レジスタンス本部
「くっ・・・ダイヤ校のレジスタンスは全滅か・・・」
レジスタンスのリーダー、ユートはその報告に悔しげに顔を歪ませる
アカデミアの侵略に対抗するために結成されたレジスタンス
しかし、それまで戦いなど想定したことも無かった彼らには圧倒的に知識も経験も不足していた
「偵察班は問題ない、アカデミアを3人カードにしてやった」
それを言うのはユートの親友、黒咲隼だ
「食糧調達班・・・アカデミアに襲われてリーダーが負傷し、戦闘不能・・・」
そう報告するのはアレン
食糧調達班のリーダーはここにはいない
アカデミアとの交戦で傷を負い、医務室に運ばれている
「負傷だと?カード化はされなかったのか?」
隼が問いかける
「あっ、と・・・またアイツが助けてくれて・・・」
「例のアカデミアの脱走兵か」
ユートが答える
アカデミア脱走兵、リョウジに付けられたレジスタンスからの通称だ
アレンが提案しようとする
「なあユート、アイツなんだけど・・・俺達の仲間に・・・」
「駄目だ!」
それを遮ったのは隼だ
「奴は所詮アカデミアだ!俺達がどれだけアカデミアに苦しめられてるか分からないお前ではないだろう!」
「そ、それはそうだけど・・・」
激昴する隼の前ではこれ以上は続けられなかった
「・・・うん」
ユートは腕を組み、考え込む
「彼と一度話をしてみるか」
「正気かユート!?奴は!」
「分かっている、彼はアカデミアだ、けど、アレン以外にも赤服のアカデミアに救われた報告がいくつかあった、話が通じない相手ではないと思う」
「しかし!」
「なにより、今のままじゃレジスタンスはジリ貧だ、現状を変える一手が欲しい」
「・・・分かった、だが俺も同行しよう、奴の目的がリーダーであるお前だと言う可能性もある、護衛は必要だろう」
組織を潰すためにリーダーを狙う、使い古された戦法、しかし有効な戦法だ
「いや、俺一人でいく」
「・・・本気で言っているのか?」
「ああ、彼の信用を得るためにも俺一人でいく」
隼がユートを睨みつける
ユートは怯まずに睨み返す
「・・・分かった」
やがてユートは折れないことを察した隼が折れた
かつてデパートがあった荒れ地
そこにリョウジは腰を落ち着けていた
脱走兵になってから10日程たったが、なんとかなってはいる
自身を狙うアカデミア兵は言わずもがな、レジスタンス狙いのアカデミア兵も確認できる範囲では撃退できている
生活だが、町の残骸から使えそうなものを拝借してやりくりしている
不便ではあるが、贅沢を言える立場でもないから我慢だ
「・・・だれだ、出てこい」
客人が来たことを察し、決闘盤を構える
「待ってくれ」
黒と紫のナスみたいな色合いの頭の男が現れた
「っ!?ユーリ!?」
その顔を見て警戒のレベルを最大まで引き上げる
「ユーリ?」
しかし次の瞬間には、別人だと分かった
髪型も違う、服装も違う、そしてなにより、あのニヤケ面じゃない
なのに一瞬あいつを思い出してしまった
「俺はレジスタンスのリーダーをしているユートだ、君と話をしたい」
「・・・いいだろう」
決闘盤を下ろした
「改めて自己紹介しよう、俺はユートだ」
「俺はリョウジだ」
簡単に自己紹介を済ませる
「話とは何だ?」
「単刀直入に言おう、君にレジスタンスに入ってもらいたい」
「・・・正気か?」
脱走兵とはいえアカデミアだった自分をレジスタンスに勧誘してきたことを驚きを隠せなかった
「俺たちの敵は共通している、そしてレジスタンスは今少しでも戦力が欲しい、頼む」
「・・・仲間になることは構わない、だが」
「無論、レジスタンスにも君をよく思っていない者がいることは分かっている、そこは俺がどうにかする、信じてほしい」
反論しようとしたら先に潰された
「・・・少し考えさせてほしい」
「ああ、構わない」
レジスタンスに入った場合のメリットは組織として行動できること、個人として行動するには限界があるが、組織で動ければやれる事は大幅に広がる
デメリットは後ろからの攻撃にも気をつけなければならないということだろう、レジスタンスにはアカデミアへの怒りが異常に強い奴もいる(数日前にも襲われた)仕方ないとはいえ、そういった者の怒りの矛先が自分に向くことも覚悟しなければならない
断った場合はどうだろう、メリットは・・・特には思いつかない、やはり個人よりは組織の方が目的達成に近づく、幸い、共にアカデミア打倒を掲げているため、協力出来るだろう
デメリットは・・・完全に孤立すること、レジスタンスからも要注意人物として狙われるかもしれない
「・・・分かった、レジスタンスに入ろう」
「そうか!でも意外だな、こんなにあっさりOKしてくれるなんて」
「メリットとデメリットを天秤にかけただけだ、お前が何とかすると言ったんだ、その言葉を信じさせてもらう」
「ああ、任せてくれ、それと・・・」
「なんだ?」
「決闘をしよう」