デパート跡地の広場
かつては賑やかだったここもいまは瓦礫の山になっている
「すまないな、こちらから誘っておいてなんだが、俺は君の決闘を見たことが無い、だから君の実力を知っておきたいんだ」
「構わない、俺もレジスタンスのリーダーの実力を知っておきたかったからな」
互いに盤を構える
「久しぶりに気負わずに決闘が出来る」
ユートが苦笑しながらそう言った
「俺もそうだな」
「まぁ、どうせやるなら、楽しくやろう」
「楽しく・・・そうだな」
「「決闘!」」
リョウジ LP4000
ユート LP4000
「先行は譲ろう」
リョウジがそう言う
「・・・ならばお言葉に甘えさせてもらおう、俺はカードを3枚伏せてターンエンド!」
「動かないか・・・ドロー!」
リョウジ 手札6枚
「俺はプロトサイバードラゴンを召喚!」
プロトサイバードラゴン 攻1100
「プロトサイバードラゴンは場にいる時サイバードラゴンとして扱える!」
「罠発動!針虫の巣窟!」
ユートが罠を発動させる
「デッキの上から5枚のカードを墓地に送る」
「墓地利用デッキか・・・俺は融合を発動!」
融合と聞いた瞬間、思わず身構えてしまったユート
ユートの友人程では無いにしろ、エクシーズ次元の人間は融合に対して苦手意識を持ってしまっている
「場のプロトサイバードラゴンと、手札のサイバードラゴンを融合!」
2体の機械龍が混じり合う
「進化する機械龍よ、仮初の機械龍と一つとなりて、二筋の閃光を生み出せ!融合召喚!レベル8、サイバーツインドラゴン!」
サイバーツインドラゴン 攻2800
「サイバーツインドラゴンは二回攻撃ができる、いきなりだが行かせてもらう、サイバーツインドラゴンで直接攻撃!」
機械龍が口にエネルギーを溜める、しかしそれが放たれることは無かった
「罠発動!幻影霧剣!」
輪郭がぼんやりとした剣がサイバーツインドラゴンに突き刺さり、サイバーツインドラゴンの体が、霧のように希薄になる
「サイバーツイン!」
「幻影霧剣の効果で対象モンスターは攻撃できず、攻撃対象にならず、効果は無効化される」
「ちっ、カードを一枚伏せてターンエンドだ」
やはりレジスタンスのリーダー、そう簡単にはいかない
「俺のターン、ドロー!」
ユート 手札3枚
「俺はマジックプランターを発動、幻影霧剣を墓地に送り二枚ドロー、さらに墓地の幻影霧剣の効果、墓地から除外する事で墓地の幻影騎士団を特殊召喚する、墓地より幻影騎士団サイレントブーツを特殊召喚!さらに手札から幻影騎士団ダスティローブを通常召喚!」
幻影騎士団サイレントブーツ攻200
幻影騎士団ダスティローブ攻800
レベル3モンスターが2体並ぶ、融合次元ならともかく、エクシーズ次元で同じレベルのモンスターが並ぶことは、条件が整った事を意味する
「レベル3が2体・・・来るか」
「俺はレベル3のサイレントブーツ、ダスティローブでオーバーレイ!」
2体のモンスターが紫の光球になって穴に吸い込まれる
「戦場に倒れし騎士達の魂よ、今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ!エクシーズ召喚!現れろランク3、幻影騎士団ブレイクソード!」
幻影騎士団ブレイクソード攻2000
「ブレイクソードの効果!ORUを一つ使い、自分と相手の場のカードを一枚づつ破壊する!俺は残った伏せカードとサイバーツインドラゴンを選択!」
伏せてあった幻影死槍と共にサイバーツインドラゴンが破壊される
「くっ・・・サイバーツインに何もさせないとはな」
「行くぞバトルだ!ブレイクソードで直接攻撃!」
リョウジの場はがら空き、このままではライフ半分持っていかれるが
「罠発動!ガードブロック!ダメージを0にしてカードを一枚引く!」
「凌がれたか・・・やるな、ターンエンドだ」
「そっちこそ、俺のターン、ドロー」
リョウジ 手札4枚
「相手の場にのみモンスターがいる時、サイバードラゴンは特殊召喚出来る、こい!サイバードラゴン!」
サイバードラゴン 攻2100
「バトルだ、サイバードラゴンでブレイクソードを攻撃!エボリューションバースト!」
機械龍の口から放たれた光線がブレイクソードを撃ち抜く
ユート LP4000→3900
「だがブレイクソードはタダではやられない!ブレイクソードが破壊された時、墓地から幻影騎士団を2体選び、レベルを1つ上げて特殊召喚する!甦れ、ダスティローブ、サイレントブーツ!」
幻影騎士団ダスティローブ ☆3→4
幻影騎士団サイレントブーツ☆3→4
「幻影騎士団は倒れない!」
「レベル4のモンスターが2体・・・か」
ユートは間違いなくエクシーズ召喚を決めてくる
しかし今の手札では追撃はできない
「カードを一枚伏せてターンエンドだ、こい!」
「俺のターンだ、ドロー!」
ユート 手札4枚
「俺はレベル4となったダスティローブ、サイレントブーツでオーバーレイ!」
先ほどと同じように穴の中に吸い込まれて行く2体のモンスター
しかし感じるエネルギーは先程よりも大きく、強いものだ
「漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今降臨せよ!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4!ダークリベリオンエクシーズドラゴン!」
漆黒の竜が咆哮と共に姿を現す
「こいつがお前のエースか?」
「そうだ、俺が最も信頼するエースだ、ダークリベリオンの効果!ORUを二つ使い、相手モンスターの攻撃力を半分にし、その数値分攻撃力を上げる!トリーズンディスチャージ!」
ダークリベリオンの翼が開き、サイバードラゴンのエネルギーを吸収する
サイバードラゴン 攻2100→1050
ダークリベリオンエクシーズドラゴン 攻2500→3550
「バトル!ダークリベリオンでサイバードラゴンを攻撃!」
雷撃が顎の突起に集まり、ダークリベリオンが飛翔する
「反逆のライトニングディスオベイ!」
「速攻魔法、ハーフシャット!モンスター1体の攻撃力を半分にして戦闘破壊耐性を与える!」
「それでもダークリベリオンの方が攻撃力は上だ!」
「誰がお前のモンスターに使うと言った?俺はサイバードラゴンを対象にこの効果を発動する!」
サイバードラゴン 攻1050→525
半分になった攻撃力が更に半分になり、リョウジを大ダメージが襲う
「くっ!」
リョウジ LP4000→975
「ダメージを増やしてでもカードを残したか・・・俺は墓地のサイレントブーツの効果、及びラギッドグローブの効果を発動!」
ダークリベリオンの効果で墓地に行ったカードが使われる
「除外することでそれぞれファントムと名のつく魔法罠、幻影騎士団と名のつくカードを手札に加える、俺は幻影霧剣と幻影騎士団ロストヴァンブレイズを手札へ加える、カードを二枚伏せてターンエンド」
サイバードラゴン 攻525→1050
ハーフシャットで下がった攻撃力が戻る、だが、ダークリベリオンに奪われた攻撃力は戻らない
「俺のターン・・・ドロー!」
リョウジ 手札3枚
「俺は強欲で貪欲な壺を発動!デッキの上から10枚を裏側で除外することでカードを二枚ドローする!」
引いたカードを見て思わず口端が上がる
楽しい決闘なんていつぶりだろうか
アカデミアに入る前、決闘を覚えたての頃は毎日楽しい決闘をしていた気がする
でも、アカデミアに入ってからは決闘は武器でしかなかった
負けることは許されない、ただ勝つためだけの決闘
無論、負ける気は無いし、負けたいとも思わない
けれど、勝敗なんか気にしない決闘、それを強い決闘者と出来る
こんな状況だが、今は純粋に楽しかった
「魔法発動、融合回収!墓地から融合と融合素材となったモンスター1体を手札に戻す!融合とサイバードラゴンを手札へ!」
「またサイバーツインドラゴンでくるか?だが、攻撃力はダークリベリオンの方が上だ」
「残念ながらツインドラゴンは1枚しか無いんだ、代わりに見せてやる、俺のエースを、融合を発動!」
「っ!来るか!」
「お前のエースの力は見せてもらった、ならば今度は俺の切り札の力を見せる番だ、場のサイバードラゴンと手札のサイバードラゴン2枚を融合!」
三体の機械龍が融合の渦に飲まれ、姿を変えていく
「進化する3体の機械龍よ、一つとなりて終焉もたらす閃光となれ!融合召喚!レベル10、サイバーエンドドラゴン!」
白銀の三つ首龍は大きく翼を広げ、趣きの異なる三つの頭で咆哮した
それに対抗するかのように、漆黒の竜も吠える
サイバーエンドドラゴン 攻4000
「こいつがお前の切り札・・・」
「いくぞ、バトル!サイバーエンドドラゴンでダークリベリオンエクシーズドラゴンを攻撃!」
三つの首でエネルギーを溜める
「その攻撃は通さない!罠発動!幻影霧剣!」
最初の攻防で使われた剣がサイバーエンドに向かう
「それは一度見た!速攻魔法禁じられた聖槍!このターン、モンスターの攻撃力を800下げることで魔法罠の効果を受けない!」
「だが、これで攻撃力はダークリベリオンの方が上だ!迎え撃て!ダークリベリオン!」
「いいや、まだだ!さらに速攻魔法!リミッター解除だ!」
言わずと知れた機械族の切り札が発動される、当然ユートもこの効果は知っていた
「機械族の攻撃力をこのターン中倍にする!」
「くっ!ならば俺は伏せカード・・・」
ぞわっ、とユートの背筋に悪寒が走る
ここでこのカードを使ってはダメだ、決闘者としての本能がそう警鐘を鳴らす
伏せカードはロストヴァンブレイズ、モンスターの攻撃力を600下げ、そのモンスターのレベルを2にし、このカードを特殊召喚し、幻影騎士団に戦闘破壊耐性を与えるカード
この場で使えばサイバーエンドの攻撃力を1200下げ、ダメージを減らせるカードとなる
しかし、ユートは自身の直感を信じた
「・・・いや、何もしない」
効果が処理される、サイバーエンドドラゴンの攻撃力が倍になり、その後攻撃力をと引換に現れた槍に幻影の剣は叩き落とされる
サイバーエンドドラゴン 攻4000→8000→7200
「墓地の幻影死槍の効果!闇属性モンスターが破壊される時、このカードを除外することで破壊を免れる!」
「っ!・・・だがダメージは受けてもらう!エターナルエボリューションバースト!」
三つの首から放たれた光線はまじり合い、一つのエネルギーとなって黒い竜に直撃する
「ぐあああああ!」
ユート LP3900→250
黒い竜が受け止めきれなかった分がユートのライフを一気に持っていく
「くっ、倒しきれなかったか・・・ターンエンドだ」
ターンエンドと共に限界を超えたサイバーエンドドラゴンが崩れ落ちる
これでリョウジの場はには何も無い、完全に詰みだ
「・・・まずは謝罪しよう、君の実力を疑うような事をしてしまった事を、君は強い決闘者だ」
「・・・そんなことないさ、俺は今まで、自分たちが間違ってることに薄々気付いていたのに何も出来なかったんだから」
アカデミアは間違ってる、そんなことにようやく気付いたのは取り返しのつかない惨状を目の当たりにしてから
手遅れになってから気づいてももう遅い
「けれど君は戦うことを選んだ、目を背けず、今まで通りの生活を捨てて戦うことを選んだ君は弱くなんかないさ」
ユートがレジスタンスのリーダーに選ばれた理由がなんとなく分かった気がした
こいつは誰よりも優しい、それこそ、仲間のために敵だった奴に頭を下げることに躊躇わないくらい
こんな状況になっても怒りに囚われず、優しくあり続けられる
強いって言葉はこいつの方がふさわしい
「・・・分かったからさっさと終わらせてくれ、話はあとでも出来るだろ」
「ああ、すまない、俺の「俺のターン!ドロー!」・・・は?」
真剣勝負の最中に乱入者が現れた
「おのれアカデミア!とうとう本性を表したか!」
ユートのよく知る人物、黒咲隼だった
「「は?」」
ユートとリョウジの声が重なる
乱入した黒咲はペナルティとして2000のライフを失う
「ま、待て隼!彼は」
「ユート!大丈夫か!安心しろこいつは俺が片付ける!」
「いや、だから「俺は手札から!」」
まったくユートの話を聞かない黒咲
「バニシングレイニアスを召喚!バトルだ!」
無機質な隼がリョウジに迫る
「え、ちょっ」
リョウジ LP950→0
隼の一撃を受けてライフが0になる
ダメージ実体化の機能を切っているはずも無く、その衝撃は現実のものとなり、リョウジを襲った
「ぐわあああ!?」
リョウジの体が瓦礫に叩きつけられ、瓦礫が崩れる
「ダークリベリオンの咆哮を聞き、もしやと思い駆けつけたら案の定戦闘になっていた!」
「・・・・・・隼」
「やはりレジスタンスのリーダーの首を狙っていたんだろうと判断した」
「・・・・・・」
「やつを尋問して情報を吐き出させる!何か有益な情ほ」ドスッ!
ユートの拳が黒咲の腹部にめり込む
「ぐっ!?・・・ユー・・・ト・・・?・・・なぜ・・・」
「話を聞かないお前が悪い」
倒れる黒咲を放置し、リョウジに駆け寄る
「おい、大丈夫か?」
不意打ちで吹き飛びこそしたがそこまで大きいダメージではない
「ああ・・・お前が何とかするって言ったんだからな・・・あれ、お前がなんとかしろよ・・・」
「・・・すまない、俺の仲間が・・・」
頭を抱えるユートであった
決闘の実力は リョウジ≦ユート です
使ったことないカテゴリなんでルールミスや計算ミスがあったらご指摘お願いします
3月4日追記 案の定あったルールミス等を訂正しました