前の話を読んでないかたはそちらからどうぞ。
頭を空っぽにして読んでください(懇願)
「ここはクローバー王国の領域だ。貴様らが悠々と足を踏み入れて良い場所ではない。此処から立ち去るがいい」
自分が握る槍先を侵略してきた魔法騎士の集団へと向ける。
背後には守るべき王国の民。眼前には侵略者。連れてきた仲間は敵の強力な連携攻撃によって全員やられてしまった。
ここを皮切りに各地で敵国の侵略による爆発が多発し、各騎士団もそれに追われている現状だ。つまり増援は期待できない。
シャムミッドの後ろには魔力をほとんど持たない者達の村があり、その住民達は攻めてきた敵とそれをたった一人で迎撃しようとするシャムミッドを視界に収めながら不安の表情を浮かべていた。
背を預ける味方もやられ、自分一人になってもシャムミッドは諦めない。
これで折れてしまったら特異点で共に戦ってくれた円卓の皆に示しがつかない。
己は国を勝利へと約束する剣であり、災害を貫く槍なのだ。
己が王国の威信を示さずに一体だれが示すというのか?
どんなに怖くても、どれだけ劣勢でも、自分から折れるわけにはいかない。
怖さを克服し、奮起するために強がりを吐いてでも立ち上がる。
どれだけ傷ついても、愛する民を護るために。
「たった一人で何が出来る?かかれ!」
その言葉を皮切りに一斉に攻撃を繰り出してくる中、己の直感に従って魔法の嵐を掻い潜る。
どれだけ炎弾が襲おうとも、剣の波が押し寄せようとも、堅牢な城壁に防がれようとも、立ち止まるわけにはいかなかった。
自分の愛馬と共に駆け抜け、聖槍を振るう。
針穴に高速で糸を通すかのような繊細で、且つ精密に魔力が弱いところを見つけ出して強引にそこをこじ開ける。
その先には何があるのか―――?
そんな思考すら切り捨てて、如何に敵勢力を削っていくことに意識を向けた。
少しずつ、ほんの少しずつではあるが、飛んでくる魔法が減っていく。
シャムミッドが駆ける背後には仕留めるまではいかないが、意識を奪うことに成功した敵兵が少しずつだが着実に増えていた。
「――ーくそっ!なんだこいつは!?」
「怯むな!ダメージは確実に入っているんだ!恐れず攻撃していれば倒せる!」
一騎当千の活躍を見せてくるシャムミッド。
相手にしている敵からしてみれば恐怖の対象でしかない。だが、それでも戦意が落ちるようなことはない。
明らかに残っている兵力はこちらのほうが何十倍も多いのだ。故に次こそはと魔法を雨あられの様に降りそそいでいく。
「ふぅ―――」
■魔法
“ 最果ての加護 ”
「―――うぉぉおおおおおおおおおおぁぁぁあああああ!!」
聖槍の権限を起動。そして己の魔力を後方へと放出し、ロケットブースターの如き速度で一気に敵の陣を貫く。
圧倒的な推進力を維持しながらの突撃は敵の強固な防壁さえも貫いて後ろに控えていた将を一気に打倒した。
それはまさに圧倒的絶望を引き裂いていく希望の光。
一斉に守られていた国民たちは歓声を上げ、将を取られた敵兵たちは一気に敵意が減少していく。
「ここから去れ!貴様らの将は今、私が打ち取った!!」
他の兵にも聞こえるように声高に宣言し、敵の動揺を誘う。
圧倒的物量、圧倒的優位のなかで司令官を打ち取られた事実で敵は後退して―――
「へぇ、クローバー王国にも面白いやつがいるじゃねぇか。どうだ?俺ともひとつ死合ってみねぇか?」
上空からの一声。
たった一声で敵の戦意が戻り、歓声をあげた。
ここで増援。
先ほどまで歓喜していた国民たちは全員顔を青くしている。
それもそのはずだ。今シャムミッドの眼前で
いかに顔と名前を知らなくても、彼を取り巻く魔力、そして圧倒的威圧感。
それだけで次元が違うと理解してしまうほどの化け物。
それが今回の侵略を率いているのだ。
シャムミッドはすでに満身創痍。
魔力も先ほどの突貫で大多数を使い切ってしまっていた。
「…面白い申し出だな。受け入れよう」
それでも折れるわけにはいかない。
ここで奴を引きとどめておくだけでも王国にとって利となる。
すでに最強が侵略してきているのは上層部にも伝わっているだろう。ならば自分がやるべきことは団長たちが奴を抑えるまでの時間稼ぎなのだ。
最も理想なのはここで打ち取ることなのだが、少なくとも自分の最高の状態で互角に持ち込めるかと言ったレベルなのだ。望みはほぼない。
「――いいねぇ。あの量相手に後れを取らないだけでも相当な玉だとは思ってたが、俺を前にしても勝つ目をするか。気に入ったぜ嬢ちゃん。殺すにゃ惜しい別嬪だが、これもまた戦争なんでね。ここで死んでくれや」
「抜かせ■■■■■■。現を抜かすのは構わんが、その喉元を貫くぞ?」
「はっ!そいつは楽しみだ!!」
互いに駆けたのは同時。
相手はともかくシャムミッドは今持てるすべての魔力を聖槍に注ぎこむ。
それでも足りない。
それほどまでに今の状況は悪かった。
聖槍から生まれる光が、相手の槍から発せられる朱の奔流に呑まれていく。
だがやめることなどできない。突き進む。それしか今のシャムミッドに出来ることはないのだ。
「これは手向けとして受け取りな―――
“
「“
数多の軍を屠り穿つ死の魔槍と城すらも貫きとおす星の兵器。
どちらも使い方では国すらも落とせる最強宝具。
己が信頼する最強の魔法で相手の最強を打ち破る。
その覚悟が生んだ奇跡なのか。いや奇跡なのだろう。二つの魔法はまさかの拮抗していた。
だが当然ながら拮抗状態は長く続かない。
内に秘められた魔力が一気にぶつかりあい、火花を散らす。
それが爆発へと変わるのには時間はかからなかった。
シャムミッドが相手の槍を迎撃する形で上空で衝突していなかったら、今頃地上には大穴が空いていただろう。
それぐらいの広範囲の爆発だったのだ――――
「…コフッ。……ケッ、まさかこんなどんでん返しになるたぁな」
二人の宝具の爆発の中、先に槍が相手を貫いたのはシャムミッドだった。
常人では即死する爆発の中、聖槍の残った僅かな魔力を用いて突貫したのである。
相手は槍を投げているが性質上手元に戻ってくるようになっている。だが流石に爆発を文字通りに突き進んでくるとは思っていなかったのが今の結果を招いたのだ。
当然ながらシャムミッドも無事ではない。
いくら魔力を纏っていたと言えども防ぎきれず、左腕は炭化し、片足も欠けてしまっていた。
美しかった金髪も焼け縮れて目も当てられない姿になっていたのだ。
最初から相打ちに持ち込む覚悟で挑んだシャムミッドに勝利が舞い込んだといってもいいだろう。
「――いや、違うか。完全に俺の落ち度だなこりゃあ…後がない敵ほど戦場では危険なものはないってぇのに、片隅でなめちまってたってことか……」
「はっ、はっ、は……」
槍で貫かれてもなお喋る最強に対して、シャムミッドは息絶え絶え。
ダメージからしても手遅れであり、もう持たないだろう。
「は…わ、私の、勝ち、だ…」
「あぁ、てめぇの勝ちだ“守護騎士”。この、俺に勝ちや…がったんだ。しぶとく生き延びやがれ…」
言いたいことを言い切ったのか、眼前の男は静かに息を引き取った。
それを見届けたシャムミッドも後に続くように崩れ落ちる。
やることはやり切ったのだ。あとはクローバー王国に任せるとしよう。
倒れ伏す二人。
どちらも勝ち負けに関係なく、互いの全力を出せたためか、満足した表情で息を引き取った。
それを見届けた敵兵は驚愕から立ち直り、瞬時に現状を理解した。
そして全員に聞こえるように声を張り上げる。
「ランサーが死んだ!」
『 この人でなし!!! 』
「……夢か」
あまりにもひどい夢の結末に大きくため息をつく。
色々と突っ込みどころが多すぎて、逆に何も言えなくなってしまう。
なんでよりによってケルトの大英霊がいるのかとか、よりによって戦車に乗ってくるんだとか、なんで最後に勝てたのかとかいろいろとあるが最後だ最後。
あれのせいで一気にレベルが落ちてしまった。まぁ夢だからと言えば終了してしまう議論なのだが、ひどい。
乱れていた寝具に気づき、起きるがてらに綺麗に畳む。
侵入者を防ぐための格子がついている窓穴からは朝になったという合図か、日差しが差し込んでいた。
軽くストレッチをしながら、シャムミッドは王国が議論している今後の方針を告げられるまでの間、眺めておくことにした。
周りには人気がなく、魔力を乱す結界が張られている。
物理的に逃げないように鉄格子で隔離され、逃げることは当然ながらできない。
シャムミッドは投獄されている現状を再確認し、次ユリウスに会ったら思いっきりぶん殴ると心に決めた。
今後どんな乳上を見たい?
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獅子王
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下乳上
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バニ上(第一~三霊基)
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あえての青王
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良いから全部使えよハゲ