暴牛所属の偽・獅子王   作:〇坊主

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~物語開始~
目覚め


「・・・ここは・・・?」

 

 

 浮上する。

 

 消えるはずだった意識が浮上する。

 

 今まで夢を見ていたかのように、先ほどまでの戦いが幻だったのかと疑うほどに思考が虚ろだ。

 私は人理を修復しにきたマスターとの戦いに敗北し、その敗北に満足してあとは消滅を待つ身だったはず。第六特異点の偽造者としてキャメロットを形成し、頂点に君臨していた記憶がしっかりと残っている。そのためか多少の浮遊感はあれども意識がしっかりと浮かんできた。

 

 特異点で最後のマスターが連れていた本物の騎士王から受けたはずの傷は何事も無かったかのように消え去っており、五体は無事。瞳を閉じたまま拘束されてるわけではないことを確認した後に身を起こした。

 場所はキャメロットの王の間・・・ではなく、かつて見ていた変哲のないただの空が視界に収まる。これから夜が明けるのか、遠くからやわらかい光が暗い空を鮮やかにしていく。それを見ていると今まで抱えていたものしこりが取れ、気分が晴れていく気持ちになった。

 

 久方ぶりに見た本来の空をどれだけの時間眺めていたのだろうか。気づけは空は雲がほとんどない快晴へと変わっていた。

 そこでようやく動く気になり、身を預けていた地面から起き上がる。

 

 

「・・・綺麗だな・・・」

 

 

 立ち上がり、陽が照らし出した先には思わず言葉に出してしまうほどの街並みがあった。広大な町を一望できる以上、自分がいる場所は相当な高さに位置している。少し前まで王の間で見ていたような構図だ。

 

 人という種を護るために築き上げたキャメロットも綺麗ではあった。だがそれはキャメロット以外のもの全てを切り捨て、キャメロットの利だけを極端に狙って搾取した結果の上になりたっていた仮初めのもの。

 人類最後のマスターが赴き、相対し、人理修復のために崩壊することが確定していた上で数多くの犠牲を以てして造られた虚構の城だ。

 

 しかしこの光景は違う。この都市は初めてみるものであるが、キャメロットとは根本から違うものだと直感で確信した。多くの人が行きかい、活気溢れる本物の美しさだった。

 

 

「やぁ、君もこの場所が気に入ってるのかな?」

 

 

 暫くその街並みを眺めていると後ろから声をかけられた。

 敵意も感じない。他に人の気配もない。目の前の男もこの風景を見にこの場所へやってきたのだろう。

 

 

「えぇ、この場所を知ったのは先ほどですがここは美しい。仮初めではない・・・本物の美しさを今目の当たりにしています」

 

「それはよかった!ここは辺りを一望出来る穴場のようなものでね。僕のお気に入りの場所なんだ。そういってくれると僕自身とても嬉しいよ!ところで君はあまり見ない顔だね?何処からやってきたんだい?」

 

「そうですね・・・遠い所から来ました。本当に遠い所から・・・」

 

 

 人類最後のマスターと彼を慕うサーヴァント。そして騎士王でもなく、獅子王ですら在りはしない偽物の私を信じて外道の道についてきてくれた円卓の皆。

 彼らとの別れは寂しいものの、イレギュラーである自分を考えれば居ないことこそ当然であり、人理にとって不要であった。

 

 ふと思う。

 

 第六特異点でも奔走すればこの光景を生み出すことが出来たのだろうか?多くの人を殺めることなどせずとも焼却から逃れる術があったのではないのか。

 

 

(いや、恐らくその道はない。私自身が選んで決めた道なのだから・・・)

 

 

 頭は軽く振りながら先ほど考えていた思考を飛ばす。

 それが始めから出来れば苦労などしない。あれは成すべくして成った結果だ。あれ以上の結果を生み出すことは英霊ですらなかった私では到底及ばなかった。

 

 

「・・・どうやら君にとって大切な何かに触れてしまったようだ。すまないね。軽率だったよ」

 

「いえ、それに関しては問題ありません。私自身の意思で決めたことでしたから。ただ少し、懐かしんでいただけですので」

 

 

 こちらの様子を見て謝罪してくれた男に心配ないと伝えるとそれは助かると返してきた。第一印象からフレンドリーな接し方だとは感じていたが、初対面の相手に対してここまで砕けれるとはと感心する。

 

 男は貴族のような衣装でおり、立ち振舞いはラフであれども徳の高い人物であることは理解出来た。

 彼の姿を見ていると、此方の鎧姿はそこまで違和感を感じるものでは無さそうである。勿論だが兜は被っていない。

 

 

「さて僕が君に声をかけたのはただ気が合いそうだからって訳だけじゃないんだ。まぁその好奇心が7割ぐらい・・・いや8割くらいなんだけど」

 

 

 それはもう好奇心だけでいいのでは?

 そんなことを思っていると彼はハハッと笑いながら私と人一人分の間を空けて隣に立った。

 

 

「この場所は、というよりもここに来ることが出来る人物はこの国でも限られてる。つまり誰も彼もが自由に行き来出来る場所ではないんだよね。そして君は見たことがない」

 

 

 君は誰だい?

 

 穏和な空間が一気に冷えていく。

 彼が一冊の本を出した瞬間から、先の特異点で感じた敵意を肌で感じ取った。

 

 それは他を圧倒する強者の風格。

 下手なことをしようものならすぐに制圧にかかれる姿勢だ。

 

 高貴な城に存在するこの場所に、知らない人間が一人街並みを眺めていたら警戒するのは当然の摂理。

 警戒しない者がいたのならそれは器が広すぎるものか、ただの危機感皆無な馬鹿のどちらかだろう。

 

 しかし私としても目が覚めたらここに居たとしか言いようがなく、第一村人が目の前の男だ。

 初めから悪い印象を抱かれてもこちらとしては困る。であれども下手に弁明すればボロが出るのもまた確実・・・。なので私は両手を上げ、抵抗の意志がないことを示した。

 

 

「・・・まず初めに伝えておきます。私は貴方に害を加えるためにこの場所にいたのではありません。馬鹿なことを言っていることは承知の上ですが、気づけばこの場所に居ました。なので正直に述べますとここがどこかも知りませんし、どんな場所なのかもわかりません」

 

「・・・それを証明することは?」

 

「出来ません。ですのでこの件はすべて貴方の判断になります」

 

 

 そう告げると男は顎に手を当てて数分無言の状態でこちらを見据えていた。

 嘘か誠かを測っているのかわからないが、これ以上私から言えることなどない。先に得物を持たれている以上、何かすればそこを突かれるが故に私からなにもアプローチは出来ないのだ。

 

 

「わかった。ならこうしようか。君の素性は分かっていないけど、どうやら君自身も理解が追いついていないようだからしばらくここで滞在してみよう。そうすれば色々と思いつくかもしれないしね」

 

「えっ」

 

「ん?どうかしたのかい?」

 

「い、いえ…正直な所良くて牢屋行きだと思っていたものでして…」

 

 

 このような場合追い返したり尋問にかけたりするのが普通なのではなかろうか?

 初対面の素性を知らない怪しい人物にそのまま滞在を許可するなんて聞いたことがない。

 

 

「うーんほんの少しだけそれも考えたんだけど、君は僕の事自体知らなさそうだから敵国のスパイってこともなさそうって判断さ。勿論辺境の町から来たのなら知らないかもだけど、それならこの場所にいるはずもない。なら気づかないうちにここに飛ばされたって判断したまでだよ」

 

 

 やはり世界は広いねぇ

 そんなことを呟く眼前の彼はそれほどの有名人なのだろうか?

 

 

「ハハッ、傾げられるなんて久方ぶりだ。まるで有名人なのか?って思っている顔をしているよ」

 

「・・・すいません。どうやら私は無礼すぎる行動をとっていたようですね」

 

「いやいや気にしなくていい。変に畏まられるほうが僕としても困るからね。それより、どうするんだい?さっきの提案でよければ僕が配慮するけど?」

 

「是非ともお願いします」

 

 

 騎士の作法らしく、片膝をついて右腕を心部へと充てる。

 それを見た彼はきっと苦笑しているのだろう。

 私は頭も下げているため見えていないが、そんな感じがした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の名前はアルトリア・・・いえ、この名前は適切ではない。私はシャムミッド・ペンドラゴン・・・呼びづらければお好きに呼んでください」

 

「わかった。僕の名前はユリウス・ノヴァクロノ。ここでは“魔法帝”とも呼ばれているよ。よろしくシャムミッド君」

 

 

今後どんな乳上を見たい?

  • 獅子王
  • 下乳上
  • バニ上(第一~三霊基)
  • あえての青王
  • 良いから全部使えよハゲ
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