第六天魔王 草薙護堂   作:吉良吉影

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そして魔王は呼び出される

草薙護堂はその後、無事に救助された。それから護堂は今度こそ日本に帰国したがエリカに電話でお願いをされてしまい、再びイタリアに飛行機で向かった。今度こそは堕ちるなと願いながら。

 

 

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「お久しぶりです魔王様。お迎えに参りました」

 

「アンナか。ところでエリカは何処にいる? あいつが魔術結社のトップ会談に参加してくれと頼んだから来たんだが?」

 

「申し訳ありません。エリカ様は会談の場所にて各魔術結社のトップの方々の相手をしております」

 

確か、俺が女神アテナの神具ゴルゴネイオンを預けるかどうかを見極める為に呼び出してエリカと戦わせるはず。どうせ勝ちは確定しているから問題は無いけどね。

 

「じゃあ、その会談の方にさっさと行こう。全速力で飛ばして」

 

「畏まりました」

 

そこで俺はアンナを走り屋と認定をせざるを得ないドライブを楽しむ羽目になった。公道で80キロで爆走する事、数十分。目的地である【赤銅黒十字】の本部の正面玄関口に到着した。

 

アンナがドアを開けてエスコートをしてくれた。

 

「私について来てください」

 

俺はアンナに案内されて、会議室みたいな所に通された。この施設はちょっとだけ中を歩いただけだがら気品と年代を感じさせ、正に高級感が溢れていた。

 

「お待ちしておりました。草薙護堂様」

 

「よう、エリカ。久し振りだな! それに知らない顔だらけだな」

 

「此方の方々はイタリアの魔術結社のトップの方々です」

 

ローマの【雌狼】【蒼穹の鷲】、トリノの【老貴婦人】、フィレンツェの【百合の都】、パルマの【楯】、ミラノの【赤銅黒十字】【青銅黒十字】の通称、七姉妹と呼ばれるイタリアの名門の魔術結社の総帥達が一堂に会していた。でもカンピオーネになれない人達。彼等からそれぞれ礼儀正しく挨拶をされた。

 

「それで、イタリアのお偉いさん方が俺に一体何の要?」

 

俺は威圧した。魔王の威厳を保たなければいけない。

 

「貴方に、つい最近引き上げられた神具を預けたいの。ここにいる方々はサルバトーレ卿との戦闘を空港の監視カメラで拝見しているのだけど、卿は傷の療養と修行すると言い残して出て行ってしまって、私達は頼る王が居ないの」

 

要は俺に預かれと言ってるのか。俺は別に構わんけどな。

 

「本来なら莫大な金を要求するが、今回は特別に金は要らないが、それ相応の態度があるだろエリカ?」

 

「もちろん準備は万全です。リリィ」

 

すると扉が開き、銀髪のポニーテールの美少女が俺に跪いた。

 

「お初にお目に掛かります。極東の王よ。我が名はリリアナ・クラニチャール【青銅黒十字】所属の大騎士です」

 

「私もいるぞ少年。魔術結社のお偉いさんに呼び出されたと思えば君の仕業か」

 

「そして貴方の愛人で騎士であるエリカ・ブランデッリと彼女達は御身と共に行動させてもらいます」

 

リリアナにルクレチア。そしてエリカまで。調教のやり甲斐があるぞぉ! 既に原作に可笑しな展開が混ざってるから、好き勝手しても問題無いだろう。

 

「ならば良し! その神具は俺が預かった! 任せとけ! 」

 

俺はゴルゴネイオンを預かる事にした。そして話が変わって飛行機の墜落事故についてだ。

 

「王よ。あの飛行機には呪力で細工がなされていたようでした」

 

「お前達が俺を殺そうとした訳じゃあ、無いんだろう?」

 

「王が墜落如きで死ぬとは思いません。それで本題です」

 

まぁ、死なないし気にはしないけども。

 

「どうした?」

 

「あの墜落現場の近くの荒れ果てた大地に膨大な呪力と神力が満ちていたのです。それに呪力の塊のような嵐。一体、あの場所で何があったのでしょうか? 」

 

本当、有能な霊視役がいると有能だわ。呪力を調べれば一発だからね。

 

「そっちが想像している通り、まつろわぬ神と遭遇したぞ。ただし四体だけどね。あの嵐はメルカルトの権能」

 

俺の言葉でこの場がざわつく。普通は勝てる気はしない。他のカンピオーネだったら良くて一体を道連れの相打ちで、悪くて敗北からの撤退で再戦ってパターンだと思う。だってヴリトラとカルナの鎧がえげつないから。各個撃破なら多分いけると思う。

 

まぁ、俺は四体一で勝てるわけないだろ! 馬鹿野郎俺は勝つぞ!的なノリで彼奴らぶっ殺したからなぁ。

 

「少年。弑虐した神の名をお教えもらっても大丈夫かな? 此方は神の数ぐらいしか把握していないのでな」

 

「雷神インドラ、英雄カルナ、邪竜ヴリトラ、それと多分愛の神カーマだと思われる」

 

カーマは兎も角、インド神話のビッグネーム達。波旬の権能が無かったら確実に死んでいたね。

 

「それなら王は私と会った時は、祖国でまつろわぬ神二柱を弑虐したと言われていましたが、その後無事に軍神ウルスラグナと神王メルカルトを討滅してくれました。その時点で権能は四つだったのですか? 」

 

俺は肯定する。

 

「そうだぞエリカ。権能の詳細は教えないが、その後に四体をその場でぶっ殺したから合計で八個だ」

 

場の空気が凍った。俺は悪くない。

ちょっと待って。俺、魔王に成り立てなのに権能の数が一番多くない? 短期間に神との殺し合い多すぎんよぉ〜

 

 

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【グリニッジの賢人議会により、作成された七人目の王である草薙護堂についての報告書】

 

王が確認されたのはイタリアの地で現地の魔術結社の団員と遭遇した事で発覚した。そしてその後、その地に降臨していたまつろわぬ神、ゾロアスター教の軍神ウルスラグナとカナン神話の主神バアルの別名のメルカルトを弑虐したと報告を受けた。

 

しかしイタリアを訪れる数日前にまつろわぬ神二柱を弑虐したと語っていたらしい。そして祖国に帰国する際に、イタリアの魔術結社の盟主である剣の王サルバトーレ・ドニとの決闘。剣の王を一撃で制し、その日に王はビジネスジェットに乗り込み帰国していったが不慮の事故により墜落。その墜落現場付近で、なんと四体のまつろわぬ神と遭遇。その場で四体のまつろわぬ神を弑虐したと王自ら庇護を与えるイタリアの魔術結社に報告したらしい。

 

その神達の名は企業秘密との事。そして王は今までの弑虐した神々の権能を保持していると自己申告だが語っていたと自ら言うのだから間違いが無いだろう。この短期間でまつろわぬ神を八体弑虐した魔王は歴代でも類を見ない。

 

彼の王の愛人であり騎士でもある【赤銅黒十字】の大騎士であり【紅き悪魔】エリカ・ブランデッリから渡された報告書によれば、こう記されていた。「先に言っておくが俺は短気だ。俺は金と暴力と権力。そして女が大好きだ。俺に忠誠と服従を誓うなら庇護を。逆らう奴と俺の身内に仇なす奴は問答無用で一族もろとも抹殺してその国を攻撃する。もし、まつろわぬ神で困った時は大金を用意すれば、代わりに戦ってやろう」この報告書が正しければ彼の王とは慎重な対応が必要だろう。それに王の権能の詳細は未だ不明なのだから。

 

 

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