第六天魔王 草薙護堂   作:吉良吉影

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魔王誕生

「今日は金稼ぎに行くかね」

 

この少年の名前は草薙 護堂。日本在住の身長179cmで体重は69kgの生粋の日本人だ。彼の足取りは軽く、向かった先はパチスロ専門店。彼の日課は学校が終わり次第、金稼ぎに行く事だった。

 

そんな彼が4円のパチンコ、20円スロットを適当に打つだけで大勝ちしてしまうのだ。打たない理由がなかった。そう、彼は自分がギャンブルに強い事を知っていたからだ。

 

 

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俺は二度目の人生を好き放題に生きる事を決意した。よくある神様転生とかでは無かったが、神様が真面目な俺にチャンスを与えてくれたんだと思う。

 

と、最初は思っていたが現実は違った。

 

俺の名前は草薙 護堂。聞き覚えがある名前に妹の名前は静花で性格はつんでれだ。そして両親は父が蒸発して、母は女王だった。

 

完全にカンピオーネ世界に憑依転生ですね、ありがとうございました。

 

いつ死んでも可笑しくないカンピオーネの世界。でもそれ以上にこの世界に居る美少女達を抱きたくて仕方がなかった。可愛いは正義。カンピオーネになれば、魔王の権力を使って美少女達と集めて、俺の嫁にしたい。そして俺は好き放題に生きてやると決めた。

 

勉強も部活動も全てが上手くいき、女関係を除く対人関係は特に問題が無かったと思う。女関係は彼氏持ちや先輩や後輩に関係無く手を出しまくって、寝取ったりセフレにして遊ぶ毎日。遊ぶ金が無くなればギャンブルに手を出して大勝ちするのが当たり前になって、着々と貯金が増えていくのが楽しかった。

 

 

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「今日も諭吉が沢山」

 

草薙護堂はパチスロ専門店に閉店の22時45分まで打ち込んで遊びまくっていた。無事に換金を済ませて、自宅に向かう事にした。そしてその帰りの途中で不愉快な光景を見る事になる。

 

「ねぇ、今から遊ぼう。ヌキヌキポンしようや」

 

「離してくださいっ! 警察呼びますよ!」

 

髪の色は赤毛で、全身を和服の赤を主体としたコスプレ男が可愛い系の女性をナンパしていたのだ。それに女性は嫌がっていた。護堂は女の味方だ。ただし美人や可愛ければの話だが。護堂はこの女性の好感度を上げる事にした。そして今度、お礼をたっぷりと貰うと決めたのだった。

 

「おい、その人嫌がってるだろ。離せよ」

 

「なんだぁ、お前。空気読めないのかよ」

 

コスプレ男は女性を掴んでいた手を離して、護堂と向き合う形となった。その隙に女性は一目散にこの場から逃げた。

 

「お前には勿体無いと思ったからな。ここでお前を叩き潰して、あの子を今度ナンパしたら俺がヤれるじゃん」

 

「どうやら死にたいらしいな。望み通りに叶えてやるよ! 」

 

コスプレ男が右手で持っていた赤一色の大剣を護堂に斬りつけようとした。しかし、護堂は持ち前の動体視力と反射神経に合わせて第六感のお陰で、余裕をもって回避できた。剣は護堂に当たらず、アスファルトの地面に突き刺さった。

 

「それ真剣かよっ!」

 

護堂は舌打ちをした。こんな場面は原作には存在しなかった。どうするかと考えるが、選択肢は一つしかなかった。殺さなきゃ殺られると。

 

「いい加減あきらめたらどうだ?」

 

「お前は馬鹿か!」

 

あれから護堂はひたすら避けては逃げてばかりだった。それには理由があり、護堂はひたすら河川敷を目指していたからだ。護堂は一心不乱に前に進むことしか頭になかった。

 

「ちょこまかと! 逃げるなっ!」

 

「お遊びは終わりだ。ここから本番と洒落込もう」

 

そして数分後、遂に護堂は目的地の河川敷に辿り着く事が出来た。コスプレ男は護堂の自信満々の言葉を聞いて、身構える。

 

護堂は足元にあった小石を蹴り飛ばした。コスプレ男は咄嗟にその小石を大剣で防ぎ、護堂に対する警戒を強めた。

 

「なんだよ、今のは」

 

コスプレ男が疑問を抱くのは当然だった。何故なら、護堂が投げた小石は音速を超えていたのだからだ。

 

「考え事してんじゃねえよ!」

 

護堂は一瞬で、コスプレ男との間合いを詰めて殴り掛かった。大剣で護堂を迎え撃ち、確かに斬ったはずだったが大剣は護堂を斬ることが出来なかったのだ。

 

コスプレ男の顔面に護堂のストレートが直撃する。内心やったか!と喜んでいたのも束の間。コスプレ男は倒れもせず、空いていた左腕で護堂を殴り返した。コスプレ男の腕力で護堂は1メートル以上吹っ飛ばされてしまったが、服と携帯以外は無傷だった。

 

「お前、魔王でもない人間のくせに随分と頑丈じゃねーか」

 

「魔王? 何だそれ。頑丈さなら、お前も人の事言えねぇよ」

 

そして護堂は分かったことがある。こいつ【まつろわぬ神】じゃね?と。

 

河川敷での戦いは決定打が欠けた戦闘だった。コスプレ男が大剣を全力で振るうが、護堂を傷付けることは叶わず。しかし護堂も殺意を込めて全力殴ったはずなのに相手は立ち上がってくる。

 

そんな拮抗した場にもう一人のコスプレした男が乱入してきた。金髪三つ目の肌はガングロで服装は、まるで黄土色の修行僧みたいな格好だった。

 

「あぁ、あぁ、あぁ。何故を俺一人にしない。お前さえいなければ、俺は幸福だというのに」

 

「げっ! 糞兄貴じゃねえか!」

 

「消えてなくれや」

 

金髪三つ目の男は俺には目もくれずに、赤毛のコスプレ男に襲いかかった。そして護堂は今さら気付いた。この兄弟は兄のウンコマンと弟のパシリさんだという事に。

 

「これは殺るしかねぇ。波旬死すべし慈悲は無い」

 

護堂は数秒だけ考えた結果、波旬を殺す事しか自分が生き残る道と世界がやばかった。

 

先程の戦闘で弟がやたら頑丈かも納得がいく。パシリは頑丈で不死身持ちなのだ。ただし怪我は治らないが殺せるわけがないのだ。それに比べて波旬の強さは通常のまつろわぬ神に落ち着いて、不死身では無い。しかしパシリが殺されてしまえばこの世の終わりだ。ラーマの出る幕なし。マリィが殺されて不愉快な想いをしたファンの代わりに護堂が恨みを晴らすと決心した。

 

そして護堂はパシリさんに夢中な波旬を後ろから奇襲した。

 

「おりゃあ!」

 

護堂の蹴りは波旬の後頭部を捉え、パシリさんごと思いっきり吹っ飛ばした。

 

「テメェ、何しやがる!」

 

「痛い! 痛い! 痛い!⋯」

 

波旬はただの邪神だ。額にある全てを見通す天眼は何も見てはいない。本来の熊を撲殺する程度の力しか無い。武術の心得も無いと思い、護堂は波旬を徹底的に攻めた。しかし護堂は気が付いていなかった。

 

護堂自身の攻撃や移動速度が音速を超えていた事を。護堂はパシリさんを無視して波旬の髪を握り、遥か上空に投げ飛ばした。

 

「ぐっ、がぁ!」

 

そして護堂も一瞬で上空に飛び上がり、波旬に踵落としを決めて地面に向かって叩き落とした。護堂は攻めに攻めた。地面に叩きつけられた波旬は身動きが出来ていなかった。そして上空から重力を利用し、音速を超えて波旬に突撃してくる護堂の姿があった。

 

護堂は波旬に着地しても無傷だ。護堂は何故かは知らないが圧倒的なまでの怪力と頑丈さを身につけていた。

 

 

「オラオラオラオラ…」

 

波旬の顔面に怒りのオラオララッシュ。一撃一撃が揺れを起こすほどの重さ。

 

そして勝負は決した。弱体化をして、これといった特殊能力を持たない波旬はただの案山子だった。痛みにも弱く、押し切られる形となった。

 

護堂とパシリしかいないこの場に女神が降り立った。その女神の名はパンドラ。

 

「さあ、皆様。祝福と憎悪をこの子に! 七人目の神殺し。最も若き魔王となる運命を得た子に、聖なる言霊を! ほら波旬君もだよ」

 

「好きにしろやぁ⋯」

 

波旬は消え失せて、護堂は心身ともに作り変えられてゆく。しかしまだ終わりでは無い。

 

「まだ終わりじゃないぞ、神殺し!」

 

「それじゃあ、いくぜ!」

 

護堂は本能のままに権能を行使した。それは元々、波旬の力を知っていたからだ。一人になりたいという畸形嚢腫に対する殺意で自己強化を行う単純な力。それが波旬の持ち味なのだ。しかし、パシリこと弟の坂上覇吐と相対すると元通りの強さに戻ってしまう。

 

権能はカンピオーネ毎にアレンジされるという。例え、同じ神を殺したとしても同じ権能になるとは限らないのだ。

 

「生きているだけで、最高さ!」

 

護堂は本来の邪神ではなく、もし畸形嚢腫を受け入れて他者と一つになりたいという波旬の力を行使した。

この権能は他者が存在すれば、自己強化をするというもの。しかしその自己強化が凄まじいのだ。護堂の謎の頑丈さを以ってしても身体が悲鳴を上げている。

 

「行くぞ神殺し! 曙光曼荼羅…」

 

「行くぞ! 卍曼荼羅…」

 

そして勝負がついた。

 

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