暴牛所属の偽・獅子王   作:〇坊主

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 さっさと魔宮編を終わらせようと思ってたのにも関わらず、何話もスライムもどきを引っ張った作者の屑がいるらしい。
 自分も他の作者様方のように、うまく描写出来るようにしていきたい。
 
 そんなわけで続きを投稿です。
 
 


決着

「ねぇガウェイン。そういえば聞いたことなかったけど、特異点での王様はどんな人だったの?」

 

 

 ふとそう言えばと言った風に問いを投げかけたのはカルデアに所属し、人理を修復した藤丸 立夏。

 質問の内容は第六特異点での最終関門であった人物についてであった。

 

 全人類のために、唯一人のマスターとして戦うことを決意した彼は思ってたことを聞きたかったのだ。特異点を修復しにやってきた自分のことをなぜか知っていた彼女のことを。

 だが聞くには些か時間が経ちすぎた。

 第六特異点を修復した後に一週間と立たずに第七特異点であるウルクを。そのあとすぐに終局特異点へと戦いに身を投じたのだから仕方のないことなのかもしれないが、少し環境が落ち着いたことで彼女のことを知っているであろう人物を探した。

 そこで白羽の矢が立ったのが第六特異点で王の傍で戦い続けた忠義の騎士 ガウェインだった。

 彼は特異点を修復してからカルデアにやってきた存在であり、特異点で出会った縁からなのかはわからないが、当時の記憶もしっかりと保持していた。

 

 もっとも立夏自身、特異点で偽・獅子王(彼女)と出会ったのが最初で最後であって、付き合いなんてものは全くと言ってない。なので仕方のないことなのかもしれないが、第六特異点を修復した後に特異点関係者で唯一召喚に応じなかったのが特異点を生み出した彼女 アルトリア・ペンドラゴンだ。

 最も彼女自身、自分のことをアルトリアと名乗ることすらもあまり好ましく思っていなかったのだろう。

 出会って自ら偽物だと宣言するぐらいだ。かの騎士王を嫌悪しているからというよりは、自分如きがその名を使うことは烏滸がましい。そんな印象を立夏は受けていたため、言葉をぼかして言ったのだが、ガウェインにはしっかりと伝わったようだ。

 

 

「これはマスター。シャムミッドの事ですか?素晴らしいお方ですよ。立夏殿の程とは流石にいきませんが、心持ちもしっかりされてますし、迷いながらも下手に頼らずまずは自分で歩き始める。それが出来る御方でした」

「ん?シャムミッド?他のアルトリア達みたいにアルトリア・ペンドラゴンじゃないの?」

「アルトリアという言葉がゲシュタルト崩壊しそうですが…そのようなことは私達特異点の騎士は一言も申されてません。まぁ我々は基本彼女のことを王と呼んでましたし、立夏殿と出会ったときにもそういえば名乗ってはいませんでしたか」

 

 

 ここに来て新たな事実である。

 道理で召喚するときに「アルトリアー!早く来てくれー!!」と叫んではメイドと化した騎士王や下乳を露出した騎士王が来ていたわけだ。名前を間違っていて来るはずもない。ちなみに彼女らもこのカルデアにおいて立派な主戦力として活躍している。

 だがそこまで徹底しているのはなぜなのだろうと立夏は思った。

 

 

「ふむ。実に興味深い話をしているようだね。君たち」

「ダ・ヴィンチちゃん!」

「いい反応をありがとう。聞き耳を立てていた様で申し訳ないとは思うんだけど、私も聞いてもいいかな?」

「いいよ。ガウェインはそれでも大丈夫?」

「問題ありませんよマスター。さて、どこから話したらよいでしょうか?」

「んー、私個人が気になっているのはかの騎士王とは違って呼び捨てしている所かな。特異点ではずっと我が王で統一されていたし、自分が仕えていた者に対して無礼に当たるんじゃあないのかい?」

 

 

 立夏とガウェインの会話に入ってきたのはカルデアにおける万能の天才 ダ・ヴィンチちゃん。

 人類史にも名を列ねる自他ともに天才であり、彼女がカルデアに居なければ詰んでいたであろう場面も多々存在したほどに人理を巡る戦いで活躍した重要人物だ。そして自分が描いた名画の姿へシフトチェンジした美女(変態)である。

 

 そんな抜群のプロポーションを有する彼女は口元に指先を当てながらガウェインへの疑問をぶつけていた。

 確かに王とあるべき存在であるならば、彼は常に敬語で話す。太陽の騎士から発せられた悪口は当然聞いたことはないが、それと同じぐらいに自分が仕えていた主を呼び捨てにしている所を見たことも、聞いたこともなかった。

 であるというのに、特異点で「王」と「騎士」の立場を有していた人物を呼び捨てで話すのに違和感が出る。

 

 

「確かに本来であれば仕えていた王を呼び捨てにすることは無礼です。ですが呼び捨てで呼ぶのは彼女自身の頼みなのですよ。本当は自分を王として接することも接されることも嫌いだったようで、戦場以外で王呼びしたランスロットがフルボッコにされておりました」

「ランスロットぇ…」

 

 

 懐かしむように語るガウェインを他所に、ボコボコにされるランスロットの姿を鮮明に想像できた立夏はなんとも言えない気持ちになった。

 

 

「カルデア内にも同じような顔をもっていても中身が全く異なるヒロインXオルタもいることだし、アルトリアの顔をもつサーヴァントが増えるのは今更ではあると思うけど、でも獅子王…いや、シャムミッドと言ったほうがいいかな?シャムミッドくんは結構複雑な背景を持っていそうだね」

「そうなの?」

「そりゃそうさ。彼女がアルトリア・ペンドラゴンではないことはわかった。でも特異点で活動するのならばそのままアルトリア・ペンドラゴンとして振る舞っていたほうが合理的じゃないかい?聖槍を担うIFの姿で召喚され、円卓の騎士たちも初めてみる姿であったのなら、多少の認識の違いなんてないものさ」

「ははっ、確かにその通りです。ですがそれではすぐにボロが出ていたことでしょう。彼女は我が王とは全く異なる人物でありますから。―――わかりやすく言うなれば…赤い外套のアーチャー エミヤ殿の境遇に近しいのだと思われます。」

「エミヤに?」

 

 

 アーチャー エミヤ。

 正統な英霊ではなく、人類側の抑止力。守護者とも呼ばれる彼は第5次聖杯戦争に出場した人物だ。

 その正体は聖杯戦争にマスターとして出場していた少年が歩む未来の中に存在する一つの姿である。

 人理修復の旅においては最初の特異点冬木において敵として出会ったものの、召喚に応じてくれたことで第一特異点オルレアンの頃から活躍してくれた心強い仲間である。

 尚現在のカルデアは英霊も多く存在することからエミヤ自身が前線に立つことが少なくなり、カルデアのオカンとしてカルデア食堂を切り盛りしていることは誰もが知っている事実である。

 

 

「英霊エミヤ…それはつまり……」

「えぇ。シャムミッドは立夏殿が無事に人理を修復するのを存じておりました。その上で立夏殿と敵対する道を歩んだのです。第七特異点ウルクで歩みを止めてしまわない様に、特異点キャメロットで我々円卓の騎士は礎になることを決めた」

「彼女は未来から来た英霊…ということかな?……でもそれだと可笑しなところが出てくる。そもそもカルデアの人理修復の旅路は私達しか知らない物語だ。立夏君のことは当然伏せて報告を挙げているし、情報漏洩を防ぐために数多くの英霊達が徹底したプロテクトをかけている以上、現存する魔術師がこの情報を知ることはあり得ないと言ってもいいだろう。考えられるモノとしては彼女が後々にカルデアに所属するということだけど、現状を考えればカルデアは継続される以上に解体される可能性のほうが圧倒的に高い。…ふぅむ。彼女に直接聞いてみないとはっきりとしたことは言えないかな?」

「えぇ。ですので私はシャムミッド(彼女)が何故立夏殿の旅路を知っているのかについてはお教えすることが出来ないのです。そこに関してはうまいことはぐらかされてしまいまして…。特異点が生まれたところからなら詳しく語れるのですが…」

 

 

 ガウェインは本当に彼女が何故知っていたのかを知らないのだろう。

 ダ・ヴィンチちゃんの指摘に対して苦笑を浮かべることしかできていないことから立夏は察した。

 

 

「うぅん。特異点からでも大丈夫だよガウェイン。本人が言えなかったのならそれはあまり詮索するものじゃないと思うから」

 

 

 少し申し訳なさそうにするガウェインを宥めて続きを促した。

 特異点を開放できたのにも関わらず、人理修復の礎とするために築き上げたキャメロット。

 なぜ為そうとしたのか。

 第六特異点では彼女が聖杯を持っていた(・・・・・・・・)のだ。あらゆる願いを叶えるという器である万能の願望機を以て理想の世界を願うことも出来たはずなのに、それをしなかった。

 

 藤丸立夏は知りたかったのだ。

 シャムミッド・ペンドラゴンを名乗った一人の王を。

 

 

「ありがとうございます。それでは私達円卓の騎士が、彼女と出会ったところから話させていただきます。長話になってしまうのは、予め念頭においてくださいね」

 

 

 そうして彼女に興味を持った二人はガウェインの話を聞き続けたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っっ!!せぇぁあああ!!」

 

 

 のびてきた触手は聖槍を横凪に振るうことで吹き飛ばす。

 風王鉄槌(ストライク・エア)の風力によってバラバラになって吹き飛ばされるが、ほかの触手を相手している間にくっついて元通りだ。

 先ほどから遠くでセッケも遠距離から攻撃を行っているが、物理的な攻撃が通じていないのか実弾は取り込まれている。

 戦闘を開始して少し経ったところで攻撃を受けていた同じ『銀翼の大鷲』団員であるネブラが這って現れたところを見つけてセッケへと投げ込んだので二人目が取り込まれることがなく良かったものの、ここまで決定打が存在していないのはつらい。

 取り込まれているソリドごと眼前のスライムを消滅させる方法なら考え付くが、その選択肢は取らないことをすでに決定している論外だ。

 だからと言ってこのまま時間をかければ魔宮(ダンジョン)外で発生している異常事態を止めることができないだろう。それでは意味がない。

 

 

(……仕方がありません。うまくいくかわかりませんが…)

「セッケ」

「は、はい!なんですか!?」

「今から飛び込んで強引に団員を引きずりだします。そちらに放り投げますのでうまく受け止めてください」

 

 

 はいぃぃいい!?と驚くセッケを他所に、シャムミッドは駆け出した。

 今から行うことは初めての試みだ。物理的な攻撃が通じはせず、取り込んで(マナ)へと変換しているのか、気づいたときには取り込んだモノはなくなって体積をすこし増やしているようにも思える。

 これ以上周囲のものを取り込ませてしまえば本当に手が付けられなくなると判断したら、あとの決断が早かった。

 

 

 星魔法

 “風王結界”

 

 

 風を纏うことで周囲を護る。そして魔力で脚力を強化することで、普段以上の身体能力を発揮させて一気に距離を詰めた。

 やることは単純明快。

 風王結界で自分を護りながらソリドを強引に引っ張りだす。完璧なる脳筋戦法である。

 

 迫りくる触手を躱す。

 覆いかぶさろうとする高波を吹き飛ばす。

 身体を穿(うが)たんと飛来する飛沫の間を縫うように駆ける。

 

 避け、

 躱し、

 引き、

 往なし、

 捌き、

 流し、

 駆け、

 留まり、

 そして―――

 

 

(ここ!!)

 

 

―――跳躍(飛ぶ)

 

  

 極小の暴風が直進しているかのように地面を抉りながら突き進む。

 カルデアのマスターがこの場に居たのであれば、ランサーの姿で現界したアルトリアの宝具を使用したのかと誤認したであろう。

 捕らえた獲物を逃すまいと触手を前方へと重ねて壁を作ろうとする動作すら、今のシャムミッド相手には無意味と化す。

 風に触れたものから片っ端に細切れにされ、液体へと返っていく。

 急激に減少する魔力を感じつつも、駆けるのをやめない。そしてついに本体を抉り、内部へと入った!

 

 

「―――!入った!」

 

 

 気を失っているソリドに風王結界が触れる前に解除する。

 それを好機ととらえたのかシャムミッドをソリドと共に再び捕えようと液体を削られた部位へと押し込ませた。

 並の魔導士であればそのまま捕まっていただろう。

 だがシャムミッドはすでに並の領域には存在しない。

 いつソリドを投げ込まれてもいいように待機していたセッケは確かに見た。

 

 ソリドが巻き込まれないように胸に抱きかかえ、槍を天へと掲げるシャムミッドを。

 

 

「――漸く助けれた…。これより、殲滅に入る」

 

 

 槍が輝き、解かれていた風が再び収縮を開始する。

 

 槍から発せられる輝きが周囲の障害を近づけない。

 第三者としてその場を見ていたのはセッケだけであったのは、果たして幸か不幸か。

 少なくともネブラがダメージから気を失っていなければシャムミッドから発せられる膨大すぎる魔力量に対して、下民風情が何故だと発狂していただろう。

 当然セッケにも才がある。通常よりも早く魔導書を受け取っており、魔法も複数すでに所持していることからそれは間違いはない。

 魔力もしっかりと感じ取れる以上、彼もこの魔力量が異常であることはわかっていた。

 だがそれに対する感想を抱くよりも先に、想ったのだ。

 

 

(――俺は、この人の傍に立ちたい)

 

 

 この感情は羨望ではない。嫉妬でもない。

 

 彼女と肩を並べられるほどの魔導士となって彼女を支えていきたい。

 それがセッケが抱いた感情であった。

 

 他のものが聞けば鼻で笑われるに決まっている。「お前如きが彼女を支えるなどと夢を見るな」と、実力差を考えろと嘲笑われるだろう。

 シャムミッドからしても迷惑になるだろう。「その程度の実力では邪魔だ」とでも言われるかもしれない。

 だけどそれは、現状のままで居続ければの話だ。

 

 彼女も言っていた。

 ただスタートラインが違うだけに過ぎない。這い上がる努力こそが大切なのだと。

 それはこれからの自分は自身の行動が直に関わってくるのだと、伝えてくれたことに他ならない。

 

 輝きが辺り一帯を包んでいく。

 風が気流を生み、道を築く。

 弾かれるように放出された魔力が液体を包み込み、外部から、内部から、逃げ場を作らせないように上部へと押し上げていく。

 

 

「聖槍…抜錨“最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)”」

 

 

 決着の言葉を紡いで留めていた光を開放する騎士を見据えて、セッケは一人静かに拳を握りしめた。

 

 

今後どんな乳上を見たい?

  • 獅子王
  • 下乳上
  • バニ上(第一~三霊基)
  • あえての青王
  • 良いから全部使えよハゲ
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