遊戯王ARC-V ある脱走兵の話   作:白烏

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オリキャラ登場です
ちょっと短め


トキノ

工作室

 

「うーん・・・これは1回ちゃんとメンテナンスしなきゃだめだねー」

 

そう言ってリョウジの盤を分解し始める歯車を模したモノクルを付けた白衣の少女は葉繰 マオ

素良との決闘の後、盤の調子がおかしい事に気づいたリョウジはレジスタンスのメカニックである彼女の元を訪れていた

工作室の隅には黒咲が座っている、 偶然彼も盤のメンテナンスで来ていた

 

「どのくらいかかる?」

「うーんそうだね、修理に1時間って所かなー、でも・・・」

 

困ったように首をひねる

何か問題があるのか訪ねた

 

「いやー、修理自体はすぐに終わるんだけど、またすぐに壊れちゃうからさー」

 

モンスターを召喚する時、エネルギーが発せられる

エクシーズを召喚するならエクシーズの、融合ならば融合の召喚エネルギーが発生する

エクシーズ次元の盤は融合の召喚エネルギーを想定しておらず、素良戦でのエクシーズと融合の連続展開の負荷に耐えきれなかったのが故障の原因だった

・・・融合召喚の話をした時に部屋の隅からあからさまに不機嫌なオーラがしたが無視する

 

「・・・だから、これをそのまま修理してもすぐにまた故障しちゃうんだよねー」

「なるほど」

「だからちょっとばかしデータ取りたいから決闘して欲しいんだけど・・・」

 

コンコンと扉がノックされる

マオが入室を促すと紙袋を持った少女が入ってきた

 

「マオちゃん、ジャンクパーツを・・・あ・・・どうも」

 

ショートの少女、(ひじり)トキノはリョウジを見るなり一歩引いて会釈をした

 

リョウジからしたら、もう警戒されるのは慣れたもので、特に思うことは無かった

 

「トキノっちーどしたの?」

「あ、これ、マオちゃんなら使えるかと思って」

 

マオに紙袋を手渡す

中身は壊れた機械から取り出したと思われるパーツが入っていた

 

「おおー、助かるよー」

「丁度いい」

 

ふいに今まで沈黙を保っていた黒咲が口を開いた

 

「脱走兵が決闘する相手を探しているそうだ、トキノ、お前が決闘しろ」

「えっ!?わ、私が!?」

 

 

 

・・・・・・

 

 

屋上

マオから渡された盤を付ける、灰色のそれはデータをとる為のテスト用

ソリッドビジョンもただのホログラム、決闘のデータを取るためだけの盤だ

 

「それじゃあ、始めるか」

 

盤を起動させる、若干重いような気もするが決闘に支障はない

決闘で融合のデータを取り、それを盤に組み込む

本当なら融合次元の盤があれば一番楽だったが、あれは次元転送で消えてしまったため仕方ない

ともかくデータが取れれば問題はないが・・・

 

「は・・・はい・・・よろしくです」

 

正直彼女を相手にするのは気が引ける

実力的には問題ないらしいが、今まで見てきたどの戦士とも違う・・・というより、戦士としてあるべき雰囲気が無い

 

「・・・まぁ、衝撃の発生しないテストだから気楽にやろうか」

「はっ、はい!」

 

薄い黄色の盤を構えるトキノ

・・・その手は小さく震えていた

 

「「決闘!」」

 

トキノ LP4000

リョウジ LP4000

 

「わ、私の先行!私は聖刻龍ドラゴンゲイヴを召喚!カードを一枚伏せてターンエンドです」

 

聖刻龍ドラゴンゲイヴ 攻1800

 

力強い四肢を持つドラゴンが降り立った

なかなかの攻撃力に伏せカード、悪くない布陣だが・・・

 

「俺ターン、ドロー」

 

リョウジ 手札5→6

 

「俺は融合を発動、手札のサイバードラゴン2体を融合、融合召喚レベル8サイバーツインドラゴン」

 

サイバーツインドラゴン 攻2800

 

「融・・・合・・・」

 

怯えた顔で後ずさるトキノ

 

「やっぱりか・・・バトル、サイバーツインドラゴンでドラゴンゲイヴを攻撃、エボリューションツインバースト」

「っ!リバースカード!抹殺の聖刻印!聖刻モンスターをリリースして相手モンスターを除外!!」

 

罠によりドラゴンゲイヴの姿がエネルギー弾へと変わり、サイバーツインに襲いかかる

しかしそれは二つの首がそれぞれに分裂することで、直撃を避けた

 

「え?」

「速攻魔法、融合解除を発動した、これによりサイバーツインの融合は解かれ、2体のサイバードラゴンへと戻った」

 

サイバードラゴン 攻2100

サイバードラゴン 攻2100

 

「そしてバトル中の特殊召喚のため、このまま攻撃に参加できる」

「っ!リリースされたドラゴンゲイヴの効果!聖刻通常モンスターを特殊召喚!デッキから神龍の聖刻印を特殊召喚!」

 

神龍の聖刻印 守0

 

巨大な球体状のモンスターがトキノの場に現れる

しかしそのステータスは0、その場しのぎにしかならない

 

「・・・サイバードラゴンで神龍の聖刻印、及びプレイヤーを攻撃、エボリューションバースト2連打」

「きゃっ!」

 

トキノ LP4000→1900

 

2体のモンスターからの攻撃でモンスターとライフの半分を失う

 

「うう・・・でも、これでバトルは・・・」

「速攻魔法、瞬間融合を発動、場のモンスターで融合を行う、再び融合せよサイバーツインドラゴン」

 

サイバーツインドラゴン 攻2800

 

「あ・・・あ・・・」

「・・・サイバーツインドラゴンで攻撃、エボリューションツインバースト」

 

 

・・・・・・

 

 

 

決闘は終了したが、トキノはその場から動かず、座り込んでしまった

 

「・・・聖、お前」

「トキノ!なんだ今の不抜けた決闘は!」

 

声をかけようとしたが、黒咲に割り込まれた

 

「えっ・・・でも・・・」

「お前の本気はそんなものじゃないはずだ!思い出せ!本当のお前を!」

 

腕を引っ張って立たせる

 

「お前は俺やユートに並ぶ実力者だ!お前が戦線に復帰してくれさえすれば戦況も変わる!アカデミアを倒せるんだ!」

「っ!?アカデミアと・・・戦う」

 

震える身体を怒りと勘違いしたのか黒咲は止まらない

 

「そうだ!思い出せ!アカデミアにされたことを!アカデミアへの怒りを!」

「やめろ黒咲」

 

黒咲の腕をはらい間に割り込む

 

「彼女は戦えるような状態じゃない、俺と決闘させても無駄だ」

 

黒咲は融合への怒りを思い出せばまた戦えるようになると思っていたようだが、怒りよりも恐れが強い彼女にそれは愚策だ

 

「私・・・は・・・」

「はーい、そこまで」

 

睨み合う俺と黒咲のあいだにマオが割り込む

 

「融合のデータはとれたから、もう戻るよー、あ、黒咲は来ないでね、盤はメンテ終わったらアレンあたりに持ってかせるから」

 

マオは俺達2人を引っ張るようにその場をあとにした

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