第六天魔王 草薙護堂 作:吉良吉影
草薙護堂は会談を終えてエリカ、エリカの従者アリアンナ、リリアナ、ルクレチアを従えて、ビジネスジェットに乗り帰国した。アテナの神具ゴルゴネイオンを所持して。
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「今日から、ここが俺達の家だな」
俺が通っている学校近くの一軒家。現金で一括購入した物件だ。その金はウルスラグナとメルカルトを討滅した報酬金で購入。静花や明日香などのセフレにも合鍵を渡している。
「少年は金遣いが荒いな。まあ、この物件は悪くは無いが」
「リリィとアリアンナ。私、お腹が空いたわ。陛下はどうでしょうか? 」
「俺も腹が減った。この家の家事はアンナとリリアナに一存するからよろしく」
「畏まりました陛下」
「仰せのままに我が王よ」
今日から楽しい魔王でハーレム生活だ!
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俺の学園生活は最高だ。エリカとリリアナが編入してくれたお陰で、正に両手に花状態だ。そんな学園生活を送っているとヒロインの万里谷裕理から接触された。俺に話があるらしい。だから俺の新居に招待する事にした。エリカとリリアナには先に帰って準備するように命令していた。
「お邪魔します」
「こっち」
俺が案内して、万里谷は俺に付いてくる。案内した先はリビングだ。
「そこに座って。それで話って?」
わかりきっているけど、聞かずにはいれない。俺の左右隣にはエリカとリリアナ控えている。アリアンナとルクレチアはテーブルの方で話を聞いていた。
「失礼いたします。草薙護堂様。私は武蔵野を守護する姫巫女の一人で万里谷裕理と申します。カンピオーネである御身との突然の謁見、大変無礼と承知ですがお許しを。私は正史編纂委員会からの依頼により、御身をカンピオーネかどうか判断する事と御身がこの国に持ち込んだ神具を見せていただきたいのです」
「なるほど。ようやくの接触か。アンナ、あれを持ってこい。それで俺は魔王という確証を得たのか?」
イタリアの魔術結社が早いというか何というか。向こうで目立ちすぎたのも大きいのか? 正史編纂委員会からの接触は最近、賢人議会で俺の事が発表されたからと思う。
「はい。私は諸事情により魔狼王ヴォバン公爵と会ったことがあります故に、御身が羅刹の化身であるカンピオーネというのは間違いない筈です。私に霊視が降りたのがその証拠でございます」
霊視。それも世界最高峰の実力を持っている。有能なサポートヒロインだ。
「陛下。お持ちしました。例の物です」
アンナが持って来たのは神具ゴルゴネイオンだ。それを万里谷に渡した。
「これは! 明らかにまつろわぬ神の神具です。カンピオーネである御身がそれに気付かない筈ありません。王よ、お答えください! 」
「ああ。分かってたし、知っていたぞ」
「御身はこの国に、この東京にまつろわぬ神を呼び寄せるつもりなのですか!? 地元住民の安全を何だと思いなのですが!」
「こんな国、それに有象無象なんて俺が気にすると思っていたのか?」
まあ、美少女が死ぬのはマズイし幼女達が死ぬのも困る。可愛いは正義!
「大いなる力には、大いなる責任と義務が伴うと申し上げます。御身は、曰く付きな神具を愛人の女性にせがまれるままこの国に持ち帰るなんて⋯」
「黙れ。喋るな。少し他人より霊視が上手いだけの姫巫女の分際で調子に乗るなよ? 俺が優しくすれば、つけ上がりやがって」
万里谷から、ヒッと小さな悲鳴が聞こえた。
「無礼な相手には相応の罰を。だよなぁ、皆?」
満場一致の見解。これはヤるしかないよなぁ? 日頃から俺からの調教を受けているし、逆らえんから多少はね?
家族を殺すぞと脅して何十分か性的なイタズラで虐めてやった。
「少年。神具の神力が高まりつつある。そろそろ私は限界だ」
「お遊びはこれで終わりか。お前は今日から俺の命令を聞く事。いいね? それじゃあ皆。俺は先に行ってくるよ。各自、独自行動を許可する」
楽しかった。玩具が増えたから学園生活が楽しみだなぁと思いながら、俺は神具ゴルゴネイオンを持って外に出た。
俺が今回対戦するまつろわぬ神は、ギリシャ神話の智慧と戦いの女神アテナだ。容姿は銀の髪と闇色の瞳の少女。俺は原作を読んでいるから分かるが、アテナ、メドューサ、メティスの三位一体の神。正確には様々な女神の元ネタであるアテナの原型の女神。
大地と冥府を司る事から大地母神として最高位に位置しており、冥府の女王だから不死の神性と死を扱え、冥府に関係している事から闘神としての神格も獲得している。死神の鎌を主な武器とする他にも弓矢や大刀も扱い、大地からは無双の怪力を得て、それを振るう。
大地母神としての叡智で天啓や直感という形で多くの叡智や知識を得て、相手の性格や神の力を見抜く智慧の女神の権能を持っている。智慧の象徴であり冥府を行き来するとされたフクロウを従え自らも翼を生やして飛翔出来たはず。
要約すると強い女神様。あと可愛い。
俺は神具ゴルゴネイオンを持って家を出て、直感を頼りにアテナが居そうな方に走って行った。俺の家の近くでは戦いたくないからな。モブ共の家は知らん。
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俺は、とあるビルの屋上で数分程度アテナを待っていた。突然、俺の直感が働くと同時にコンディションが臨戦態勢に突入した。まつろわぬ神が近くまで来ている! 知ってたけどね。
「あなたが、この異国の地の神殺しか? 」
「ああ、そうだ。この場を借りて名乗ろう。俺の名は草薙護堂。あんたに勝つ男の名だ。覚えておけ。あんたの名前は? 」
「妾に勝つと豪語するか、草薙護堂よ。やはり耳慣れぬ、異邦の男らしき名だな。その不遜な態度と名を覚えておこう。妾は闘争と智慧の女神アテナの名を所有する神である。以後、見知りおくがいい」
お互いの自己紹介は終わった。これから戦いが始まる。結果はわかりきっているがな。しかし、この戦いの先を懸念している。ただでさえ、原作の流れの間に未知のまつろわぬ神達と遭遇しているというのに、今回だけは通常通りといかないだろう。もし新たにまつろわぬ神が乱入したら、嫁達が戦闘に巻き込まれてしまう。孕ませていないのに死んだら元も子もない。その為だけに俺がわざわざゴルゴネイオンを持っているのだから。
「さて草薙護堂よ。あなたが所持しているゴルゴネイオンを渡してもらおうか」
「断る。俺が易々とゴルゴネイオンを渡すと思ってるのか?」
「いいや。和をもって解決するか試したまで。しかし、あなたは極めて好戦的な神殺しとみた。故に我々に残された選択肢は闘争のみ」
「闘争において勝者こそ正義。筋を通すなら殺し合いが一番手っ取り早い! 行くぞアテナ!」
「望むところだ神殺し、草薙護堂よ! 」
互いに呪力と神力が高まっていく。しかし焦ってはいけない。たまたまサルデーニャ島では神が二柱しか現れなかったが、原作には無かったまつろわぬ神達が降臨しているという魔境に遭遇している。誰かが意図的にまつろわぬ神を招来しているに違いない。どうせグネヴィアだろ。グネヴィアに違いない。違ってもグネヴィアを犯すわ。
「生きているだけで最高さ! そして父なる太陽よ。我が身に日輪の加護を与え給え! 」
いつも通りに波旬の権能を行使して、次に俺はインドの大英雄カルナから簒奪した権能を聖句を詠唱して行使した。天高く輝いている太陽が俺の全身を包み込んで、俺の肉体に変化が起きた。以前、カルナが装備していた鎧が俺に装着されていたのだから。
「ほう。その権能は、あの唯我の邪神からから簒奪した権能とな。それとインド大英雄カルナが授かった太陽神スーリヤの加護を受けた忌々しい太陽の鎧か」
「流石は智慧の女神か。俺が使った権能から神の名を当てるとはな。どんな権能かバレても俺は別に問題ないからな! 」
何故、波旬を知っている? それともただ単純に智慧の女神としての力でアストラル界から知識を得たのか? まぁ、いいや。恐らくこの戦いにまつろわぬ神が乱入してくるから、そいつらを殺してからアテナを捕獲してからのお楽しみだ!
アテナが漫画やアニメに出てきそうな大きな鎌で攻撃してきた。鎌からは濃密な死を感じさせられる。しかし無駄だった。波旬でブーストした状態に加えて、カルナの無敵の鎧。そしてヴリトラから簒奪した権能があるからだ。ヴリトラの権能は常時発動型なので聖句を唱える必要もない。
「忌々しい太陽の鎧に加えて、別の力を感じるぞ! 」
「次はこっちからだ! 我は偉大なる神王なりて、龍蛇を討ち滅ぼす者なり! ヤグルシ、アイムールよ!龍蛇を討滅せよ! 」
メルカルトの武器であり、自動追尾してくれる魔法の棍棒ヤグルシとアイムール。龍蛇が居ないと行使出来ないが、俺には他の権能もあるから別に問題は無い。
ヤグルシとアイムールがアテナを狙って駆ける。アテナがそれを大鎌で軽く防いでいるが、ヤグルシとアイムールは執拗にアテナを責め続けていた。攻撃が当たれば蛇の属性を持つアテナには痛手になるはずだ!
「今度は妾の同胞を刈り取った武器とな。実に多彩な男よ。ふんっ!」
アテナがヤグルシとアイムールを防ぎつつ、俺が手加減している状態で殴り込む形でアテナとの闘争を楽しんでいる時に突然、空から莫大な神力を込められた攻撃を受けてしまった。
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はぁ〜びっくりしたわ! 波旬のブーストとカルナの鎧で無傷余裕でしたわ!
「誰だ! 妾と神殺しの神聖なる闘争に横やりを入れた不埒者は! 」
アテナが空に向かって叫ぶ。激おこだわ。怒ったアテナもクッソ可愛いだけど!
「その態度は何なのだ。愛しい愛娘が神殺しに襲われているから、手助けしてやったというのに⋯アテナよ」
直接、頭に声が届く。声はおっさんの声。死ねばいいのに。絶対に殺すわ。アテナの父親とかギリシャ神話が世界に誇るレイパーで全知全能の最高神ゼウスしかいないんですが! マジで洒落にならないんだよなぁ。頭の可笑しいインド神話よりは少しはマシだけどゼウスは最強クラスの神なのだから。
「本来の妾は貴様の娘などでは無いわ! 妾は古の世の誇り高き大地母神ぞ! ゴルゴネイオンを取り戻し、貴様の娘に貶められた雪辱を今こそ晴らそうぞ! 」
アテナが天を見上げて睨みつけた。すると白髪で白ひげで防具を着ていて右手には雷を握っており、圧倒的なまでの神威を身に纏う老神が現れた。しかし、それに呼応するかな様にゼウスと同等かそれ以上の神力の昂りを感じた。
「娘の反抗期も未知で実に愉快よ。しかし中々、しぶといではないか。普通の人間なら跡形も無く消し炭になっているというのに簒奪した権能の力とは言え、無傷とは流石は神殺しと言ったところか⋯ この感じは!」
「ゼウスゥ! 今度こそ我が勝利する時ぞ! 」
空高く上から見下ろしているゼウスよりも更に上空に、巨大な影が現れた。その影は東京の街どころか、遥か先の見えるところまでもが日に遮られた。そして暴力的なまでに昂ぶっている神力。ヤグルシとアイムールが反応している事からして、蛇または竜の属性を持つまつろわぬ神だ。ゼウスと関係がある竜は限られている。
雲が割れて、その影の正体が現れた。空全体を覆い尽くすほどの巨大。そして上半身は巌の様な重量級の筋肉質な男で、下半身は気持ちが悪くなるほどの毒々しい蛇の身体が何本かに分かれている。
「不意打ちとは随分と情けない全知全能で主神様じゃないか、えぇ? 流石はガチクズ集団のギリシャ神話ですわ。取り敢えず死ね! デカ物も死ね! 」
実際、ゼウスとテュポーンはヤバい。ゼウスの何がヤバいかと言えばゼウスの武器である雷霆ケラウノスだ。神話上では世界を一撃で熔解させ、全宇宙を焼き尽くすことができるらしい。やっぱり神は頭がオカシイ。早く殺さないと世界とこの世の美女達がヤバい!テュポーンも戦闘の余波がゼウスの武器並みに被害が出るから、リスキルしますわ!
俺はアテナをヤグルシとアイムールで足止めしつつ、ゼウスに向かって空高く飛び上がる。自慢の拳なら宇宙を破壊する雷霆ケラウノスでも勝てる。
「吠えたな神殺しよ! 余を侮辱した罪、万死に値するぞ! 余の怒りを食らうが良い! 」
ゼウスは右手の雷霆を俺に向かって投降した。今までまつろわぬ神と戦ってきたが、覇吐と相対していないまつろわぬ波旬には劣るがその次ぐらいに凄まじい莫大な神力が雷霆ケラウノスに込められていた。あくまで俺を殺す為の雷霆。この国とこの世界を滅ぼす威力ではないはずだ。加減をしているゼウスの雷霆と加減していない俺の全力ストレートなら俺の方が断然強いのだから。
俺の絶対の自信を証明するかのように、俺の拳がゼウスの雷霆ケラウノスを打ち破った。波旬の自己強化に加えて、太陽神スーリヤの鎧と邪竜ヴリトラの鱗がある限り物理と特殊な攻撃に対して完全耐性を得ている。
強靭、無敵、最強!
「余のケラウノスが破られただとぉ! 」
「レイパー死すべし、慈悲はない! 」
雷霆ケラウノス打ち破り、そのままゼウスを貫いた。圧倒的なまでの火力。その桁外れな攻撃によってゼウスは跡形も無く一撃で粉砕された。
ゼウスを一撃で粉砕したが、そのまま上空にいるまつろわぬ神、空を覆い尽くす程の巨大なテュポーンの身体を目掛けて、空中を踏んで再び加速した。突然、ゼウスが殺され次はテュポーンの番だとは思えない。
「テメェも死ねぇ! 」
テュポーンがどれだけ巨大で有ろうと、波旬の力の前には無力。ワンパンで瞬殺だ。俺の拳がテュポーンの身体を殴るとそこから身体中に亀裂が走り、まるで暗雲が晴れる様な光景になった。太陽を遮る巨体を木っ端微塵に粉砕してやったわ。
「なんと。それがあの邪神の力というものか。あのゼウスの雷霆ケラウノスを打ち破って葬り、テュポーンですら一撃で屠る威力。妾を持ってしても即死は免れないではないか」
ヤグルシとアイムールだけではアテナ相手には不足だったか。当たれば良いダメージになるんだが。
「俺の攻撃にビビって、闘神アテナがゴルゴネイオンを諦めて尻尾を巻いて逃げるのか? これは傑作だな」
「妾は引かぬ! 媚びぬ! 省みぬ! 妾には前進のみよ! 行くぞ、草薙護堂! 」
俺がアテナを捕獲する為の秘策を行おうとしていると、新たな神力が高まり始めたのを感じた。またかよ!
「アテナを葬るのは俺の役目ダァ! 」
遠くから四頭の馬に戦車を引かせ、鎧をつけて槍を持っている男が大声を叫んで、こちらに迫ってきていた。
「妾を葬るだと? それは無理だと思うがな。間抜けなお前では妾と彼には勝てんよ。アレス」
まるで可哀想な子を見るような大人の目。まぁ、ギリシャ神話でも屈指の不遇な扱いをされている主神ゼウスとその妃ヘラの息子。軍神(笑)なアレスだ。ローマ神話なら軍神マルスで良い扱いされているんだが、今回は不遇の方が来たのか。
「ゼウスとヘラの息子である俺がお前如きや神殺し程度に負けるわけないだろう! 見ていろ! 」
実際、アレスは神話でアテナに敗北している。今回は俺に敗北するけどな! アレスが戦車から飛び上がると、アレスの神力が荒ぶって姿が100メートルを優に超える、200メートル程の巨人になった。ロボットで例えるならガンバスター並みの巨大さだ。でも敵の巨大化は死亡フラグって一番言われているからな!
「テメェ如きが俺様に勝てる訳ないだろ! 一撃でぶっ殺してやる! 」
俺はゼウスから簒奪したばかりの権能を行使する事にした。雷霆ケラウノスを波旬の自己強化でブーストしているから確実に一撃死だ!
「我は、この世を統べる全知全能たる者なり! 我が裁きをその身に与えん! 」
右手に現れた雷霆ケラウノスを莫大な呪力を込めて、アレスに向かって力一杯投げつけた。視界を遮るほどの雷光が広がり、アレスは小物臭がする断末魔を上げながら消滅した。ただの案山子ですな。
「まつろわぬ神を易々と葬るとは。貴方は私が知る中で最も規格外な神殺しよ。妾達の神聖なる決闘に何度も邪魔が入ったが、ようやく勝者を決められるよな」
しかし、また邪魔が入った。ここから東京湾の方角から、ゼウスとテュポーンには劣りアレスよりは濃い神力を存在を感じた。その存在はアテナと俺の方に近づいてきていた。しかしアテナは確実に捕らえないといけない為、先に新しく現れたまつろわぬ神を殺しに行く事にした。
「アテナ。少しだけ時間を寄こせ」
「何故に? 」
「あんたも感じてるはずだ。海の方から新たなまつろわぬ神が襲来している。このままでは俺たちの決闘がまた邪魔されるから、そいつを先に殺してくる。お前との戦いが本命だから最後に誰にも邪魔されずにちゃんとケリを着けたいんだ」
「ほう。ならば少しだけ待ってやろうではないか。もし貴方が約束を違えて、逃げてしまえば妾はこの辺り一帯を石化させてやると、しかと心に刻み込んでおけ」
「物分りが良くて、本当に助かるわ」
よし! 海から来るギリシャ神話と思われるまつろわぬ神をさっさと殺して、アテナを捕獲しようかね。
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俺が東京湾の方向に、自慢の脚による加速で到着した。そこには神力によって操られている水によって構成された馬型の神獣と、それと一体化している上半身が下半身と同じく神力て操られている水で構成されている男で、右手には三つ又の銛のような穂先を持つ矛を握り締められていた。ギリシャ神話でその武器を持っている神格はポセイドン以外に考えられんわ。
「中々に大きいな、アレスよりは小さいか? まぁ、いいや」
遠くのビルからポセイドンと思わしき神を視認した俺は、取り敢えずワンパンする事にした。話すのも面倒だからな。
俺はその場から飛び上がり、ポセイドンの方に向かって空気を蹴って、一気に加速。そしてワンパンしてやった。残されたのは神力によって操られて海水のみ。俺の残る相手はアテナのみ!
俺はアテナがいる方に急いで戻る事にした。
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「待たせたな」
「遅かったではないか? 貴方なら直ぐに戻ってくると思っていたのだがな」
アテナは俺を馬鹿にしてんのか? これが今から俺に敗北する地母神の嫌味か? 邪魔が入った分アテナをサクッと捕獲しようかね。
「別に遅くても問題ないだろ? お前が負けるのは確定してるんだからな! 」
俺は一瞬でアテナとの距離を詰めて、左手で首を掴んで持ち上げた。アテナが抵抗するが波旬で自己強化している無双の怪力にはなす術ない。
そこからは俺の独壇場だった。先ずはウルスラグナの戦士の権能を行使した。そしてエリカから教授の術で教えてもらった知識をアテナの目の前だ解説してやる。アテナも声を上げて抵抗するが、煩いから腹パンして黙らせる。約3分でアテナの経歴を明らかにして、、ウルスラグナの黄金の剣を万全の状態にした。
「これでチェックメイトだ」
「何故、妾だけは他の神とは違いここまで手間をかけるのだ? 他の神々と同じ様に一撃で葬れたのではないのか? 」
「それは終わってからのお楽しみだ! 」
俺はアテナの首をを左手で掴んだまま、ウルスラグナの黄金の剣を腹に突き刺した。アテナは苦悶の表情は浮かべ、吐血して突き刺した腹からは血が流れている。これでアテナの神格を切り裂いた事によって、最後の段階に入った。
「おのれ⋯! 」
「これでお前の神格はズタズタに切り裂かれた。これで最後だ! 」
俺はカーマから簒奪した権能を行使して、弓と矢を出現させた。左手にアテナは掴んだままで、弓は捨てて背中から矢だけを取り出す。アテナの腹には黄金の剣が刺さったままだが、もう役目は終わった。
「その弓矢は! やめるのだ!」
アテナは分かったのだろう。その弓矢が魅了の権能だということを。処女神アテナにはエロスの弓が効かないらしいから、手間を掛けてウルスラグナの黄金の剣を磨いでアテナの神格をズタズタにして魅了の権能を通じる様にしたのだ。
「俺の物になれ! アテナ! 」
カーマの魅了の矢をアテナの心臓めがけて突き刺した。そして無尽蔵な呪力を矢に込め続ける事にした。アテナは矢の効力に抗っていたのだが、次第に敵意と殺意が剥き出しだった瞳から戦意が消え失せてたが、アテナは最後の抵抗で目を閉じた。
「閉じるなよ! 」
俺は矢から手を離して、アテナが目を閉じているのを無理矢理に瞼を開けさせて俺の顔を見せてやった。
「あまり妾の顔を見つめないでくれないか? 流石に照れてしまう。それにこの首の痛みも辛いが、弓矢と剣が刺さったままなのも痛いので抜いて欲しいのだが、お願い出来ないだろうか? 別に貴方に乱暴な事をされるのが嫌いな訳じゃないぞ」
完全勝利UCだな! あれだけ酷いことをされてプライドが高いアテナが、俺に媚びるはずがない! モジモジしているアテナが可愛いなぁ。家のベッドでたっぷりと可愛がろう!
ストック切れ
出来次第、適当に投稿する予定