周辺に出没する巨大猪「グリムボア」の革をふんだんに使った装備が初々しい。どこか緊張したような面持ちで話しかけてくる様は爽やかな朝に混じって誠実な印象を与えてくる。

 

 「ここって『マスターメイジ』のお店ですよね?」

 

 「合ってるね」

 

 その一言にほっとしたのか僅かに頬をほころばせる。

 

 「あの、僕のこの剣の強化お願いしたいんですけど」

 

 「どれどれ、ふむ」

 

 渡された剣はずしりと重い、本物の鉄のダガーだった。状態は良好、刃毀れが少しあるから研磨して、強化改修するなら必要なのはアレとアレ...頭の中で様々な組み合わせを練っていく。と、

 

 「だ、ダメですかね...?」

 

 黙りこくって考えこんでしまった俺の態度に心配した様子で聞いてきた冒険者くん。いかんいかん、つい癖で考えこんでしまった。

 

 「いや、大丈夫。取り敢えず必要な素材は揃ってるし、今日...いや、明日のこの時間にまた来れる?それまでに作っておくよ。」

 

 「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!」

 

 嬉しそうに頭を下げる冒険者の彼に、いいって、と手で制しながら名前とお代のことについて話す。

 

 「あ、名乗らずにすいません。ロムっていいます。」

 

 「ロムくんね、了解。今回ウチくるのは初めて?」

 

 「は、はい。城下町で凄く腕のたつ鍛冶屋の方がいると聞いて来ました」

 

 うちは魔法技師なんだけどね...まあ総合すればそうか。心の中で苦笑しつつ、そこまで有名になったことに少し嬉しさを噛み締める。

 

 「うちは初めて来る人の強化とか鍛錬とかにはお代タダにしてるんだ。だから今回はお代いらないよ」

 

 「え!?そ、それは嬉しいですけど...」

 

 「まあ宣伝の意味もあるし、また出来がよかったら『ヘカテー魔法技師所』をよろしくってことで」

 

 「は、はい!」

 

 じゃあお願いします、と去っていくロムに手を振りつつ、気合い一喝。

 

 

 

 「よっし、今日も張り切っていくか!!」

 

 

 

 また、今日が始まる。

 




本文は少なめです。というか、書く為にかなりの集中力を消費するのでお腹が減って力が出ないんです。すいません
本筋には次回入る予定です。セリフ多用よりも細かい説明文章が多くなるかもしれませんが、頑張ります。頑張ります。ヒロシです...ヒロシです...
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