暴牛所属の偽・獅子王   作:〇坊主

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 とりま書きたいところが出来たので何とか続けてみる。
 
 
 
 


魔宮の防衛装置

 

 

「暴牛風情がァア~……!俺の魔法を難なく弾きやがっただけでなく、意にも介していない態度!気に入らねぇ~~ッ!!」

「ソリド。いつまで先ほどのことをグズグズと引きずっているのかしら?貴族として表情を露わにするのは宜しくなくてよ?」

「ネブラ姉さま…ッッ」

「最も平民風情にあしらわれるなんて情けないにもほどがあるのだけれどね」

 

 

 シャムミッド達が見つけていた隠し通路から抜け出した二人は『銀翼の大鷲』に所属する貴族の魔法騎士。

 ネブラ・シルヴァとソリド・シルヴァだ。

 好むことが人を弄ぶことと嫌味を言うことという、なんとも上等な趣味を持つ二人は今出てきた通路とは別の場所に問題があるのではないのかと探索を続けていた。

 

 他の団員を外に待機させ、罠や魔物が犇めく魔宮(ダンジョン)にたった二人で入ってきたのは早計ではないかと思われるかもしれないが、ネブラは五等上級魔法騎士に位置するクローバー王国の魔法騎士としてエリートの部類であり、ある程度の実力も有している。

 ソリドは三等中級魔法騎士という中間の立ち位置にいるが王族としての魔力総量が他よりも優れており、その才能を全面に押し出した戦い方を行う魔法騎士だ。

  魔宮(ダンジョン)へ大勢で入るよりも小回りが利く少数精鋭のほうが良いとの判断で彼ら二人が代表として侵入を実行に移したのである。

 

 だが魔宮(ダンジョン)に入ってみればすでに防衛装置は破壊され、大まかに見渡せば調査済みとでも言える痕跡がいくつも残っていた。隠し通路すらも先に見つけられており、自分たちはただただ遅れて来ただけ。それだけならまだいい。彼らはほかの場所を探索したことで先ほどとは異なる階段を見つけだのだ。

 地下に続くのではなく、天井に続いている階段。明らかに怪しい物は魔力を発していない装置を用いられており、ソリドが怒りに任せて壁を殴りつけなければ見つけられることはなかっただろう。

 その時点で遅れて来たことは己の中で帳消しである。しかし圧倒的格下だと思い込んでいた『黒の暴牛』の団員にあしらわれる始末に、自尊心の塊ともいえるソリドの内心は憤怒で満たされていた。

 

 

(クソッ!くそォッッ!!絶対に許さねぇからなァァ~~~!!!)

 

 

 両手を震わせながら怒りに震える。

 故に彼は己の頭上で行われた変化に気づかなかった。

 雨が降ったわけでも、湿気が強いわけでもないのにも関わらず、どこからか天井に集まる雫たち。

 一か所に集ったソレは、粘性を宿して一気に獲物を体内に喰らう。

 

 

「~ッ!??!な゛っ」

「――ッ!ソリド!?」

 

 

 獲物はなんとか逃げ出そうともがく。だがすでに全身を覆われた魔力が対象を決して逃がさない。

 ソリドも魔法を使おうと魔導書を動かそうにも魔力を乱され、発動することができない。

 親族の異常に気付いたネブラはなんとか覆っている魔力を引きはがそうと己の霧魔法を用いて行動を起こしてはいるが効果がないように見える。

 

 

「~~~っ!(なんなのよこいつ!?)」

 

 

 ネブラが発動した霧魔法。名前だけで見れば攻撃力など一切なさそうに思えてしまうがそのようなことはない。

 霧を相手の周囲に押し固めて動きを止めることもできれば、霧を発生させる水蒸気を凝縮させて弾丸のように撃つことも可能だ。そして霧という性質上、相手に攻撃する瞬間を悟られにくいというのもある。その魔法たちを使いこなしていることがネブラを五等上級魔法騎士へと伸し上げたのだ。

 

 攻撃が通じていない現実に冷や汗が頬を伝う。

 魔獣であれ、敵が用いる魔導人形でさえ、自身の魔法が通じなかったことがなかったのだ。

 攻撃が通じなくても束縛魔法は通じた。束縛できなければ攻撃で相手の頭を吹き飛ばした。

 だが眼前のこいつはそのどちらも通用しない。それ即ち、ソリドが取り込まれていく様をネブラは見届けるか、すぐさま見捨てて逃げ出すしか選択肢は存在しない現実である。

 

 

「、ォ。ォォオ」

「っっ!」

 

「ォォオオオオオオォオオオ!!!」

 

 

 目の前の状況に対して自分はどのように行動すべきなのか。

 普段から己の実力に絶対の自信を抱いていたネブラは現状の打破のための策を考え付くことが出来ず、動くことが出来なかった。見守ってしまった。

 

 ヒュン

 

 そんな風切り音がネブラの耳に入る。

 そのあとに感じたのは腹部への痛み。

 激痛を訴える腹部を見れば、日本円でいうなれば十円玉ほどの風穴がネブラの腹に空いていた。

 口から血が溢れ出る。

 攻撃をされたのだと理解したと同時に、ネブラの意識は暗闇へと落ちていった。

 

 

 

「ォォ……」

 

 

 

 眼前の魔導士が地に崩れ落ちたのを確認したソレから言葉が発せられる。

 魔導士を核とした中心を覆うようにして粘性の、スライムのような外見を有したソレは流動性を巧みに使って前進を開始する。領域への侵入者を徹底的に排除するために。

 

 

 

 

 

 ――――

 

 

 

 

 

シャムミッドが異常に気付いたのはキャメロットの城門(仮)をどうにか開けれないかと悪戦苦闘した後のことだ。この門の奥に今回の魔宮(ダンジョン)の原因があるのではないかと考えていたのであるが、押しても引いても、はたまた攻撃してもびくともせず、どこかにスイッチがあるのかと考えもしたがそれらしきものは存在しなかったことで一旦調査を中止して一休みへと洒落こんでいた。

 魔宮(ダンジョン)侵入から時間にしてはそこまで経過はしていないものの、時間がないからと慌てて細部を見落とすことがあってはならない。そのためセッケと意見交換をしながら状況の整理を行っていた。

 

 

「ここも粗方調べ終えた…しかしこれと言ったものはありませんでしたね」

「こんだけ探してないんですから、あとは上にしかないんじゃないですか?ほら…例えば中心部にあった噴水とかに隠しスイッチがあったり」

「ふむ…あの立派な噴水ですか」

 

 

 セッケが隠し階段を見つけるまでに通った場所。魔宮(ダンジョン)内であったが、人が住んでいそうな小屋も何件かあった。小屋に囲まれるように存在した広場の中心に立派な噴水があったのだが、セッケはあそこに何かあるのではないかと意見を挙げる。

 シャムミッド自身、セッケの案以上のことを思いついたわけでもなかったのでそれを了承。すぐに向かうことにした。が、

 

 

「――ッ!!セッケ!!」

 

 

 ここにきての直感。それも特異点で幾度となく助けられた悪寒に近い物。

 このまま何もしなければ致命的な問題になりうるという直感による警告。すぐに行動に移すのは容易だった。

 魔力を脚部に集めて一気に解放。有無を言わせずにセッケを抱いて螺旋階段から緊急離脱を決行する。

 セッケは突然の出来事に身を強張らせてシャムミッドにされるがまま城門まで連れ戻された。

 

 

「……な、なんなんすか…あれ……」

 

 

 入口を向いた状態で運ばれたセッケは視界の中に確かにそれを見た。

 水ではない何かが先ほど自分たちがいた場所を覆いつくしたのだ。

 

 天井から一気にスライムのようなものが飛来してきていた。

 ドロリと、そう形容されるほどの粘性を持ったその液体は大雨のように地下へと続く螺旋階段へと降り注ぐ。このまま何もしなければ自分たちがいる地下の広間まで侵食し、瞬く間に溺死してしまうのは大いに予想できた。

 

 

「わかりませんが、一先ずここから抜け出しますよ!」

 

 

 星魔法

 “風王結界”

 

 

風王鉄槌(ストライク・エア)!!」

 

 

 このままではまずいと瞬時に判断したシャムミッドは天井を暴風で破壊しながらその足元に魔力を放出し、強引にセッケを担いで地下から脱出を行う。

 セッケからカエルがつぶれたような声が出てくるが命には代えられないので無視だ。

 

 天井をぶち抜いて少しした後、風王鉄槌の効果によって上空まで打ち上げられた瓦礫が重力に従って落下してくる。それをうまく槍で往なし、場合によっては足場へと変換して地上を目指した。

 ここで止まれば自分の体は地下へと逆戻り。地下に満たされ始めているスライムに触れればどうなるのかが予測がつかない。だからこそ強引にでもこの状況を打開しなければならない。

 

 

(どの魔宮(ダンジョン)でもそうでしたが…一筋縄ではいきませんか……!)

 

 

 シャムミッドは内心で悪態をつく。

 財宝や古代の魔法を隠すために作られたものであるから当然なのであるが、未知の事象というものは厄介極まりない。

 見た目がただの水でも、中身は強力な消化液と言った可能性もあるのが魔宮(ダンジョン)なのだ。

 警戒はしていて損ではない。

 

 

「っッッツ!!」

 

 

 全速力で駆ける。

 だがそれでも足りないことを理解してしまった。

 地上へとつなげた風穴からスライムが侵入してきているのを視界に映してしまったからだ。

 

 

「セッケ!!少し手荒になりますが、こらえてください!!」

「っ!は、はい!わかりましたぁぁぁぁぁぁあああああ!!」

 

 

 風を全身に纏ってバリアを張った後に背後へと魔力を解き放つ。

 

 触れればヤバイものであるのならば、触れられない様にすればいい。

 そんな脳筋思考を前面に押し出した方法は功を制した。

 迫っていたモノを側面へと受け流して地上へたどり着くことが出来たのだ。最も魔力が多いことを前面に利用した方法であったために、魔力消費量が半端ない。このような方法は連続して使用したくはないほどに、魔力を消耗してしまった。

 

 だが今はその事実に関しては重要ではない。

 シャムミッド達の眼前には先ほどの元凶が佇んでいるのだ。

 

 

「なっ…あ、あれもモンスターですか…?」

「それは断言できません…が、ただ殲滅すればいい。というわけではないようですね。セッケ、見えますか?あのスライムの中心です」

「中心?…――えっ、さ、さっきの…『銀翼の大鷲』の団員じゃないですか!?」

 

 

 そう。スライムの中心部には先ほどシャムミッド達と相対した『銀翼の大鷲』の団員 ソリドが取り込まれていたのだ。

 まるで捕食しているかのような光景であった。

 

 

「取り込まれている以上、下手に攻撃を行うわけにはいけませんね。最も……」

 

 

 彼を見捨てれば、という言葉を飲み込む。

 確かにその選択肢が簡単で、確実だろう。だがそれは最終手段だ。

 これから魔法騎士団へと入団するであろう少年に、相手の性格に難があるとは言えど同胞殺しは見せないほうがいいのは確かである。

 

 

「セッケ。私がどうにかして彼を中から引きずりだします。ですので貴方にはその後、彼を比較的安全な場所まで運んでもらいたいのですが、可能ですか?」

「へっ?あっ、わ、わかりました!!」

 

 

 セッケの返事を聞いて一歩前へと足を進める。

 面倒ではあるが、ここで彼を助けておかなければ団長であるノゼルからの印象は底辺を突き抜けて奈落へと落ちていくだろう。

 それは御免被る事態だ。あれ以上悪化してしまえばシャムミッドの胃が持たない。

 であるならば救うしか方法はないだろう。自身への危険が跳ね上がったとしてもだ。

 

 

(……私、それほどまでに憎まれてしまっているのですかね…?)

 

 

 日頃から受ける敵意に留まらず、今回の派遣団員の人選。

 それを考えてしまうとこれから戦闘を行うのにも関わらず、多少なりの戦意が削がれてしまうのであった。

 

 

 

 

今後どんな乳上を見たい?

  • 獅子王
  • 下乳上
  • バニ上(第一~三霊基)
  • あえての青王
  • 良いから全部使えよハゲ
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