東方大魔王伝 -mythology of the sun-   作:黒太陽

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第12話 集結の夜に

 

決戦前日、紅魔館・図書館

 

現在、ここには明日の決戦に向け主な者達が集まっていた

 

 

「皆……宣戦布告の通りならソルが攻めてくのは明日になる……」

 

集合をかけたレミリアの言葉に皆の顔が引き締まる

 

(結局……打開策は見つからなかった……)

 

宣戦布告から4日、皆で考えてみたが何も見つからずとうとうこの日まで来てしまった

 

「出来るだけはやった……最後の確認をしておきましょう」

 

もうする事は無い、だから呼んだ

 

明日、成す事の最終確認と覚悟を決める為に

 

 

「特に変更は無いわ、エスタークの時と同じく攻守に分かれる、ただ少数精鋭だったあの時と違い攻め手500、守り手2500、メンバーにも変更は無い」

 

(幻想郷を守るのが本末なのだからこの割合は当然ね、でも……守り手側にも言える事だけどやはり500は少ない……)

 

本当に少なかった

 

仮に敵が月と地上で5千5千の半々に分けていたとしたら地上は2倍、月に関しては10倍にもなる

 

まさに数の暴力

 

(この戦いの終結がソルの討伐に有ると攻め手の500には妖怪と人間から選び抜いた幻想郷最高の500人……)

 

(だけどそれでも足止めが精々……敵の布陣とレベルによっては即座に全滅の可能性もある……)

 

それが質も兼ね備えているのだから尚更に厄介

 

(せめてソルの喉元に向かう剣達が突破出来れば良いのだけど……)

 

レミリアは月に向かう者達を一人一人見る

 

まず頂点を筆頭にフラン、パチュリー、魔理沙、大妖精

 

頂点を多く割いたのはソルの討伐を主にしている為、そこで火力重視のフランと魔理沙を、攻撃もサポートもこなせ知識や熱くなりがちな二人やその他の抑えも兼ねてパチュリーと大妖精を向かわせるのだ

 

続いて輝夜、鈴仙、勇儀、依姫

 

この4人の内、輝夜と鈴仙と勇儀は攻撃能力から抜擢、輝夜と鈴仙に関しては飛行しての突破は難しいと判断された為に元月の民である事から道案内役も務める、そして依姫だが今の月の都を知っているのは依姫だけの為、既存の罠等の仕掛けの知識としての意味でこちらとなった

 

 

(8人……たったこれだけで最終的にはソルを……)

 

改めて思うがやはりあまりにも少ない

 

(全員で幻想郷を守るという手もあったのだけど……)

 

まず幻想郷に来る敵を殲滅し、それから月に向かう案も有った

 

しかしそれは良策に見える愚策

 

質量を兼備する敵の軍勢に押しきられるのは目に見えているからだ

 

それがわかっていたから分けたのだ、ソルを討つまでに凌ぐしか無いと考えて

 

(……その分、守り手に力を割いた、持たせて見せる!)

 

守り手の面々を見ていく

 

まず頂点は自分とチルノ

 

数が多く居る最前線で総指揮を取りながら戦うレミリアは重要な位置に居る、戦局を見ながら指示を出し自らも戦うのだから当然

 

そして頂点最強であるチルノが守り手に居るのはやはりその強さが理由、攻めても強いその力で時間と戦う皆を支えて欲しかったのだ

 

残りのメンバーは必然的に攻め手に回らなかった者達で構成される

 

 

紅魔館からは咲夜、ミスト、ウォルター

 

絶命寸前まで疲労した美鈴がまだ眠りから覚めていない為、紅魔館からは3人、この3人は主に補助を任せてある

 

時止め、リーチのある鋼線、霧での移動のし易さから討ち漏らされた敵を迅速に処理し形勢の均衡を保つ事を目的としている

 

 

白玉楼からは妖夢、幽々子、ロン

 

ここも3人、この内、妖夢とロンは前線にて戦力の削りを主とし軍団長、準軍団長クラスの敵を討つ事が二人の行動方針、幽々子は同じく前線ではあるが1歩下がった位置から陣頭指揮を行い一刻と変化する戦局に対応する事を託されている

 

 

永遠亭からは永琳、てゐ

 

この二人は編成された医療部隊による後方支援の隊長と副隊長、傷ついた前線で戦う者達の回復を担当し1分1秒でも生き長らえさせる重要だが残酷な役

 

 

地獄からは映姫と小町

 

この二人は守りは守りだが戦闘には参加しない言わば特殊部隊、厄介な力を持つある者に対抗する為に二人は地獄にて構える

 

 

守矢神社からは神奈子、諏訪子、早苗

 

当然ながら神奈子は最前線、軍神たる力を持って指揮を取って貰い諏訪子は弾幕部隊を率いて中距離からの火力支援を任せている、早苗は状況に応じて動くがある状況が発生すればそちらの処理に向かう事になっている

 

 

妖怪の山からはにとりと文、更に天魔

 

転移装置が妖怪の山にあるにとりの研究室に有るので故障等の事態に備えにとり自らがロビンと共に装置を守る、文は速さを活かせる鴉・白狼天狗による独立遊撃隊を指揮してより壁を強固に粘り強く保たせる、妖怪の山を統べる天魔には指揮権を持ってもらい妖怪の山の戦力を全て見てもらう

 

更には華扇なども一緒に戦ってくれる

 

 

地霊殿からはさとり

 

さとりは旧都の妖怪達を指揮してくれる、本当は後方で能力による敵の作戦内容を得たり結界での支援に専念して貰い指揮官はさせたくはなかったがどうしても人手が足りずこの役へ

 

 

命蓮寺からは白蓮

 

命蓮寺に集まる妖怪達はほとんどが力の弱い者ばかりだったので魔界に避難して貰っている、そこで白蓮には一輪や村紗等の数名で強い兵、つまり兵士以上軍団長以下の兵士長クラス等を倒して貰い指揮系統の混乱と負担を減らす役目を

 

聖輦船は既に宇宙船へ改修は終わっているが情報が漏れていない事と聖輦船まで守る人員を割けないからと半ば賭けに近い形で無人放置となった

 

 

博麗神社からは霊夢と靈夢、そして龍神

 

霊夢と靈夢は前線で戦って貰う、だが早苗と同じくある状況が発生すればそちらに向かう事になっている、龍神は不可侵聖域の維持の為に博麗神社内で待機、いくら不可侵にしてあるとは言え一番大事な場所を無人放置出来ないからだ

 

 

(加えて……)

 

集まってくれた更なる勇士達を見る

 

 

 

転移装置で補完出来ない分をスキマで補う紫は後方支援、それも最後尾、それだけ重要な位置に居るのだ、他の指揮官が対応出来ない状況に応じてスキマで支援を行い場合によっては即座に月へ誰かを送ったり呼び戻したりしなければならない、だから頂点に次ぐその力は惜しいが支援に徹して貰うのだ

 

その重要度故に藍、橙の自らの式を護衛に付けている

 

 

青娥、正邪、レティ、アリス、霖之助

 

青娥は芳香と共に後方支援を主にし状況によって攻め手を助攻する位置に居る、月に罠が有った場合に能力で突破出来る様に紫にいつでも送られる手筈になっているのだ

 

正邪は本人の頼みから単独行動をする事になっている、理由は敵は真っ向から来るらしいが正邪だけが考えるある疑惑から単独行動を願われ、許されている

 

レティとアリスは幻想郷に魔法使いが少ない事からくる魔法への耐性の無さを補う為に魔法使いへのカウンターとして動いて貰い戦局を白兵戦寄りに持ち込む役目を持っている

 

戦闘能力に乏しい霖之助は神器である草薙の剣の持つ神聖な退魔の力でゾンビや悪霊系の敵が出た場合に処理を任せている

 

萃香、幽香

 

この二人には自由に動いて貰いとにかく敵の数を減らして貰う単機での遊撃を任せた、指揮や誰かを引き連れて戦うのに向かないこの二人を活かすにはこれが一番良かったからだ、攻守で言えば攻に長ける二人なのだがチルノと同じく精神的な主柱になって欲しい理由からこちらに、そして多く来るだろう軍団長クラスの打倒も視野に入れている

 

 

 

(これだけで……)

 

多く割いたと言えどやはり根本的に数が少ない、それに強さにバラつきが有る幻想郷に比べて高く統一された敵、皆が色々としてくれたとは言え状況は始まる前から暗く曇っていた

 

(足りない事だらけ……数は当然、それに今の人数に対して指揮官が少な過ぎる……)

 

数も足らねば人材も足らない、この絶望的な差に対抗するには幻想郷がより強く連携を密にし1つにならないととてもじゃないが対抗出来ない

 

(勝てるのかしら……私達は……)

 

魔理沙の様に考えれないレミリアは不安に顔を曇らせる

 

 

……そんな時だった

 

 

「ここに集まってたのか!!」

 

図書館のドアが勢い良く開き一人の青年と三匹の魔物が入ってきた

 

「カメハ!」

 

皆が注目する中、にとりが立ち上がり名を呼ぶ

 

「悪いにとり!準備に手間取った!」

 

走り寄ったにとりに青年は微笑む

 

カメハ

 

夢現異変でエスタークに騙され幻想郷を攻撃したマルタの国の王子でありマルタの国最強のモンスターマスター

 

「来ちゃったのかよお前……」

 

「当たり前だろ!にとりが危ないってのにじっとしてられるか!」

 

にとりが聞いてみると言った事とはカメハの事だった、夢現異変の後から今も交流を続けているカメハに聞いてみたのだ

 

「でもお前……もう成人してるだろ?王様とか何も言わなかったの?」

 

アレから15年、カメハは立派に成長していた

 

にとりと同じくらいだった背は今や倍近くある、仲間と共に多くの経験を積んだその顔は幼さも抜け凛々しく気品あるまでになっていた

 

「ん?言われたよ、次期国王だからなオレ、そりゃあ猛反対だった!だから「勘当でも何でも好きにしろ!」って止めようとする奴等全員ブッ飛ばしてここに来た!」

 

「バカかよお前……そこまでして来るなよ……」

 

簡単に言うカメハに呆れるにとりだったがカメハは気にしてないとばかりに笑う

 

「当ったり前だろ!惚れた女一人助けられない男になるなら位なんて要らねぇ!お前に勝ってプロポーズするまではお前を死なせないしオレも死なねぇよ!」

 

大胆な発言だったが聞き飽きているにとりは驚きもせず鼻で笑う

 

「ハッ……吹くじゃないかクソガキ……ありがと、恩に着るよ」

 

微笑むのだった

 

 

「と言う訳でオレも手伝うからな!……皆!入ってこい!」

 

カメハが呼ぶとドアから大量の魔物が入ってくる

 

「オレが15年で育てた魔物達だ!全員で500匹!皆しっかり育ってるから充分な力になると思う!ちゃんと意思を確認して連れてきたから好きに使ってくれ!」

 

「……嬉しいけど……本当に良いのね?」

 

「ああ!ここには昔に迷惑をかけたからな!償いをする機会をずっと待ってたんだ!頼む!オレも戦わせてくれ!」

 

「……ありがとう」

 

この加勢は正直に嬉しい

 

500も居てレベルも見るだけで高いのがわかるので戦力としては期待以上のものがある

 

だが繋がりはあるが無関係のカメハを巻き込んでしまうのが心苦しく素直には喜べなかった

 

「貴方の魔物達の中に回復魔法を使えるのはいるかしら?」

 

「勿論いるぜ!100匹が回復魔法を覚えてる」

 

「ではその100は永琳の医療部隊に預けて貰うわ、それで残りの400は貴方に任せる、変に分けるよりはマスターの貴方に指揮を任せる方が動きやすいでしょうから」

 

「わかった!任せてくれ!」

 

カメハがにとりの方へ向かっていくのを見ながらレミリアは複雑な表情を向ける

 

「素直に喜びましょうレミィ?絆が繋がっているからこうして助けに来てくれたのだから」

 

「わかってる、わかってるわよパチェ……でもね……」

 

パチュリーの言葉にまた難しく顔を唸らせた

 

「わかってる、貴方の悩みは指揮官の不足でしょう?」

 

「そう……戦力が増えても今だ圧倒的に劣っているのは変わらない、言うならば私達は壁……壁は1ヵ所でも崩壊すればそこから全てに波及して総崩れになってしまう、だからその壁をより強固に保てる指揮官クラスがどうしても足らないの……」

 

戦いにおいて指揮官とは大事な役目である

 

戦う者は目の前の敵に精一杯で回りが見えないものである、それ故に戦局を見ながら退いたり薄い場所に援軍を向かわせたりなど臨機応変に指示を出せる指揮官は時間稼ぎを目的とする上では必須の人材だったのだ

 

「あと二人……いえ、一人でも良い……誰か居てくれれば……!」

 

それに叶う者は今は誰も居ない、重要な役を持っている者や性格から向かない者達ばかりしかいないのだ

 

あちらを立てればこちらが立たず、かといって不慣れな者に任せれる役でもない

 

「……」

 

レミリアは一瞬で崩壊してしまう様な予感がして唇を強く噛んでいた

 

 

「ならばその役!オレが引き受けよう!!」

 

 

開いたままのドアから大きな男が歩いてくる

 

「ハドラー!!?」

 

現れたのはハドラー

 

別次元に居る平行のハドラーでありレミリアの料理の師であり幾度となく親交を重ねた友の一人

 

「……」

 

聳える様に雄々しく伸びる角が生えた冑と全身を隠すマントを身に付けていたハドラーはバーンの元に向かい膝を着いた

 

「竜術士ハドラー、参上致しました!」

 

仰々しい挨拶にバーンは持っていた酒を置きハドラーを見つめる

 

「問おう……何故来た?」

 

「知れた事!!」

 

即座に叫び立ち上がったハドラーは強き瞳でバーンを見つめ返す

 

「悪魔にも友情があるなら魔族にも友情はある!我が友の危機なれば馳せ参じるのは当然の事だ!そこに打算も迷いも無い!!」

 

ハドラーは更に続ける

 

「貴方の手紙には「幻想郷が危機に瀕している」「もう会えなくなるかもしれん」としか書いていなかった……オレを試されたのですか?オレが臆して来ないと思われたのですか!?」

 

怒りを表すハドラーの問いにバーンは答えた

 

「そうではない、お前は幻想郷とは無関係であり家族も居る……それを思うと助けてくれとはとても書けなかったのだ……」

 

それを聞いたハドラーの怒気は静まり小さく微笑んだ

 

「ならば良いのです……手紙をくれたこと感謝します、貴方がくれなければ知らなかった事を後悔していたでしょう……全霊を持って戦わせて頂きます!」

 

「感謝するのは余の方だ……すまぬなハドラー、ありがたい」

 

椅子から立ち上がったバーンが手を差し出し二人はその手を交わす

 

「時にハドラー、その冑は……」

 

「ええ、オレが魔王軍に居た頃の冑とマントです、こんな事が来る時に備えて暇を見て新しく作っていたのです」

 

「フッ……やはりお前にはその姿が良く似合う」

 

互いに微笑み合うとハドラーはマントを翻しながら言う

 

「聞いての通りだ!オレも参戦するぞレミリア!」

 

「……話はなんとなくわかったけど……」

 

レミリアはバーンをジト目で睨む

 

勝手に助っ人を、それも無関係なハドラーに相談も無く勝手に頼んでいた事がレミリアが不機嫌な理由

 

カメハ同様、巻き込みたくなかったのだ

 

「魔王であり魔軍司令だったハドラーの指揮能力は確かだ、余が保証しよう」

 

謝る素振りも見せないバーンが言い放つ

 

「……もう!わかったわよ!よろしく頼むわハドラー!」

 

「良いだろう……幻魔司令として存分に戦ってやろう!」

 

ここに魔軍司令改め幻魔司令ハドラーが仲間になった

 

 

「……バカ」

 

小さく呟いたレミリアの罵声、バーンを許す気は無いらしい

 

 

「諦めいレミリア!バーンはああいう奴じゃろう!」

 

 

肩にポンと手が置かれる

 

「だとしても勝手に無関係な者を連れてくるなんて許せないわよ忍!」

 

反射的に返したレミリアが一瞬止まる

 

「……え?忍?」

 

振り向く

 

「久しぶりじゃのレミリア!」

 

吸血鬼の友、忍野忍がそこには居た

 

彼女もハドラーと同じく平行世界の住人、その昔に暦と共にこちらの幻想郷に迷い混みレミリアと死闘を演じた限り無く近く、極めて遠い世界に居る怪異の王の成の果て

 

「来てやったぞ大魔王!」

 

「……すまぬなキスショット、感謝する」

 

「その名はやめい」

 

軽く挨拶を交わす二人

 

「まったく手の込んだ事をしてくれたもんじゃのう……消えていた儂の記憶を甦らせてからの手紙……相応の事態なんじゃろうな?」

 

「敵の軍力はこちらの3倍以上、そして率いるのは平行世界の余だ」

 

「ほぅ……こんな超絶美人でプリティで可憐で可愛い幼子に頼るとはどんな事かと思えば……なるほどのぅ、納得のいく事態じゃな……それより準備は出来とるのか?」

 

「当然だ、抜かりない」

 

「カッ……やはり来る前提ではないか」

 

「フッ……一応否定はしておこう」

 

互いに苦笑する

 

 

「バァァァァァァァァァァァン!!」

 

 

レミリアがバーンに詰め寄った

 

「どうして!?ハドラーはともかくなんで忍まで呼んだのよ!!」

 

「……」

 

バーンは答えない

 

「おいレミリア?オレはともかくとはどういう意味だ?」

 

「少し黙っていろハドラー……殺されたいのか?」

 

「す……すまん……」

 

憤怒の形相にハドラーは恐れおののいている

 

「よさんかレミリア、バーンは儂にも助けろとは一言も書いておらんかった、来たのは儂の意思じゃよ……少々卑怯な手ではあったがのぅ、アレでは助けを求めるのと何ら変わらん」

 

忍に諭されて少しだけレミリアの気が鎮まるもそれでもせいぜいカム着火インフェルノォォォオウから激おこぷんぷん丸くらい

 

つまり滅茶苦茶怒っている

 

「許せレミリア、そして幻想郷の皆よ……余はここが滅び……お前達が死ぬ光景など見たくないのだ……満足に動けぬ余に出来るのはこんな事だった……賭けるしかなかったのだ……すまぬ……」

 

頭を下げたバーンにレミリアは罵声を浴びせる次の言葉が出せなかった

 

例え万人から蔑まれようと、後世に汚名を残そうとそれでも幻想郷の為なら、そして何より自分達6人を想ってくれているのを言葉から辛い程に感じてしまったからだ

 

「それぐらいにしておけレミリア……オレ達は自らの意思でここに来た、何の気遣いも要らん……オレ達の命……幻想郷に預ける」

 

「そうじゃそうじゃ!いつまで怒っとるレミリア!方法や過程なぞどうでもよいのじゃ!要は勝てば良いのよ勝てばの!」

 

ハドラーと忍が言う

 

「諦めろってレミリア……もうこれ以上言ってもお前の独りよがりだぜ、諦めて明日の事考えようぜ?な?」

 

「ね?そうしましょうレミリアさん?」

 

魔理沙と大妖精にも言われる

 

「……うー……」

 

許し切れないレミリアは頬を膨らませながらバーンへ軽いパンチを何度も放つ

 

「……バカ」

 

小さなお仕置きでバーンは許されたのだった

 

 

「もういいわ!咲夜!食事を出しなさい!会議と一緒に前祝いをするわ!」

 

 

半ばやけになったレミリアの号令で集まった者達による食事会となった

 

 

「オレが作った超魔爆炎ドーナツを持ってきた、良ければ食うがいい」

 

「なんと!?儂食べる!ムグムグ……うまっ!うまいの!っていうかぱないの!え?何コレ?美味すぎ!」

 

「気に入ってくれて何よりだ、まだまだ有るが人数が多いからな……あと1つか2つだけにしておけよ」

 

「阿呆!1つや2つではない……全部じゃ!全部寄越せぃ!」

 

「ダメだ、皆の分は残しておけ」

 

「イヤじゃー!儂が全部食べるんじゃー!」

 

(……レミリアといいドーナツ好きのこの忍といい、吸血鬼は変な奴しかいないのか?)

 

「はよ寄越せぃ!」

 

「……皆に内緒で食べろよ」

 

「っしゃあ!!ハドラー大好き!!」

 

「やれやれ……」

 

 

 

「はいロン・ベルクさんあーん!」

 

「ふざけるなよ妖夢、誰がするか……少しハドラーに用がある、席を外すぞ」

 

「あ~ん……やっぱりやってくれない……夢なのにぃ……」

 

「ちっ……勝ったらやってやる」

 

「!!?本当ですか!!」

 

「……だから負けるなよ」

 

「~~~ッハイッ!!」

 

 

 

「あ、そうだ、ねぇ大ちゃん?ルーミアはどうしてんの?」

 

「食べ物届けに行った時チルノちゃん見なかったっけ?ルーミアちゃんは危ないから魔界に避難して貰ってるよ!慧音さんが見てくれてるよ!」

 

「そうだっけ?まっとーぜんよね!ハッキリ言って明日の戦いには着いてこれないだろうからとーぜんね!!」

 

 

 

「ウォルター久しぶり!」

 

「ええ、久しぶりですねカメハ」

 

「門にミストが居たぜ!つーかよく考えたらさ、オレとウォルターとミストってトリオ組んでたよな」

 

「そういえばそうでしたね、そう思うと妙な気分です……幻想郷を攻めて美鈴さんに一蹴されたあの時の3人が今は幻想郷を守る為に力を合わせるのですから」

 

「だな、人生何が起こるかわからないよな~」

 

「可能性は無限……という事でしょう」

 

 

 

「靈夢、早苗?わかってるわね?」

 

「はい霊夢様、確定的な動きが有り次第、映姫様達が拘束……確認次第、私達が動く……完璧です!」

 

「変なTシャツヤローなんて私が神に代わってお仕置きです!……あ、あっちも神だった……とにかく倒せば良いんでしょ?やってやりますよ!」

 

「……あんたが一番心配なんだけど早苗?もし負けたら守矢神社の賽銭没収するからね」

 

「じゃあ霊夢さんが負けたら博麗神社の賽銭貰いますね!あ!貰う程無かったですね!ごめんなさい!早苗ちゃんたらうっかり!てへぺろ♪」

 

「靈夢、レミリアに伝えてきなさい……早苗は死んだってねぇ!ぶっ殺すぞゴルァァァァ!!」

 

「やめてください霊夢様!早苗さんも煽らないでください!」

 

 

 

「えーと……ハドラーにここを担当して貰ってカメハはここに……忍はどうしようかしら……ああもう……」

 

「余り根詰めぬ様にな、明日に障ってしまう」

 

「誰のせいでこうなったと思ってるのよ!バカー!」

 

「もうバーンは酒でも飲んで黙ってて……手伝うわレミィ、紫と永琳も来て一緒に考えて」

 

 

気付けばもう夜になっていた

 

 

 

 

その日は幻想郷が一番静かな夜だったのかもしれない

 

 

 

 

「……」

 

こんな時でも門番に務める黒い霧の魔族

 

「……」

 

いつもなら話し相手が居るのに今日も居ない、無言のまま寂しく今日は十六夜の月を見上げる

 

「お疲れ様ですミスト」

 

背後から声をかけられ内心驚くも何でもない体を装う

 

「……気配を絶って来るなといつも言っている」

 

「ふふ~ん♪」

 

実は驚いていた事などお見通しの同僚の女性は上機嫌に隣で笑ってる

 

「……もういいのか?」

 

「ええ、たくさん寝たのでもうバッチリです!」

 

「ならよかった」

 

二人は少し沈黙する

 

「明日は戦うのか?」

 

「勿論ですよ!さっきお嬢様と相談して鈴仙と変わって貰いました、明日はガンガン攻めますよ~!ミストとは離れますけどね」

 

「そうか……」

 

また沈黙が訪れ、魔族が話し出した

 

「おそらくお前はあの妖怪と戦う事になるだろう」

 

あの妖怪とは戸愚呂の事

 

「……それは予感ですか?」

 

「そうだ……そこでお前に頼みがある、聞いてくれるか?」

 

女性はよくわからないが真剣な言葉に茶化さず頷く

 

「勝ってくれ」

 

魔族が願ったのは女性の勝利だった

 

「あの妖怪が生半可な敵ではないのは知っている、お前が勝てるか怪しいと思っているのも承知している……だがそれでも……勝ってくれ」

 

女性は返事を帰さず魔族を見つめる

 

「もうお前が負ける姿を見たくはないのだ……」

 

魔族にとって女性は同僚であり武術の師、その師は一度敗北を喫している、自分が足を引っ張ったのが原因でそうなった

 

「お前は不敗で在り続けて欲しい……」

 

あの時は相手が複数であり魔法使いも居た、女性が掲げた格闘戦において不敗の志には当てはまらない事だったが女性を強く尊敬する魔族にとっては敗北した姿は一番見たくない姿だったのだ

 

「……」

 

魔族には自分の名を二つ名にした霧の鬼という盟友が居る、ハドラーという平行の友も居る、そして女性も間違いなく友であると言える

 

だが魔族にとって女性は特別な存在だった

 

いつも同じ場所で同じ時を過ごした女性との時間は長く濃い、僅か10年だが自分の主より長く一緒に過ごし、共に深い絆を育てた自覚さえある

 

だから頼むのだ、勝ち続けるのが誇らしい師の姿であり、大事な親友の好きな姿でもあったから……

 

「……勝ちますよ」

 

女性は力強く、でも優しく微笑んだ

 

「勝って証明してみせます、貴方が選んだ師は負けないという事を!」

 

魔族の想いを察した女性は誓って見せた

 

慕ってくれる弟子の為に

 

「と言うかミストと交代して戦略的撤退しただけで負けてませんからね?」

 

「……」

 

「ちょっとミストー!聞いてます?」

 

「……わかったから早く明日に備えて調整していろ美鈴、番は私がしておいてやる」

 

「あー!今の面倒くさいから出たわかっただ!もー!」

 

何より大事な人に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

皆が賑わう中、一人寡黙に食事をしていた幽香

 

「……」

 

難しい顔で誰も寄せ付けない雰囲気を出している、その表情には不安の色が見えていた

 

「どうしたんだい幽香?浮かない顔して?」

 

そこに萃香が話しかける

 

「……別に何も無いわ」

 

「嘘いいねぃ、なんか気掛かりな事があるんだろう?」

 

頂点とバーンに比べたら幽香とは萃香の付き合いは短い、だが萃香は気付いていた、幽香が何か大事な事を不安に思っている事に

 

「……無いと言ってるでしょ」

 

食事を残して幽香は席を立ち何処かへ行ってしまった

 

「ふぅん……」

 

残された萃香は残していった食事を摘まみながら考える

 

「ああ……」

 

親友の萃香にはすぐにわかった

 

(あんたが不安なのはあそこかい……そりゃそうか、あんたにとっては私と変わらないくらい大事な奴等だもんねぇ……だけど我儘になるから言えないのね、ハッ……皆を気遣うなんて随分と丸くなったもんだよ本当に……)

 

それが妙に嬉しくて一人笑う

 

(しょうがない……一肌脱いでやるかね、私一人くらい少々勝手しても……マズイけどまぁいいか)

 

大魔王を注ぎ飲み干す

 

「……あん?」

 

気分良く酒盛りをしているとレミリア達の居る辺りが騒がしいのに気付く

 

 

「どうして私が入ってないんですか!?」

 

 

ルナがレミリアに怒鳴っていた

 

「わからないの?」

 

「わかりません!なんでですか!?」

 

明日、戦うメンバーの中にルナは居ない、だから抗議していたのだ

 

「貴方10歳なのよ?まだ早いわ、魔界に避難してなさい」

 

「嫌です!!」

 

ルナは引き下がらない

 

「私だって皆を守りたいんです!戦います!」

 

ルナは皆と一緒に戦いたかった、幻想郷が大好きで修行してきた彼女がじっとしているなど出来る筈がなかったのだ

 

「お母さんが帰ってくる場所を守りたいんです!」

 

同時に母への強い想いもあるから尚更退かない

 

「ダメよ、貴方を危険な目には会わせられない……もし貴方に何かあったら妹紅に顔向け出来ない、貴方の気持ちもわかるけど大人しく避難してなさい」

 

まだ子どもでありまともな命のやりとりすら経験していないルナを戦わせるつもりなど誰にも無かった

 

それが大切な友である妹紅の娘なら尚更だった

 

「嫌です!!」

 

諭すがルナに引き下がる気配は無かった

 

「ほらほら我儘言うもんじゃないよルナ」

 

そこに来たのは聞いていた萃香

 

「私……避難なんて絶対しませんからね!」

 

萃香の言葉も無駄だった

 

「皆を守る為なら命だって懸けてやります!!」

 

覚悟を叫ぶ

 

命すら懸ける、それだけの覚悟を言葉に乗せたのだ

 

それを聞いた皆は困ったと顔を見合わせる

 

しかしその中で……

 

「……あんた今なんつった?」

 

萃香だけは違った

 

「命を懸ける……そう言ったかい?」

 

冷めた怒気が立ち登っていたのだ

 

酒を飲みながらルナへ寄っていく

 

「……飛ぶのも満足に出来んような10やそこらの雛鳥が利いた風な口を叩くんじゃないよ」

 

増大していく怒気にルナは後退ってしまう、ルナは萃香の怒ったところをまだ見たことがなかったのだ

 

「なぁルナ……」

 

いつも飄々として優しい姿からは想像も出来ない威圧感に口を閉ざされる

 

「その言葉はね、覚悟を決めた強い奴だけが許される言葉なのさ……覚悟のかの字も知らん様な餓鬼が調子に乗るんじゃない」

 

萃香の怒りに空気が凍り静寂が包む図書館

 

「わ……私も戦います……!」

 

震える声でルナは言った

 

「わからん奴だね、足手纏いだって言ってんだよ、弱っちぃあんたが敵う相手じゃないんだよ、あんたを気にする余裕なんて誰もありゃしない地獄の場所に明日、幻想郷(ここ)は変わるんだ……死ぬよあんた」

 

「か、覚悟は……出来てます!」

 

ルナは言った、それは子ども故の意地か生死を理解して出た覚悟の言葉なのかきっと本人にもわかっていない

 

「そうかい……」

 

溜め息を吐いた萃香が目を閉じる

 

 

ズッ……!!!

 

 

目を開いた瞬間、怒気が殺気へ変わった

 

「なら今殺してやるよ、どうせ明日死ぬんだ……邪魔にならない内に死んだ方が楽で良いさね」

 

猛る妖気と冷酷な殺気がルナに向かう

 

「あ……ぅぅ……」

 

体が強く震える、足もガクガクと震え僅かでも気を抜けば崩れてしまいそう

 

「どしたいルナ?さっきまでの威勢はどうしたんだい?」

 

ルナにとって初めて受ける剥き出しの殺意、それを幻想郷で恐れられる鬼から、それもその鬼からも鬼神と畏れられる霧の鬼からの冗談無しの殺意

 

普通なら気が狂ってもおかしくない、10歳のルナなのだから尚更

 

「ちょ!ちょっとマズイですよ!?止めましょう!!」

 

大妖精が慌てふためいている、他にも何人か止めようと動き出そうとしている

 

「心配は要らぬ、黙って見ていろ」

 

バーンが止める、その顔は期待しているような楽しそうな顔だった

 

他にも萃香を良く知る者は見守っている

 

「……ふん」

 

幽香に至っては目も向けず口元だけが笑っていた

 

「最後にもう一度聞いてやるよ、大人しく避難するか今私に殺されるか……好きな方を選びな」

 

目の前でルナは問われた

 

この距離なら誰かが止める前に萃香はルナを確実に殺せる、抵抗など出来ず一瞬で……それだけの差が二人には有る

 

「わ……私……は……」

 

怖くて涙が浮かぶ、震えも限界で崩れる寸前

 

「私っ……!は……!」

 

確実な死を前にそれでもルナは……

 

 

「戦いますッ……!!」

 

 

言った

 

幻想郷を、皆を守りたいと

 

 

「……じゃあねルナ」

 

萃香は拳を構えた

 

「ッッ!!?」

 

死を確信してルナは目を閉じた……

 

 

 

 

 

 

「な~んて……ねっ!」

 

 

 

 

 

「……えっ……?」

 

 

 

 

 

 

ピンッ!

 

 

 

 

 

「イタッ!!?」

 

 

目を開けたルナはデコピンされた

 

「ハッハッハー!……構わないだろうレミリア!?」

 

ルナの肩に手を置いて萃香はレミリア達に叫んだ

 

「私が保証する!!」

 

「ふえっ……?ふぁっ!?」

 

続けて叫ぶ萃香に訳がわからないと顔を振るルナ

 

「そうね……あんなの見せられたらしょうがないわね、変に魔界から脱走されても困るしねぇ」

 

呆れた様にレミリアは許可を出した

 

「……何がどうなってるんですか?」

 

「それは貴方が……」

 

答えようとすると萃香がルナを引っ張った

 

「あんたが覚悟を示したからさ!」

 

さっきまでが嘘みたいなとても嬉しそうな笑顔で萃香は笑っていた

 

「あんたは幻想郷の為に戦いたいって本物の覚悟を見せた……怖さから逃げなかった、自分の心に嘘をつかなかった……恐怖を前に進む勇気を見せた、だから一緒に戦う事を許したのさ」

 

萃香はルナの覚悟を試したのだった

 

命を懸ける覚悟が口だけなのか、本当に死ぬという事を理解して言っているのかを知りたかったのだ

 

本気の殺意を見せて覚悟を見た、逃げるならそれもまた良し、まだ10の子どもなのだから勢いで言っていたなんて気持ちはわかる、鬼に嘘をついた事になるから付き合い方は多少変わるだろうが責めるつもりは無かった

 

だがルナは曲げなかった、恐怖に屈しない強い心と勇気で進んできた、覚悟を見せた

 

それが嬉しく思うから萃香は上機嫌だったのだ

 

「ルナ……さっき萃香も言ってたけど明日の私達は余裕が無い……この意味がわかるわね?」

 

「……自分の身は自分で守れって事ですか?」

 

「そういう事よ、一緒に戦うのなら貴方は皆と対等……自分の事は自分で責任を持つこと、つまり死んでも知らないって事ね、わかった?」

 

「……はい」

 

ルナは頷いて見せた

 

「貴方がどちらへ行くかは考えてみるわ」

 

そう言うとレミリアは微笑む

 

「格好良かったわよルナ、流石は妹紅の子ね」

 

「……ッ!!」

 

言われてルナは先程の恐怖を思い出し泣きそうになっていた情けない自分を見られていたのが恥ずかしくて涙が浮かぶ

 

「~~ッ!!」

 

その場から逃げるように走って行った

 

「……ふむ」

 

バーンは走るルナの背を見ながら微笑んでいた

 

 

「ルナが行くなら私も行くわ!!」

 

「青娥?いきなりどうしたの?」

 

「ルナが魔界に避難するのなら今までで良かったけど戦うなら話は変わるわぁ!娘を守らなくちゃならないもの!」

 

「……娘?」

 

「ええそうよ!妹紅の娘は私の娘!親が子を守るのは当然の事でしょう?」

 

「……ツッコミどころが有り過ぎてヤバイわね、いつ貴方が親になってたのよ……あ、ヤダ……頭痛が痛い……」

 

「じゃあそういう事だから私と芳香はルナと一緒でお願いね!」

 

「あっ!?ちょっと青娥!?……うー……胃もキリキリする……」

 

「耐えてレミィ……一緒に考えるから頑張って」

 

「うー……!うー……!!」

 

頭を悩ませるレミリアだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館・バルコニー

 

「……」

 

落ち着いたルナは御守りを見つめていた

 

(お母さん……私……頑張るから!)

 

行方不明の母に一人誓いを立てる

 

(だから……見守ってて……!)

 

するとその時、御守りに異変が起きた

 

(え……光っ……)

 

 

「ここに居たかルナ」

 

 

同時にかけられた声にルナは振り向く

 

「バーンさん……」

 

来たのはバーンだった、驚くルナを尻目に椅子へ座る

 

「先の覚悟……見事だった」

 

褒める言葉を向けるがルナは困惑している

 

(バーンさんが……初めて話しかけてきた……)

 

今まで自分に関心を持ってくれなかったバーンが話しかけてきたのだ、何故急にと不思議で堪らなかった

 

「……妹紅との約束だ」

 

察したバーンが先に答えた

 

「お母さんとの……?」

 

「そうだ、お前がまだ赤子の時の事だ……悪戦苦闘をしながらお前を育てている時、あやつは余に言ったのだ」

 

記憶の言葉を思い出す

 

 

『こいつには好きに生きて欲しい、でも……こいつが成長してさ、生き方なんて決める時に……もし私と同じ生き方をしたい、って言って本気だったらさ……少しで良いからお前も面倒見てやってくれよ』

 

『……いいだろう』

 

それが10年前に交わした約束、ルナがもし自分と同じ生き方をするのならその時は頼むと妹紅は願い、バーンは承諾していたのだ

 

「お前は真の覚悟を示した、気高き不死鳥の魂を見せた……もう子ども扱いはせん、仲間として認めてやろう」

 

「……ハイッ!」

 

幻想郷を幾度となく救った偉大な人から認められた事が嬉しくてルナはより一層負けられないと思う

 

「先程、レミリアの最終決定が下った、お前は月に向かう事になった」

 

「月に……ですか」

 

「そう気負う事は無い、月と地上などお前には死地には変わらんのだからどっちがと言う事は無い……酷な言い方になるが誰もお前に期待はしておらぬと言う事だ、何故だかわかるな?」

 

「わかってます……私はまだまだ弱いですから、でも!負けません!」

 

「フッ……どこからその根拠が出るのか知らぬがその意気込みや良し、か」

 

バーンの瞳が寂しくルナを見る

 

「困難に立ち向かう優しき勇気……まるでお前は……」

 

ルナを見る際、時折見せる寂しい瞳

 

バーンは妹紅を見ていたのだ、日に日に似てくるルナに友の姿を

 

「……認めた今こそお前から直接聞こう」

 

そしてバーンは一番の目的を聞く

 

「あの日……2年前のあの日、一体何があったのだ……?」

 

それは妹紅が消えた事件の事

 

話は聞いていたが当事者であるルナを認めた今だから直接聞きたかったのだ

 

「……わかりました」

 

大きく深呼吸をすると十六夜の月の下でルナは語り始めた

 

 

 

幻想郷の頂点の一人「皇帝不死鳥」が消えた日の事件の事を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まだ前夜は続きます。

書いてて思ったのが幻想郷側が多過ぎる……書いとかないといけない事もあるしとにかく多い……

投稿は1~2週間を目標にしていますが来週から出張になったのでもしかすると投稿が遅れるかもしれません。

次回も頑張ります!

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