鎮守府の大規模改修工事が終わり早一ヶ月。
この鎮守府の艦娘達も今の生活にも慣れて以前のように各自の仕事に当たっており、提督である僕も変わりなく作戦指示や演習、遠征の管理を粛々と....。
「こちら第一艦隊旗艦榛名です。一隻中破したので帰還したします。」
「こちら遠征に出ています、第三艦隊睦月です。帰還いたしましたので資材を倉庫に移して得おきました。補給が完了した後に執務室へ今回の遠征のご報告に上がります。」
...粛々と行っています。
ここの艦娘達は優秀な子ばかりで任務で開発や建造それに解体のことまでやってくれて本当に僕のすることがな、助かっています。
特に建造は新しい艦娘ができた時には艤装とその使用者が出てくるので駆逐艦の子たちに人気らしいです。
コンコン
「第三艦隊旗艦睦月です。失礼します!」
「ああ、遠征の報告ですね、どうでしたか?」
「はい!大成功でした!いつもより資材が多く取れました!」
ちょうど睦月が来る前に遠征についての報告書が倉庫の妖精さんから上がってきていたのでそちらで詳しい数字をすでに確認していたけれど、こうやって直接報告しに来てくれるのは色んな子と会話ができるのでここで運営を開始したころからこれだけは変わらずに残しています。
「それはご苦労様でした。ご褒美と言ってはなんですが間宮で何か買ってあげましょうか?」
「本当ですか!それじゃあ第三艦隊の子たち呼んで来るのです!」
嬉しそうに部屋を出ていく睦月を目で追っていると扉が勝手に開く。
「提督、第一艦隊帰還いたしました。中破した艦娘はドッグで休憩中です。,,,ってあら睦月ちゃん、そんなに急いでどこに行くの?」
「提督さんが睦月達遠征頑張ったから間宮に連れてってくれるのでみんなを呼びに行くところなのです!」
あっと、少しまずい展開になってきました。
ほら榛名の顔が少し怖くなりましたよ。
「提督さん、私が出撃する前に頼んでおいた書類は終わってるんですか?」
「ええ、もちろん終わらせてありますとも。ほらこれでしょう?」
少し震えながら榛名に書類を見せると訝しげな表情をしながら榛名がそれに目を通し始め、しばらく時計の針の進む音だけがなり続けています。
「はあ、まあこの程度ならいいでしょう。言ってきても大丈夫ですよ。」
「いや、よかったです。それじゃあ睦月一緒に行きましょうか。」
「はい!行きましょう!」
先程の時間のせいなのかやけに睦月の声が明るく聞こえます。
ぎしぎしと歩くたびに鳴る廊下を歩きながら第三艦隊の子たちを迎えに行く最中にうちの子たちの中でまだ数名しか改装できていない改二の内の二人と会いました。
「やあ提督、それに睦月も。」
「提督さんそれに睦月ちゃんもこんにちは!」
「こんにちは、二人はここで何してたんですか?」
「これから他の白露型も誘って間宮に行こうかって話してたんだ。提督はどうしたの?」
「僕たちもこれから間宮肉所だったんですよ。」
「提督さんが睦月達にご褒美くれるんです!」
それを聞いた二人の次への行動の速さにはびっくりしました。
「ずるいっぽい!私たちもさっき演習頑張ったっぽい!」
「えっと、そうだね僕たちにもなにか食べさせてほしいかな。ほらパフェとか。」
「えーっと、そうですねここまで言われてご馳走しないわけにもいきませんね。睦月、今回は睦月にだけご馳走してあげます。ほかの子はまた今度の遠征の時にしますので今日のことはみんなには内緒にしておいてください。」
「およ?そうなんですか?わかりました!みんなには秘密にしておきます!」
「時雨に夕立もお願いしますね。」
返事はなかったですが二人とも満面の笑みだったのでそれを了承と受け取っておきましょう。
間宮について三人には何でも好きなだけどうぞと言って注文をお願いしましたが全員甘いものをパクパクとすごい速さで食べていくので少しお財布が心配になりました。
その後僕だけ執務室に戻り他の艦隊の報告を聞き、その日の執務は終了、晩御飯を食べようと食堂に行くとほとんど人はいませんでした。
「鳳翔さん、まだ食堂って空いてますか?」
「あら提督さん、ごめんなさい今日作った分はもう底をついてしまって。これから私の晩御飯を作るんですけど同じものでもいいですか?」
「むしろそれが目当てで来たところもあるので、ぜひお願いします。」
「ふふ、そうやって話しに来てくれるのは前から変わりませんね。」
本心を見透かされて少し恥ずかしくなったので近くの椅子に座り料理を待ちます。
昔料理のお手伝いをしたことがありましたけどむしろ足を引っ張ってしまったのでそれ以来調理場へ自らはいることはやめました。
「あっ!もう食堂しまってるのです!晩御飯どうしましょう。」
「えー鳳翔さんに頼んで作ってもらえないかしら。今日は演習で疲れちゃってご飯作る元気ないわ。」
びっくりして思わず調理場の中に隠れてしまいました。
「提督さんどうしたんですか...ってなるほど。しばらく隠れていていいですよ。」
ありがとうございます。と心の中で鳳翔さんに感謝しつつ、息を殺して食堂内に身を潜めます。
「?鳳翔さん、さっき司令官がいなかったかい?」
「いえ、着ていませんよ。ところで第六駆逐隊のみなさんはどうしてここに?もう今日の分の晩御飯は終わっちゃいましたよ?」
「演習が長引いてさっき終わって間に合わなかったの!お願い鳳翔さん何か作ってください!」
「まあ私の分をこれから作ろうと思ってたから大丈夫よ。座って待っててね。」
「鳳翔さんありがとうなのです!」
「提督さんそろそろ慣れないとこれからやっていけませんよ?」
「わかってはいるんですけどね...。そろそろ第六の子とも仲良くならないといけませんね。」
「電ちゃんがいるんですから他の子たちの時よりは早く仲良くなれると思うってみんなも言ってますし。」
「電は初期艦で頑張ってくれていたのに姉妹館を建造したり海域から助けたりするのが遅くなってしまって申し訳なくて最近はあまり話せていないんですよね。」
あらあらといって鳳翔さんは料理の準備を進め5分と立たないうちにお盆に料理を並べていて運ぶのを手伝ってくださいと言って調理場から出て行ってしました。
僕もここしかないと料理を運ぶのを手伝い、鳳翔さんと第六の子達と食卓を囲む形になりました。
「私司令官写真以外で初めて見たわ!」
「私達も。」
「おひさしぶりです、司令官さん。」
「ええ、久しぶりですね。電。それに初めまして暁、響、雷。」
「提督さんはいつもこうでないと新任の艦娘の子たちと仲良くなれませんよね。」
「まさか私も避けられるとは思ってなかったのです。」
「いや避けていたわけじゃないんですよ電、ただちょっとあれなだけなんですよ。」
「あれってなんなのですか。」
「あ!わかったわ!司令官は人見知りってやつなのね!」
「「あー。」」
「いやお恥ずかしい、やはりなかなか慣れなくて。年頃の女の子ばかりなので毎回毎回緊張してしまって。」
そのまま鳳翔さんのサポートもあってか第六の子達とも仲良く話せるようになり、話しかけに行くタイミングももうはからなくてよくなりました。
今度また鳳翔さんにお礼をしに行かないといけませんね。